イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

幼虫はスミレ類が大好き ミドリヒョウモン

2018-02-16 09:07:31 | 趣味・特技
タテハチョウ科(Nymphalidae); ドクチョウ亜科(Heliconiinae); ヒョウモンチョウ族(Argynnini); ミドリヒョウモン属(Argynnis); ミドリヒョウモン(A. paphia)
学名: Argynnis paphia
和名: ミドリヒョウモン(緑豹紋)
英名: Silver-washed Fritillary

 9月始め、せせらぎ公園の森の中でヒョウ柄の蝶がタチアザミの回りを舞っていた。翅の表側しか見られなかったが、ヒョウ柄の紋と前翅中央部に発香鱗条が4本の横しまをなす(Wikipedia)ことから、ミドリヒョウモンのオスと判定した。
 9月末、太田の森でユウガギクの回りを舞っているヒョウ柄の蝶を見つけた。図鑑とにらめっこして翅の表の柄を比較した結果、こちらはミドリヒョウモンのメスと判定した。
 ミドリヒョウモンの成虫はは初夏か秋に活動し、冬は卵か若齢幼虫で越冬するのだという。幼虫はスミレ類を食草とするが、せせらぎ公園にも太田の森にもタチツボスミレなどはたくさん生えているので、ミドリヒョウモンの良いすみかなのだろう。 


せせらぎ公園でタチアザミにとまっているミドリヒョウモンのオスを見つけた。(花巻市星が丘せせらぎ公園、2013年9月6日)


同上


同上。ヒョウ柄の紋と前翅中央部に発香鱗条が4本の横しまをなす(Wikipedia)ことから、ミドリヒョウモンのオスと判定した。(同上)


太田の森でユウガギクにとまっているミドリヒョウモンのメスを見つけた。(盛岡市太田、2014年9月28日)


同上。


同上。メスはヒョウ柄の紋が大きく、オスに見られる横しまは見られない。(同上)

濃紺の翅の内側に水色のすじ模様 ルリタテハ

2018-02-12 20:07:12 | 趣味・特技
タテハチョウ科(Nymphalidae); タテハチョウ亜科(Nymphalinae); タテハチョウ族(Nymphalini); ルリタテハ属 (Kaniska); ルリタテハ(K. canace)
学名: Kaniska canace
和名: ルリタテハ(瑠璃立羽)
英名: Blue Admiral

 10月初旬、花巻市広域公園テニスコート駐車場のニシキギにルリタテハがとまっていた。濃紺の翅に水色の太めのすじが翅の外縁からやや内側に翅をかたどるように入る。美しい蝶だ。しかし、翅の裏面はこれと対照的に茶色がかった地味な配色である。樹皮や落ち葉に擬態しているのだという。
 幼虫はサルトリイバラやホトトギス、各種ユリ科の植物を食べるというが、広域公園にはヤマユリはたくさん生育しているし、サルトリイバラもあちこちに生えているので、これらを食べているのだろうか。
 成虫の状態で越冬するのだというが、食べるものはなに無くなるだろうから、仮死状態になるんだろうか。
 寒いべなー。人間で良かった。(^^;)


花巻市広域公園テニスコート駐車場のニシキギにルリタテハがとまっていた。(花巻市金矢花巻市広域公園、2014年10月10日)



裏面は地味な茶色。樹皮や落ち葉に擬態しているのだという。(同上)

幼虫は酸っぱいのがお好き ベニシジミ

2018-02-10 20:44:11 | 趣味・特技
シジミチョウ科(Lycaenidae); ベニシジミ亜科(Lycaeninae); ベニシジミ属(Lycaena); ベニシジミ(L. phlaeas)
学名: Lycaena phlaeas
和名: ベニシジミ(紅小灰蝶)
英名: Small Copper, Common Copper

 ベニシジミは前翅の表は黒褐色の縁取りがあり、赤橙色の地に黒い斑点がある。後翅の表は黒褐色だが、翅の縁に赤橙色の帯模様がある。翅の裏は表の黒褐色部分が灰色に置き換わっている。時に白化する場合もある(Wikipedia)。と記載されているように、翅の表と裏で全く違う印象を受ける。
 あちこちでよく見かける蝶だがベニシジミというほど赤くはない。幼虫はスイバやギシギシなどのタデ科植物を食べるという。


近所で見かけたベニシジミ。(花巻市桜台、2013年7月15日)



花巻市広域公園近くで見かけたベニシジミ。ヒメジョオンの花で休んでいた。翅がちょっと破れてる。疲れたのかな。(花巻市湯口、2013年7月19日)



同上。翅を閉じている。この様に翅の裏は灰色で、表とは全く雰囲気が違う。(同上、2013年9月15日)

葉の形が亀に似ている? タチカメバソウ

2018-02-06 17:21:29 | 趣味・特技
ムラサキ科 Boraginaceaeキュウリグサ属 Trigonotisタチカメバソウ T. guilielmii
学名Trigonotis guilielmii
和名タチカメバソウ(立亀葉草)

 この植物はなかなか同定出来ず、長い間放置していた。同定出来なかったのは、一緒に生えていたヤエムグラの仲間と勘違いしていたためだ。ヤエムグラ属を調べても似たような花は出てこないし、花弁が5列するのはヤエムグラではない。5裂する花の方を手がかりに調べたら、タチカメバソウだと分かった。
 分かってしまえば何のことはない、花の雰囲気は同じムラサキ科のキュウリグサやワスレナグサとそっくりだ。ただし、色は白色。
 名前の由来は、葉の形が亀に似ているからだという。そういわれればそうかも知れないという程度。
 生えている場所は湿った木陰で、たくさん密生していた。しかし、それらが総て花穂を出しているわけではなく、ところどころに花穂が出ているという感じだ。下の方の葉は幅が広くそれこそ亀を連想させるような形と云えなくはないが、花穂についている葉はかなり形が違っていて、細めでまばらである。同じ植物の葉とは思えないほど違っている。これが、混じって生えていたヤエムグラ仲間だと勘違いした原因でもある。
 この花には盛岡の太田でしか巡り会っていないが、気がつかなかっただけなのかも知れない。葉に特徴があるので、今度出会えばすぐにそれと分かるはずだ。


暗い林の脇から白い花をつけたタチカメバソウの花穂が出ていた。ヤエムグラと一緒に生えているので、一見ヤエムグラの花と間違えてしまいそうだ。(盛岡市太田、2014年5月24日)



よく見てみると、ヤエムグラとは違う葉が花穂に着いているのが確認出来た。(同上)



花はムラサキ科のワスレナグサやキュウリグサと形がそっくりだ。(同上)



タチカメバソウの実も成っていた。(同上)


林の中にはたくさん群生していたが、花穂はまばらだった。

ヘビに擬態する ベニスズメ

2018-02-05 22:16:56 | 趣味・特技
スズメガ科(Sphingidae); ホウジャク亜科(Macroglossinae); 属(Deilephila); ベニスズメ(D. elpenor)
学名Deilephila elpenor
和名ベニスズメ(紅雀、紅雀蛾)
英名Elephant Hawk-moth

 用水路に生えた草に大きなイモムシがついているのを見つけた。かなりグロテスクな風貌だが第1・第2副節に眼状紋があるので、ベニスズメの幼虫だと分かった。スズメガの幼虫は尾角を持っているのが特徴だが、今回撮影した写真には葉っぱの影に隠れて尾角は見えなかったが、全体の特徴から間違いなくベニスズメの幼虫だと判定した。
 調べてみるとベニスズメの幼虫はアカバナ科(オオマツヨイグサ、ツキミソウ、フクシャ、ゴデジャ、ヤナギラン)、ツリフネソウ科(ホウセンカ、ツリフネソウ、キツリフネ)、ミソハギ科(ミソハギ、エゾミソハギ)、アカネ科(カワラマツバ)、ブドウ科(ブドウ)、アブラナ科(スカシタゴボウ)、 マメ科(シロツメクサ)等を食べるようだが、今回ついていたのはアカネ科のオオハシカグサだった。この他にも周辺にはツリフネソウ、キツリフネが生えているのを確認しているので、ベニスズメにとっては住みやすい場所だったんだろう。
 幼虫がグロテスクなのはヘビに擬態しているかららしい。

用水路に生えたオオハシカグサにベニスズメの幼虫がついていた。(花巻市笹間、2013年9月9日)