文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

9日現在、節電を呼びかけなければならない状況ではあるが、安倍政権の危機対応は高く評価すべきだろう。

2018年09月12日 22時05分06秒 | 日記

以下は前章の続きである。

見出し以外の文中強調は私。

菅直人政権とは違う 

乳牛は、毎日、同じ時間に搾乳しなければ乳房が張り、痛みや熱が出て、半数が1日で乳房炎になるといわれる。

最悪の場合、そのまま廃用、つまり殺処分にされる。

ワクチン投与で乳房炎が治まったとしても、生乳の出荷が禁止される休薬期間が1週間から10日間程度発生する。

これだけでも酪農家にとっては大変な被害だが、今回、乳房炎防止のワクチンがほぼ使えなくなったということであり、被害の拡大が予想される。

停電によって社会全体のインフラが機能を停止し、トイレの蓋の開閉や水洗のタイミングでさえも自動で行われる、高度な便利社会となった現代の日本から、そうした機能を全て奪い取ってみせたブラックアウトが、どれ程の真の被害をもたらしたかを見極めるには、今少し時間が必要だろう。

このような被害をもたらしている全道停電が起きた要因は、電力供給を一か所の火力発電所に大きく依存していたからだ。

北海道の電力は今回の震源地近くに立地する苫東厚真発電所が約半分を供給していた。

165万kw発電能力を持つ道内最大のこの石炭火力発電所が地震で緊急停止したため、需給バランスが一挙に崩れて全道停電となったのである。

東京工業大学特任教授の奈良林直氏が語った。

「電力は常に需要と供給が同量でなければ周波数が安定しません。周波数が乱れると発電機や電気を使用する機器が壊れる可能性があり、最悪の場合は大規模な停電になります」

今回、苫東厚真の停止で、電力の供給が一気に落ちた。

突然、バランスが崩れ始め、北海道電力は連鎖的に発電所を停止せざるを得なかったわけだ。

では火力発電所はなぜ停止したのか。再び奈良林氏の説明だ。 

「実は火力発電所は構造的に地震に弱いのです。鋼鉄製の分厚い原子炉圧力容器に燃料集合体が収納され、耐震補強を徹底的に施した原子力発電との違いです。火力発電では、ボイラーで生み出された熱を伝える伝熱管群と呼ばれる管を、熱膨張を避けるために数十mの長さにわたって上部から垂直に吊り下げます。この構造は今回のような直下型の縦揺れに弱く、苫東厚真では1、2号機のボイラーの伝熱管が縦揺れで損傷し、高温高圧の蒸気が吹き出しました。4号機はタービンで火災が発生し、火柱が上がりました。復旧は当初予定の1週間より長くかかるでしょう」 

にも拘わらず、政府の対応は速かった。

3.11のときの菅直人政権とは明らかに違う。

苫東厚真の機能停止を受けて、その他の使える水力発電所、火力発電所を直ちに再稼働させ、民間企業の発電量も組み込んで、驚く程のスピードでほぼ全世帯に電気を通した。

9日現在、節電を呼びかけなければならない状況ではあるが、安倍政権の危機対応は高く評価すべきだろう。

この稿続く。


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