Freak Kitchenのマティアス"IA"エクルンドが、若干20歳のときに参加したという
デンマークのバンド:FATEの1991年発売の、あの伝説のアルバム『Scratch'n Sniff』を、
ようやく聴きました。
FATEは、マーシフル・フェイトが分裂して出来たバンドですが、
分裂時はどうしても、みんな、ボーカルのキング・ダイアモンドの方を
向いていたから(まぁ、アイコン的存在でしたからね)、失礼ながら、
FATEはどちらかというと「キング・ダイアモンドに置いて行かれた残りカス」
的なイメージがあり、今一つ有名にはなれませんでしたよね・・・。
そういうこともあって、この「Scratch'n Sniff」も、当時はそんな話題に
ならなかったアルバムだったかと思いますが、その後、マティアスが
どんどん有名になるにつれて「幻のデビューアルバム」と化して
入手困難な状況が続いていましたが、先日、Apple Musicで探してみたら
発見できたので、ようやく聴けました!
伝説の原因は、もちろん「良い曲揃い」というのもあるんですが
マティアスが、このアルバムのレコーディング時に
*ネックが反って弦高が高い、ボロボロのIbanezのRG
*錆びた弦
*アンプ代わりに、シャープのラジカセ+Marshallのガバナー
という、信じられないような機材で録音した、という噂もあり、
(本当かどうか分かりませんが・・・)
是非聴いてみたい!と思っていました。
で、実際聴いてみると、普通にカッコ良いギターサウンドでビックリです(笑)
ザクザク刻むリズムに、伸びやかなソロ・・・普通のメタルギターの音ですね。
これ、普通にMarshallのアンプで録音したんじゃないの?と疑ってしまいます。
そして、20歳とは思えない、マティアスのプレイの安定性!
独自のプレイスタイルは、この時点で既に確立されていますね。
「弘法筆を選ばず」ではないですが、逆に、このぐらいの腕前があれば
安いギターとラジカセとコンパクトエフェクターだけでも、
これだけのビッグサウンドを出せるのかな~?と思うと、
若干「機材厨」の気がある僕としては、ちと反省・・・
楽曲的には、良質の北欧メタル、という感じで、キャッチーな良曲揃いで
なかなか良いですね。
TREATとかと同じで、若干の垢抜けなさ(失礼)もありながら、
透明感のある、王道の北欧メタルで、僕好みです。
当時、どうしてあんまり有名にならなかったんだろう・・・
レコード会社のプロモーションが悪かったのかな・・・
でも、北欧メタルには、やはり抒情的なプレイが似合うと思うんですが
マティアスは、どこに行っても、良くも悪くもやっぱりマティアスなので、
「キューン!ピロリロリ~!パピョ~ン!プフュー!」みたいなソロばかりで
違和感ありまくりです・・・
例えて言えば、シリアスなドラマに、お笑い芸人がゲスト出演したとき、
真面目に演技してるのにどうしてもコミカルに見えてしまうとか、
ちょいちょい、シリアスなシーンなのに自分の持ちギャグをぶっ込んでくる
・・・みたいな違和感、でしょうか・・・(笑)
まぁこれはこれで、メタルの歴史の1ページを築いた作品、として、
一度は聴くべき作品かな、とは思うので、皆さんも機会があれば是非聴いてみて下さい~!
↓アルバム1曲目「Gotta Have It All」の音源です(映像は誰かが適当に付けたもの?)