創作小説屋

創作小説連載中。BL・R18あるのでご注意を。

月の王子(3/12)

2008年02月28日 15時24分57秒 | 月の王子(R18)(原稿用紙40枚)
 チェアに横になりながら、一連の出来事を思い返す。不満だけが残る。もう少し上手に触ってくれたらいいのに。もう少し強く揉んでくれたらいいのに……。
 アルコールが回ってきて、体が火照りはじめた。目をつむり、スカートをたくし上げて下着の中に手を入れる。少し濡れている。
 月の光がやけに綺麗だ。大胆な気持ちになって、おもむろに下着を脱いでみた。
 膝を立てると涼しい風が心地よく陰部にあたる。そこへ右手の中指をゆっくり差し入れ、上下に揺らしてみた。左手を胸の上に置き、強く掴む。服の上から乳首に爪をたてる。
 熱い息を吐いたのと同時に、視界が暗くなった。月が雲に隠れたのだろうか、と月を見上げようとして……息を飲んだ。
 月光の中、少年が立っていた。まるで光でできた人形のように美しい少年。
 悲鳴を上げそうになった口を、さっと塞がれた。猫のように柔らかい動きだった。
「大きい声出さないで」
 悪戯っ子のような表情で彼が人差し指を口に当てた。肯くと、すぐに手は離された。
「君、誰? どこから来たの?」
 この異常事態に「怖い」という感情がすぐに引いたのは、彼が十代前半の、青白い顔のひ弱な少年に見えたせいかもしれない。
 彼は笑顔で手摺を指さした。
「手摺を伝ってそこの仕切を越えてきたの」
 隣の家との境界に、緊急事態の時に蹴破ることができる薄い仕切がある。うちは角部屋なので、仕切は一つしかない。
「ボク、4月から隣に住んでるんだよ。知らなかった?」
「え? だって隣は……」
 隣は子供のいない中年夫婦が住んでいたはずだ。その夫婦もご主人がアメリカに転勤になり、数ヶ月前からずっと留守にしている。三年ほどで日本に戻ってくる予定なので、家具等すべて置いておくと聞いていたが……。
「伯父さんがね、ボクが4月からこっちの大学に通うことになったって言ったら、自分たちが帰ってくるまで使ってていいって……」
「え、ちょっと待って。あなた大学生なの? 中学生くらいかと思った」
 言うと、彼はムッと口をとがらせた。
「どうせチビだよ。どうせ160cmだよ。小さいころから体操やってたから背が伸びなかったんだよ。でもおかげで推薦で体育大に入学出来たけどね」
「なるほどね……」
 体操をやっているのなら、手摺を伝ってこちらに来るのも簡単なのだろう。そうはいってもここは5階。落ちたら一大事だ。
「で、なんで君はここにきたの?」
「だってさあ」
 彼はふいにしゃがみこんだ。頬を両手で囲んだポーズでこちらを見上げている。年齢不相応にかわいらしい。
「月があまりにも綺麗だったから、ベランダに出てみたら、隣に人の気配がした気がしてさ。誰かいるのかな~って覗いてみて、ビックリしちゃった」
「ビックリ?」
「だって、キレイなお姉さんが一人Hしてるんだもん」
「な……っ」
 自分が赤くなったのが分かった。見られていたんだ!
「興奮しちゃってさ~。で、来ちゃったわけ」
「来ちゃったって……君がしたことって、覗きだよ!それに不法侵入!」
 見られていたという動揺から立ち直れない。怖い声で叱ったつもりだったのだが、効果はなく、彼は笑顔のまま言葉を続けた。
「ねえ、続き見せてよ」
「何言ってんの?! 夫を呼ぶわよ!」
「ふーん。一人Hのことばれてもいいの?」
「そ……っ」
 それは、マズイ。そんなことがばれたら「オレのSEXに満足できなかったのか!」とかなんとか怒り出すに決まってる。できないから一人で処理してるんでしょ、と言ってやりたいけど、今の安穏な生活を手放したくない。
「さっきも、お風呂で虐められてたでしょ?」
「な……っ」
 何で知ってるの?!
「お風呂の音、換気扇通して玄関の外に筒抜けだよ。ちょうど前を通った時に怒鳴り声が聞こえたから立ち聞きしちゃったよ。ついでに言うと、ベッドルームの声はボクの部屋の壁に耳つけるとよく聞こえるよ」
 あまりのことに言葉がでない。この一年まったく気がつかずにSEXしていた。
「お姉さんさ、本当は全然感じてないでしょ」
「え……」
「本当に感じてる人はああいう声ださないよ。AVじゃないんだからさ」
「…………」
 言うべき言葉が見つからない。見つからないまま、彼の涼しげな瞳を見返した。ふ、と彼の目元が和らいだ。
「本当の気持ちよさ、知りたくない?」
「え? ちょ……っ」
 突然のことで、何の抵抗もできなかった。いきなり太股の内側を掴まれ、上に押し広げられた。同時に陰部をぺろりと舐められる。先ほど下着を脱いだことを忘れていた。
「ちょ……っ」
 押さえられて動くこともできない。痩せて見えるけれど、体操をやっているだけあって腕力はあるのだろう。
「何す……」
「何って気持ちいいでしょ?」
 彼の長い舌が中まで入り、何度か行き来して出てくると、次はそれより上の膨らみのあたりも、唇すべてを使って強く吸われはじめた。ジュジュッっといやらしい音が響き渡る。
「あ……」
 初めての感触に頭に血が上った。
「待って、待って、やめて……」
 頭の中が熱い物でいっぱいになる。今までに経験したことのない波が押し寄せてくる恐怖と期待に身が震えた。
「やめていいの?」
 彼の唇にいやらしい液体がねっとりとからみついている。これ全部、私の……?
「あ……えと……、あああああっ」
 脳天に衝撃が突き抜けた。彼の指が中に侵入してきたのだ。顔からは想像できない節ばった指。なぜかすごく熱かった。
「今、何本入っているでしょう?」
「え……」
 朦朧としていて何を言われているのかわからない。
「答え、二本でした。次三本行きます」
「ひ……っ」
 突き上げられる衝動。いつの間にか彼の唇が胸元に侵入していた。乳首を軽くかじられ再び悲鳴を上げる。彼の長い指は、私の中をかき乱しては、きわどい強さで突き上げてくる。ほどなく、わけもわからないまま気を失うように果ててしまった。こんな経験は初めてだった。

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月の王子(2/12)

2008年02月27日 00時28分56秒 | 月の王子(R18)(原稿用紙40枚)
 彼と出会ったのは一ヶ月前。六月の初めの、月が綺麗な晩だった。
 その日の夫とのSEXは特に最悪だった。
 夫と結婚したのは約一年前。つきあっていたころからSEXに満足したことは一度もなかったが、それ以外の面では夫は最高のパートナーであった。
 夫が『結婚』という名の経済的安定をくれたおかげで、私は安心して小さい頃からの夢だったイラストレーターの仕事に専念できるようになった。夫が提示した条件は「オレが家にいるときには仕事をしないこと」のみ。夕食に総菜や冷凍食品が並んでも文句を言わないでくれる寛大な人なので助かっている。
 一回り年下の私は、夫にとって「ひたすらかわいい」存在らしい。ひたすら大事にされ、ひたすら愛されていることを実感できた。
 だから、週に一回のSEXを耐えていることさえ除けば、結婚生活は完璧だった。
 でもある時、夫と共通の友人である美鈴さんが、旦那様とのSEXについて言ったのだ。
「自分が主導権を握るようにしたら、満足いくようになったわよ」
 それを聞いて、なるほど、と思った。「満足できない」と不満ばかり抱えていたけれど、自分から変えるという手もあったんだ。
 そこで土曜日の夜、いつものようにSEXが始まった時に、提案してみたのだ。「今日は私がリードするわ」と。
 すると、夫はいきなり手元にあった枕を投げつけて、怒ったように風呂場へ行ってしまった。何が何だか分からない。
 しばらく呆然としていたのだが、おそるおそる風呂場を覗いてみると、夫は不機嫌そのものの顔をしながらシャワーを浴びていた。
「どうし……」
 言い終わる前に、中に引っ張り込まれた。肩を掴まれ、耳元で怒鳴られる。
「そんなにオレのSEXが不満か!」
「前の男とはそうやってやってたのか!」
 揺すぶられながら、白けていく自分を感じた。馬鹿馬鹿しい。本当に馬鹿馬鹿しい。夫はものすごく嫉妬深いのだ。いい歳をしてまったく……。
 そう思いつつも、夫の怒りを収めるため、頭をフル回転させて言い訳を並べ立てた。
「違うのよ、美鈴さんがね、たまには違うことしないと飽きられちゃうよっていうから、だから私……あなたに飽きられたくなくて」
 夫が私の上目使いに弱いことは知っている。かわいらしい顔を作って見上げると、夫の怒りが治まってきたことが手に取るように分かった。単純な人なのだ。
「美鈴ちゃんも余計なこというなあ。オレがお前に飽きるわけないだろ」
 強く抱きしめられ、内心舌を出してしまう。チョロいもんだ。
 それからはいつも通り夫主導のSEX。蛇口につかまり、つま先立ちをしながらお尻を突き出し、後ろから挿入されるという無理な体勢。余計に感じることなんてできなくなる。
 でも早く終わらせたくて、いつもより過剰に演技する。風呂場はいい具合に反響する。
 AV女優みたいなあえぎ声。「イっちゃう」なんてイキもしないのに言ってみる。夫は興奮したようにますます動きを早くする。
 ……お願いです。さっさと終わらせてください。
 夫が果ててモノを引き抜いたのと同時に、太股に生暖かい液体が伝ってくる。それが床に落ちるのを見てようやく安心する。
 これであと一週間しなくてすむ、と。
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月の王子(1/12)

2008年02月25日 22時40分56秒 | 月の王子(R18)(原稿用紙40枚)
更新していないのに見に来てくださっている方々、
本当にありがとうございます!
何だか心身共に忙しくて書く暇を見つけられていません・・・。

で、見に来てくださっている方に申し訳ないので・・・
半年くらい前にワードで書き終えたけど、載せるのを止めていた話をアップしようかと思います・・・。

でもね。これ、半年前になんで載せなかったのかというと、エッチなシーンが多いから、なんです。
んー、これ載せたら引かれちゃうかなあ・・・。
んー、引かないでくださいね~。

原稿用紙40枚分です。
切りのいいところで切ってアップしていきます。
一応、毎日更新する予定ですが・・・ワードからコピーしていくので改行とか変だったら直すため、見直す時間がなかったらその日は更新できないかなあ・・・。

あ、前置き長くてすみません。
はじめます。はじめます。
けど・・・。引かないでね~~っ!!
っていうか、引いたら読むの止めてくださいっ!!


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 夫のSEXはいつでも最悪だ。
 独りよがりで強引。それでいて、こちらをイカせようと無駄な努力を延々とするものだから、本当に嫌になる。おかげで「感じているふり」「イッタふり」の演技だけは上達した。
 苦痛な時間を過ごした後、夫が眠るのを待ってから、ベッドを抜け出し、カクテルを片手にベランダにでる。夫は眠ると朝まで起きないので、私のこの習慣に気付いていない。
 このマンションの利点はベランダが広いことだ。通信販売で購入したハンモックチェアも悠々と置けている。川に面しているため、前に建物がなく、人目が気にならないのも良い。川べりの遊歩道からも、手摺側に立たない限り、こちらの姿を見られることはない。
 チェアに寝そべりお酒を飲んでいるこの時間が、一週間の中で最もくつろぐことのできる時間になっていた。
 でも、それは一ヶ月前までのこと。
「そろそろ来るかな」
 待っている間にも、これから始まるであろう淫らなことを想像しているうちに、体が熱くなってきた。
 『彼』の指。『彼』の唇。思い出すだけで内側から熱いものが溢れてくる。
 耐えきれず、ロングスカートの裾をたくしあげ、下着の中に中指を差し入れた。抵抗無く奥まで入るものの、『彼』が与えてくれるような、突き上がる快感まではたどり着けない。
「いきなり入れてもダメでしょ」
 笑いを含んだ声が聞こえてきた。いつの間にか『彼』が隣に立っていた。
「いつからいたの?」
「さっきからいたよ」
 少し高めの声。月光を含んだ長めの髪。青白い頬。切れ長の瞳。何度見てもため息がでるほど綺麗な『彼』。
「教えてあげる。まずね、少しだけ入れて指を濡らすんだよ」
 彼の指が、私の指を優しく誘導していく。
「それから……そう、ここ。ここの膨らみをゆっくり撫でる」
「……くっ」
 思わず腰が浮く。彼が楽しげに続ける。
「それからね、強く押さえたまま小刻みに揺らしたり……円をかくように回したり……」
「あ……」
 ダメだ。声を抑えられない。
「もう一回入れてみる?右手はこのままで、左手入れたらもっと気持ちいいよ」
「待って。それより……」
 彼のモノをズボンの上からやんわりと包みこみ、綺麗な瞳をまっすぐ見つめる。
「君のを、入れて欲しい。君ので、気持ちよくさせて」
「……いいよ」
 彼がささやくように言った。
「でも、その代わり……全部ボクのものになってくれる? ボクに全部くれる?」
「……いいよ」
 かわいい。思わず笑ってしまう。すると彼も嬉しそうな笑顔になって言った。
「契約成立」
 勢いよくズボンを引き下げ、彼のモノを探り出した。汚れのないピンク色をした綺麗なモノ。こんなところまでキレイなんだ、と感心しながら口に含む。
 彼がゆっくりと月を見上げた。月の光に照らされた彼は、妙に儚げに見えた。

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