トミーのブログ 1

園芸研究家(園芸家) 富山昌克(トミー)が日々に感じたことや書き留めておきたいこと。

リカステを買って下さった皆さまへ

2007年04月17日 21時54分34秒 | 『花・野菜・果樹』に対する想い
ペンギンさんをはじめ、いろんな方々のところへリカステはお嫁に行きました。
ありがとうございます。
そのたくさんのお客様のなかから、ご質問を頂きました。
リカステをご購入頂いたお客様、どうかちゃんと生育しているか?
ご確認くださいませ。

>今の心配事は4枚ある葉のうち2枚が、黄色く変色してしまったことです。
購入してきた時から室内に飾り、水は2~3日に一度あげてました。
ところが、その水やりを毎日にしてから葉が変色したように思います。
今はまた水やりを2~3日に戻してますが、黄色くなってしまった葉はどうしたらいいでしょうか?

■黄ばんだ葉はどこについていたものでしょうか?

葉は、花が付いていたバルブ(丸っこい短い茎)上部に付いたものでしょうか?
4枚ある葉、ということなので、おそらく花が付いていたバルブの葉だと思うのですが、・・・。

花が付いていたバルブの葉は、基本的に開花する頃、切り取っても問題ありません。その葉は昨年、花を咲かせるために光エネルギーを糖エネルギーに変換していたものなので、枯れてしまっても問題ありません。黄ばんで見苦しい場合は、葉の基部(バルブ上部との付け根)でハサミで切り取ってください。

花が付いていたバルブから、新しい新芽(竹の子状の芽)がでて、その新芽が生長し展開してきた新しい葉が黄ばんできていたら、重症なので、すぐに植え替える必要があります。

■水やりの頻度について

毎日、水やりするのは少し多いかもしれません。
正しい水やりは、くしや割り箸を鉢の内部まで突き刺して、
引っこ抜き、くしを握って乾いていたら水やりをします。

リカステは着生ランで、樹木に着生して生きていますので、
根が濡れたら、乾くことを要求します。鉢内部がずっと湿っていると、嫌気性バクテリアが繁殖して、リカステの根を食べはじめることが起こります。園芸でいう『根腐れ』というものです。

リカステが水分を吸収する以上に水をやるのはやりすぎとなり、植え込み材料や根が腐ってくることがあります。

そのようなときは、植え替えをしなければいけません。

■植え替えについて

園芸店やホームセンターで、乾燥圧縮した『水ごけ』と3~4号鉢サイズの『素焼き鉢』を購入してきましょう。水ごけは、バケツなどにいれ、水に浸し、水でもどったら、しっかり搾って水を切り、その水ごけをまた開いて、ふあ~と置いておきます。ふわっとした濡れた質感にしてから植え替えを行います。

植え替えは株によって成長状態が違うので、3月中旬から5月上旬頃までに、花が終り新芽の出る少し前に、バルブの芽の位置を確認して行うか、または、新芽が2~3cm伸びるのを待って行うのが良いと思います。

水のやりすぎで、根腐れ(すべての根が茶色くなって、ずるずるに腐ってしまうこと)を起こしたときは、すべて植え込み材料を取り除く必要があります。リカステを腐らすバクテリアが鉢内に繁殖していますから、鉢から抜き、植え込み材料をすべて取り除きます。

新しい水ごけを新芽がでているほうを多めにつけて、新しい素焼き鉢に植え込みます。

植え込んだあとは、日陰で、鉢内を十分乾かします。

植え替え後の管理は新芽が伸び10~15cmほどになって、葉先が展開し始めて発根するまでは。水やりをやや控えめにします。

新芽の発根が確かめられたら、水やりを増やし1回目の肥料をやり、以後盛夏を除いて月に1度の割で施肥をします。

一般に生育中は水と肥料を好むほうだと思います。

置き場は半日陰が適しています。
半日陰とは、50%遮光した場所のことですが、
洗濯物の陰になるようなところです。
直射日光には当てないようにします。


以下は年間管理です。

■新芽が出る時期:3~5月
 新芽が鉢からはみ出してしまうような時は植え替えをします。鉢から根鉢を抜き取り、古い水ごけは付けたままで鉢増しします。新芽が出ている側に新しい水ごけを付け、一回り大きい新しい素焼き鉢に植え込みます。その際、緩効性化成肥料を鉢サイズに応じて、適量施します。
 置き場は、5月の大型連休まで日当たりの良い窓辺に置きます。植え込み材料の表面がやや乾いたら、晴れた日の午前中にたっぷり水やりします。

■夏越し対策:6~8月
 戸外の明るい日陰に置きます。広葉樹の下などに吊り下げるのが理想です。昼温30℃を越す極暑期は休眠状態に近くなるため、鉢内にはあまり水を溜めないようにします。また少しでも気温を下げるために、早朝や夕方に葉水したり、鉢の周辺に打ち水します。

■バルブを生長させたい秋:9~10月
 夜温が下がってくるとリカステの成長が活発になります。適温は24~25℃。成長が活発になるため、乾きはじめたらすぐに水やりします。1000倍に希釈した洋ラン用の液体肥料を週1回施しましょう。花芽分化を促すために、リン酸分の高いリンカリ肥料などを、鉢サイズに応じて適量施します。
 夜温が7℃くらいになるまで、しっかり低温に遭わせてから室内に取り込みましょう。


■花芽を育てる冬:11~2月
 花芽が出てきたら2000~3000倍に希釈した液体肥料を水やり代わりに施します。花芽を育てる適温は10℃前後です。最低温度は5℃でも問題はありません。夜温が15℃以上になると、株のエネルギーが消耗しますので注意しましょう。夜温18℃前後だと新芽が成長して作落ちしてしまうことがあります。冬に新芽を動かさないようにするため、低温で管理しましょう。花芽を育てるために、窓越しの光にはしっかり当てましょう。


最後に
洋ラン栽培は、コツさえつかめば、案外来年もまた開花してきます。
枯らしてしまう原因は、水やりの頻度だと思います。
みなさん、初めてのときは、どうしても水やりの間隔がわからなくて
枯らしてしまうものです。
どうか1~2度、枯らしてしまっても、ガーデニングを嫌わないでください。
失敗を繰り返して、少しずつ上手になっていくものですから、・・・。

また何かありましたら、お気軽にお尋ねくださいね。

園芸研究家 富山昌克

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1 コメント

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助かりました (あつこ)
2007-04-17 23:54:55
素焼き鉢に植え替えしようと準備しているところでした。鉢のサイズもどれくらいがいいのか分からなかったので目安になりました。新芽を捜したのですが見当たらないので新芽が出てきたら5月上旬までに植え替えようと思います。ありがとうございました!

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