『ロバみみ』

言いたい!でも言えない…。ならば、穴を掘ってでも叫びたい! そんな想いから綴り始めた独り言のようなブログです。 

・『裏切りの街』

2010年05月30日 | ・ロバみみの芝居小屋
バルコ劇場に足を運んだのは久しぶりです。
『裏切りの街』を観て参りました。

タイトルを観て、なんか昭和の陰気臭い人間関係を背景に描いた物語だと
勝手に思い込んでいましたが、めちゃ現代でした

簡単に言うと、人妻と若い男の不倫の話。

フリーターなのに仕事にも行かず、
彼女におこづかいをもらっているヒモ状態のダメ男を田中圭くん。
40歳で、いわゆるいい人といった感じの旦那との生活に
満足できないでいる専業主婦に秋山菜津子さん。

この二人がテレクラで出会い、逢瀬を重ねて行くうちに、
旦那(松尾スズキさん)や、彼女にバレて、
でも、それでもその関係をやめられずにいる。
結局、人生逃げてばかりのダメな二人…みたいな。

きっとね、世の中的にこういう話ってたくさんあると思う。現実に。
自分の友達にもいそうな感じ。

最近のドラマとか、映画って、何か普通じゃない設定とか
非現実みたいなものじゃないとウケない…みたいな風潮、あるじゃないですか。
緑色のよくわからない生き物になっちゃって、メガネかけて観るヤツとか…。

でも、このお芝居は、ありふれた話なワケです。
出会って、お互いのパートナーに嘘ついて、セックスして…って。
それを延々観せていく。
1幕100分、2幕90分ですよ。
勇気あるなーって思いました。

田中圭くん、さわやかで、かわいくて、演技も上手で、
ロバみみは好きな俳優さんです。
このお芝居では、背中まるめたダメ人間でしたけどね

立ち姿が素敵って思う俳優さんってたくさんいるんですが、
今日は田中圭くんの寝姿がツボでした。

寝てる姿(寝顔じゃなくて)が、なんかかわいいと思える男の人っていいなぁ~

と、芝居中、トリップしました(笑)

この芝居は、人妻と若い男が、自立して希望を見出すなんてことはせず、
ダメなまんま、ズルズルと終って行きます。
そこがなんか、リアルだった。
舞台やドラマは、皆に希望を与えるストーリー展開になることが多いですが、
こんな風に「ダメ」から抜け出せない人、たくさんいますよね。

やめられない不倫。
仕事もせずにダラダラ、テレビを観てる日々。

ロバみみは、それでも、やっぱり人は変われる生き物だと信じているので、
そういう夢を、こういう創作物には求めてしまうんですけど、
まあ、これはこれで受け止めます。

今日は千秋楽だったので、銀杏BOYZ(初めて知りました)の
峯田さんの弾き語りがあったんですが、これがよかったです
彼の話したことは、すべて尻切れトンボだったんですが(笑)、
「この人、言葉の代わりに唄を歌う人なんだな」って思いました。

それにしても、松尾スズキさんが、時折、志村けんさんに見えてしまうのは、
ロバみみだけでしょうか…

・『2人の夫とわたしの事情』

2010年05月09日 | ・ロバみみの芝居小屋
ひとところ、剛くんやV6のイベントが決定すると、
他のことに全然気がまわらなくなってしまうロバみみ。

代々木のVコン明けなら、次のコンまで一段落するから大丈夫だろうと、
チケットを取っていたにもかかわらず、
松さんの舞台、あやうく忘れるところでした
最近、スケジュールの自己管理能力がとみに低下しています…
出かけに慌ててピアスのケースをひっくり返す始末…

さて、久々にシアターコクーンに行って来ました!
剛ちゃんの舞台からもう3ヶ月も経つんだ…。早いなぁ…。

で、今日の観劇は「2人の夫とわたしの事情」でした。
あまり内容もわからないまま、松さんもケラさんも好きなので押さえたチケット。
勝手にシニカル&シリアスだと思っていました。
だが、喜劇。確かにシニカルな部分もありつつ、笑えました

夫1(段田さん)が戦死したヴィクトリア(松さん)は
夫1の親友(渡辺徹さん)と再婚して、わがままに暮らしていた。
そこへ、死んだはずの夫が戻って来る。
夫1と夫2のはざまで大慌てのヴィクトリア。
そして、美人だけど、奔放すぎるヴィクトリアに、
ちょいと嫌気がさしていた夫二人は、これ幸いとヴィクトリアを押し付け合う。
愛されていると信じてやまないヴィクトリアだが、
計算高くこの状況を打破して、新たな獲物(皆川猿時さん)をゲットすべく
肉食女子丸出しで頑張るストーリー。

1幕45分くらいで3幕まで。
1幕は寝室、2幕は客間、3幕は厨房が舞台。

とにかく松さんは、ほぼしゃべりっぱなし
ヴィクトリアは、ご都合主義の自己中な女性なわけですが、
それがすごーく小気味良くて、笑ってしまう。

ちょっとグスグスした渡辺徹さん扮する夫2とのかけあいも、
あきらかにヴィクトリアが悪いのに、渡辺さんのせいになっていく
セリフの軽妙さが抜群。

演技をする渡辺徹さんて、最近見ないと思ってましたが、
「ブタ」よばわりされつつも、やりこめられていく様が
なんとも言えず愛嬌があってよかったです
「カワウソ」な段田さんと並ぶと、体型も対照的で、
キャラ設定にすごく説得力がありました。

ロバみみはケラさんのセリフの応酬が大好きです
あの笑いのセンスとテンポのよさ!
無駄なやり取りのようで、確実にストーリーが展開していくマジックに
いつもヤラれています

そして、超ワガママで自分勝手で、使用人も愛想をつかして辞めて行くのに、
全然自分のせいだとも気づかない、ある意味幸せなな女・ビィクトリアですが、
憎めないねぇ…。
だって、松さん、超チャーミングなんだもの
口が達者で、死んでも自分は悪者にならない手際のよさに
客席も大笑いでした

こんなに面白い大人のコメディなのに、
あまり話題になっていない気がするのが残念です。

ロバみみの個人的ない健(←意見と変換しようとしてこう出た!)、
もとい、個人的な意見ですが、タイトルとフライヤーが今ひとつだったのでは…?
「2人の夫とわたしの事情」って、なんか固いし、
愛憎のもつれ的な暗い話を連想しちゃいます。

フライヤーも絵なんですが、あんなにはっちゃけた女性が主人公だとは
夢にも思えない感じで
蓋を開けてみたら、大笑いだったので、もったいないなと思いました。
先入観にとらわれず、とりあえず行って見ると、
思わぬ掘り出し物だったりして、演劇っておもしろいですね。
あー、無事に観れてよかったです

蛇足ですが、ひっくり返したピアス。
いまだペアの見つからない子が二人…
そのうちひとつはお気に入りで、カミコンとかVコンの
お供をしてもらったので、すごく悲しいです。
出て来ておくれ~

このままじゃ、怖くて部屋に掃除機かけられないよー