文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

そこに国家が農民を直接搾取する「農業の集団化」がなされたから大変なことになった。これぞ、古代経済への回帰ではなかったか

2018年09月04日 13時12分15秒 | 日記

以下は今朝の産経新聞13ページに掲載された筑波大学大学院教授古田博司氏の歴史には「進歩」も「必然」もないと題して掲載された論文からである。

日本国民のみならず世界中の人たちが読むべき論文であろう。

私がこの正に異能の学者にして世界有数の朝鮮通の学者の存在を初めて知ったのも4年前の8月以降の事だった。

それまで長い間、朝日新聞を購読・精読していたから彼の事は全く知らなかったのである。

これほどの異能にして博学な学者を意図的に除外していた朝日新聞の偏向報道も極まっていたわけである。

朝日新聞は彼や高山正之のような本物の学者やジャーナリストについては全く知らせなかった。
朝日は金太郎飴のように、自虐史観と、そこから生じている反日思想(日本を上から目線で見て蔑視する)を似非モラリズムとポリティカル・コレクトネスで語るだけの学者や所謂文化人たちを紙面に登場させ続けて来た。
購読者はそんな朝日の意向通りの論説を読まされ続けて来たのである。

或いは「岩波楼で反日の春をひさぐ」者達の「まことしやかな嘘」を読まされ続けて来たのである。

その結果の一つとして、朝日新聞の購読者は全員、例えば、韓国を悪く言ってはいけない、などと言う何の根拠もないナンセンスの極みを無意識の領域にまで植え付けられて来たのである。

相手が「底知れぬ悪」と「まことしやかな嘘」の国だったから日本国と日本国民が今に至るも莫大な大損害を被っている事は歴然たる事実である。

朝日新聞が世界に対して自分たちの捏造報道である事を今に至るも告知していない事も歴然たる事実である。

見出し以外の文中強調は私。

1970年代、フランス人が「大きな物語」が終わった、近代が終わったと騒ぎだした。

イギリス人は91年にソ連が崩壊したとき、近代が終わったとしらっと言った。

ドイツ人は90年代に終わったのは小さな近代だ、これからが本格的な近代なのだ、もう一回やるから「再帰的近代化」だと強気だったが、やがてうやむやになった。

アメリカ人は特別で、古代も中世もないから、近代という時代区分に関心がない。

彼らにとってはいつも現代だ。 

ドイツ哲学にだまされた 

日本人はどうかといえば、長く続いたドイツ哲学の教育体系のせいで、どっぷりと「近代」につかっていた。

「歴史は進歩する」と信じていた。

冷静に考えれば、そんなことはあり得ないことだ。

15世紀に古代帝国として出現したインカは、16世紀に中世スペインからやってきたピサロに滅ぼされてしまったではないか。

古代と中世が同時期に共存しているし、一方は古代で終わっている。  

「ありや。だまされた」と思った人が「歴史はギザギザしている」と言い出した。

そう、だまされていたのだ、ヘーゲルとマルクスに。

哲学者の廣松渉さんが「ヘーゲル本人としては、父なる神の時代、子なる神の時代、それにつづく聖霊なる神の時代という具合に歴史が展開すると考えているわけでして、彼の考えでは、自分は聖霊なる神の時代の予言者のつもりだったのではないか」(五木寛之・廣松渉『哲学に何かできるか』)と言っている。 

マルクスの場合はもっと巧妙で、歴史は段階を踏んで進歩する、最終的には社会主義、共産主義が来るので安心して頑張ろうと革命家たちを励ました。

結果、いくつかの国で革命がおき、社会主義体制になり、専制支配と身分制で多くの人々が不幸になった。 

第一、専制支配と身分制は古代の特徴ではないか。

そこに国家が農民を直接搾取する「農業の集団化」がなされたから大変なことになった。

これぞ、古代経済への回帰ではなかったか。 

この稿続く。

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