但馬の書家

2018年07月09日 | 但馬の人物
               南の峰々に夏雲出始める


(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成28年 第11回但馬検定(2級)問題より

【68】新温泉町二日市に生まれ、「古墨」「法帖事典」などの著書で知られる
現代書道の先駆者は、誰でしょうか。

(a)京極杞陽     (b)宇野雪村     (c)丸山修三     (d)藤原東川

 新温泉町二日市(ふつかいち)に生まれ、前衛書道の草分け的存在であり現代
書道の先駆者は宇野雪村(うのせっそん)なのです。

平成7年(1995)に83歳で生涯を閉じた偉大な書道家・宇野雪村を顕彰して、
「宇野雪村賞」全国書道展が平成12年より毎年実施されています。

雪村は御影師範学校(現神戸大学)卒業後、書を上田桑鳩(そうきゅう)に学び、
戦前・戦後を通じて日展などで多くの特選を得ています。

後に桑鳩を継いでい奎星(けいせい)会の代表になり、前衛書道、現代書道の世界
で国内外広く活躍します。

大東文化大教授も務め、「古墨」「法帖事典」などの著書も著しています。

答えは、(b)の宇野雪村なのです。 

 ちなみに、(a)の京極杞陽(きょうごききよう)は、旧豊岡藩主家の当主として
東京で生まれ、子爵で貴族院議員を務めます。俳号を「杞陽」というとても有名な俳
人なのです。

(c)の丸山修三(まるやましゅうぞう)は、香美町村岡区生まれの歌人です。

生涯を僻地医療に捧げる中、但馬を題材の歌集を世に出し、多くの人から師事された
歌人なのです。

(d)の藤原東川(ふじわらとうせん)は、和田山町東河(とが)生まれの歌人です。

農業のかたわら歌人としての道を究め、但馬歌壇の父といわれる存在でした。


『青空』

 ケンちゃんね、昨日の水害は大変だったね。但馬だってものすごい雨で、水の被害
が出るかと心配していたけれど、それ程でなくて助かったね。

岡山や広島の水害の被害に遭われた皆さん、気の毒と言うしかないね。心よりお見舞
い申し上げます。

ケンちゃんね、水害って昔からあったの。じいちゃんが子供の頃も何度もあったんよ。

じいちゃんちの家は水のよくつく所にあったの。周りを見ればよくわかるんよ。
石垣の高い家があるの。だいたい昔からのお金持ちの家は、石垣が高くしてあるの。

普通の家はだいたい低いわけ。

台風が来ると、今以上に治水がよくないから水がよくつくの。
度々だよ。大きな台風が来る度に、じいちゃんちなんか床下浸水、床上浸水したね。

広島のように土砂崩れの被害はなかってけれど、浸水はしょっちゅうだったの。

水のつく季節になると、石垣の家が羨ましかったね。
高いところにある府中小学校より上の地区は羨ましかったね。

今も昔も同じなんだけれど、台風が通り過ぎると「カラっ」と青空になるわな。それが
とっても嬉しいような、悲しいような気分だったね。

水のつかない地区のみんなは、心配しなくてもいいの。ついたところは、後片付けが大
変なんよ。同じ青空でも嬉しくなかったな。

恨めしいくらいの気分だったの。

今度の梅雨の大雨は、台風が通り過ぎてからの大雨だったね。
被害のあった皆さんは、この後青空がやってきても本当に辛い青空だろうね。

じいちゃん、心から心配してあげるねご苦労さまと。