JIIN’S ブログ

寺院の住人が綴る、ジーンズをはいた時のような気取りなしブログ!

東来西訪

2010年10月20日 | Weblog

今月は、ドタバタと東奔西走の日々が続いていたが、
昨日今日は ずっとお寺で あと一週間後に迫った報恩講の準備。

ところが、僕が動かないでいると 周りの方がお越し下さるみたいだ。

昨日、朝のおつとめが終わった 午前7時頃、玄関に威勢のいい声が
響いた。

夜通し運転して(ふるさとの)お墓参りに帰ったので、寄りました

見れば、9年前に亡くなられたご門徒Aさんのお孫さんである神戸市在住のOさんだった。

いっしょにコーヒーを飲みながら、久しぶりにお話した。
遠く離れ、年月を隔てても、こうして顔出して下さったことが嬉しかった。

そして、午前9時半には、はるばる鹿児島から K寺さまがご来訪。
あの百人会の講師、N先生から、山陰の旅を 紹介されたそうで、そのご縁で 当寺にもお越し下さったという次第。

ようこそ、 ”かくれ念仏の地” から ”妙好人の里”へ!
同じ念仏の道の上での出あいは、いつも初めてなのに なつかしい。

明けて 今朝には 先月につづいて またまた おあさじサプライズ
喚鐘の鳴るころに、明らかに温泉津温泉にお泊りの旅行者らしき方が4名ほどお参り下さった。
いっしょに読まれる 正信偈の声が違う…(明らかにお寺さん!)

後で たずねたら、3名の方は 広島県からお越しのお寺さま。
いやぁ、どうも…(^_^.) と結局 「一同行です」と素性を 明かされずに旅館へ戻られた。

そして、もう一人のお方は、ナント 北海道内のお寺の坊守さまだった。
それも きけば当寺と遠縁にあたるS寺さま。

今日の昼間、改めて当寺へ お寄り下さるところ、おあさじの鐘の音を
聞かれて、参ってこられたというわけだ。

それにつけても、わずか24時間の間に、北海道から九州まで
各方面から 東奔西走ならぬ 西(?)の一日だった。


そして、そんなご縁がタテにヨコにつながっていることが知らされ、
そのひろがりと深まりを 有難く感じるのも、自分がこうして
半世紀ほど 生かされてきたからだとしみじみ思う。


秋の夜の定例行事

2010年10月12日 | Weblog

昨夜は 婦人会の お月見例会

ふとした思いつきで 始めたのが 6年前 のこと 
もう、みなさんの間で すっかり定着し、秋の恒例行事になった。

そういえば、 このブログを読んで

いつかお月見 の現場 を見せて下さい

って仰っていたあるお寺の坊守さまが 、お越し下さった。

うちのお寺でも 庭のライトアップ してみます!

と言って 帰られた。


今年は、日程の都合で 親婦人会・若婦人会合同で いっしょに お月見。

         

ススキに萩の花に…見事な盛り花は 婦人会長Kさんが  自ら 山から
集めてきて 活けてくださった。有難うございました。

おつとめ・ご法話、そして、おだんごに お抹茶接待。
僕は、緑の泡(抹茶)より、白いアワ(ビー○)の方が いいのだけど…(^^ゞ

せっかくの 演出が もったいないので、
皆さんが お帰りのあとは、今年も プライベートお月見

秋の夜に 響く虫の声、そして 揺れる灯火。
白いアワより こりゃ、熱燗が 似合いそうだ…(^^)v


うちあけ話

2010年10月10日 | あとらんだむ「日日あらたに」
■ あとらんだむ「日日あらたに」   №20  

先日、東京のご門徒宅へ お参りしたところ、最寄りの駅まで迎えにきてくれた
青年(20代後半)が、

   ゴインゲさん、 いつか僕が子どもの時、聞かせてくれた ”あの話"が
   なぜか 心に焼き付いて、最近でも ふっと 思い出すんですよ。


と話してくれた。
それは、もう20 年近くも前のこと。彼はまだ 小学生だった。

お寺に帰ってから、その家の カルテ を調べたら、確かに
彼のお祖母さんの仏事の時、西楽寺の本堂で お話したと記していた。

僕自身、なぜか 懐かしくなったので、今日は ホームページにも掲載している
 ”あの話” を…。

ということで、あとらんだむ「日日あらたに」です。  

   この話のある場所
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ひらがな法話 >  「うち明け話」
 
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うちあけ話 
                 

    
□■ タヌキでよかった □■

夜道を自動車で走っていたら、突然、道路わきから、タヌキが飛び出してきました。慌てて急ブレーキを
踏みましたが、間に合わず、『ドン』と鈍い音をたてて、はねてしまいました。

やっと車が止まったのは、かなり行き過ぎてからのことでした。

  『すまないことをした、タヌキは大丈夫だろうか』 

現場に引き返そうと方向転換をしていると、ハンドル越しにタヌキをはねた時の手ごたえが思い出されま
した。石や木に当たったときの手ごたえとは違います。肉の塊をはねた時は、何ともいえない感触です。

  『きっと、人間をはねたときも、こんな感じなのだろう…』

そう思った途端、背筋がゾッと寒くなりました。 そして、

  『ああ、タヌキでよかった。人間だったら、大変なことだった。』

とホッとしました。

恥ずかしいことですが、人間もタヌキも一つしかない尊い命なのに、タヌキの命だと軽く扱うのです。
もっと小さな虫なら、ひき殺しても気づかず、『悪かった』とも思わないのでしょう。恐ろしいことです

自分にふりかかる責任や感覚で、命の重さにまで順番をつけてしまう私
です。タヌキは裁判や訴訟
で損害賠償を求めないのをいいことに…。

そして、人間でなくて良かったと思ったら、今度は、

  『かなりの音がしたが、自動車は壊れていないだろうか?』

と、タヌキの心配より、まず車の心配です。
どこまでいっても、自分の都合でしか考えられない私でした。

        


   □■ お経を道具に □■

ようやく事故現場にもどってみますと、タヌキは道路の真ん中で横たえて目を閉じていました。

  『ごめんよ、タヌキさん…』

夜の闇の中、ライトに照らされたタヌキを前に、車のエンジン音とともに罪悪感が私の中
にひろがります。

 
『このまま放っておくわけにもいかない。どうしよう…。
   そうだ、私は僧侶だ。お経や念仏を称えることが出来るじゃないか!』


しかし…。私がお経を読もうとしたのは、タヌキのためではありません。タヌキが恨みを持って、
タタルのじゃないかという、私の不安や恐ろしさのためだったのです。

親鸞聖人は、お念仏やお経を自分の思いを満たすための道具にしてはならないといわれました。
そしてご自身も、衆生の利益のためにと『浄土三部経』を千回読もうとされて、

          
『名号(南無阿弥陀仏)のほかにはなにごとの不足にて、
             かならず経をよまんとするや…』    (「恵信尼消息」)

と思い返してやめられたといいます。


   □■ 喜ぶときも… □■

さて、そのタヌキですが、数分後に突然、首をもたげ、ムクッと起き上がったのです。そして、
クルッと向きをかえたと思うと、草むらへ小走りに逃げて行くじゃありませんか。

   「生きていたぞ!タヌキが生きていた!よかった。」

と思わず車の中で手をたたきました。

でも、これまた残念ながら、私はタヌキの無事(右の後ろ足は引きずっていましたが)を喜んだ
のではありません。タヌキが死んでないということは、私の罪が<タヌキ殺生罪>から、
<タヌキ傷害罪>に軽くなった、つまり、タヌキの私への恨みが小さくなったと考えたからです。

               
   □■ こんな私だからこそ□■

こんなふうに、心配することも喜ぶことも、そしてお念仏さえも身勝手な自分の都合でふるまう
のが私です。そのくせ、「いいかっこう」をしたがります。そんな私だからこそ放ってはおけぬと、
心配し見守っていて下さるのが、阿弥陀さまです。

お念仏は、阿弥陀さまが、

  「ここにいるよ」

と私の本当の姿を気づかせて下さるお喚び声です。身勝手な自分の思いを満たすための道具
ではありません。如来さまがかねてより、知り通して下さった私の「本当の姿」を、タヌキが身を
呈して教えたことでした。


願いを受け取る

2010年10月09日 | Weblog

午前中は、Y地区のT家先代ご主人の17回忌法要。

ところが、その施主たるT家の長男さんが 今月初めに 遠く県外で
往生されたばかり。

長男さんは、5年前から患われていたが、とにかく この年回法要を
目指して気力を出しておられた。
亡くなれる直前にも、ご兄弟と法要の出席リストの確認等をされていたという。

しかし、容体急変。ご本人が 親の法事に座ることは かなわなかった。

それでも、その願いと思いを引き継いで、長男さんのご長男が
遺骨を伴われて、仏前に並ばれた。

つまり、親が営まんとした「親の親の仏事」(ご本人からいえば 祖父さまの仏事)
に 親の遺骨と共に座られたわけである。


まるで 昨日のブログ記事に書いた
   二世代にわたり、現世と浄土が貫かれた ご法縁
そのものである。 (今日は 親・子・孫の3世代にわたった)


そして、午後からは自動車で40分ほど 山間に入ったY町のK寺様の
報恩講のご縁をいただいた。

                

お取次(法話)をさせていただきながら、僕の胸には、
親の願いが 次代へ届き、受取る という連日のご勝縁が支えとなって、
お念仏のみ教えを次代に伝える恩送り の思いが駆け巡っていた。


浄土真宗の原風景

2010年10月08日 | Weblog

県西部のM市のT寺様に
お取次(ご法話)のご縁をいただいてお参りした。

今回が初めてのご縁であるが、このお寺のご住職は 先月
ご往生されたばかりで明日が 三七日(みなのか=三週間目)。

そういうことで、正直なところ、この度のご法座は「延期」あるいは、「中止」
されるか推察していたが、先日「予定通り開座します」と電話をいただいた。

聞けば、この度の 法座の案内状とその宛名書きは、ご住職が
亡くなられる前に 手書きされたいたものだそうだ。

つまり、亡きご住職さまからの絶筆の案内状。
本堂には 有縁の門信徒の皆さんが たくさんお参りである。


「葬儀後、間もないので 中止することも考えましたが、こうして
  ご法座を開くことが父の遺志であり、その願いを果たすこと
  が自分の役目だと思って、おつとめします」

と 若院さんが 挨拶された。


亡き ご住職が生前に出された案内状を受けて ご門徒さんが
お参りして、その志を果たすべく、若院さんがおつとめされる

まさに 二世代にわたり、現世と浄土が貫かれた ご法縁である。

したがって、午前の席は いつもの「明るく楽しく」…は差し控えて
僕自身が 父を見送った頃の味わいを中心に お取次させていただいた。


このT寺様のある場所は もともとは、お寺のなかった地域だったらしい。
            

                   
そこで、所属するお寺はそれぞれ 別にあっても、同じこの地に住む皆さんが
地元でもお念仏のご縁に遇いたい…という願いを持って、力を合わせて
できあがったのが このお寺と教えていただいた。

そんな歴史の流れは、何とも言えないぬくもりとなって、境内に、
本堂に、庫裏に、そして参詣のご門徒方の表情の中に 満ち溢れていた。

まさに 浄土真宗のお寺の原風景ともいえるご勝縁をいただいた。

なんまんだぶ。なんまんだぶ。
有難うございました。

 

 


「おしらせ」のお知らせ

2010年10月06日 | Weblog

今どきの若い人たち(←そう言いながら、若くない自分を
自覚しています)

パワー&熱さ は なんとも、凄いです。

こっちまで ドキドキ・ワクワクしてくることを
やってくれます。

ということで、活動メンバーの一部の皆さんとも ご縁があるもんで
「メリシャカLIVE 2010」 …ご案内します。

時間と都合が合えば、僕も 行ってみたいのですが…。


以下、大三島のつれづれ の 万福寺若院さんから いただいた
メリシャカLIVE 2010の お知らせを そのまま転載しますので、
仏さまの教えの入り口に行ってください。


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「メリシャカLIVE 2010」

■開催日時:2010年12月19日(日)pm15:30(受付14:30、開場15:00)

■開催場所:「西本願寺 聞法会館」

■料金:前売り3,000円(税込) 当日券3,500円(税込)

■出演者:
<MUSIC>大槻ケンヂ、U-zhaan×rei harakami(ユザーン×レイ・ハラカミ)
<読経・法話>浄土真宗本願寺派若手僧侶
<パネルディスカッション>MC木下明水(元ジョビジョバ、いま坊さん)、パネリスト福間義朝(浄土真宗本願寺派布教使)

■内容:
昨年大きな反響を呼んだ、浄土真宗本願寺派の若手僧侶たちによるサイト「メリシャカ」の主催で行われるライブイベント。
“法話meets MUSICをテーマに、”“生きる智慧”と“勇気”を与えてくれる「仏教」と、“感動”と“生きる力”を与えてくれる「音楽」を、同じ空間で、“生”で体感することで、それぞれの心に新たな想いを灯すことをめざし、今年、さらにスケールアップして開催します。
ライブには、筋肉少女帯 、特撮のボーカリストとして不条理かつ幻想的な詩世界と卓越した表現力で、独自の世界観を確立し、アンプラグドスタイルでは親密度の高い一面を魅せる「大槻ケンヂ」と、配信リリースによるコラボ作品『川越ランデヴー』が話題となった、ex.ASA-CHANG&巡礼、超絶技巧のタブラ奏者「U- zhaan」と、多角的に活動する電子音楽家rei harakamiによるユニット「U-zhaan×rei harakami(ユザーン×レイ・ハラカミ)」の2組が登場。
瑞々しい感性と、ほとばしる熱意を持った若い僧侶たちが、法話でそれを迎え撃ちます。
また、元ジョビジョバの木下明水氏を迎えてパネルディスカッションも開催。一方通行ではなく、インタラクティブなものとして仏教に触れていただきます。

■申込方法:
*公式サイトお申し込みフォームよりネット予約。(10月19日am9:00よりスタート)
*または往復はがきでも予約受付。(詳細は公式サイトをご確認ください)

■公式サイト:http://ms-live.jugem.jp
【mail】merryshakalive@gmail.com
■主催:メリシャカ http://www.merry-shaka.com


許されて…

2010年10月03日 | Weblog

慌ただしくて、PCの前にゆっくり座れないときに
限って、ブログの記事で採り上げたいことばかり
続くから、皮肉なものだ。


そうそう、今月1日のこと。

澄みわたった朝の空気の中に鳴り響く鐘の音を
僕は布団の中で聞いて目が覚めた。

?」

毎月1日は、 朝6時からお参り=聞信会(朝参りの会)の日だ。

前夜 寝るまでその準備をして 心得ていたのだが、
目覚ましタイマーをセットすることを忘れていたようだ。

そんな日に限って、Boumoriも母までも 二度寝&寝坊。

それでも、毎朝お参り下さるメンバーが、勝手知ったる本堂のカギを
開けて下さり、定刻になると、いつものようにKさんが、喚鐘を鳴らして
下さったのだ。

「ひえぇ~、~


大慌ててで 着替えて 本堂に突っ走る。
入口の戸を開ければ、聞信会と毎朝のお参りのみなさん合せて20名弱の
方々がちゃんと座っていらっしゃる。

だが、皆さんの眼差しは ニヤリと 笑顔さえ見えて
とても優しい…。 (ネボウシタノネ(^_^.)

僕も 言い訳無用。

お待たせしました。すみません。<(_ _)>
おかげで 安らかに眠らせていただいていました。<(_ _)>


度肝を抜かれた(勝手に)朝が終わり、
溜まっていた事務仕事をしていたら、電話が…。

「はい!西楽寺です!」

「えっ、ゴインゲさん?…(いるの?)」

「どちらさまですか?」

「はい。○○ですが、今日は ■■回忌の法事ということで
  お待ちしていますけど…(-_-;)」

「えっ?(*_*;」


そういえば、確かに約束した覚えがある。
結局、僕が予定表に記載漏れしていたのだ。

「すみません! 今すぐ 用意してお参りさせてもらいます!」

車を飛ばして 10分。K家様宅へ 着いた後も、言い訳無用。
ただ謝るばかり。

「いやぁ、カレンダーにつけた印を確かめたり、手帳をみたり
  (自分が)日にちを間違えているかもしれない…

  今日ではなかったかな…と 悩んだ末に電話したんですよね」

Kさんの言葉もあたたかかった。


朝参りのみなさんにも Kさんにも ご迷惑をおかけした一日。
だけど、みんな 僕の失敗を優しく引き取って下さった。

反対に 相手の失敗したとき、僕はこんなに 優しく接することが
できるだろうか。

急に冷たくなった秋の夜風がなんとも心地よい日だった。