2019年9月
悪い事は重なる物で、欧州の4拠点が揃って悪化。ひとまず4拠点に1億5000万円ずつ投資しておいた。
【資本金】 59億8073万8866円
ヨーロピアンカップの組み合わせが決まった。マンシャフトはグループAに所属し、コペンハーゲン、ハイファ、同じドイツリーグのカイザースラウテルンがいて、更にASローマと古豪もいれば、スペインリーグで常に上位にいるバレンシアもいる。決勝トーナメント進出の可能性は高いだろうと見ていたスタッフ陣だが、何気に混戦だ。グループ敗退があってもおかしくない。
「何だと、この俺様をスタメンから外すってどういうことだい、監督さんよ」
エッフェルバーグの荒い声はクラブハウス中に響き渡るようだった。確かにエッフェルバーグはまだ若いということもあるのだろうが、パスをカットされることが多かった。
「じゃあ、誰がオフェンシブハーフをやるってんだい。他にいるのかねぇ」
これも一理ある。ポドルスキーはとっくにピークを過ぎて下り坂だし、リンドバーグやシュナイダーもこなせなくはないが、エッフェルバーグ程の働きは期待できないだろう。
「オフェンシブハーフは・・・バウアーにやってもらう」
ゼルベルガー監督が、そう言葉を発した瞬間、周囲はどよめき始めた。バウアーも人並みにこなせるが、そうなると、DFはどうなるのか。それもゼルベルガーが説明した。ヘルミもレンタル期間を経て、最高クラス(屈指レベル)の選手と呼んでもいいくらいになったし、3バックはルンバルトを中心に左にラーツ、右にヘルミで構成させることも選手たちに話す。そうなれば、センターラインの選手は全員が屈指レベルの選手での布陣になる。ここまでリーグでは4試合で5失点と少し多いし、前節のハンブルク戦では3失点も喫した。連携が完璧でないこともあろうが、エッフェルバーグがOMFとして機能しきれていないことが要因として大きい。
そして、2週間後の第5節試合前、またもクラブハウスに荒い声が発せられた。それは怒りと言うよりも驚きと呆れが入り混じったような感じだ。
「オーナー、こんな時に何を考えているんですか。ゲルゼンキルヘンのボクツを獲得するですって?!」
スタッフの1人で人事をやっている男だった。
「ウチのクラブはスペシャルスタジアムの建設で資本金は80%くらい激減したんですよ。そんな大変な時に、またお金を使おうと仰るのですか」
「スカウトがせっかくリストにピックアップしてきたんだ。それに、ボクツの移籍金は20億円を少し超えるくらいだし大丈夫だ。フォルツは90分間戦えなくなってきているし、丁度良い。お金のことは、そんなに心配するな。何とかなるものさ」
スタッフは、やれやれといった感じだった。そして思い直したように言う。
「14年前をお忘れではないでしょう。3部の時もそうやって補強してきて、危うくクラブが消滅するところまで来たんですよ。それなのに・・・」
ヴァントはスタッフの方を軽く置くように叩いた。
「あの時は、まとめて補強し過ぎたかもしれんし、今もそうかもしれん。だが、ボクツが獲れるかもしれないんだ。このチャンスを逃してはダメだ」
スタッフの男は諦めたのか、力なく口を開いた。
「分かりました・・・どうなっても知りませんよ、私は」
そして、第5節。相手は高いレベル程度の選手が殆どのロストックが相手で、ここは勝っておかなくてはならない試合だった。
ところが、5分。リンドバーグがいきなりレッドカードで一発退場。またもマンシャフトにとって嫌な感じになった。悪い流れはそれだけでは終わらず、25分のことだ。
実況「なんと、バウアーまでもが退場です。今度こそ確勝かと思われた試合だったマンシャフトは9人で戦わなくてはなりません」
エッフェルバーグ「へっ、だから言わんこっちゃない」
ゼルベルガー監督は止むなく、ベルント・シュナイダーを下げて、エッフェルバーグをOMFでピッチに上げた。サイドからの攻撃を諦めることにしたのだ。主将はクルスカが引き継ぐ。
数的に完全に不利となったマンシャフトだったが、41分にヘルミがオーバーラップしてきて右からクロスを上げる。だが、誰も合わせられない。前半はひとまず0-0で終了した。
77分にカロツを投入すると同時にベンヤミン・ベルクも下げて杉下を投入。これで3人の交代枠を使い切ったゼルベルガー監督だが、一点を取りに行くつもりなのだろう。試合を諦めていないのだ。
83分にルンバルトがシュートするも枠を逸れ、アディショナルタイムにもエッフェルバーグが2本のシュートを放つが、決められなかった。
ドイツ1部リーグ第5節
マンシャフト 0-0 ロストック
(警告) 48分 エッフェルバーグ(マンシャフト)
(退場) 5分 リンドバーグ(マンシャフト)
25分 バウアー(マンシャフト)
いくら戦力差が倍あっても、2人も少ない人数で戦うと互角になるのは必然だった。いや、ここまでよく戦って勝ち点1を取ったと言ってもいいだろう。マンシャフトの順位は9位と変わらなかったが、首位で連覇を狙うSCベルリンとの勝ち点差は早くも6となる。
【基本情報】 チケット料金 6000円
来場者数 50000人
【収入】 チケット収入 2億3044万8000円
施設収入 1億7633万
【支出】 試合運営費 2575万
【合計】 3億8102万8000円
【資本金】 63億6176万6866円
そして、翌日にコーワンと杉下が代表に招集。2人とも控えだが、杉下には次の試合にリンドバーグの代役で左サイドハーフでスタメン起用するつもりだったのだ。それでも、多分出られるであろうが。