JIIN’S ブログ

寺院の住人が綴る、ジーンズをはいた時のような気取りなしブログ!

順番を守る

2008年03月25日 | Weblog

今月初め、山間地のご門徒のお宅に
「年に一度の報恩講」お参りに行ったときのこと。

おつとめの後、用意して下さった「おとき」を頂いていると、
その家のご主人(80才)が 言われた。

ゴインゲさん、ワシは もう貴方のお祖父さんの代から
数えて、貴方で西楽寺の三代のご住職と出会わせて
もらったことになります。

ワシも 年を取ったもんです。
どうか、ワシの葬儀は、ゴインゲさん、よろしく頼みますよ。

こういうセリフを聞いても、今頃はあわてない。 
「葬儀事前予約」  でも書いたとおり、

承知しました。
ただし、順番だけは ちゃんと守ってくださいね。
僕が先なら、(葬儀の導師を) できませからね。

と笑ってこたえた。

もちろん、これは、老少不定(順番どおりに死ぬわけではない)と
いうことを強調するつもりの冗談まじりの言葉である。

ところが、そのご主人は、真顔で

いいや、それは違う!
順番を守らんといけんのは、ゴインゲさんの方じゃ!

と声を大きめにして 言われた。


その瞬間、僕は愕然とした。
いままで、こんな言葉を返されたことはない。


そうかっ!

ご主人に「順番を守れ」という僕の言葉は、
ご主人に「先に死になさい」という意味。

僕に「順番を守れ」 というご主人の言葉は、
僕に「しっかり長生きしろ」という意味。


僕の言葉は 冷たいが、
ご主人の言葉は ちゃんと あたたかく
僕への 心配が込められていた。


それは、
先日 2008年03月19日  のブログに対していただいた
JINEIさんから
コメント

   
私より先に卒業してはなりませんぞ。

という言葉の中にも 感じた。。

順番どおりにいかない老少不定の中にあればこそ、
出会う相手の身を案じ気遣う優しさに、僕の心は熱くなった。


わが身が大きな優しさの中に包まれていながら、それに
気づかないままに 、ここまで 来た自分がある。


お寺のピアノ発表会

2008年03月23日 | Weblog

今年もまた お寺の(Boumoriがしている)
ピアノ教室の発表会があった。

前々からの選曲・レッスン、記念品の手配、ピアノの調律…
その準備・手配は Boumori とっては、 まるで、
「ピアノのホンコサン(報恩講) 」と言っていいほどに
年中の一大イベントだ。

だから、この日ばかりは、及ばずながら、僕も裏方として
ビデオ記録係などを手伝う。

おかげで、ピアノに関しては全くのシロウトの僕でも
だんだん、耳が育てられて、「音の違い」がわかってくる
から不思議だ。

今年から加わった連弾の部も 楽しく聴かせてもらった。


そして、すべて片付いた後の慰労の乾杯で、

「ホールを借りて、ステージの上で開く発表会もいいけど、私は
この全部 手作りの発表が いいと思う」

というBoumoriの 安堵の顔が 印象的だった。


そういえば、

会場は もちろん お寺の本堂内。
▽舞台の飾りつけ花のラッピングも 生徒たち。
掃除椅子並べも 生徒たち。
進行アナウンスも 生徒OB。
▽休憩ティータイムの お菓子は保護者の手作り。
記録写真は 近所のおじさん(門徒推進員)
ビデオ撮影は、とりあえず住職。
▽プログラムの印刷は 寺内ONSAI 出版。
▽終了後の会場片付け は 保護者の皆さんもいっしょ。

そうか。何から何まで、まさに完全手作り発表会だ。
そして、この手作りによって、親も子もお寺に集まって下さる…。


おや? これが現在、本願寺で進めている
「キッズ・サンガ」ということになるのだろうか。

なんだか、難しく考えていたけど、この「つながりのひろがり」
キッズサンガだと思った。


何はともあれ、お疲れさまでした。


母親の卒業式

2008年03月19日 | Weblog


今日は、末娘の小学校卒業式。
長女・長男・次男…と15年間にわたる小学校PTA が終った。

終ったといいながら、仏事の集中する週末にある学校行事など、
ほとんどのPTA活動を母親(Boumori)任せで、参加していない
無責任親父の僕としては、今さらながら申し訳なく、
お恥ずかしい限りだ。

だから、最後の卒業式には 是非 出席したいと思っていた。
そして今日、平日のために 母親の姿が多い保護者席にBoumoriと
並んで座った。

思えば、僕がこの学校を卒業した頃の生徒数は360名。
そして、現在は過疎化激しく、70名ほどに…。6分の1だ。

卒業生も14人。
式典は卒業生と在校生・親が向き合う形の「対面方式」だった。


やがて、こちら向きに座る娘の目が真っ赤に染まる。
隣を見ると、Boumoriの頬に一筋の雫が光っていた。

そういえば、「子どもの卒業式は、母親の表彰式」だ
と聞いたことがある。

赤ちゃんの時から今日の日まで、支え育ててきた母への卒業式。

それを表すように、校長先生から卒業証書を授与された子どもたちは
そのまま母親の元へ歩いてきて それを手渡し、深々と一礼した。

卒業式の主役は、卒業する子どもたちだと思っていたが、
子どもを卒業するまで見守り、育んできた母親のためのもの
かもしれない。


ちょうど、誕生日が 「おめでとう」と言われる日ではなく
母に「有難う」とお礼を言う日であるように。
(→ 当寺サイト  「誕生日 ありがとう」

卒業式もまた、「母さん、有難う」なのだろう。


そんな場に 居合わせることができて よかった。


いらしゃいませ

2008年03月18日 | お寺の中


数日前のこと。
昼過ぎに 40才代の女性数人が、お寺へ来られた。

こんにちは。〇〇(←苗字)です。

見れば、親しそうに、旧知の仲のようなニコニコ笑顔だ。

   (こんなご門徒さん、いらっしゃったかな~?)

   (
もしかしたら、法事で出合ったご門徒の親戚の人?)

こちらも、つい 笑顔を返して…

えっ?
失礼ですが、どちらサマでしたっけ?  (^_^;)


いえ、初めてお会いします。
実は、ここがお寺だと承知して、伺っております。

といいながら、何やら チラシ・パンフレットを取りした。
(ひと目見て、すぐに〇〇〇教 ということは、わかった)


今日は、素晴らしい教えをご案内させてください。
この本をお読み下さいませんか。救われますよ。

それは、有難うございます  
(といいながら、受取っては  いない)

そうですか。じゃぁ、私も 仏さまのお話の本を差し上げましょう。
きっと 目が覚めますよ。


いえいえ…
(尻込みしてる)  ^^;

(話題を変えて)
今度、この日に、こんな会があるんですけど…。
お越し下さいませんか。

(と、自分の宗教の講演会を 僕に案内パンフを差し出す。)


そうですか。いいお話なら、ウチのお寺でも 聞かれますよ。

ちょうど明日から永代経法要のご縁で 尊い先生がお見えになります。
いかがです?お参り下さいよ。


そ、そうですか。(^_^;)
じゃ、また 越させてくださいね。


ばいばい。



なんとも丁寧な笑顔つきのお 辞儀をしてお帰りだった。

だけど、彼女たち3人が 帰った後、僕はしみじみ 考えさせれられた。

スゴイなぁ。
他宗教とはいえ、あの伝道していく熱意には頭が下がる。
何が、あのようなに行動につながるのだろう?


翻って思うに、浄土真宗のお寺、いや、この西楽寺のご門徒さんが
こんなに自分の宗教の教えを他の人に 勧められることがあるだろうか。

いやいや ご門徒どころか、浄土真宗の僧侶、つまり僕自身が
あんなに熱意もって伝道(教えを伝えひろめること)の努力を
しているだろうか。


なんだか、ご門徒に妙な気遣い・遠慮をして、
「ものわかりのいい住職」であるために、大切なお念仏の教えの
素晴らしさを、ちゃんと伝えていないのではないか。

他宗教のお寺まで、堂々と自分の教えを勧めに来られた姿に
出会い大きな 「激励」をいただいた。


人生の現在地

2008年03月12日 | Weblog


久しぶりに 当寺サイト内”人生ナビ”で
自分の  人生の現在地 を測りなおしてみた。

「僕の生後日数」は、今日で

         18, 026日

20,000日 記念日は 2013年9月7日。
あと4年半。


僕の「人生の現在時刻」は、今日現在で

        午後2時48分22秒


このホームページを開設したころは まだ午後0時30分ごろ
だったと記憶している。


いつの間にやら、もう陽はだいぶ傾いていた…。
うかうかしてはいられない。


大切に生かさせていただきます。


みなさまも、いかがです?
「人生の現在地」測定してみませんか?

よろしければ、定期的な測定をお勧めします。
では、  ↓こちらからどうぞ 

     人生ナビ
       (上をクリック ↑)


20年ぶり

2008年03月11日 | Weblog

先週末のこと。

京都でお坊さんになるための勉強をしていた頃の学友と
「20年ぶり」に再会した。

彼は、本願寺山陰教区主催の研修会の講師として、アノ宮崎県から
はるばる 8時間もかけて島根(松江)にやって来てくれた。

研修会の前日に到着して、その晩はフリーということなので、
久しぶりに いっしょに一杯…と誘い出す。

そんな遠いところから講師として招かれるほど立派になった友と
会うのは、なんだかちょっと 気が引けて照れくさかったけど、
顔を合わすなり、抱き合ってしまった。
(註・決して、ヤヤコシイ関係では ありませぬ)

それにしても、懐かしかった。
すべてが、タイムスリップした。

子どもの頃の幼なじみと 「20年ぶり」というのは
何度か経験したことが あったけど、大人になって
出合った友とこんな出会い方は 初めてだ。

つまり、それほど 自分が時を重ねてきたということか。

居酒屋・ショットバー…と 飲み&語り、話は尽きない。

彼は 20年前の 「純粋さ」を 今なお持ち続け、
それに「熱き思い」を重ねて「僧侶」を語りつづけた。

僕は、自分が日常の明け暮れのなかに置き忘れてしまった
「大切なもの」を思い出させてもらったような気がする。

美味しいお酒と なつかしい思い出話といっしょに
たくさんの勇気の入った詰め合わせプレゼントを有難う!

(おかげで、その後2日間、オーバーヒート=発熱=してしまい
  お参り以外は 完全ダウンしてしまったけど)

※画像は 僕のお気に入りショットバー
   「国際宇宙生物研究所」(←これが店の名前)
   懐かしき友は カウンターの端で動くもんだから霞んで映っている…