2月11日土曜日。
妻の企画により、一家4人で「JRで日帰りぷらり旅 日帰り網走流氷観光」へと出かけた。
それは、「札幌⇔網走 JR往復券」と「網走流氷観光破氷船おーろら乗船券」がセットになったプランなのだ。
「札幌~網走間の往復日帰り」というのは、私も50年弱の人生において、未体験ゾーンである。
私は、これはかなりハードなスケジュールになるのだろうと、想像し、武者震いしていた。
6時45分。
まずは札幌駅構内の「弁菜亭」にて、朝食用としての駅弁を物色。
オホーツクへの旅立ちに向けて気分が高揚していた私は、ほとんど迷うことなく、「特別企画 札幌駅弁 よくばり膳」をチョイス。
これは、札幌駅の人気4大駅弁である「石狩鮭めし」「海鮮えぞ賞味」「知床とりめし」「ひぐまの笹寿司」が四味一体となっている、欲ばりな私にうってつけの駅弁なのだ。
そして我々一家は、7時21分発の網走行き「特急オホーツク1号」に、駅弁と夢を抱えて、乗り込んだのである。
7時28分。
列車も無事発車し、気分も落ち着いたので、「札幌駅弁よくばり膳」を、おごそかにいただくことに。
左上:鮭のほぐし身+錦糸卵+いくらがキャッチ―な、「石狩鮭めし」。
左下:北海道の雄大な自然環境で育てられた「知床どり」使用の、「知床とりめし」。
右下:カニ・イクラ・ウニという蝦夷を代表する海の幸が三つ巴となった、「海鮮えぞ賞味」。
そしてこちらは、「ひぐまの笹寿司」の「厚切りサーモン」
そして、同じく「鰊親子」である。
さて、この「札幌駅弁よくばり膳」。
4種の弁当のそれぞれの良さを味わうことはできたものの・・・
なんというか、たとえば「石狩鮭めし」を喰うと、それをもっと目いっぱい喰いたくなってしまうし、「知床とりめし」「海鮮えぞ賞味」「ひぐまの笹寿司」も然りである。
そこはかとなく、「4種の駅弁の試食をした」といった、風情。
なので、「美味しかったけれど、喰い足りない感が残ってしまう」という、微妙な感じであった。
次回駅弁をいただくときは、今回の「4種の駅弁のうちどれかひとつ」に的を絞って、それをしっかりといただいてみたいと思う。そして、その方が、きっとシアワセを感じることができるハズだ。
特急オホーツク1号は、順調に走った。
8時08分。車窓から「暑寒別岳」を望む。
そして午前9時には、旭川を通過。
旭川までは、本当に速く感じられ、札幌~旭川間がJRだとほぼ1時間半で着いてしまうという事実に、あらためて驚愕した。
だがしかし。
旭川を過ぎて、石北本線に入ってからが、けっこう長かった(^^;
この時季の風景は、ほぼ白と黒で単調だし・・・
なにかヒグマとかオジロワシとか変わった動物でも発見できれば、退屈しのぎになったのかもしれないですが。
9時28分に車窓から見えたのは、たぶん「天塩岳」だと、思われます。
そして12時42分。
ほぼ定刻通りに、特急オホーツク1号は、網走駅に到着した。
さて、ちょうどお昼時でもあるし、まずは腹ごしらえすることに。
駅を出て、左手方向に歩くこと、数分。
12時58分に、「廻転寿し かに源 網走店」に、到着。
港町の回転ずしは、あなどれないウマさであることを、我々夫妻は、経験上知っている。
入店し、席につくやいなや、「サービスです!」と、なんと人数分の「お吸い物」が、供された。
なんとも嬉しいサプライズに、網走日帰り観光は、のっけから好スタートの予感である。
湯呑みに描かれたカニさんのイラストが、なんとも愛らしい。
「廻転寿し」と看板にはあるものの、このお店。
実際には、すし皿は、ひとつも回っていない。
基本的には、紙にオーダーを書きこんで渡す「注文制」である。
価格のリーズナブルさもさることながら、やはりネタは「オホーツク感たっぷり」である(^^)
まずは、「かにみそ」から。
濃厚ながらも、決してしつこくない、まさにそれはモルトの味わい。
そして、「たこわさび」!
ぷりっとつるんと、潮のかほりが、口中に拡がる。
女性陣は、「いくら」「ねぎとろ」「サーモン」「まぐろ」「やりいか」「えんがわ」等、おのおのが喰いたいものを、順次オーダーしていた。
私は、メインディッシュとして、まずは「ぜいたくミニ海鮮」を、チョイス。
そして汁物として、やはりオホーツク名物の「かに汁」を、いただかないワケにはいきますまい。
それは、アブラガニやズワイカニのダシが抽出され、極めて美味。
加えて、それらカニの身も、しっかりとプリインストール!
キラキラとかがやく「ほたて」は、ぷりっと甘く、きゅっとした歯応え。
私が物心ついてから味わったホタテのうちで、まさしくBESTであった。
これ、ホント。
「牡蠣」も、スッキリと雑味なく、まさに「潮」の味わい!
「かにのふんどし」も、見逃せない逸品。
馬肉食推進派の私は、「霜降り馬トロ」で、ここでの〆とした。
次女がデサートとしてチョイスしたのは PA≒パイナップルである。
13時47分。
一家4人で、喰いも喰ったり32皿!
じつにシアワセな、ランチタイムでありました。
さて。次の目的地に向かうため、我々一家はタクシーを拾いに、網走駅へととんぼ返り。
その道すがら。
13時52分に、道路沿いのガソリンスタンドで見つけたのが、ドラえもん&ピカチュウの雪像である。
網走駅から、タクシーで走ること数分。
「道の駅 流氷街道網走」に到着したのは、14時であった。
この道の駅はすなわち「網走流氷観光破氷船 おーろら」の、発着港なのだ。
出航時間は15時30分。
やや時間があったので、道の駅内部を探索することに。
網走が「海の幸の宝庫」であるということを、この「お魚カレンダー」により学習し、そして我々は体感した。
2階飲食コーナーのメニューである「オホーツク網走ザンギ丼」「千貝柱塩ラーメン」「かに飯」「牛トロ丼」は、いずれも極めて魅力的!
この日は回転ずしで満腹だったため、喰うことは叶わなかったが・・・
今度網走を訪れることがあったなら、これらのうちどれかを、食してみたい。
この船が、我々一家が乗船予定の「おーろら」である。
15時に入船。
バケツに入った本物の流氷が、展示されていた。
触ると、当たり前だが、氷の冷たさ!
舐めるとどんな味がするのか、じつに興味深かったのだが、もう若者ではない私は、その行為については、思い留まった。
船内では、限定販売の「和牛肉まん」なるものが、売られていた。
1個300円というその価格に、一瞬躊躇したものの、「限定」というフレーズにからっきし弱い私は、やや逡巡しつつも、購入。
「あん」に入れられた和牛は、しっかり歯ごたえがあり、咀嚼すると、じゅわっとビーフ由来の甘味が、口中をしっとり潤す!
旅先で気が緩んでいたとはいえ、この肉まんに300円と言う大枚を費やしたことに、まったく後悔は無い。
機会があれば、また喰いたいと思う。これ、ホント。
肉まんをほおばっているうちに、砕氷船おーろらは、流氷の浮かぶポイントへと、辿り着いた。
いやはや、この風景は、まるで自分が北極か南極に辿りついたのではないかと、そんな気分になってしまう。
流氷ポイントでは、外気も、なにかすぅーっと冷えたかのように、鼻腔を冷却させてくれるのだ。
砕氷船の軌跡のエメラルドグリーンと、流氷のスノーホワイトとの、コントラストが、美しい。
流氷に感動していた私たちの前に、海猫くんがやってきて、目の前に降り立った。
海猫をこんなに至近距離で見るのは、生まれてはじめてのことである。
その眼光は鋭いが、人間に攻撃を仕掛けるような気配は無く、なにかを辛抱強く待っているかのような表情。
おそらくは、人間がなにかエサをくれるのを、期待していたのでありましょう。
船の軌跡で白い氷が割れ、海水のエメラルドグリーンと溶けあっていく。
流氷っていうのは、ただそれを観るだけでも、なんだか非常に面白い!
当初の想像を遥かに上回る、エクセレントかつインプレッシヴな体験に、私は感動のオーラに包まれる。
航海中、「おーろら2号」とも、遭遇。
乗船していた人間同士、大きく手を振り合って、この感動を分かち合う。
16時18分、「おーろら」、無事帰還。
流氷破砕船乗船は、想像を遥かに越える面白さだった。
今回のプチ旅を企画立案した妻に、激しく感謝である。
そして16時32分。
「道の駅 流氷街道網走」からタクシーに乗り、JR網走駅に到着。
流氷破氷船乗場⇔JR網走駅間にはバスも出ているが、成人4名ならば、タクシーを使った方が時間の融通は効くし、料金的にもむしろお得かもしれない。
17時ちょっと前。
網走駅構内の「(株)モリヤ商店」にて、夕食としての駅弁「かにめし弁当」を購入。
そして17時18分発の札幌行オホーツク8号に、我々一家は乗り込んだのであった。
駅のそばのローソンで、缶ビール&おつまみを買い込み、札幌までの時間をつぶす。
「かにめし弁当」に手を付けたのは、18時過ぎ。
かにの甘みと椎茸のしょっぱさがランデヴーを奏で、きわめて満足のディナーとなった。
「行きはよいよい、帰りはこわい」とはよく言ったもので、帰りのJR乗車約5時間は、ホント、長かった。
真っ暗で、風景は何も見えないし・・・
そんな中。長女は暇つぶしに、愛犬チャロ君の大好きな「ライオンくん」と「ヒツジさん」を。
「暇人画伯」こと次女は、「幼犬時代&現在のチャロ君」を。
共に「下書きなしのフリーハンド」で、ボールペンを使用して描いていた。
札幌に到着したのは、22時48分。
充実していたが、長い一日でもあった(^^;
だが、日曜日しっかり休んで、月曜の仕事に備えることができるのは、良い。
当初は無謀かと思った「札幌⇔網走間日帰りの旅」だが、総合的に考えると、これはなかなか良い企画だった。
実に愉しい「日帰りぷらり旅」であった(^^)