たかお日記

高尾紳路九段オフィシャルブログです

告別式

2009-05-11 09:33:00 | 囲碁
昨日はホントに暑い日でしたね。
こぐ親しい方だけで
師匠の藤沢秀行先生の告別式でした。

冠婚葬祭が大嫌いだった
先生の遺志を尊重してとの事。

偲ぶ会が予定されていますので、
詳細が決まり次第、
このブログでもお知らせします。


3月頃から先生のお身体の具合が悪くなり
何度もお見舞いに伺いましたが、
先生は、「余計な延命処置は必要ない」。

今月4日に、僕が対局が終わった直後
「秀行先生が危篤」との報が入り
急遽病院へ。

病院に到着した時には、
多少意識があるといった状態。
医者からは”余命数時間”と言われ
近くのホテルに泊まりましたが、
先生は奇跡的に持ち直しました。

7日に名人リーグ(対張豊猷戦)に
なんとか辛勝した後、(終局は午後10時半頃)
あわてて病院へ。

不肖な弟子は、病室にビールを持ち込み
先生のご親族や見舞いに来られた方と、
昔話に、先生の思い出話に
花を咲かせながら酒盛り。

(ちなみにお酒や競馬は、
先生に教えてもらった事はなく、
自主的に始めたものです。)

対局後で、なかなか眠くならず
朝まで先生の横にいましたが、
さすがに午前6時頃、近くのホテルへ。
それから30分程してから携帯の電話が鳴り
「先生が亡くなりました・・・」
弟子の前では、死ねなかったのでしょうか。


慌てて病院へ行き、先生の
丸っこい右手の、その人差し指を
ひたすら、さすっていました。
打つ時に、手を大きく見せる
先生の手つきが大好きでした。

この手から、この指から、
数々の好手、数々の名局が
生まれたんだと・・・

先生の手が、人差し指と
小指の長さが一緒な事に
初めて気がつきました。
(人差し指がかなり短かった)
やはり、”強烈な努力”を
されていたのですね。



先生と会話をしたのは、
4月27日でした。


第5回大和証券杯ネット囲碁オープン戦の
予選(対中野寛也九段)対局後にお見舞いへ。

先生にご挨拶したあと、
待合室でくつろいでいたら、
先生のご親族の方が
「高尾さん、呼んでます!」

何かと思って行ってみると
僕に改めて伝えたい事がある様子。
(今思うと、僕への遺言だったのでしょう)

ただ、先生はあまり声が出ない状況で
聞き取れなかったのが残念でなりません。
たぶん、”屈々伸”とおっしゃってた
気もしますが・・・
(屈々伸は、僕が名人になった時に
先生が思いついた造語だそうです)

なかなかコミニュケーションが取れず
先生もイラついてきて、
最後にいただいたのは、この言葉でした

「ばかっっ!!」







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