ペンギンさんをはじめ、いろんな方々のところへリカステはお嫁に行きました。
ありがとうございます。
そのたくさんのお客様のなかから、ご質問を頂きました。
リカステをご購入頂いたお客様、どうかちゃんと生育しているか?
ご確認くださいませ。
>今の心配事は4枚ある葉のうち2枚が、黄色く変色してしまったことです。
購入してきた時から室内に飾り、水は2~3日に一度あげてました。
ところが、その水やりを毎日にしてから葉が変色したように思います。
今はまた水やりを2~3日に戻してますが、黄色くなってしまった葉はどうしたらいいでしょうか?
■黄ばんだ葉はどこについていたものでしょうか?
葉は、花が付いていたバルブ(丸っこい短い茎)上部に付いたものでしょうか?
4枚ある葉、ということなので、おそらく花が付いていたバルブの葉だと思うのですが、・・・。
花が付いていたバルブの葉は、基本的に開花する頃、切り取っても問題ありません。その葉は昨年、花を咲かせるために光エネルギーを糖エネルギーに変換していたものなので、枯れてしまっても問題ありません。黄ばんで見苦しい場合は、葉の基部(バルブ上部との付け根)でハサミで切り取ってください。
花が付いていたバルブから、新しい新芽(竹の子状の芽)がでて、その新芽が生長し展開してきた新しい葉が黄ばんできていたら、重症なので、すぐに植え替える必要があります。
■水やりの頻度について
毎日、水やりするのは少し多いかもしれません。
正しい水やりは、くしや割り箸を鉢の内部まで突き刺して、
引っこ抜き、くしを握って乾いていたら水やりをします。
リカステは着生ランで、樹木に着生して生きていますので、
根が濡れたら、乾くことを要求します。鉢内部がずっと湿っていると、嫌気性バクテリアが繁殖して、リカステの根を食べはじめることが起こります。園芸でいう『根腐れ』というものです。
リカステが水分を吸収する以上に水をやるのはやりすぎとなり、植え込み材料や根が腐ってくることがあります。
そのようなときは、植え替えをしなければいけません。
■植え替えについて
園芸店やホームセンターで、乾燥圧縮した『水ごけ』と3~4号鉢サイズの『素焼き鉢』を購入してきましょう。水ごけは、バケツなどにいれ、水に浸し、水でもどったら、しっかり搾って水を切り、その水ごけをまた開いて、ふあ~と置いておきます。ふわっとした濡れた質感にしてから植え替えを行います。
植え替えは株によって成長状態が違うので、3月中旬から5月上旬頃までに、花が終り新芽の出る少し前に、バルブの芽の位置を確認して行うか、または、新芽が2~3cm伸びるのを待って行うのが良いと思います。
水のやりすぎで、根腐れ(すべての根が茶色くなって、ずるずるに腐ってしまうこと)を起こしたときは、すべて植え込み材料を取り除く必要があります。リカステを腐らすバクテリアが鉢内に繁殖していますから、鉢から抜き、植え込み材料をすべて取り除きます。
新しい水ごけを新芽がでているほうを多めにつけて、新しい素焼き鉢に植え込みます。
植え込んだあとは、日陰で、鉢内を十分乾かします。
植え替え後の管理は新芽が伸び10~15cmほどになって、葉先が展開し始めて発根するまでは。水やりをやや控えめにします。
新芽の発根が確かめられたら、水やりを増やし1回目の肥料をやり、以後盛夏を除いて月に1度の割で施肥をします。
一般に生育中は水と肥料を好むほうだと思います。
置き場は半日陰が適しています。
半日陰とは、50%遮光した場所のことですが、
洗濯物の陰になるようなところです。
直射日光には当てないようにします。
以下は年間管理です。
■新芽が出る時期:3~5月
新芽が鉢からはみ出してしまうような時は植え替えをします。鉢から根鉢を抜き取り、古い水ごけは付けたままで鉢増しします。新芽が出ている側に新しい水ごけを付け、一回り大きい新しい素焼き鉢に植え込みます。その際、緩効性化成肥料を鉢サイズに応じて、適量施します。
置き場は、5月の大型連休まで日当たりの良い窓辺に置きます。植え込み材料の表面がやや乾いたら、晴れた日の午前中にたっぷり水やりします。
■夏越し対策:6~8月
戸外の明るい日陰に置きます。広葉樹の下などに吊り下げるのが理想です。昼温30℃を越す極暑期は休眠状態に近くなるため、鉢内にはあまり水を溜めないようにします。また少しでも気温を下げるために、早朝や夕方に葉水したり、鉢の周辺に打ち水します。
■バルブを生長させたい秋:9~10月
夜温が下がってくるとリカステの成長が活発になります。適温は24~25℃。成長が活発になるため、乾きはじめたらすぐに水やりします。1000倍に希釈した洋ラン用の液体肥料を週1回施しましょう。花芽分化を促すために、リン酸分の高いリンカリ肥料などを、鉢サイズに応じて適量施します。
夜温が7℃くらいになるまで、しっかり低温に遭わせてから室内に取り込みましょう。
■花芽を育てる冬:11~2月
花芽が出てきたら2000~3000倍に希釈した液体肥料を水やり代わりに施します。花芽を育てる適温は10℃前後です。最低温度は5℃でも問題はありません。夜温が15℃以上になると、株のエネルギーが消耗しますので注意しましょう。夜温18℃前後だと新芽が成長して作落ちしてしまうことがあります。冬に新芽を動かさないようにするため、低温で管理しましょう。花芽を育てるために、窓越しの光にはしっかり当てましょう。
最後に
洋ラン栽培は、コツさえつかめば、案外来年もまた開花してきます。
枯らしてしまう原因は、水やりの頻度だと思います。
みなさん、初めてのときは、どうしても水やりの間隔がわからなくて
枯らしてしまうものです。
どうか1~2度、枯らしてしまっても、ガーデニングを嫌わないでください。
失敗を繰り返して、少しずつ上手になっていくものですから、・・・。
また何かありましたら、お気軽にお尋ねくださいね。
園芸研究家 富山昌克
ありがとうございます。
そのたくさんのお客様のなかから、ご質問を頂きました。
リカステをご購入頂いたお客様、どうかちゃんと生育しているか?
ご確認くださいませ。
>今の心配事は4枚ある葉のうち2枚が、黄色く変色してしまったことです。
購入してきた時から室内に飾り、水は2~3日に一度あげてました。
ところが、その水やりを毎日にしてから葉が変色したように思います。
今はまた水やりを2~3日に戻してますが、黄色くなってしまった葉はどうしたらいいでしょうか?
■黄ばんだ葉はどこについていたものでしょうか?
葉は、花が付いていたバルブ(丸っこい短い茎)上部に付いたものでしょうか?
4枚ある葉、ということなので、おそらく花が付いていたバルブの葉だと思うのですが、・・・。
花が付いていたバルブの葉は、基本的に開花する頃、切り取っても問題ありません。その葉は昨年、花を咲かせるために光エネルギーを糖エネルギーに変換していたものなので、枯れてしまっても問題ありません。黄ばんで見苦しい場合は、葉の基部(バルブ上部との付け根)でハサミで切り取ってください。
花が付いていたバルブから、新しい新芽(竹の子状の芽)がでて、その新芽が生長し展開してきた新しい葉が黄ばんできていたら、重症なので、すぐに植え替える必要があります。
■水やりの頻度について
毎日、水やりするのは少し多いかもしれません。
正しい水やりは、くしや割り箸を鉢の内部まで突き刺して、
引っこ抜き、くしを握って乾いていたら水やりをします。
リカステは着生ランで、樹木に着生して生きていますので、
根が濡れたら、乾くことを要求します。鉢内部がずっと湿っていると、嫌気性バクテリアが繁殖して、リカステの根を食べはじめることが起こります。園芸でいう『根腐れ』というものです。
リカステが水分を吸収する以上に水をやるのはやりすぎとなり、植え込み材料や根が腐ってくることがあります。
そのようなときは、植え替えをしなければいけません。
■植え替えについて
園芸店やホームセンターで、乾燥圧縮した『水ごけ』と3~4号鉢サイズの『素焼き鉢』を購入してきましょう。水ごけは、バケツなどにいれ、水に浸し、水でもどったら、しっかり搾って水を切り、その水ごけをまた開いて、ふあ~と置いておきます。ふわっとした濡れた質感にしてから植え替えを行います。
植え替えは株によって成長状態が違うので、3月中旬から5月上旬頃までに、花が終り新芽の出る少し前に、バルブの芽の位置を確認して行うか、または、新芽が2~3cm伸びるのを待って行うのが良いと思います。
水のやりすぎで、根腐れ(すべての根が茶色くなって、ずるずるに腐ってしまうこと)を起こしたときは、すべて植え込み材料を取り除く必要があります。リカステを腐らすバクテリアが鉢内に繁殖していますから、鉢から抜き、植え込み材料をすべて取り除きます。
新しい水ごけを新芽がでているほうを多めにつけて、新しい素焼き鉢に植え込みます。
植え込んだあとは、日陰で、鉢内を十分乾かします。
植え替え後の管理は新芽が伸び10~15cmほどになって、葉先が展開し始めて発根するまでは。水やりをやや控えめにします。
新芽の発根が確かめられたら、水やりを増やし1回目の肥料をやり、以後盛夏を除いて月に1度の割で施肥をします。
一般に生育中は水と肥料を好むほうだと思います。
置き場は半日陰が適しています。
半日陰とは、50%遮光した場所のことですが、
洗濯物の陰になるようなところです。
直射日光には当てないようにします。
以下は年間管理です。
■新芽が出る時期:3~5月
新芽が鉢からはみ出してしまうような時は植え替えをします。鉢から根鉢を抜き取り、古い水ごけは付けたままで鉢増しします。新芽が出ている側に新しい水ごけを付け、一回り大きい新しい素焼き鉢に植え込みます。その際、緩効性化成肥料を鉢サイズに応じて、適量施します。
置き場は、5月の大型連休まで日当たりの良い窓辺に置きます。植え込み材料の表面がやや乾いたら、晴れた日の午前中にたっぷり水やりします。
■夏越し対策:6~8月
戸外の明るい日陰に置きます。広葉樹の下などに吊り下げるのが理想です。昼温30℃を越す極暑期は休眠状態に近くなるため、鉢内にはあまり水を溜めないようにします。また少しでも気温を下げるために、早朝や夕方に葉水したり、鉢の周辺に打ち水します。
■バルブを生長させたい秋:9~10月
夜温が下がってくるとリカステの成長が活発になります。適温は24~25℃。成長が活発になるため、乾きはじめたらすぐに水やりします。1000倍に希釈した洋ラン用の液体肥料を週1回施しましょう。花芽分化を促すために、リン酸分の高いリンカリ肥料などを、鉢サイズに応じて適量施します。
夜温が7℃くらいになるまで、しっかり低温に遭わせてから室内に取り込みましょう。
■花芽を育てる冬:11~2月
花芽が出てきたら2000~3000倍に希釈した液体肥料を水やり代わりに施します。花芽を育てる適温は10℃前後です。最低温度は5℃でも問題はありません。夜温が15℃以上になると、株のエネルギーが消耗しますので注意しましょう。夜温18℃前後だと新芽が成長して作落ちしてしまうことがあります。冬に新芽を動かさないようにするため、低温で管理しましょう。花芽を育てるために、窓越しの光にはしっかり当てましょう。
最後に
洋ラン栽培は、コツさえつかめば、案外来年もまた開花してきます。
枯らしてしまう原因は、水やりの頻度だと思います。
みなさん、初めてのときは、どうしても水やりの間隔がわからなくて
枯らしてしまうものです。
どうか1~2度、枯らしてしまっても、ガーデニングを嫌わないでください。
失敗を繰り返して、少しずつ上手になっていくものですから、・・・。
また何かありましたら、お気軽にお尋ねくださいね。
園芸研究家 富山昌克