この稿続く。
排華法が再び?
高山
アメリカに浸透した中国だけど、ここにきて米中貿易戦争も始まり、孔子学院をはじめとして追い立てられようとしている。
河添
孔子学院を受け入れている大学への国防総省の基金を制限する、との文言が入った国防権限法が、七月に可決されました。
さらに、孔子学院の教授らのビザ更新をしない方向に舵を切っているようです。
いかなる目的で、孔子学院が大学に拡散されていったのか。
一つは世界のエリートを中心に、中国共産党シンパにすること。
さらにFBI長官は二月、「米政府関連の情報までも違法に入手するスパイ活動にかかわっている容疑がある」ことを公にしました。
もう一つが、南京大虐殺や慰安婦などのフェイク・ヒストリーを垂れ流し、日本を残虐非道な国家・民族だと植えつけ、世界から孤立させることです。
こういった工作の胴元は、現政権で序列五位に昇格した王滬寧だと見ています。
トランプ政権は、二十一世紀の赤狩りを始めています。
その対象がツ連のコミンテルンではなく、中国共産党の工作員になりました。
在米中国人を百数十年前と同様に排斥する流れになっている、というか。
高山
1882年に制定された中国人排斥法(排華法)だね。
河添
排華法で在米中国人が虐げられた、謝れと、カリフォルニア州で中国系の州議会議員が提出した「中国人排斥に対する謝罪決議案」は、2009年、全会一致で可決しました。アーノルド・シユワルツェネッガー知事が署名し、民族差別・迫害に対する遺憾の意を表明しています。
で、中国系移民、そしてニューカマーが勢いづいちゃった。
アイリス・チャンの悲劇
高山
リンカーンが黒人奴隷の廃止を決めた後、黒人が激増して問題になった。
でも、奴隷は欲しい。
で、増えない奴隷として中国人労働者である苦力を入れ始めた。
アメリカ横断鉄道の工事は、苦力に負うところが大きかった。
横断鉄道の工事が終わって苦力が余ると、みんな殺していった。
アメリカの闇は深いね。
反日の中国人グループから資料を提供され、『ザ・レイプ・オブ・南京』でヒットを出したアイリス・チャンは、次に自力で1870年代の苦力貿易から、そのあとの殺処分までを書き上げた。
そうしたら、あれほど南京大虐殺では褒めてくれた『ニューヨーク・タイムズ』以下が、アメリカの暗部を暴くなどとんでもないとめちゃくちゃに酷評した。
落ち込む彼女にアメリカはまた褒めてやるからと次の作品に、アメリカ人捕虜が日本軍にひどい目にあわされたバターン死の行進を書けと指示してきた
で、調査を始めたら、歩いた距離はほんの百キロほど。
それも数日かけて。おまけに途中でコーヒーブレークはある、海水浴も楽しんでいる。
書かされる内容と事実がまるで違っていた。
本人は悩んでいたそうだ。
苦力の実態のときのように本当のことを書いたら、袋叩きにあう。
今度もまたウソを書けというのかと。
「アイリス・チャンには支那人には珍しく良心があった」とコラムで書いたことがある。
最後は拳銃自殺したと報じられている。
河添
他殺の疑いもありますよね。
苦力の歴史を突き詰めると、アヘン利権を共有していた世界の大富豪たち、アメリカ大統領の一族を含めてヤバイことになりますからね。
過酷な労働を強いられた苦力たちは、疲労を感じないようにするためアヘンに依存していました。
高山
結局、苦力は生き残り、サンンランシスコやニューヨークには巨大な組織ができた。
排華法で追い出しにかかったものの、そのうち状況が変わってきた。日本が日清戦争、日露戦争で勝利を収め、さらには中国の留学生を受け入れて、日中が互いに手を握りそうな気配が出てきた。
日清戦争で敗戦の責任を取って毒をあおって死んだ丁汝昌は、かねて「日中が手を携えて”欧鯨米虎”に立ち向かおう」と言っていた。
セオドア・ルーズベルトは日中が接近する様子を真剣に受け止め、日本を倒すためにあれほど嫌った中国を使う気になった。
それが日露戦争のあとつくった清華課堂(のちの清華大学)だった。 排華法の時代から30年も経たないうちに、日本叩きの道具として中国人を使いまわすようになった。
清華大の学生や胡適や宋美齢、顧維釣など、一本釣りした人材をアメリカに留学させた。
日中史に名前が出てくる中国人は皆、アメリカ留学生と思って間違いない。
留学先は、コロンビア大学とミズーリ大学が多かった。
中国人を入れて、アメリカナイズして送り返して親米反日に仕立てた。
河添
で、中国政府は改革開放後、“親中反日分子”を量産する目的で、アメリカのサル真似をやってきたってことですね。
この稿続く。