『ロバみみ』

言いたい!でも言えない…。ならば、穴を掘ってでも叫びたい! そんな想いから綴り始めた独り言のようなブログです。 

・『ブエノスアイレス午前零時』初日

2014年11月28日 | ・ロバみみの芝居小屋
いよいよ始まりました。剛くんの舞台。
「ブエノスアイレス午前零時」の初日を観劇して参りました。

まず、「鉈切り丸」のDVD&ブルーレイに長蛇の列でした。
買うことは決めてるんだけど、しばらくは今回の舞台に浸り切りたいから、
「鉈切り丸」に上書きされちゃうのももったいないと思い、
今日は買わずに帰ってきました。

さて、観劇レポ。見る前に先入観を持ちたくない方や、雰囲気ネタバレNGの方はこの先、
進入ご注意ください。
(読んでも、とりとめがないので、なんのこっちゃって感じかもしれませんが……)

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さびれた温泉宿。
ブエノスアイレス。
娼婦。
盲目の老女。

これらの一見、距離のあるキーワードが、お話の中でどうつながっていくのか、
原作を読んでいないロバみみには全然見当もつきませんでしたが、
そこにあったのは、

大人のラブストーリー

でした。

舞台は温泉宿(現在)と、ブエノスアイレイスの売春酒場(過去)とを行き交い、
キャストの関係性も現在と過去で少しずつリンクしています。

温泉宿で働くカザマも、売春酒場で働くニコラスも、
閉塞感の中で鬱屈した毎日を送っていて、
そこに現れた年老いたミツコと若き日のミツコが
浮上することができずにいるその男たちの心を揺さぶります。

剛くんは、カザマとニコラスの二役で、静かに哀愁漂う影のある感じ。
一見、温度は低めです。

だけど物語は、その奥の方でじりじりと焼け付くような愛と心の葛藤がありました。

なんて言えばいいんだろうな。

うーん、いつものように自由に書かせてもらえるならば、
(いつもそうしてるくせに……)

ダメな男なわけですよ。カザマもニコラスも。

仕事に失敗して会社を辞めて、さびれた温泉宿でクサクサしてる男と、
いつか成り上がってやるとか言いつつ、
ちっとも出世できない口先ばかりの裏の世界の下働き。

冷静に考えたら、だめでしょ。って思う。

でも、なんかわかる。
ミツコがニコラスに心惹かれる感じ。
そして時を経て、年老いてなお、その愛しい面影をカザマに重ね見てしまう気持ち。

生きるために体ひとつを商売道具にしていた自分を、
初めて欲望のはけ口じゃなく、人として優しく大切にしてくれた人。

その人は汚れた世界で見つけた宝物みたいに思えたに違いない。

その優しさは、泥の中に咲いた蓮の花みたいにきれいに見えたに違いない。

嬉しくて、愛しくて、自分の身を犠牲にしてでも、
彼を守りたいと思う気持ちは、理解するに十分だった。

床じゃなく、空を見て欲しい。
この世界から逃がしてあげたい。

そう思えばこそ、地獄でも生きていける。

歳をとって、自分の心に制御がきかなくなる日が来たとして、
そうなってまでも、心の大半を占める存在に出会えることができる人生は、
やっぱり幸せなんじゃないかと思いました。

カザマが主役ではあるんですが、
やっぱり、どうしてもミツコに感情移入しちゃいます。
相手が剛くんなら、なおのこと。

あの哀愁と色気は既に反則です。

まるで北の国からの五郎さんのようないでたちの剛くんにさえ
激しくトキメク自分がいました(笑)

ただひとつ、ミツコがどうやって、日本に帰り着いたのか、
そのいきさつの説明が一切なかったので、気になってしまいましたが……。

そして、期待の剛くんのアルゼンチンタンゴ。
たくさん踊って欲しかったんですが、ほぼダンスでもよかったんですが(?)
思ったより少なめでした。(←期待しすぎのせいです)

でも、ソロのタンゴは声を上げそうになるくらいカッコよかった……!

マジで世界の中心で愛を叫ぶ勢い。

っていうか、ラストの剛くんのタンゴを見ながら心の中では叫んでた。

「行定監督!!! 暗転にしないでぇぇぇぇ!!!!!」

見ていたかったよー、ずっと。もっと(涙)
演出的には素敵なんだけど、
ミツコ以上に、剛くんだけを見つめ続けていたかったの(涙)

しかしながら、「学校へ行こう」で、
高校生社交ダンサーのところに行った剛くんを懐かしく思い出しました。
あの時は、女子高生のお色気にタジタジしていた剛くんでしたけど、
舞台の上では、誰よりもセクシーな剛くんでしたよ。

そういえば、ミツコがのちに娼婦となって「マリア」と名乗っていましたが、
奇しくもあの時の女子高生の名前、まりあちゃんじゃなかったでしたっけ?

そして、行定監督の出世作は「GO」。

単なる偶然ですけどなんか、ちょっと運命を感じますね(笑)

初日はいつも、とっちらかってしまって、
感想も漠然としてしまうのですが、
この作品は、多分、観て行くうちに静かにジワジワと
沁みてくる物語なんじゃないかと思いました。

ハッとさせられるセリフとかもありましたが、
それはまた追々……。

とりとめもない感想になってしまいましたが、
今日はとりあえずこのあたりで。

今回は、少し時間が開いちゃいますが、
また黒い太陽を観に、劇場に足を運びたいと思います。

役者として舞台に立つ剛くんは、いつもすごくて、
もう心配には及ばないくらいではあるんだけど、
それでもやっぱり、初日はロバみみも緊張してしまいます。
なので無事に初日が終わってホッとしています。

剛くん、お疲れ様でした!

体調に気をつけて、千秋楽まで頑張ってね。





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