以下は前章の続きである。
アンチ・トランプ派官僚の傲慢
ヒラリーを支持していたリベラルの識者のなかには、この私的メール問題を「大したことではない」と開き直る輩もいましたが、それで許されるなら、どんな問題でも「大したことはない」ことになってしまいます。
自分に都合の悪いときだけ問題を矮小化するのは、リベラルの悪弊の一つといえます。
公文書の管理が重要なのは、セキュリティの問題ももちろんありますが、それ以上に記録が残らないことです。
政府が不正を働いていないか、国民がチェックできなくなってしまう。
ヒラリーのやっていたことは、民主主義の原則を踏みにじるような行為であり、だからこそアメリカで大問題とされたのです。
さらに現在、トランプ政権が困っているのは、連邦政府のアンチ・トランプ派の官僚がencrypted(暗号化された)メッセージでメールをやりとりするようになっていることです。
官僚がそんなことを始めると、政治の透明さが失われ、アメリカが中国のような閉鎖的社会になりかねない。
彼ら一部のエリート官僚たちは、国民のことをまるで考えておらず、非常に傲慢だと思います。
厄介な「IYI=知的なバカ」
日本でも森友学園問題について財務省の官僚が決裁文書を改竄していたことが明らかになり、私は呆れました。
ほんとうに国民を馬鹿にした行為であり、けっして許されることではありません。
防衛省の日報問題のときも思いましたが、日本の役所はアメリカと比べて公文書管理がいい加減な印象があります。
アメリカでは最近、自分の行動を客観視して、うまく修正できない高学歴エリートたちは「IYI(Intellectual Yet Idiot=知的なバカ)と揶揄されています。
たしかにインテリではあるが、現実のことはまるでわかっていない。要するに無能という意味です。
彼らは試験で高得点を挙げるのは得意で、多くは官僚となりますが、実際に一台のクルマをつくったり、患者を診たことはない。
しかし、厄介なことに文書を書くのは得意だから、規制ばかりつくる。
たとえば、EPA(アメリカ合衆国環境保護庁)は「クリーン・エア・アクト(大気浄化法)」という法律を根拠に、川辺や畑から舞い上がるホコリを規制しようとしました。
さすがに共和党の議員が事前に察知してやめさせましたが、自然現象を規制しようというのは、まさしく「バカ」な行為だというしかありません。
このように「IYI」には自分の考えが絶対に正しいと信じて疑わず、しかもそれを他人に押し付けようとする傾向があります。
卜ランプ大統領はそうした現場・現実知らずの「IYI」のいうことを信じず、自分で現場に足を運び、真相を確かめようとします。
だからこそ、高学歴の「IYI」に疎まれて、前述のメールを暗号化されるような縢がらせを受けるのでしょう。
官界だけでなく、いまやリベラルに完全に支配されているアメリカのメディア界にも「IYI」は多数存在します。
「IYI」の巣窟ともいえるメディアは連日のようにいわれなきトランプ批判を浴びせている。
じつはトランプ大統領自身も、ペンシルベニア大学ウォートン・スクールで経済学士号を取得しており、立派な学歴エリートだといえます。
しかし、そんなトランプ大統領が名門のウォートン・スクールで覚えたことが「学位に感銘しないほうがいい」だったそうです。
机の上の勉強だけでは何も身に付かないことを、卜ランプ大統領は若いときの経験から知っているといえます。
この稿続く。