イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

太陽の周りに出来る変わった虹のコラボ 内暈と外暈

2022-11-30 22:12:16 | 趣味・特技
   7月3日12時近く、いつものように花巻広域公園でテニスをしていると空に虹が現れた。普通の虹では無く、1つは太陽の比較的近くに傘のように円形に取り囲む虹だ。これは暈と呼ばれる現象で内暈とも呼ばれる。比較的よく見られる現象だが、虹色に輝くのにはあまりお目にかかったことが無かった。
 もう1つはそれよりもかなり離れた位置で殆ど水平線に近く現れた虹である。これは水平にも見えるが太陽を遠くから取り囲んでいる環の一部分のようにも見える。水平であれば環水平アークであり、環の一部であれば外暈と呼ばれるようだが、どちらかというと環の一部のように見えるので外暈だと思われる。こちらはなかなか見られる現象ではないようだ。環水平アークについては既に投稿済みである。
 内暈、外暈、環水平アークも太陽の側が赤色で外側が紫色となる。太陽を中心として22度の角度に現れるのが内暈、46度に現れるのが外暈、環水平アークであるという。また、同じく太陽を中心とした位置から太陽とは反対側に天頂を囲むように出る虹を環天頂アークと呼ばれる。環の内側は外暈等とは異なり紫色で外側が赤色になるが、太陽の側は同じく赤色であることに変わりは無い。こちらについても既に投稿しているが、こちらを観察したのは4月であり寒い時期だった。
 いずれもテニスをやってる最中での体験だった。皆さんもたまには空を見上げてみれば面白い現象に巡り会うかも知れませんよ。


テニスコートで観察した内暈と外暈。(花巻市金矢、花巻広域公園、2022年7月3日)


一関で見つけた常緑のどんぐりの木 アラカシ

2022-11-20 22:46:25 | 趣味・特技
ブナ科(Fagaceae); コナラ属(Quercus); アカガシ亜属(Q. subg. Clobalanopsis)
アラカシ(Q. glauca)
学名: Quercus glauca
和名: アラカシ(粗樫)、クロガシ、ナラバガシ
英名: ring-cup oak


 一関運動公園で開催されたテニス大会に参加したとき、テニスコートの周りに植えられているどんぐりの木に気づいた。岩手で普通に見かけるコナラなどとは違い、葉がテカテカ光っていることからして常緑樹であることは明らかだ。初めて見るどんぐりの木だ。
 何ていう木かなと思って色々と調べてみた。候補に上がったのは、どんぐりの殻斗(どんぐりの帽子の部分)の鱗片が合着して同心円状に並んでいることから、コナラ属アカガシ亜属に分類されるようだ。ここに入るのはアカガシ、ツクバネガシ、ハナガガシ、アラカシ、シラカシ、ウラジロカシ、イチイガシとたくさんの種類があるが、葉の形、鋸歯の有無、葉裏の色、どんぐりの形、幹の色や形状、生育分布等を検討した結果、アラカシであろうと結論づけた。
 しかし、アラカシの生育分布も宮城県以南とされているが、一関は岩手でもかなり宮城県寄りに位置するので、これらの木は自然に生えたものでは無く植栽されたものなので生育は可能なのであろうと考えた。
 図鑑(山渓ハンディ図鑑3、樹に咲く花、離弁花1)には山麓に生えるもっとも普通のカシ類で単にカシと呼ばれることも多いと記載されていた。しかし、落葉樹が殆どを占める岩手ではとても珍しい。それだけ一関は岩手の中でも温暖な気候なのだろう。


一関運動公園テニスコートの周りにどんぐりの木が植えられていた。(一関運動公園、2022年10月16日)



木の幹(同上)


葉の形状、裏表(同上)



どんぐり、殻斗の鱗片が合着して同心円状に並んでいる(同上)


クルミなのにクルミがならない サワグルミ

2022-11-01 20:42:46 | 趣味・特技
クルミ科 (Juglandaceae); サワグルミ属 (Pterocarya); サワグルミ (P. rhoifolia)
学名: Pterocarya rhoifolia Sieb. et Zucc.
和名: サワグルミ(沢胡桃)
英名: Japanese Wingnut


 花巻温泉の直ぐそばの台温泉を流れる台川は釜淵の滝等の観光名所がある川だ。近くに遊歩道があり、初夏にはゲンジボタルが幻想的な姿を見せてくれる場所でもある。初夏の台川沿いを散歩しているとき、川の上に被さるように木がかかり、そこからすだれ状に何やら実のようなものが垂れ下がっているのを見かけた。
 これは後で調べたところサワグルミであることが分かった。クルミの仲間ではあるが、残念ながらクルミの実はならない。翼のある種子を結ぶだけである。葉っぱはクルミにそっくりで奇数羽状複葉だが、クルミが40から60cmなのに対し、20から30cmど小振りである。逆に木そのものの大きさはクルミが7から10mなのに対してサワグルミは10から20mとサワグルミの方が大きい。
 この他、花巻広域公園、花巻から西和賀町に抜ける道路沿いなどあちこちで見かけた。


台川に被さるように生えていたサワグルミ。(花巻市台温泉、2015年7月10日)



木の枝から垂れさがる果穂。(同上)


広域公園で見かけたサワグルミ。同じく果穂が垂れ下がっていた。(2021年7月24日)


花巻から西和賀町に抜ける道路沿いで見かけたサワグルミ。雄花が垂れ下がっていた。(西和賀町、2015年5月8日)