創価学会の信仰に功徳はあるか?

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381.創価学会の日蓮大聖人御書全集は間違いだらけ(その1)

2016年06月23日 00時03分18秒 | 日蓮系遺文
創価学会版の御書完成までの歴史を纏めてみました。

資料
平楽寺書店 昭和新修 日蓮聖人遺文全集 浅井要麟
P363〜P434「御書編纂の史的概観」

日蓮宗を含む日蓮系や立正大学の最新の学説や見解と異なっているかもしれません。


1.日蓮在世中
別巻 P370〜
日常(富木常忍)、日祐
中山法華寺

別巻 P376
日常、日祐の目録と録内録外の目録は異なり録内録外、その後の御書編纂に漏れたものがある。

別巻 P380〜
富士に於ける収集及びその文献

別巻 P370〜を見ると日蓮遺文の命名が学会版御書と大きく異なっています。


2.録内録外
別巻 P363〜

日蓮が亡くなった一周忌
六老僧が池上本門寺において奥書と加判。
百四十八編を録内とした。

日蓮が亡くなった三回忌
六老僧
百四十八編+二百五十九編。二百五十九編を録外とした。

文明2年、滅後一八九年の段階で既に日什門下の日存によれば
緑外の遺文は(一部分について)真偽定めがたいので之を用いるべきではない、と
残しています。

別巻 P365 録内録外集成に関する疑義

3.江戸末期

 近代の日蓮遺文集の元は江戸時代に智英日明が集成した新撰祖書。

智英日明(京都本圀寺の弘法院檀林の能化)が文化十一年(1814)に新撰祖書(50巻)を編集。
これをもとに小川泰堂が明治十三年(1880)に高祖遺文録を和本として刊行。
明治十八年に活字本として刊行。
さらにこれを修正校正した霊艮閣版、日蓮聖人御遺文(縮刷遺文)が明治三十七年(1904)に刊行。
--------
http://www.totetu.org/assets/media/paper/k025_218.pdf
『縮刷遺文』の本文整定について
前川健一
『縮刷遺文』は、近世における遺文研究の集大成である『高祖遺文録』をも
とに、真蹟や古写本を用いて、本文整定を行っている。
『縮刷遺文』編纂の経過については(中略)本文決定の手順はかなり複
雑である。
まず、本間海解が作成した校本をもとに、小林日董・河合日辰それぞれが作
成した校本が参照され、さらに稲田海素による真筆・古写本との対照結果を反
映して、本文が確定されている。発刊者の加藤文雅は「全巻一字毎に凡三十余
種の参考書に照合し本間僧正之を選択し更に吾同人数員の評訂に付するを例と
す」と述べている。)
--------

4.大正時代

大正三年(1914)に田中智学の類纂(さん)高祖遺文録が刊行。
大正九年(1920)に田中智学の本化聖典大辞林が刊行。
昭和二十七年(1952)に昭和定本日蓮聖人遺文が刊行。
昭和定本の元になっているのは、霊艮閣版、日蓮聖人御遺文(縮刷遺文)。


創価学会版『日蓮大聖人御書全集』の「発刊の辞」より
>「御書全集が皆無に近い現状であり、やむを得ず巷間流布されている御書に拠っていた」のが実情で、日興門流の門徒が『御書』を一般的に読むことが出来るまでには昭和期の創価学会が関与した『日蓮大聖人御書全集』等が出版されるまで待たなければならなかった。

上記は大ウソです。
平楽寺版 「昭和新修 日蓮聖人遺文全集」の別巻を見ると、大正以降に限っても日蓮の遺文集は活字版だけで20近く刊行されています。
霊艮閣版「日蓮聖人御遺文(縮刷遺文)」は一文字二文字の間違いを見つけただけでも修正版を出したそうです。17回程度改訂された。
戦前の類纂高祖遺文録も霊艮閣版が元で山川智應が、真筆や写本で校訂し18年程かけて2、3回改訂されたそうです。初期の霊艮閣版を見て問題を感じて類纂を出したそうですから信頼性は当時としては高いと思われます。

(つづく)



参考
犀の角のように独り歩め:鈴木一成著『日蓮聖人遺文の文献学的研究』を再読(3)
http://blog.livedoor.jp/saikakudoppo/archives/52040461.html
犀の角のように独り歩め:鈴木一成著『日蓮聖人遺文の文献学的研究』を再読(4)
http://blog.livedoor.jp/saikakudoppo/archives/52041833.html


メモ
タイトル 小川泰堂と智英日明について
著者 石川 教張
シリーズ名 第37回日蓮宗教学研究発表大学特集号
出版年 1985-06
対象利用者 一般
資料の種別 記事・論文
掲載誌情報(ISSN形式) 02891174
掲載誌情報(ISSNL形式) 02891174
掲載誌情報(URI形式) http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000002651-00
掲載誌名 大崎学報
掲載通号 139


読了
本化聖典解題提要(日蓮聖人遺文の梗概) 山川知應
(この書籍だけは、山川智應でなく知應)
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