西楽寺のご門徒でもあり、親戚同様の
お付き合いをさせていただいていたH田先生が亡くなられて
初七日が過ぎた。享年65才。
H市立I小学校長を最後に退職されたが、生徒からも先生からも慕われ
尊敬され、また それほど周りへ配慮のできるお方だった。
県立浜田高校硬式野球部監督として在任された4年間に3度(夏2、春1)
甲子園大会に導かれた。
梨田昌孝・日本ハムファイターズ監督も当時の甲子園出場メンバーの一人だ。、
「この人の どんなところが生徒を惹きつけ、
何が甲子園に導くほどのチカラを与えたのだろう?」
僕はそんなH先生と所属寺の住職として、また親戚の端くれとしての出会い
の中で、それを何とか見つけようとしていた。
そんな中 10年程前に H先生のお母さまが亡くなれてから、仏事のご縁が
重なり、「なるほど!」と気づかされることがあった。
H先生は いつでも 相手のことを
「それでいい」「よかったよ」「大丈夫だ」…と。
丸ごと包んで認めて下さるのだ。
それは、揺るぎなく大地に根を下ろしての言葉であって、けっして
場当たりな的なものではないから、ブレることがない。
だから、選手たちは、H田監督の サイン通りに 動くけばいい。
間違いのないもの・確かなものから認められたとき、
安心してまかせられる 。
僕にはH先生の言葉がアミダさまの願い・ッセージと重なった。
通夜会場は、退職校長の皆さまや野球部関係者などで 500人を超える
弔問者だった。
お寺で これだけの人々に念仏の教えを広めることは とても有り得ない…。
そう思うと、ついつい いつも以上にご法話にチカラが入ってしまった。
今晩のご縁は、 H監督からの 最後のサインです。
それも、命がけの、身体全体で、生き様すべてを使ってサインです。
「必ず」死ぬいのちを、「たまたま」生きているのに、
死ぬのが 「たまたま」で、
明日もまた元気が「当たり前」と 思ってはいませんか。
忙しさを言い訳に 死をごまかして、大切なことを後回してはいませんか。
あなたの人生、 大丈夫ですか?
サインは、見逃しては なりません。
そしてその意味をちゃんと理解し、そのサイン通りに動かなければ
なりません。
どうぞ、今夜の サイン 、大切に お受け取り下さい。