しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

ファンタスティック・フォー(2015)

2015年10月11日 22時48分37秒 | 作品名(は行)
第390回「やっぱりエピソード0を描くのはとても難しい」
アメコミ映画好きを公言している私なら今回のブログは「ファンタスティック・フォー」であることは容易に想像できたでしょう。かつて2005年と2007年に映画化されたことがある特殊な能力を持つ4人組が活躍するアメコミ映画がリブートされることを知った時は、また彼らの活躍が見られるとワクワクしました。
以前のシリーズが嫌いだったわけではないのですが、2作目が期待したほど面白く無かったことと、ヒューマン・トーチを演じたクリス・エヴァンスは今やキャプテン・アメリカとなってしまったので、そのままというわけにはいかないだろうなと思っていました。そこへ聞こえてきたリブートの話題だったので、とても楽しみにしていました。今回の作品は「ファンタスティック・フォー」です。

子供の頃から科学に夢中だったリード・リチャーズは、親友のベン・グリムと一緒に物質転送装置を作り続けていた。高校生になった彼らは高校の「科学コンテスト」に転送装置を出品するが、役に立たないものを作るなと失格となってしまった。ところがそれを見ていたバクスター財団のストーム博士が彼らの装置に目をつけ、リードを財団の研究所にスカウトした。研究所にはストーム博士の養女・スーザン、息子・ジョニー、そしてリードと同じ研究を長年続けていた問題児であるビクターがいた。彼らは協力して物質転送装置を完成させた。しかし、動物実験に成功すると、その研究の全てがNASAとの共同へと移管するというのだ。手柄を横取りされる前に自分たちで実験を行ってしまおうと、リードとジョニー、ビクター、さらにリードは親友のベンを呼び寄せ、4人は転送装置を起動させた。4人は転送先の「プラネット・ゼロ」と名付けられた場所へと降り立つ。実験の成功に歓喜し、探索を始める4人だったが、その星にあったエネルギー波が嵐となり彼らに襲いかかって来た。必死で逃げる4人だったが、ビクターがエネルギー波に飲まれてしまう。3人もなんとか転送装置に辿り着いたが、エネルギー波を浴びてしまった。さらに帰還の際に研究所にいたスーザンもそのエネルギー波を浴びてしまった。
すると4人の身体に異変が起こり始める。リードの身体はゴムのように伸び始め、スーザンの身体は透明になり、ベンの身体は岩のように変化、ジョニーの身体は炎をまとうようになった。その変化に戸惑う4人はバラバラの道を歩くことになってしまう。

面白いもので、鑑賞前はこの作品に対する肯定的な記事がネット上で目に付く事が多かった。ところが鑑賞後は数ヶ月前の記事にも関わらず、この作品の否定的な記事が多く目に付きます。「アメリカでの公開後に酷評が多い」とか「監督が映画会社に愚痴を・・」など、それは私自身がそれらの記事と同じ感情を抱いているからなのかもしれません。

その感情とは「この作品は失敗だったのかも」という感情でした。決して観たことを後悔するほど酷い出来ではありませんでしたが、前シリーズを超えるものが1つもありませんでした。キャストに関しては前作よりも設定を若くして、その能力に苦悩する様を描きたいという意図は解りますが、とにかく脚本が良くなかった。上記したあらすじですが、あらすじといいながら、映画のほぼ半分を書いてしまっている状況です。普通であれば、ネタバレを恐れるのですが、この作品はリブートでありあらすじを書いたあたりは、ほとんどの人が知ることができるレベルの事です。この作品はそこを描くことに終始してしまい、悪役との対決や能力を持ったことに対する意識の変化などが上手く描かれていませんでした。

私がこの映画で最初に心配したのは上映時間でした。映画館のサイトからチケットを購入するのですが、そこには「100分」という記述がありました。通常であれば映画は2時間がスタンダードです。「LOTR」など壮大な物語を描こうとすれば3時間になります。100分という時間はピクサーに代表されるようなアニメ映画や子供向け作品などに多く見られる時間です。この作品のコンセプトは前シリーズのようなエンターテイメント重視ではなく、主人公達の内面を描くことに重点を置いた作品ということだったので、それでは短いのでは?と思っていました。その心配は的中するのですが・・・

前述したようにキャストそのものは悪くありませんでした。それぞれのキャラクターに合った人選だったように思います。しかし、個人的な感想ですが、スーとジョニーの設定を人種の違う義姉弟にしたことは失敗だったと思っています。この作品では2人の姉弟の絆も重要なプロットになっていると思っているので、養女スーという設定には違和感しかありませんでした。多くの国で上映される作品だから異なる人種も入れたいという気持ちはとても良くわかりますが、であるならばベンを変えるという手法も取れたと思います。

点数は★★★☆☆です。ちょっと甘めの採点かもしれません。かなり残念な気持ちはありますが、眠気を感じず楽しめたという意味でこの点数にしました。クリストファー・ノーラン版の「バットマン」の成功にインスパイアされ、エンターテイメント性よりもダークで重厚なドラマを描きたかったのでしょうが、それは残念ながら失敗に終わりました。

すでに次回作の公開日まで決定していますが、どうなるのでしょう?このまま製作されるのでしょうか?それでも観てしまうのでしょうが。

今回は書きたい事が多過ぎて、かなり長いブログになってしまいました。本当はもっとあるのですが、この辺にしておきましょう。それだけこの作品への期待が大きかったということですね。

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