ドイツプライムカップ準々決勝。マンシャフトvsゲルゼンキルヘンは前半0-0で終えるものの、ハミト・アルティントップ選手の2ゴールでゲルゼンキルヘンが2点を先取。85分を過ぎ、敗色濃厚のマンシャフトはFKのチャンスを得たところで、3人まとめて選手交替。若手に経験を積ませるつもりでいたのだが、こんなことが起ころうとは思わなかった。
レネ・トレコフは壁を避け、低い弾道でゴール右隅を狙う。これをGKグロスキーが両手でキャッチしようとしたが、弾いてしまい、こぼれ球を途中出場のマルティン・ベックがスライディングボレーで決めて1点差に詰め寄る。それでも、マンシャフトの状況は厳しかった。
だが、アディショナルタイム。フライスがDFに競られながらも粘り、シュートを放とうとするが、ボールはこぼれる。そこにカイザーがシュート。2部リーグ所属のクラブに失点したショックからか、グロスキーは僅かに反応が遅れ、カイザーのグラウンダーのシュートがゴール左隅に決まる。2点ビハインドから残り4分で追い付いたマンシャフトのホームスタジアムからは、歓声がより一層大きく沸きあがっていった。
マルコ・ベーエ(いくら才能があると言っても、まだ18歳。経験の浅さが、ここに来て悪い方向に出てしまったな)
2-2の同点で、試合は延長戦に入ることになり、選手はそれぞれのロッカールームへと戻る。
「大丈夫か、グロスキー」
ゲルゼンキルヘンの選手の1人が声を掛けた。
「ええ、大丈夫です。2点リードして、どこか勝てると油断があったのかもしれません。ですが、ここまでです。これ以上、相手にゴールは割らせませんよ」
グロスキーは思った以上に大丈夫そうだった。
一方、マンシャフトのロッカールームでは、同点に追い付いたというより、驚きで不思議そうなムードだった。
クルト監督「まさか、延長まで持ち込めるとは・・・私もみんなと同じように驚いている。もう選手交替を全て使ってしまった以上、この11人で戦うしかない。疲れているだろうが、ドイツ人の誇りを最後まで見せてくれ」
これからピッチに立つ11人は、輪になるように集まって、それぞれの手を中央に出して重ねていった。
タルナート「せっかくここまで来たんだ。この試合も勝つつもりでやろう」
タルナートに続いて選手たちからは賛同の声が上げられた。そして、それぞれの選手が再びピッチ上に現れる。
前半もパスは繋いでシュートまで持ち込もうとするが、1人ではゲルゼンキルヘンの選手2人がくれば太刀打ちできない。
後半にクラニィがレッドカードで一発退場でチャンスのようだが、ここで数的優位に立ってもゲルゼンキルヘン相手では大したアドバンテージにはならない。120分戦っても決着は付かずにPK戦まで突入した。
カイザーは枠を外し、フライスはコースを読まれて止められてしまう。主将のタルナートも狙いすぎたのか、枠を僅かに外した。4人目のトレコフはグロスキーの裏を突き、正面に決めるが、ゲルゼンキルヘンの4人目アサモアに決められてしまい、試合終了。ベスト4進出はならなかった。
ドイツプライムカップ準々決勝
マンシャフト 2-2 ゲルゼンキルヘン
PK (1-3)
(得点) 56分 ハミト・アルティントップ(ゲルゼンキルヘン)
74分 ハミト・アルティントップ(ゲルゼンキルヘン)
86分 マルティン・ベック(マンシャフト)
90分 アンドレ・カイザー(マンシャフト)
(退場) 115分 クラニィ(ゲルゼンキルヘン)
【基本情報】 チケット料金 2400円
来場者数 8000人
【収入】 チケット収入 1920万
施設収入 400万
【支出】 試合運営費 404万
【合計】 1916万
【資本金】 14億9545万9800円