以下は「韓国許すまじ」と題して先日発売された月刊誌正論に、歴史を否定する愚、韓国に反省を促す、と題して掲載された石原慎太郎氏の論文からである。
*~*は私。
最近の韓国の日本に対する高ぶりを見ているとあきれて物が言えない。
ごく最近の日本の哨戒機に対する引き金の一歩寸前のレーダー照射事件にせよ、戦争中の徴用工への非難と彼等を使役した日本の社会への賠償請求や在韓国の資産の凍結没収にせよ、果ては従軍慰安婦問題への非難にせよ、その背景に在った日本の朝鮮統治という歴史の構造を鑑みなければならない。
他民族による統治と言う屈辱はよくわかるが、その屈辱の歴史的背景を無視し、その歴史的事実そのものの道義的責任をこの今になって非難しそれを踏まえて既に政治的に決着している筈の問題を蒸し返し、要するにまた金をせしめようという魂胆は卑しいとしか言いようもない。
かつての朝鮮の合併統治という彼等にとっては屈辱的で痛ましい歴史の出来事の背景には、朝鮮半島という地勢学的に劣悪な宿命的な条件が在ったということを世界の歴史を参照にして認識すべきだろう。
世界には朝鮮半島に酷似した、総称してフリンジと呼ばれる大きな半島が幾つかある。
その典型は動乱の絶えなかった東欧のバルカン半島でありアジアにあってはベトナム、ラオス、カンボジヤが割拠するインドシナ半島、そして朝鮮半島だ。
これらの大きな半島は絶えず半島の根元に君臨する大国に浸食影響され幾つかの国に分裂しながら相剋し続けてきたというのが歴史の公理だ。
朝鮮半島もまたその類を出なかった。
かつてユーラシア大陸の殆どを支配しつくしたモンゴルが島国の日本にまで手をのばし攻めこもうとした時も、そのための通路にされた朝鮮半島の国々は日本に渡る軍船を造るために国中の木を切り倒され丸裸にされてしまった。
日本が朝鮮を合併した頃のアジアの情勢はそれまで朝鮮の宗主国だった背後の清国が衰微しそれに乗じて北の大国ロシアが南下し始めていて、清が退けばロシアがそれに乗じて朝鮮半島を席巻するであろうことが自明だった。
その危機感のもとに朝鮮の政府と議会は日本との合併を彼等の意志として合議選択したのだ。
それこそが歴史の歴然たる事実だ。
彼等の選択が間違っていなかったことも証明されている。
ヨーロッパの外国人アレン・アイルランドが書いた『THE NEW KOREA―朝鮮が劇的に豊かになった時代』という本が証すように日本の統治こそが朝鮮半島に教育を普及させ、鉄道や発電のためのダムなどの社会資本を造成して与えたのだ。
私が親しく知遇を得た、韓国の近代化に功績のあった朴正煕大統領が語っていたことだが、貧農の家に生まれながら学問に憧れていた彼が学校に通え、その才を認められ日本の士官学校にまで入りさらに首席で卒業出来たのは日本による統治がもたらした結果であった。これは彼自身が肩をすくめながら語っていたことだ。
この今になって彼等が非難する慰安婦や徴用工の問題にしても異民族による統治への屈辱が引き金となっているのはわかるが、それをもたらした歴史の背景を無視していたずらに感情的に非難を繰り返しても互いに得るものは何もありはしまい。
日本による統治支配という歴史の事実をもたらしたのは彼等の先祖の裁断の責任であって、それを他に転嫁しての非難は、歴史という事実を無視歪曲してかかる粗暴な姿勢でしかありはしない。
慰安婦の問題にしてもあの世界中にばらまかれている少女の銅像にしてもフィクティシヤスなもので、当時あのようにいたいけな幼い女の子までがかりたてられたとは思えない。
通説では二千人の女性が駆り出されたとされているが、当時人口二千万とされていた朝鮮の中で、通説二千人もの女性が官憲によって強引に慰安婦にしたてられたとするなら、当時の朝鮮の男たちはそれをただ看過していたのだろうか。
とすればなんとも情けない話ではないか。
比べて敗戦直後の日本では抑圧されていたいわゆる第三国人たちがのさばり日本の婦女子に狼藉を働いていた中で、戦争帰りの若者たちが絶対権力者だったアメリカ軍のMPにまで盾ついて彼等を駆逐したものだった。
渋谷の安藤組や銀座の銀座警察などという暴力組織はその気骨の象徴だった。
この稿続く。
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