『ロバみみ』

言いたい!でも言えない…。ならば、穴を掘ってでも叫びたい! そんな想いから綴り始めた独り言のようなブログです。 

・『90ミニッツ』

2011年12月18日 | ・ロバみみの芝居小屋
数日前のことになりますが、三谷さんの「90ミニッツ」を観て来ました。
パルコ劇場ってことで、期待通り。
「金閣寺」の新しいフライヤーをゲット!
剛くんではなく、溝口がそこには写っていて、あの時の衝撃が蘇りました。

さて、肝心の「90ミニッツ」ですが、西村さんと近藤さんの二人芝居です。
そして、上演時間もまさに90分。

またしても前情報なしで劇場に行ったんですが、
結構きわどいテーマの舞台でした。

もちろん、開演前に実際の出来事を誹謗中傷するものではありませんとの
前置きはありました。

粗くストーリーをご紹介すると、
事故に遭った9歳の少年の手術を拒む父親(近藤さん)と、
説得する病院の医師(西村さん)の物語。

交通事故で運ばれて来た少年は90分以内に手術を受けないと
命の保証はない状態。
父親は子供は助けたいけど、輸血がNGなので手術の承諾ができない。
それを説得し続ける医師。

結構デリケートな題材ではありますが、
やはり三谷さんなので、大笑いはできませんが、
西村さんと近藤さんのセリフのやり取りはテンポがいいし、
笑わせようとしていないけど、まあクスリと笑ってしまう場面もありました。

医師が父親にに向かって始る説得劇が、
途中からベクトルが父親から医師に逆転する展開なんかはサスガでした。
一方的じゃなくなることで、父親の葛藤だけだったのが、
医師の心の葛藤や苦悩もきちんと伝わる構成になっていました。

三谷さんて、大笑いして劇場を後にする作品を書くイメージが強かったんですが、
わりと真剣で社会性にとんだ内容のものが最近は多いのかな。
でも、決して三谷さんらしさがないというわけではないのが、さすがなんですけど。
西村さんと近藤さんがまたいい具合に年配男性でリアル。

ただ、雰囲気とノリで乗り切る似たような若者劇団の作品とは
やっぱり一線を隔している感じ。
いや、勢いがあっていいんですけど、みんなどこかクドカンチックな空気を感じたりするので、
内輪受け感が漂ってないか…? と、ロバみみはたまに危惧したりしてます。
余計なお世話ですが。

野田さんも地下鉄サリンを題材に持って来たりしてましたが、
きわどいところで、何かを投げかけるということができるのは、
やはり舞台ならではだなぁと思いました。
まあそれには、真摯さと勇気が必要なのでしょうけど。

テレビドラマではなかなか難しい感じですよね。
大人の事情がたくさんありそう(笑)
まず、スポンサーがつかなそうです。
わざわざお金を払って、限られた空間に足を運ぶ演劇だからこそ。

ラストはどっちに転ぶんだろう…と思って見てました。
なるほど、そちらでしたか。

追加公演も決定したみたいなので、気になる方は是非、劇場へ足をお運び下さい。

・『ALWAYS 三丁目の夕日'64』完成披露舞台挨拶

2011年12月12日 | ・ロバみみシネマ
もう先週のことになりますが、「ALWAYS 三丁目の夕日'64」の
完成披露舞台挨拶に行ってきました。



来年の1月公開に向けて、一足お先に号泣して参りました(笑)
でもって、今年最後のナマ堤さん! なんたる幸せ。
登壇したのは文学ファミリー、鈴木オートファミリーと、もたいさんと監督。

いやー、須賀健太くん、おっきくなってぇ(涙)
トリオ・ザ・シャキーンで「内緒です…!」とかってやってた頃は
あんなに小さかったのに。
喰いタンってそんなに前だっけ?

ご挨拶もしっかりしてました。
堤さんが「立派に挨拶できるようになって…」と感動するくらい(笑)
ネタバレになりそうなアナウンサーの質問にも、
「クライマックスなんであまり言えないんですが」と大人な対応でした。

もちろん堤さんは相変わらずの美中年。カッコよかったです!

「何か暖かいものを感じて楽しんで帰って下さい」

みたいなご挨拶してたかな。

今回は1964年の東京が舞台なんですが、東京オリンピックの年なんですね。
それをリアルに見ていたのは、もたいさんと三浦友和さんくらいじゃないかと
もたいさんがおっしゃってました。

で、堤さん、薬師丸さん、監督が64年生まれなんですよねって話になった時、
堤さんがつけ加えました。

「温水さんもです。
同い年なのに、何故かさん付けで呼んでしまうんですが…」

会場は笑いに包まれました(笑)

あとは薬師丸さんの「シエー!」がかわいくて、「もう一回」と思わず言ってしまって、
そのカットが使われたとか、裏話も披露されました。

内容に関しては公開前ですし、あまり書けませんが、
ポスターを見たら、ろくちゃんの花嫁姿があったりと、
なんとなくなんとなく想像できる部分もあるかと思います。

そのシーンに関しては、堤さんは演技をした記憶がないとおっしゃってました。
登壇した堀北真希ちゃんも、
「スタッフの方まで、みんなが行っちゃうの? みたいな目をしてて」と(笑)

もう3作目だし、そんなに泣かないだろう…と思っていましたが、
まるで滝のように涙ボロボロでした。
一緒に行った子には、「泣き出すの早っ!」と笑われましたが。

「旅立ち」が今回の三丁目のキーワードになっているかな。
フィクションではあるけれど確実に三丁目の時は流れていて、
それぞれが少しずつ大人になり、そして年をとり…。

そして少し豊かになって、お洒落になった東京。
でも、見ている私たちにとってはやっぱり昔の日本。
いきがってる森山未来くんの横文字もちょっぴりおかしくて、
つんつるてんのパンツもちょっと微笑ましい。

映画の中で時代の象徴にもなっている東京タワーも、
2011年にはもっと高いスカイツリーが出来上がることになるなんて、
三丁目の住人たちは想像もつかないのでしょうね。
ロバみみは個人的には、東京タワーの方がノスタルジックで好きですが。

今回は2Dでの上映でしたが、この映画を3Dにする必要があったのか…とは思いました。
3Dは視覚に訴える刺激でしかなくて、心に訴えかけるものはやはり物語そのもの。
内容の薄さを刺激でカバーして、おもしろかったと思わせるごまかしの技術と思えて仕方ないので、
ロバみみは3Dは、あまり好きではありません。

劇中、文学が
「カラーテレビなんて、人間の想像力を奪うものだ。
白黒で観て頭の中でカラーに想像するからいいんだ」
というようなことを強がって言っていましたが、
ロバみみも頭が固いアナログ人間の一人かもしれません。

だが、しかし!
「3Dにしたいがために堤さんをこんなにしやがって」って思いましたよ(涙)
あのシーンは要らなかったな。お金かかってるんだろうけど。

内容が古き良き時代の日本が舞台なのだし、きちんと人間が描けていて良い作品なのだから、
2Dにこだわって欲しかったなぁ。

まあ、おこごとはこのくらいにします。

撮影は震災が起こった最中だったそうで、
こんなことをしていていいのかと監督も葛藤があったそうです。

「幸せってなんだろうと、あの時期誰もが思ったと思います。
 自分でいうのもなんですが、この映画はこの時期を選んで
 生まれてきたんじゃないかと思えました」

と、おっしゃっていました。

堤さんの東洋の魔女もまっ青なシーンに笑い、
たとえ血が繋がっていなくても、そこに確かにある家族という絆に泣き、
幸せってなんだろう…とわが身を振り返れる作品。

来年、1月21日公開です!