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返済条件などが不透明なCPEC事業の契約内容の開示をIMFが迫れば、中国が反発するのは間違いない。

2018年08月01日 11時23分33秒 | 日記

以下は今日の日経新聞9ページからである。

見出し以外の文中強調と*~*は私。

パキスタン重い対中債務

新政権、財政難抱え11日にも発足

IMF支援 米が難色

【ニューデリー=黒沼勇史】7月25日のパキスタン総選挙で第1党になったパキスタン正義運動(PTI)が8月11日にも新政権を発足させる見通しになった。社会保障の充実などを掲げるが、財政は火の車だ。前政権が中国の支援で進めたインフラ事業で対外債務がかさむ一方、外貨準備は大幅減。国際通貨基金(IMF)へ支援要請が予想されるが、軍部、中国の反発は必至だ。米国も融資が債務返済に回る可能性を懸念し反対の姿勢。重荷を背負った形での船出になる。

PTIの報道担当は7月30日、連立合意した他党分を含め、下院定数342議席のうち「168議席を確保した」と述べた。

無所属議員らとの交渉で、過半数に必要な残り4議席の確保を急ぐ。

政権発足は旱ければ8月11日との見方も示した。 

首相に就くのは同党のイムラン・カーン党首(65)だ。

クリケットのスター選手から政治家に転身して20年超。

ようやく政権与党の座をつかんだが、前政権から引き継ぐのは巨額の対外債務だ。

中国が資金拠出 

首都イスラマバード郊外の国鉄ゴルラシャリフ駅。

北西部ペシャワルと南部カラチを結ぶ主要路線の大きな駅だが停車は1日に上下3本ずつ。

年季の入ったディーゼル機関車が走る。

2022年を目標にこの路線を再生する計画が進む。 

約1870㎞に及ぶ全線を複線化し、自動制御の運転システムを導入する。時速160㎞の旅客列車を走らせる。予想投資額は81億ドル(約9千億円)に達する。

資金の出し手となるのは中国政府だ。 

中国西部からパキスタンを縦断するインフラ事業「中パ経済回廊(CPEC)」の一部。

CPECは45年度(15年7月~16年6月)に本格化し、総事業費620億ドルの大半を中国が融資。発電所や道路、港湾も整備する。

中国の広域経済圏構想「一帯一路」の一環だ。 

パキスタン経済は17年度まで2年連続で実質5%台の高い成長を記録した。CPECに伴う積極投資が押し上げた。

だが、副作用もある。建設資材を軸に中国からの輸入が急増した。

17年度の対中貿易赤字は100億ドルと、5年間で5倍。

外貨準備高は2年弱で100億ドル減り、7月20日時点の残高は90億ドルにすぎない。

輸入額の2ヵ月分弱という心もとない水準に落ち込んだ。 

債務返済の負担も増す。

IMFによると、対外債務は17年度で国内総生産(GDP)の28.5%だが、その償還額はGDR比で17年度の3.5%から、20年度に6.6%に膨張する。

税収はGDPの13%前後で、財政運営の自由度は激減する。

軍部の抵抗も 

米シンクタンクの世界開発センターは3月、「一帯一路関連で特に債務負担リスクのある8ヵ国」の一つにパキスタンをあげた。

英キャピタル・エコノミクスは、PTIが公約した所得支援策や教育充実など「社会保障予算の拡充計画は棚上げが必至だ」と指摘する。 打開策として多くの関係者が予想するのが、IMFへの財政支援要請だ。英スタンダードチャータード銀行は「組閣し次第、IMFに緊急(支坂)プログラムを申請する」とみる。

パキスタンは13~16年にも計61億ドルのIMF支援を受けた。 これには国内外から抵倶が予想される。

返済条件などが不透明なCPEC事業の契約内容の開示をIMFが迫れば、中国が反発するのは間違いない。

選挙でPTIを支援したとされるパキスタンの軍部も同意しない可能性が高い。

インドの外交専門家は「軍傘下の建設会社がCPECで利益を得ており、軍は事業の中断を許さない」とみる。 

IMFの最大出資国である米国のポンペオ国務長官も7月30日、「中国に返済するために(IMFの)資金を使う根拠はない」とけん制した。

IMFの融資が得られなければ、新政権が頼れる相手は中国だけになるかもしれない。

巨額の融貢を受ける国から、債務價還資金まで借りる事態になれば、行政全般への中国の発言力は高まる。 

懸念は安全保障にも及ぶ。

パキスタンは対立するインドと共に核保有国だ。

同じく核保有国の中国の傘下に入れば、核兵器を巡る世界のパワーバランスが変容しかねない。

武装勢力が勢いを増す隣国アフガニスタンの治安改善へ、米国はパキスタンの積極関与を求めるがそれも難しくなる。 

与党だったパキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)など多くの政党が「選挙に不正があった。結果の受け入れを拒否する」と反発。

選挙のやり直しを求める声も上がる。

*このような実態の中国の「一帯一路」構想、そのための金融機関であるAIIBに朝日新聞中国支局の吉岡圭子は日本も急いで入るべきだとの論説を書き、AIIBの事務局長はふくよかな紳士だなどとまで賞賛していることを高山正之は手厳しく批判していたのだが、

朝日の中国や朝鮮半島の駐在員達は全員がマネートラップやハニートラップにかかっていると言っても過言ではないだろう。

つまり全員が彼らのシンパであり工作員同然の人間達だろう。*


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