大屋町加保坂の貴重な植物

2018年05月01日 | 但馬の植物
            大屋町加保坂の貴重な植物


(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成28年 第11回但馬検定(3級)問題より

【58】1970年(昭和45年)に養父市大屋町加保坂で自生が発見され、この植物
の自生地として日本の西南限地となっている県指定天然記念物の植物は、どれで
しょうか。

(a)ヤマドリゼンマイ     (b)ミズバショウ    (c)ミツガシワ    (d)ザゼンソウ


大屋の町から、山の中の急な坂道を車で登っていきます。

関宮に抜ける山の中の道路です。

4Kmくらいの道のりを走り、標高500mくらいの高さからは、眼下に町の家々が

見渡せます。

養父市大屋町加保地区の山頂付近、加保坂には珍しいミズバショウの自生地が

あります。

湿地に育つ「ミズバショウ」の白い花が、とてもきれいに咲いています。

そんなに広くもありません。そんなにたくさん咲いているわけでもありません。

それでも、この加保坂のミズバショウはとても貴重で珍しいもののようです。

ちょうど地元の案内ガイドの男性が、訪れた人にこの地のミズバショウについて

説明されていました。

そばで一緒に聞きます。

男性は「高校生のころに、この地に自生しているミズバショウを発見しました」、

見学に訪れたご夫婦「へ~、あなたが見つけられたのでしょうか」、「そうです

よ。私たち高校生が見つけて専門家に調査確認されのです」、

「但馬の大屋町・加保坂のミズバショウは、自然に自生しているものとしては、

日本の南西限の地で学術的に貴重なものと分かったのです」、「今から48年ちょ

っと昔の高校生のころなのです。

今はこうしてガイドをしています」と、横からじっと聞いてしまいました。

ミズバショウって有名なものは、「夏の思い出」で歌われる尾瀬のミズバショウ

です。

案内板には「北海道や中部以北の高山などの湿地に多く自生しているミズバショ

ウ」と書いてあります。

「ずっと最近まで自生地の南限は白山の東、岐阜県の蛭ケ野高原とされていまし

た。

1970年に地元の高校生によって加保坂の山中で発見され、植物学者・矢野悟道教

授らによって自生のミズバショウと確認、花粉分析から約1100年前から存在が明

らかになった」と説明です。

養父市の町の花、兵庫県指定の天然記念物なのです。

人間の手によって植えられたミズバショウ園は、関西でもあちらこちらにあります

が、 自然に自生しているものとしては、大屋町のミズバショウが日本の南西限に

咲く珍しいものだそうです。

29日(日)には、「加保坂ミズバショウまつり」が開催されました。

答えは、(b)のミズバショウです。


 ちなみに、質問の(a)ヤマドリゼンマイは、温帯地方の山地の湿地に群生しま

す。但馬では、養父市大久保の鉢伏高原に群生していました。

西日本では珍しく昭和40年(1965)には県の天然記念物に指定されます。近年は

段々と消滅の危機に瀕しているのが実情です。

(c)のミツガシワは、3枚の葉がカシワに似ている湿原に自生する多年生の水草で

す。

兵庫県では、養父市丹戸の鉢伏高原に自生しています。

(d)のザゼンソウは、座禅を組んだ僧に似ていることから名づけられたサトイモ科の

植物で本州の高湿原地帯に分布しています。

香美町村岡区大笹のハチ高原には、1.5haに約3,000株のザゼンソウが自生していて、

県の指定天然記念物となっています。


『はしかいい』

 「ケンちゃんね、じいちゃんは風邪を引いたのか、ノドが “はしかいい” わい

や」って言う、「はしかいい」は但馬の方言なんよ。

「はしかいい」は、何かチクチクしてかゆいような時に使うんよ。

昔ね、「稲こき」ってした時、稲の穂のとがったワラが、腕や首についてチクチクし

たものだったね。

そんな時、稲の脱穀作業はそこら中チクチクして、「はしかいいなあ~」って言った

んよ。

「はしかいい」は、この言葉を聞いただけで、首筋のほうがチクチクするような気が

するんよ。

風邪でノドがチクチクする時も、とがったワラが腕に刺さってチクチクする時も、お

んなじ意味の「はしかいい」って言ったんよ。

それからね、「はしかいい」はもう一つ意味があるの。

「あの人、はしかいいわ」と言ったら、ちょっと性格が悪くって、少し、すこい事を

する人のことなんよ。

「はしかいい」は何か知らんが、あんまり良い事には使わんね。聞いただけでも首筋

かゆくなるわいね。