私がいま最も着目しているクルマ。それが、「レンジローバー・イヴォーク」である。
今回試乗させていただいたのは、「Prestige」(6AT:税込車両本体価格578万円)に、メーカーオプションのパノラミックグラスルーフを加えた仕様であった。
「フリーランダー2」をベースに全高を低めた、スペシャリティSUV。
全長×全幅×全高は4355×1900×1635mm。全長はなんとフィットシャトルよりも55mmも短い!だが、全幅は5ナンバーサイズを200mmオーバーする。
全高を低めたことで前面投影面積を減らし、重量を軽減。エンジンも、近年のダウンサイジングの流れを汲み、4気筒2.0リッターターボを搭載。レンジローバー史上、最も低燃費のクルマであるという。
とはいえ、カタログ上のJC08モード燃費は9.0km/Lと、現代の水準ではやや数字的に物足りないような印象は否めないが・・・
この、丸いモノが、シフトレバーである。普段それはセンターコンソールに格納されている。
イグニッションをオンにすると、それがポコッと飛び出してくるのが面白い。
それにしても、近年のクルマのトランスミッション操作スイッチは、まったく多種多様である。お歳を召した方には、対応しきれないのではなかろうか・・・
さて、いよいよ走り出してみる。自発光式メーターが、えもいわれぬ上質感を醸し出す。
アイポイントはSUVとしては低めだが、前方見通しは極めて良好。
だが、サイド~リヤのウインドウは天地が低いので、後方視界にはやや難アリだ。まあ、オーナーになって慣れてしまえば、実用上の大きなネガではなさそうではある。
その死角を補うため、ボディにはフロントに2台・両サイドに1台ずつ・リヤに1台=計5台のデジタルカメラが装着され、ほぼ360°をダッシュボードのモニターに映し出すようになっている。スペシャリティ的な外観デザインと視認性を両立するための、飛び道具であろう。
2リッターターボエンジンは滑らかに周り、6ATもマナーよく、スルスルッと加速する。まるで雲の上を滑空するかのようなその乗り味は、シトローエンのエアサスペンションに通じるテイストである。
後席には尾車氏が乗っていたが、「パノラミックガラスルーフ」の解放感は素晴らしく、必ずや装着すべきオプションであるとのこと。とはいえ、「前席の乗員にはそれほど大きな恩恵はない」ことを、一応、付け加えておこう。
また、そのインテリアの上質さが、このクルマの大きなハイライトだ。「ランドローバー」ではなく「レンジローバー」のブランドを冠するのも、このブリティッシュテイストに溢れたインテリアの仕立てがあってこそなのだろう。カラーやトリムの組み合わせも多彩で、カタログを眺めているだけでも愉しい。
そして、グラッシーで美しいサイド・ビュー。イヴォーク、あこがれのクルマである。
中古で200万円台になった頃が狙い目か・・・貯金しなければ!
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