セカイの周縁

世界の中心から遠く離れた縁っこで、細々と生きている―そんな日常の中でアンテナにひっかかったモノゴトを。

海猿 LIMIT OF LOVE

2006-05-19 19:41:37 | 映画
「海猿」動員200万人を突破!公開から12日のスピード達成 (サンケイスポーツ) - goo ニュース

このニュースを観て、「そうだ、感想をまとめておこう」という気になる。

感動した

自分の普段の生活とはかけ離れた、
特殊な世界で繰り広げられる命がけの人間ドラマ。
それにどっぷり浸ってガーッと泣き、後はさっぱりとした気分で劇場を出る。
そういう映画。それはそれでいいと思う。
その日一日、なんだか心が安定してたから、きっと元気をもらったのだろう。

冒頭、嵐の中での海難救助のシーンでは、大画面と音響の迫力に、
やはり映画館まで足を運んだかいがあったとうれしくなる。
そして、命がけの救助シーンにのっけから泣く。
もう、TVシリーズで観ていたときのノリそのものである。

何ていうか、ヘタに感動的な場面を作りこもうとせず、
まるでドキュメンタリー映画のように、ハードな場面はハードなままに
スピーディーな展開で見せていくのが、海猿らしくて好きだ。
その方が、よりリアルな緊迫感が伝わってくるから。

かつての隊長・下川(時任三郎)が出世して霞ヶ関のお偉いさんになり、
大型フェリー座礁事故の救助の指揮を取るため鹿児島に来たのはうれしかった。

沈みかけの船から脱出する途中、仙崎(伊藤英明)は
バディの吉岡(佐藤隆太)を「絶対助けに来る」といって置いていく。
仙崎は過去に2人のバディを失っているから、
もう二度と失いたくないんだという気持ちがよく伝わってきた。

ただ、仙崎と吉岡のこのシーン、感動的なのは感動的なんだけど、
一刻を争うってときに、二人の会話が長過ぎだったかも。

仙崎が最後の長いはしごを登る前に、携帯電話で環菜(加藤あい)と
話をするシーンも「そんな長話してると船沈んじゃうぞ!」と思った。
ああいう場面は短いセリフにした方が、かえって感動が増すと思うんだけどな。
言わんこっちゃない、結局、船と一緒に沈んじゃったし…

でも、子どもの頃にTVで観た「ポセイドン・アドベンチャー」のように、
はしごを登りきって全員助かるのかなと思っていたら、予想外の展開に。
クライマックスは、海保の仲間同士の熱い絆に涙する、という感じだった。

何か、観てから3日経ってしまっているので、
細かいことはもうあまり覚えていない。
(この忘れっぽさ、ひょっとして今はやりの…
渡辺謙さんの映画の方を観に行った方がいいのでは?)

でも、これだけ泣かせてもらえれば満足!って感じ。

映画の評価 ★★★

※評価ランク ★★★★★完璧 ★★★★強く感動 ★★★フツーに感動
★★まあよかった ★イマイチ ☆ ★の半分

海猿

2006-05-08 21:17:50 | 映画
先週の土曜、TV放映された録画分を昨日観た。

水深40m。バディと二人で取り残された。
使えるボンベは一つ、残圧30。
片道一人分だ。


かつて海難事故で救助中、そういう状況に遭遇して、
バディ(相方)を見捨てて帰還した潜水士がいた。
海上保安大学校の教官、源(藤竜也)。
そういう状況に陥ったらどんな行動を取るのか?
彼は訓練生たちに、絶えず問いかける。

訓練生の三島(海東健)は「体力のある方が生き残るべき」と迷わず答える。

仙崎(伊藤英明)は最初、その問いに答えることができなかった。
しかし、バディの工藤(伊藤淳史)の死に遭遇して、精神的にダメージを受け、
そこから立ち上がろうとしたとき、彼は源にこういう。

僕は、二人とも助かる方法を考えます。
もう絶対に、バディを失いたくないんです。


海での訓練中、激しい波に襲われて、
三島のボンベは破損し、海底で足を岩にはさまれてしまう。
自分を見捨てて上へ戻れ、と合図を送る三島に、
仙崎は自分のボンベの酸素を交代で吸わせながら、助けが来るのを待つ。

二人は結局、探しに来た仲間に発見されて助かるのであるが、
こういう体験をした三島の人生は、今後大きく変わるだろうなと思う。
「自分さえよければ」で生きてきた孤独な人生が、
今後は人と共に生きる喜びに満ちた人生に変わるだろう。

源のケースと仙崎のケース、状況はかなり異なると思うが、
「二人とも助かる」道を見出した仙崎に、源も救われた思いであったろう。
バディを見殺しにしたことが、源の心の中でずっと引っかかっていて、
だからこそ、自分を超えていける潜水士を育てることに力を注いでいた。
その思いが、最後に、主席監察官の五十嵐(國村隼)にも伝わり、
五十嵐の心のわだかまりも解けたようだ。

こういう、人間の感情の流れがちゃんと描けているから、海猿はいいなぁ。
だから感動してしまう。

海猿、最初の第一弾を映画でやり、
第二弾のEVOLUTIONをTVドラマにして、仙崎のその後の成長と、
周りの人々との人間関係をていねいに描いていった。
手法として、とてもよかったんじゃないかと思う。

いま上映中の「LIMIT OF LOVE」にも期待が持てる。
私はドラマから見始めたので、あのスケールの大きな世界を、
大スクリーンでぜび観たい

tokyo tower

2006-04-08 00:32:04 | 映画
1年と3ヵ月ぶりにTVに登場。
久しぶりに、じっくりと観た。

やっぱ、女心のツボを押さえた作品だと思う。

このところ、のんびりペースの日常生活に埋没して、
まったりしていた私の心が、
激しいもので揺さぶられたような感じ。

「明日、あなたの気持ちが離れても、愛してる」

クライマックスの詩史のセリフが、やはり好きだ。

加藤ローサちゃんの登場シーンがすっかりカットされていたが、
特に本編にさしさわりがなかったのが、何とも…(-_-;)

でも、透と詩史の、カウントダウン・パーティでの
ロマンティックなシーンがカットされていたのは残念…。

やっぱDVD買わなきゃ、だな。

なんで今頃TV放映?と思ったら、
「プリマダム」の黒木瞳を援護射撃!するためだったのね。
ナルホド。

それにしても松本さん、
やっぱ、妖しい魅力放ちまくりだよ。
恐るべし…。


PROMISE 無極

2006-03-07 01:30:29 | 映画
めずらしく友人3人で映画を観に行く。

一人の美女(セシリア・チャン)をめぐり、大将軍(真田広之)とその奴隷(チャン・
ドンゴン)、侯爵(ニコラス・ツェー)の3人の男たちの戦いや人間ドラマが
繰り広げられる。
日韓中のキャストの競演がウリの映画なのよね~。

画像は間違いなくキレイだった。

ストーリーは、天女の出没がなんか唐突…。
彼女の予言に登場人物たちが振り回されることになる。

韋駄天のチャン・ドンゴンが、人間離れしたスピードで猛牛よりも速く走ったり、
彼が美女を凧のように飛ばしながら走る姿は、ただただ笑うしかなく…

今回、この映画を観ようと提案したのが自分だったので、友人の手前、
「このままパッとしないで終わっちゃったらどうしよう 」と
途中まで余計な心配をしていた。

が、クライマックスのところで、侯爵の口から長年美女を思い続けてきた理由が語られ、
四角関係のもつれに入ったあたりから、俄然、ストーリーは盛り上がった。

ニコラス・ツェーがオイシイとこ持ってったな~、って感じである。

映画が終わって開口一番、「あの人カッコよかったよね~」と、
ニコラスくんについて、友人Tと盛り上がる盛り上がる!
(コイツとはたまに好みのタイプがかぶるんだよなぁ…)

私 「表情がKAT-TUN赤西くんに似てる」
T 「武田真治にちょっと似てなかった?」
H 「アゴの細いとこがB'zの稲葉さんに似てる」

さらにいえば、顔全体の印象が及川ミッチーにも似てるような…。
みんな、それぞれちょっとずつ似てる。

ニコラス・ツェーは香港の俳優さんらしいけど、
彼がこれまでに出演した作品を一つも観ていない。

この人は今後要チェックだな


映画の評価 ★★
(このうち★1個分はニコラスくんの分)

※評価ランク ★★★★★完璧 ★★★★強く感動 ★★★フツーに感動
★★まあよかった ★イマイチ ☆ ★の半分

「ノッティングヒル」つながり

2006-02-04 22:50:47 | 映画
松潤が、雑誌『ROADSHOW』に連載を持ってることは、ちょっと前から知っていた。
「ROADSHOWって、ひょっとして、ビニルひもで縛ってあるヤツ?」と思い、
書店で探したら、案の定そうだった。

「これは図書館に行って見てくるしかない」(買わないのね…
と思ったが、なかなか行く機会がなかった。
というか、いまいち飛んでいく気になれなかったのは、
「潤くんとは、映画の好みがだいぶ違うから…」という思いがあったからだ。

東海地方では電波が届かないラジオ局で彼がDJやってる番組
「嵐・JUN STYLE」の中で、彼がよく、最近観た映画について語っている…レポ
(ファンがネット上で公開してくれている)を読んでると、
彼が感動した映画とイマイチだった映画が、自分とは真逆だったりして…
愛があっても、好みの違いは超えられないのである。

それが今日たまたま、用事を済ますまでの時間つぶしのために
図書館に立ち寄ることになったのだった。

ROADSHOW最新号(3月号)は、恋愛映画についてのコラム。
見開き右ページには、道明寺ヘアの潤くんが、トレンチコートを着て、
オープンカフェでコーヒーを飲んでる姿が…眼福(バアサンか?)

で、潤くんおすすめの恋愛映画2本が紹介されていて、そのうちの1本が
『ノッティングヒルの恋人』だったことにカンゲキ!
私もスキスキこの映画ぁ!珍しく意見が合ったねぇ

で、自分ならどの作品を2本選ぶか考えてみた。
私の中でダントツベスト1は『ジュテーム・モア・ノン・プリュ』(1976)
で、ナンバー2はというと…これがなかなか絞り込めない。

なので、せっかくの「ノッティングヒル」つながりを生かすべく、企画変更!
「ノッティングヒル」は、自分にとって「寂しいとき、ハッピーな気分になりたくて
観る映画」なので、選ぶテーマはそっちにした。

私の「寂しいとき、ハッピーな気分になりたくて観る恋愛映画」2本

『月の輝く夜に』(1987)

録画ビデオをこれまで何回観たことか…。
ロマンチック・ラブ・コメディで、ストーリーが非常によくできている。
若かりし頃のニコラス・ケイジが見れるし、
オペラ劇場でのデートのシーンは、女なら憧れずにはいられない!?
観終わった後、すごく幸せな気分になれる。
この映画が、私の恋愛映画ベスト2かもなぁ…。

『ノッティングヒルの恋人』(1999)
恋愛ストーリーの王道といった感じで、「この映画好き!」というのが
気恥ずかしくなるくらいである。
ユーモアにあふれていて、ウィリアム(ヒュー・グラント)の友人たちが絡む
エピソードも愉快だし、クライマックスが、もう最高に盛り上がる!
気持ちよく泣けて、幸せな気分になれる映画である。

ちなみに、潤くんが選んだもう1本の映画は『スウィート・ノベンバー』(2001)
これは観たことないので、今度ビデオをレンタルしてこようっと

THE 有頂天ホテル

2006-02-03 22:17:29 | 映画
なんか楽しそうだな、と思い、用事を済ませた後、ついでに観てきた。
予想通り、笑えて、時にほろっと泣ける、楽しい映画だった。
大勢の役者さんを絡ませて、ストーリーを巧みに編み上げる、
三谷幸喜の手腕はやはり見事だと思う。

SmaSTATION-5の月イチゴローで、ゴローちゃんがこの映画の感想を
「映画というより舞台作品のようだった」と語っていた。

そのときには、カメラワークとかがそんな風なのかな?と思っていたが、
セリフ回しとか、演出の仕方に舞台っぽさが出ていて、
映画もドラマも常にリアリティーというか、自然な空気、さりげない演技を
尊重する自分としては、その「舞台っぽさ」が、観ていてちょっと気になった。
こういう演出の仕方が、三谷幸喜の味なのかもしれないが。

それにしても三谷作品には、熱烈なファンがいるねぇ。
前の方の席で、やたらに女性の笑い声が響いていた…

映画の評価 ★★☆
 
※評価ランク ★★★★★完璧 ★★★★強く感動 ★★★フツーに感動
★★まあよかった ★イマイチ ☆ ★の半分


私は、TVドラマをこよなく愛す女だが、
映画はやはり、ドラマの10倍、100倍ものインパクトがあるなと思う。
臨場感が違う。
観終わった後、トイレの鏡で自分の顔を見ると、イキイキしている。
すごく活性化されて、エネルギーが充てんされる。

こんなに映画が好きなのに、昨年は劇場で5本ほどしか観ていない。
自分の好きなものから離れてしまっている人生って、やはり不自然だ。
そんな人生、破綻して当然だったな、と思う。

さよならみどりちゃん

2005-10-27 23:50:11 | 映画
古厩智之は、好きな映画監督の一人である。

今ちょうど映画館で上映してるのを、
おととい友人にもらったチラシで初めて知った。
上映期間が明日までだから、行くなら今夜しかない!と
仕事もそこそこに、映画館に駆けつけたのであった。

座席数45のミニシアターのレイトショー。
始まる30分前に映画館に到着したにも関わらず、
ロビーは「みどりちゃん待ち」の客でごったがえしてて、
座席も、前列に座イス、両サイドにはパイプ椅子を追加するという盛況ぶり。

「そっかぁ、そんなにいいか、この映画~!」と、
いやがおうにも期待は高まった。

のだが…

あのユタカ(西島秀俊)って男、
最後の最後まで、一発殴ってやりたかった

好きな男性のタイプは人それぞれだと思うけど、
あんな誠実さに欠けたチャランポランな男にひかれる女心も理解しがたい。
太郎くん(松尾敏伸)の方が真面目で好感が持てる。

観てる途中で「ひょっとして観客は、ヒロインの星野真理の
脱ぎっぷりのよさを観に来てるんじゃ…!?」という疑念が頭をよぎり、
そしてそれは最後まで晴れることがなかった…。
(観客のほとんどが男性、しかも若い世代多し

男性から観れば、ある意味「オイシイ」映画だったのかもしれないが、
私にはピンと来なかった

映画の評価 ★
※評価ランク ★★★★★完璧 ★★★★強く感動 ★★★フツーに感動
★★まあよかった ★イマイチ ☆ ★の半分

愛についてのキンゼイ・レポート

2005-09-08 22:10:47 | 映画
(まだ観てない友人宛のメールより)

観たよ~!
感動した(T_T)

「相違にこそ、生物が生きている意味がある」という
キンゼイの言葉には励まされるし、
「知る」ことで救われた老婦人のエピソードは絶対泣ける(T_T)

これは観る人によって何に触発されるかが違ってくる映画じゃないかな?
私が観終わって感じたのは、人間の感情の不可思議さかな。


真夜中の弥次さん喜多さん

2005-04-16 23:44:09 | 映画
超シュール。

ストーリー的に何がどうというより、
「クドカンワールド炸裂!」といった感じだった。

私は基本的に、ストーリーの巧みさに唸らされたり、
感動させられたりする映画が好きだが、
この映画のように「頭で考えるより、ただ感じろ!」
というようなタイプの映画も嫌いではない。
中途半端なコメディやシリアスをやらかされるよりはよっぽどいい。

なんか「撮りたいものを撮った!」という突き抜け感があっていい。
ただひたすら、クドカンワールドに仕込まれたおかしさを笑う。
それが、この映画の楽しみ方だと思う。

シリアスのツボ
セリフをはっきりと覚えていないのだが、
映画の最初の方で喜多さんが、
「ヤク中でボロボロでも、生きていかなきゃなんねぇ」
とかいったセリフ。妙に心に響いた。
この映画のテーマとか表現したいこととかに、
なんも関係ないんだけどね…

笑いのツボ
奉行の行列が通るそばで、
喜多さんがクスリの副作用で幻覚を見て錯乱。
弥次さんが喜多さんを正気に戻そうとボコッと頭を殴った。
そのとき、弥次さんが手に持っていたのは近くにあったお地蔵さん…
「地蔵で殴るなよ」
とツボにハマり、しばらく腹筋のケイレンが止まらなかった。
しかし、中村家親子二代で出演していたとはビックリ


          


映画の評価 ★★
(これでも、クドカンワールドに敬意を表した、
悪くない評価だと自分では思う。)
※評価ランク ★★★★★完璧 ★★★★強く感動 ★★★フツーに感動
★★まあよかった ★イマイチ


ただ、この映画を観てたせいで、
「瑠璃の島」の初回を見逃した…

真夜中の弥次さん喜多さん
監督・脚本:宮藤官九郎 原作:しりあがり寿
主演:長瀬智也 中村七之助

2005-01-26 03:05:56 | 映画
昨夜、友人Hとごはんを食べながら、
「東京タワー」の感想について語り合った。

私から見ると彼女は「詩史」タイプのように思えたのだが、
彼女が登場人物の中で一番共感したのは「透」だったらしい。
「道ならぬ恋」の相手を、一途に激しく思っていた頃の
つらさがよみがえってきたのだという。

「そうか、つらい、かぁ……」

映画を観てるとき、自分は、あまり透に感情移入していなかった。
人を愛する気持ちって「喜び」のイメージの方が強くて、
彼の詩史を思う一途さ、切なさをひっくるめて
「美しい」の一言で片づけてしまっていたような。
完全に客観的な立場……

彼の「つらさ」について、思いを及ぼすことをしなかった。
つらいぐらいに誰かを愛した体験なんて、自分にはないかも。
これまで、愛し足りなかったか!?
やっぱ、「自分が一番かわいい」女……!?
でも今後、そういう恋に落ちないとも限らないけど。

しかし。

「身を焦がす恋、もいいけどさ。
もうこれからは、穏やかな恋愛がしたいよね~」

というのが、二人の共通意見だった。
身を焦がす恋は、もう、シンドイよね……と、まったりモード全開。
こんな二人でも、ロマンスの神様、見捨てないで!