たかお日記

高尾紳路九段オフィシャルブログです

さようなら。

2009-05-09 10:54:50 | 囲碁

人生で初めて泥酔してる人を
目の当たりにした、小学3年生。

昔話に出てくる妖怪みたいで
とにかく恐ろしく、
訳の分からない言葉を叫ぶ。
お酒が抜けると一転して優しくなり
「おい、坊主1局教えてやろう」
と、教えていただきました。

あれから23年。
ひたすら叱られ続けた23年。
そして、心配ばかりかけた23年。

入段してから五段になるまで、
ほとんどの碁を棋譜で郵送して
見ていただのですが、
その中で褒められた事は
2回ぐらいでしょうか。

研究会や合宿でも、
特に厳しく叱られました。
飛行機の中、あるいは
競馬場にも棋譜を持って行き

「まだそんな事も分からないのか!
おれは、パドック(馬の下見所)
行ってくるから、
その間にしっかり考えろ!」

だいたいこんな感じです。
先生から最も教えを受けた棋士は、
おそらく僕でしょうね。

その割には、なかなか結果を出す事が
出来なかったのですが、
5年前、第60期本因坊戦で
思いもよらず挑戦者に。

まだほとんど実績の無かった僕は
”七番勝負で1勝も出来ないんじゃないか・・”
と不安で一杯でしたが、先生は
「大丈夫だ、きっと勝つよ。
心配しなくていい」

結果は、4勝1敗で
初めてのビックタイトル。
勝ったあと、真っ先に先生へ報告。
ようやく、褒めていただけるかと・・・
「なに勝ち碁をグズグズしてんだ。
ずいぶんハラハラしたぞ!」
と、やはり怒られましたが・・・

最後まで心配ばかりかけてました。
先日の十段戦で負けた直後、
ばつの悪い顔でお見舞いへ。
先生は、ただただ
にっこり笑っていました。


怖くて、厳しくて、時に優しくて
見てないようで、
いつも見守っていただいた先生。

素晴らしい師匠、藤沢秀行先生に
出会えて本当に幸せでした。

23年間、ありがとうございました。
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