日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

テレビドラマ「坂の上の雲」を見ている。

2009-12-13 15:36:48 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
坂の上の雲
NHKが長期ロケを行なうなど、充分な費用をかけて製作された作品です。
で、2回が終わりました。

ナレーションは、原作の司馬遼太郎の文章を語るのだけれど、彼の文の特徴は、読み手に語りかけるような筆致が特徴なものだから、司馬さんに招かれて明治時代を鳥瞰しているような気分になる。

秋山好古、真之、正岡子規の3人を軸とした展開なのだけれど、第2回目では、正岡子規の妹律の結婚にココロが痛む。
大学予備門に通う子規の3つ年下だとすると、二十歳前でしょう。
縁あって軍人と結婚して、夫の両親の世話をする。
夫は東京。嫁は始めから舅姑の面倒を見るのが第一の目的。
先日読んでいた「日本婦道記」に出てくる嫁のパターンと同じ。
「かつての女性は酷い扱いされていたのだね」
というと、
「食べていくのがやっとの国では、それしか食いつないでいく方法がなかったからだろう」
そんなやり取りをした。
結婚したものの夫ではなく、舅姑に仕えるばかりで、一度夫に会おうと東京に出向いた律は、夫から、東京に来たことをなじられ、まもなく離縁となる。
遊び仲間の真之が帰郷していることを聞き、帰り際の幼友達に向かって口にする。
女の私であっても「自主自立、一身独立」(福沢諭吉の学問のススメ、からきているとか、秋山好古の座右と)ことを、律は別れ際に真之と言い合う。
真之が、勉強はスカン、喧嘩が好きだ、どうせ喧嘩をするなら、大きい喧嘩、外国との喧嘩が面白い、と野生児だから出てくる台詞を言わせ、大国=軍事大国の時代の一つの立身出世の道を書く一方で、律という女性を通して、松山という田舎町に萌芽を置いている。
これって、まったく司馬さんだなー、と。司馬さんがこの時代にこういう女性もいたはずだ、と拵えたんだろうな、と、そう思いながら観た。

そして、俳優さんたちの演技が観ていて気持ちいい。
こんな風に、真剣な役への取り組みを通して、役者さんは成長なさるのだろうなー、と、余計な事まで考えている。アハハ。

今とは時代が違うし、司馬遼太郎さんの物語部分も入っているだろうし、テレビ画面から流れてくる物語で、本当を知ることにはならないのだけれど、でも、こんな時代を通って、今の日本があるのだと、そういうことを考える機会になるから、いい。



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2 コメント

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Unknown (ちゃい)
2009-12-14 23:56:01
実はHDDに3回分録画はしたんですけど、、、見ていません。本も、義父、義妹は読破したようで、義理の実家にはあるのですが。。。
なので、こうやって中身をかいつまんで説明してくださると、ありがたいです。
実は、2回分ぐらい、夫にサマリーしてもらおうともくろんでいます(爆)。
私、長時間映像を見るのが苦手で、映画も好きじゃないので。。。。
HDDは早送りできるので、「ここぞ」という場面だけ、しっかり見たいと思いますので。宜しくお願いします(すみません)。
そうですか、映画が苦手。 (街中の案山子)
2009-12-15 13:35:59
いろんな人がいますね。
映画によって、本以上に多くの人に伝えることができるから、貴重な文化だと思うのですが、嫌いだったらしようがありませんね。
どの映画での好き、というタイプではないのですが、なんと人は凄いのだと、感銘を受けるものも多々ありますよ。

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