イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

早池峰山のアカエゾマツは氷河時代の生き残り アカエゾマツ

2020-01-31 10:25:53 | 趣味・特技
マツ科(Pinaceae); トウヒ属(Picea); アカエゾマツ(P. glehnii)
学名: Picea glehnii
和名: アカエゾマツ(赤蝦夷松)

 花巻広域公園にはたくさん木が生えているが、アカエゾマツも生えている。しかし、自然に生えていたものではなく植栽されたものだ。アカエゾマツ本来の分布地域は東部シベリア、中国東北部、朝鮮半島などであるが日本では樺太の南から北海道の中部北部に分布する。本州以南には生育していないものと見られていたが、岩手県の早池峰山にも僅かではあるが生育が確認され、1975年に「早池峰山のアカエゾマツ自生南限地」として国の天然記念物に指定された。氷河時代の生き残りなのだそうだ。
 用途としては、軟らかくて彈力があるので、ピアノやバイオリンの表面板などに利用されるという。

広域公園にはアカエゾマツがたくさん植えられている。(花巻市金矢 花巻広域公園、2016年10月23日)


同上


同上、上の方にたくさんマツボックリが見える。(同上)


アカエゾマツの葉。(同上)


アカエゾマツのマツボックリ。アカマツよりも小振りなマツボックリだ。(同上)

金平糖のような球果 サワラ

2020-01-28 20:38:39 | 趣味・特技
ヒノキ科(Cupressaceae); ヒノキ属(Chamaecyparis); サワラ(C. pisifera)
学名: Chamaecyparis pisifera
和名: サワラ(椹)
英名: Sawara cypress

 近所の桜台小学校の奥から北側に抜けると花巻温泉につながる道に出る。その道を西に向かった道端にサワラが生えていた。針葉樹はどれも似ていて見分けが付けにくいが、球果の形が違うので見分けられる。サワラの球果は円くて少しいかつい感じ。金平糖にちょっと似てる。また、葉の先端が尖っているのも特徴の1つだ。さらに葉裏の気孔帯がX字型に並んでいるのも特徴だという。今回は9月でその球果を確認出来た。
 サワラはヒノキときわめて近縁で交雑もするようだが、生育場所は異なっている。ヒノキはどちらかというと尾根筋の乾燥した地域を好むが、サワラは逆で川添いの湿地等を好むようだ。材質はスギやヒノキと同様建材にも使われるが軟らかい性質のためあまり好まれない。しかし、あまり特有な臭いが無く水侵に強いため、飯びつ、ひしゃく、風呂桶などに用いられる。 


散歩していた途中サワラを見つけた。(花巻市浅沢、2015年9月20日)


サワラの球果。丸い形だが少しいかつい感じで金平糖にちょっと似てる。(同上)


葉の先端は尖っている。これもサワラの特徴。(同上)
 

葉を揉むと甘い香りがする ニオイヒバ

2020-01-27 20:09:46 | 趣味・特技
ヒノキ科(Cupressaceae); クロベ属(Thuja); ニオイヒバ(Thuja occidentalis)
学名: Thuja occidentalis
和名: ニオイヒバ
英名: Thuja occidentalis

 以前、朕は金ケ崎町にある荒巻公園のテニスコートにもはるばる足を伸ばしてテニスをやりに行ったものだが、ここには色々な木が植えられている。その中で気になったのが、細長い実を沢山つけている針葉樹だ。一見してヒバの仲間だが、コノテガシワの実とは異なるので気になっていた。
 調べてみて、ニオイヒバだと分かった。7月始めには青くて細長い実を枝先に沢山付ける。9月にもなると、茶色く変化して実が熟してくる。
 その名の通り葉を揉むと甘い良い香りがする。

荒巻公園テニスコート脇にあるニオイヒバ。(金ケ崎町 荒巻公園、2016年9月25日)


こちらは7月に観察したもの。まだ青い実がたくさん成っている。(同上、2013年7月2日)


同上


9月になる熟して茶色になる。(同上、2016年9月25日)


同上


11月の実。(同上、2016年11月12日)

白い毛虫がたくさん垂れ下がったような萼筒 ミツマタ

2020-01-26 12:14:34 | 趣味・特技
ジンチョウゲ科(Thymelaeaceae); ミツマタ属(Edgeworthia); ミツマタ(E. chrysantha)
学名: Edgeworthia chrysantha
和名: ミツマタ(三椏、三叉)
英名: Oriental paperbush

 5月始め、東和町の三熊野神社に行ったとき、社務所の近くに小さくこんもりした木が生えていて、枝に葉は付いていない。良く見ると枝先に白くて毛むくじゃらの毛虫のようなものが沢山付いているように見えた。花には見えないし、これは一体何なんだろうと不思議に思っていたが、家に帰って調べてみて、これはミツマタの花の萼筒であり、花が咲き終わった状態だということがわかった。3月頃に黄色い花が咲くらしい。今度は是非花を見に行ってみたいものだ。それにしても面白い形をした萼筒だ。11月にも行ってみたがこの時はまだ葉が残っており、既に花芽が出来ていた。この時期は萼筒が密着しているので小さな蜂の巣のように見えた。
 ミツマタは中国原産で紙作りの技術と共に日本に伝わった植物だという。非常に光沢のある丈夫な紙が出来るので、現在でも紙幣の原料に使われているらしい。
 ミツマタという名の通り、枝が3つに分かれて分枝するのが特徴。


三熊野神社の社務所の近くで見つけたミツマタ。枝の先に変な白いものが付いている。(花巻市東和町 三熊野神社、2014年5月7日)


枝は3つに分かれている。(同上)



白いものをアップするとこんな感じ。白い毛虫のようにも見える。これはミツマタの花が咲き終わった萼筒だと分かった。(同上)


同上



11月にも行ってみたが、この時はまだ葉が残っていて、白い花芽も付いていた。(同上、2016年11月5日)


アップすると、萼筒が密集しているので蜂の巣のようにも見える。(同上)


子供が手のひらを上げたような コノテガシワ

2020-01-25 16:56:09 | 趣味・特技
ヒノキ科(Cupressaceae); コノテガシワ属(Platycladus); コノテガシワ(P. orientalis)
学名: Platycladus orientalis
和名: コノテガシワ(児の手柏)
英名: Chinese Arborvitae

 垣根などによく見かける木だ。原産地は中国の北部から西部とされている。
 近所のコノテガシワの木から球果を取り、その中の種を蒔いて苗を育てた。それを30数年前に我が宮殿を建立する際、家の脇に生け垣として植えた。最初は一本一本が離れた状態でこんもりと丸みを帯びた独立した樹形だったが、成長するにつれてその隙間は埋まり、連続した緑の生け垣となった。
 コノテガシワという名前は葉が直立し表と裏がはっきりせず子供が手のひらを上げた状態に似ていることから付けられたという。
 実は青みを帯びて角のある独特の形をしている。刈り込みにはめっぽう強く、強く刈り込んでも直ぐに新しい葉が密生してくるので、生け垣には向いている。


朕の宮殿脇にあるコノテガシワの生け垣。平たい葉が直立している。刈り込みにはめっぽう強い。(花巻市桜台、2017年6月9日)



同上



コノテガシワの未熟な球果。青みを帯びて角のある独特の形。もう少しすると下の方が膨らんでくる。(同上)



同上