JIIN’S ブログ

寺院の住人が綴る、ジーンズをはいた時のような気取りなしブログ!

個の世界

2006年06月27日 | Weblog

電車の中でデジタル・オーディオ・プレーヤーで 
再生したお気に入りの音楽を聴く。

まさか自分がそんなことを…するとは思わなかったが、
今 使っている携帯電話は 音楽が聴ける機種なので、
この度の3日間の東京滞在中に試してみた。

イヤホンを通して 音楽を聴いていると もうそこは
完全に「個の世界」。
窓の外を流れる景色に BGMが付くわけだから、
いつもと違って見える。

街の中を歩いていても、Lismo1
スターバックスでコーヒーを飲み
ながら文庫本を開いても
BGMがあるから、そこは
もう異空間。
何だか 自分が主人公のドラマの世界。

それは、電車内で平気でパンをかじる若者や
化粧を直す女性のような傍若無人ぶりとは異なるかもしれない。

が、周囲と隔絶しながら自分の居場所を確保している… そんな気がした。
よく言えば 都会の砂漠の中で 自分を見失わない応援歌ともとれる。

そして、イヤホンをはずしたとき、都会のざわめきが甦り、周りの
世界の中に包まれている「自分」を感じた。

今、ふるさとのわが家に帰って、しみじみと
初めて体験した 「群集の中での自分ひとりの世界」を
複雑な思いで かみ締めている。


同じ方向を…

2006年06月20日 | あとらんだむ「日日あらたに」


■ あとらんだむ「日日あらたに」 №6 
   
    この話のある場所
     トップメニュー > (隠しコンテンツ)>  放言御免   

  ====================================== 

僕の青年時代、若い男女のデートの
定番といえば「映画」だった。
だが、どうして映画なのか、不思議でならなかった。

なぜなら、せっかく二人でいるのに、何時間も黙って
椅子に座っている映画など、無意味に思えたから
である。

僕なら そんなことしない。
同じ時を過ごすなら、二人でテニスをするとか、
喫茶店で話をするほうが、ずっと二人の出会いが
深まると考えた。

だが、残念ながらそれを実行する相手がなかった…。


そして数年前、boumori と二人で映画を見た。
その後、喫茶店でお茶を飲みながらの話である。

「あの場面での主人公のあのまなざし…。よかったぁー」
「ほんとだね。それから、その次のセリフ…。」
「そうそう♪」

…と二人で盛り上がった。

もし、どちらかだけが映画を観て、その感動をどれほど詳しく
説明したとしても、

「ふーん、そうなんだ」

で、終わりだろう。

二人が、時を重ね、同じ方向(映画)を向いていればこそ、
一言で通じ合える世界が生まれたのだ。

きっと、かつての恋人たちは、同じ方向を向くことの素晴らしさを
無意識のうちの心得ていたのだろう。

こうして私は、「向き合う」、「出会う」…ことも大切だが、
同じ方向を向くことの素晴らしさを考えさせられた。

因みに、現代の家庭ではどうだろう。

とても家族が同じ方向を向いているとは思えない。
テレビにしても、昔なら一台のテレビをチャンネルの奪い合いを
しながら同じ番組を見ていた。

でも、現代は一人に一台。別々の部屋で異なる番組を見ている。
みんな違う方向を向いている。

思うに、現在の家庭で唯一 同じ方向を向ける場があるとすれば、
それはお仏壇である。

仏さまにお参りする時には、みんな同じ方向を向いている。
そして、いのちの行方も、同じ将来(浄土)を持っている。

そのお仏壇さえない現代の家庭は、家族は、どこを向いている
のだろうか。放言御免


バス旅行

2006年06月15日 | Weblog


12日~14日、本願寺の念仏奉仕団の
お世話をしてバス一台で
みなさんといっしょに2泊3日の旅を
させていただいた。

1泊2日の本願寺奉仕につづいて、後半は龍神温泉に泊まって
紀州の梅干館や奥高野を巡るくつろぎのルートだ。

とりわけ世界遺産である奥高野・護摩壇山の峰々の景色は天候
にも恵まれ、紀伊連峰を見渡す展望は素晴らしかった。

そんな中 今回の参加メンバーにいらっしゃった 6組のご夫婦
の様子は、周りから見ても ほのぼのとしたものだった。

隣り合わせの座席に二人並んで座って、ガイドさんの案内に
促されるように 「あれが……だね。これが… だよ。」と指さして
同じ方向を見つめ、心地よい振動に揺られながら同じ行き先へ
進んでいく。

いいなーーー っと思った

僕たちがするような 自家用車を自分で運転する家族旅行とは
違い、二人ともがくつろいで(お酒だって飲める(^^ゞ)。
そして、時と場所を重ね、同じ景色を味わいながら同じ目的地へ
進んでいけるのだから。

よぉーし、いつか 僕も夫婦二人で バスツアーに参加するぞ!
(今回は、主催者側の世話係だったので、余計に「お客さん」として
のくつろぎに 憧れたのかもしれない…)

※お寺のブログだけれど、今日は 本願寺での予定は書かない。