3月1日・2日とアクセスサッポロにて開催されていた「マツダ大決算会」。我々取材班は、新型アテンザに試乗するため、3月1日の16時過ぎにその会場に駆けつけた。
この、フロントグリルまでつながって走るボンネットの開口線が素晴らしい。フロントフェンダーのマッチョな張り出し具合が、昨今のマツダ・デザインに共通のキモである。
試乗したのは5ドアハッチバックのアテンザ・スポーツ25Z(DOHC:170ps・税込車両本体価格267万円)だった。エンジンを掛けると、メーター周りの照明が鮮やかに光り、レッドとブルーのコンビネーションが美しい。
試乗車は5ATのFFだったが、ソロバン状に荒れた氷雪路面でも、トラクションをロスすることもなく、泰然と安定して走行した。DSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロールシステム)&TCS(トラクションコントロールシステム)という電子デバイスのおかげなのだろうが、やはり最新のクルマのスタビリティには脱帽だ。今後の主流となるであろう「電動パワーステアリング」も違和感を感じさせない。静粛性も高く、きわめていいクルマだった。
また、当日デモカーで聴いた「ボース・サウンドシステム」の音質は絶品である。トーンコントロールは一切手をつけずフラットな状態なのに、ヴォーカルはみずみずしく、スネアの音は「バシッ!」と抜け、ベースのドライヴ感が目前に再現される。スピーカーの存在を感じさせず、車内全体がホールと化したようなその臨場感は、まったくもって素晴らしい。私がアテンザを買うなら、必ず装着するであろう。
ただし、このクルマ。どうもグレード構成が煩雑でわかりにくい。4ドアセダンよりも5ドアハッチバックの方がMTを含め選択肢が多いところに、「血中欧州車度」の高いマツダらしさを感じるが、もう少し整理できないものだろうかと、思わずにはいられない。
さて、同行した尾車親方が試乗したのは、現在、唯一無二のロータリーエンジン搭載車である「RX-8」の6MT車。あの小林彰太郎氏もエンストさせてしまったというこのクルマだが、彼はこのクルマを、まるで自分の手足のごとく、自由自在に操っていた。クラッチペダルのミートポイントも、全く違和感が無かったとのこと。ロータリーエンジンはモーターのようにスルスル回り、まさにロケット・フィールである。
今回は、マツダ車の人車一体感に、強く感銘した試乗会であった。朝からココに来て、デミオ・スポルトやロードスターにも、乗ってみるべきであった・・・ううっ。
↑景品の「ボーズ3色ボールペン・シャープ」と「金の延べ棒ティッシュ」。