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BL小説・風のゆくえには~将来4-3*R18(浩介視点)

2016年04月06日 07時21分00秒 | BL小説・風のゆくえには~ 将来


 R18です。たぶん(たぶん?)。具体的な性表現があります。苦手な方ご注意ください。

 R18読切『初体験にはまだ早い』と対になっています。

 今回お届けする回は、浩介の内面描写が主なため、話の内容はちょっと飛ばし気味に書かせていただきました。
 『初体験にはまだ早い』を先にお読みいただけると内容は分かりやすくなると思います。……が、読まなくても分かるはず。です。

 すみません。前置き長くなりましたが、前回の続きからはじめます!!

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 そして迎えた運命の日曜日。


 お互い緊張してどうしたらいいのか分からず固まっていたところ、

「とりあえず……服脱ぐか?」 

 慶が現状を打開する提案をしてくれた。そうだ。とにかく行動しなくては……

「……慶」
 服を脱ぎかけた状態で、カーテンを閉めにいってくれた慶を、後ろからぎゅうっと抱きしめる。

「慶……大好き」
「こう……っ」

 慶が振り返ると同時に、唇を重ねる。いつもみたいな軽いキスじゃなくて、深く深く吸い込む。唇を軽く噛むと、びっくりしたように唇が開いた。そこにすかさず舌を差し入れる。

「んんんっ」
 はじめこそ戸惑った慶だけれども、すぐにこたえるように舌を絡めてきた。

(うわ……っ)

 なんだこれ……っ。
 今までの触れるだけのキスは心臓にきゅんきゅんきていた。でも、このキスは………

(ヤバイ……っ)

 下半身に直接くる……っ。
 膨張してパンパンになっているズボンを、慶に下着ごと引き下ろされた。おれも同時に慶の下着とズボンを引き下ろす。すると、

「あ」
「あ」

 顔を見合わせて笑ってしまった。おれはもちろん、慶のものも跳ね上がっている。

「もう、この状態?」
「しょうがねえなあ……」

 笑っている慶の顔から下に視線を移す。

 慶のもの……。
 前に写真部の合宿で一緒に銭湯に行ったときは、おれは背中のアザを見られたくなくて大急ぎで出てしまったので、一瞬視界に入った気はするけれど、記憶に残っていない。その上、こんな風に膨張した状態なんて初めてみるわけで……

(慶はこんなところまで綺麗なんだ……)

 ため息が出そうになる。
 醜い黒がかったおれのものとは違って、赤みを帯びた綺麗な肌色……。そこを守るための茂みも薄く、柔らかそうで……

「って、浩……っ」 
 吸い寄せられるように、慶のものに手を伸ばす。その熱さに感動してしまう。

(慶のもの………)

 優しく掴み、軽く上下させると、慶がぶるっと震え、おれの上腕につかまった。かわいい……

(おれより、太い……な)

 体は火照ったまま、頭では冷静にそんなことを思った。
 おれの方が長さはあるけれど、慶の方が確実に太い。通常の場合と膨張した場合ではまた違うんだろうけど………

「浩介……」
「んっ」

 ふいに、慶の温かい手に包まれ震えてしまう。慶の手………細くて繊細で温かくて……。冷静だったはずの頭に血がのぼって何も考えられなくなる。

「慶……」
「ん……」

 立ったまま、お互いのものを扱き続ける。
 
 ああ……気持ちいい……。毎晩の妄想の中の手よりもずっとずっと温かい慶の手………
 慶がおれの手で気持ちよさそうな息づかいをしてくれることも、舌を絡めるキスも、本で読んだり人から聞いた知識で想像していたよりも、ずっとずっと気持ち良すぎて……

「どう……する? このまま、いくか……?」
「あ……そうか」

 慶の言葉に我に返り、手をとめた。

「あまりにも気持ち良くて忘れてた」
「あーうん。別にこのままでもいいんだけどな」

 うん。南ちゃんから本をもらうまでは、おれもこれだけでいいと思ってた。でも……

 でも。

「でも、おれ、慶と一つになってみたい」
「………」

 目を見開いた慶。その瞳に嫌悪感が浮かんでいないことに安心する。

 慶もしてもいいって思ってくれてるんだよね……?

 瞳をのぞきこむと、慶はすぐにうなずいてくれた。

「じゃあ……するか」
「うん」



 さっそく南ちゃんからもらったジェルを使ってみる。
 慶に言われて、はじめはおれが入れる方をしてみたんだけど……

(………やっぱり)
 案の定、先っぽをほんの少し入れただけでもう、慶がものすごく痛そうな顔をしたので、すぐにやめてしまった。
 ほんの少し入れただけだから、こっちは気持ちいいも悪いも感じる余裕もなかった。それよりも、慶に苦痛を与えてしまったということが少なからずショックで……

「もう一回やれ」

 慶はそう言ってくれたけど、とてもじゃないけどできない。慶がそんな痛い思いをするなら、おれが痛いほうがいい。

「今度は慶がしてみてよ」
 そう言って、慶のものにジェルをぬってあげたんだけど……


「なんか、そういうの……違うんだよなあ」
「え?」

 慶が起き上がり、ふいにちゅっとおれの頬にキスしてくれた。

「慶?」
 ビックリして名前を呼んだのにも構わず、鼻の頭、おでこ、と唇が下りてきて、最後に唇をぺろっと舐められた。

 そして上目遣いで、にっと笑った慶……かわいすぎる!!

「慶」
 おれも笑いながら、同じように頬に鼻におでこにキスをして、最後に唇を重ねてぎゅうっと抱きしめながらベッドに横になる。素肌の触れ合っている部分が温かくて気持ちいい。そのまま慶の白い耳や首筋にキスを続けていると、

「うん……こういうのだよな」

 慶が何かホッとしたように言った。

「なんつーか……想像してた初体験?っていうのか? 痛いとか時間がねえとかそういうんじゃなくて、こんな風に……、あ」

 優しく慶のものを掴むと、慶が気持ち良さそうな声をあげてくれたので嬉しくなってしまう。寝そべったまま、おでこをコツンと合わせる。

「こんな風に?」
「ん」
「……っ」

 慶の手も再びおれのものをいじりはじめてくれる。細い指に先走りの出はじめた穴をグリグリと押され、そのぬるぬるを広げられていく。こんな繊細な動き、自分ではできない。初めての感覚に我慢できず声をあげる。

「慶……」
 その愛しい人を見つめる。こんな綺麗な人がおれなんかのものを……

「慶、大好き」
「ん」
「大好きだよ」
「ん」

 再び唇を合わせる。愛しさが伝わってくる……。
 どうしたら、もっと感じてくれるかな……。いつも自分がして気持ち良い事を慶にしてみると、慶が切なげな声をあげてくれて余計に興奮してくる。でも、お返し、とばかりに、慶の細い指が、先走りの出ている穴を執拗にいじりながら、亀頭のあたりを爪をたてて引っ掻いてくるので、もうたまらない。

(なんだそれっ。そんなことしたことない……っ)

 腰が引けるっ。気持ち良すぎるっ。

「慶……いっちゃいそう……」
 というか、もう本当に限界。

「ん……おれも……」
 慶が言いながら、枕に引いていたタオルケットを取って、ものの下に引いてくれる。

「この上、出し……」
「んん」

 慶の綺麗な唇が再びよせられ、舌がおれの口の中に強引に入ってくる。

(うわ……っ)

 舌を絡めとられ、下半身にさらに血が回る。
 慶の舌がおれの舌に絡まり、慶の手がおれのものを扱きあげ……おれの中が慶でいっぱいになっていく。

(もう……無理っ)

 我慢の限界っ。絶頂の上の上のあたりで、熱いものが吐き出された。

(き……気持ちいい……)

 一瞬我を忘れかけた。けれども、すぐに慶のものを扱くのを再開する。

(本当は一緒にいきたかった……)
 せめてすぐに……と、出来る限りの速さで扱き続けると、慶のものもどんどん膨張率が高まり、

「んんんっ」
 そんなに間をあけず、慶が可愛い声をあげて果ててくれ、ホッとする。

(慶……おれの手でいってくれた……)
 ぐてっと肩に額を押しつけてくれる慶を、ぎゅうっと抱きしめる。

「慶……かわいい」
 素肌同士の触れ合いがとてつもなく気持ちいい……。しばらくギュウギュウしていたら、

「んー……これだよな」
 ふいに慶がいいだした。

「なんつーか……セックスってのはこんな風にふわふわ気持ちいいもんだと思ってたんだよなあ」
「ふわふわ?」
「うん……。まあ、もしかしたら、ちゃんとやったらもっととんでもなく気持ちいいのかもしんねえけど」
「うん……」

 なんとなく分かる……。でも、はじめて同士だからしょうがないんだろうな……。
 再びコツンとおでこを合わせると、

「ちょっと……まだ早いのかもしんねえな、とか思ってな」
「うん………」
「でも、いつかは……」
「うん」

 それがいつになるのかは分からないけれど……

 だから、着替えようとした慶を引きとめ、もう一度抱きしめた。慶の素肌の感触を覚えておきたい。

「浩介?」
 不思議そうにこちらをみた慶に真面目に答える。

「今のうちに堪能させて。覚えておかないと」
「なんで?」
「覚えておいて、今晩からのオカズに」
「……………」

 何言ってんだお前、という顔をした慶。かわいい。

「まあ、でも、ずっとやらないってわけじゃ……」
「でももう受験生になるしね」

 そう。おれ達は受験生になる……

「するのは受験が終わってからだね」
「あー……そうだな」

 自分で言っておきながら凹みそうになってくる。

 受験……受験。失敗はできない……

 深く沈みそうになったけれども、何とか持ち直して、慶のおでこにこつんと合わせる。

「受験終わったら、どこか泊まりで旅行に行こうよ」
「おお、いいな」
「そしたらそこでちゃんと最後までしよ?」

 受験が終わったご褒美だ。そうとう不純だけどそれを目標に頑張れる気がする。

「それまでは健全な交際を」
「健全ってなんだよ?」
「キスまではOK」
「ん」

 触れるだけのキスをする。心臓がキュッとなる。それだけでも充分気持ちいい。

「受験が終わるまでは妄想にとどめておくね」
「妄想って……」
「慶とあんなことやこんなことして……って」
「あんなことやこんなこと?」
「あんなことやこんなこと」

 真面目に言うと、慶があきれたように息をついた。

「お前……実はムッツリだな」
「バレちゃった?」

 笑いながら、再び唇を合わせる。

 いつか、その日がくるまで、ゆっくりゆっくり愛を育てよう。




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お読みくださりありがとうございました!
こうして、この2人、1年間本当にこういう扱き合いっこすらしません。真面目かっ。
続きは明後日の予定ですー。次回もどうぞよろしくお願いいたします!

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2 コメント

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そうかぁ。 (ユウ)
2016-04-07 02:32:41
そうですかぁ、やはり最後までは行けなかったと。
でも気持ちよくて幸せな気持ちに2人してなれたなら、高校生としては十分なのかもしれません。
お互いに初めてだからなかなかスムーズにはいきませんよね。
これから、受験が待ってて悶々としちゃうだろうけど、耐えて耐えて、した時の気持ちよさは多分凄いだろうから我慢の子ですね。
なんだか、そう、いろいろと頑張れ2人!!
また覗きに来ますね^_^
ユウさま (尚)
2016-04-07 10:17:58
コメントありがとうございますーー!!

そうそう。初めて同士、しかも男同士。よっぽど覚悟を決めてやらないと無理……みたいな^^;
でも、これで十分でしょー高校生!って感じですね~
今の子はもっと早いのかもしれませんが、作中まだ92年なので、、、

そして受験生!二人の通う高校は県内トップクラスの進学率を誇る県立高校なのです。はい。勉強しましょう。って感じです^^;
そして我慢の子、で大学受かってからにしようね、と。
(あ、慶は浪人するんですけどね……)

>なんだか、そう、いろいろと頑張れ2人!!

(笑)そう、いろいろと!(笑)(笑)

いつもコメント本当にありがとうございます!!

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