以下は前章の続きである。
p157から
中韓の「正しさ」の押しつけ
同じような特性を持つ中国人と韓国人だが、その行動パターンを理解するうえで欠かせないのが「正当性」と「正統性」の違いである。
わが日本国では区別するのが難しいが、この二つの違いをきちんと認識することで、朴氏の過度な反日行動の原因も分かる。
では、「正当性」と「正統性」はどう違うのか。
まず、正当性は「これが正しい!」「俺が正しい!」と正当であることを信じるのが正当性だ。
だから異端からも正当な権力は生まれる。
16世紀頃まで、カルヴァン派はキリスト旧教にとって異端だったが、ここから当時のジュネーブの新政権が出てくる。
一方で、正統性は「どちらが正しいか。こちらだ!」という選択を経て選ばれたものが正統で、除かれたものが異端である。
正しさを判断する際には権威ある公的な選択を経たもの、という解釈が成り立つ。
お分かりになるだろうか。
正当性には公的な選択がない。
「俺は偉い!「俺が正しい!」という正当性、すなわち中華思想である。
中国が東シナ海に設定した防空識別圏にしても「俺たちが正しいから防空識別圏を敷くんだ」という正当性で、当然、世界からは全く受け入れられていない。
しかし「自分たちが正しい」ということに関しては、「正統性」よりも強い。
他方で、朝鮮を論じる際には「正統性」を用いる。
なぜなら南北に分かれる朝鮮半島では、どちらに国家の正統性があるかを即断することは困難で、韓国国内でも北朝鮮に国家の正統性がある、と主張する勢力と、韓国側にこそ正統性があるとする勢力に分かれるからである。
韓国では1990年代に北朝鮮の思想工作が大学に浸透し、ソウル大学を中心として大学の自治会が次々と主体思想派に乗っ取られていくなど、今日の従北勢力の基盤を形成した。
これを北朝鮮では、韓国に解放の根拠地を作るということで「民主基地論」と呼ぶ。
1946年に金日成によって唱えられた革命路線だったが、これがまさに成功したのがいまの韓国である。
この稿続く。