電車の中でデジタル・オーディオ・プレーヤーで
再生したお気に入りの音楽を聴く。
まさか自分がそんなことを…するとは思わなかったが、
今 使っている携帯電話は 音楽が聴ける機種なので、
この度の3日間の東京滞在中に試してみた。
イヤホンを通して 音楽を聴いていると もうそこは
完全に「個の世界」。
窓の外を流れる景色に BGMが付くわけだから、
いつもと違って見える。
街の中を歩いていても、
スターバックスでコーヒーを飲み
ながら文庫本を開いても
BGMがあるから、そこは
もう異空間。
何だか 自分が主人公のドラマの世界。
それは、電車内で平気でパンをかじる若者や
化粧を直す女性のような傍若無人ぶりとは異なるかもしれない。
が、周囲と隔絶しながら自分の居場所を確保している… そんな気がした。
よく言えば 都会の砂漠の中で 自分を見失わない応援歌ともとれる。
そして、イヤホンをはずしたとき、都会のざわめきが甦り、周りの
世界の中に包まれている「自分」を感じた。
今、ふるさとのわが家に帰って、しみじみと
初めて体験した 「群集の中での自分ひとりの世界」を
複雑な思いで かみ締めている。