今年は喪中欠礼ハガキを沢山いただきました……。
徐々に自分の親の年代の方が亡くなるようになって、訃報には穏やかではいられません。
中には立て続けにご両親が他界され、二年連続、賀状を出せないという人もいらして複雑な気分になります。
先日のセミナーで、喪中欠礼のお知らせ前に賀状を出してしまって失礼だったかと案じるご受講者の質問を受けました。
もともと喪中は死を穢れと捉え、その期間は静かに暮らすことを意味するため、当事者は年賀状を出しません。
そのため、知らずに送った人が失礼とは言えず、相手も理解してくださるはずです。
喪中で寂しいお正月に思いがけず賀状をいただき、何となく嬉しかったという話を実際に聞いたこともあります。
あらかじめ喪中欠礼ハガキをいただいていれば賀状は出しませんが、「悩む状況もあるんですよね」とさらに
質問された方がおっしゃって、「闘病中とか大災害の被害者とかってことですか?」と尋ねると、まさにそうだと。
詮索するようで、こちらから確認できる話ではありませんが、めでたいはずはないだろうと心配しているわけですね。
なので、そのときは「新年のお慶びを申しあげます」とめでたい「慶び」を使わず、「新年のご挨拶を申しあげます」
と書くのはいかがでしょうと回答しました。
ご挨拶はどんな状況でもするものなので、問題ないかと。
その方は納得しつつ、「そうなると華やかな年賀状でなく、官製はがきを使ったほうがいいかなぁ」と呟いていらっしゃいました。
いろんな考え方があるでしょうが、こういう具合に相手を思いやってアレコレ思案を巡らすこと自体が尊いと思います。
先日、親しい友人のご尊父様の訃報を知り、お花を贈るとちょうど四十九日だったそうで非常に喜ばれました。
通常、供花にお返しなど不要なのに「御礼」と熨斗のかかった品が届いたので、「水くさいわよ!」とLINEで伝えると
「水くさいとかじゃなくて本当に嬉しかったし母もすごく喜んでいたので、純粋に御礼の気持ち」と返信がありました。
(花材はオリエンタル百合、トルコ桔梗、スイートピー、ブプレウルム、プルモーサムなど)
なるほど、だから不祝儀のお返しなら結び切りで熨斗ナシが決まりですが、あえて蝶結びの熨斗付きで送ってくれたのね。
しかも私の大好物の、その土地の名産品!
私に贈るなら、これしかない! と思ったそうです。
他にも私が贈ったお花を仏壇に飾っている画像を添付して、お礼のLINEをくれた人もいました。
スマートですね。
冠婚葬祭にはいろんな決まり事がありますが、時代と共に少しずつ変化しています。
基本はしっかり押さえたうえで、自身の気持ちを乗せてやりとりすると素敵なお付き合いができるのではないでしょう。