『ロバみみ』

言いたい!でも言えない…。ならば、穴を掘ってでも叫びたい! そんな想いから綴り始めた独り言のようなブログです。 

・ステキロックオペラ『サンバイザー兄弟』

2016年11月19日 | ・ロバみみの芝居小屋
一足お先に紅白歌合戦を観に行って来ました。
渋谷のNHKホールではなく、池袋のサンシャイン劇場ですが(笑)

ってことで「サンバイザー兄弟」。

ネタバレ注意、と言っても、もはや何がネタバレなのか……(汗)
とりあえず、ご注意ください。

ストーリー的には、ムショ暮らしの長いヤクザが出所して
バンド組んで紅白出場を目指す話……でいいんだろうか?(笑)

兄貴分と弟分の義兄弟愛。
そして親子愛と恋愛。

そんなんを織り交ぜつつ、はちゃめちゃな3時間弱。

なんかロスタイム前でもないのに、
全員攻撃参加のパワーブレーを見ているような、そんな舞台でした。
しょっぱなから、全力、みたいな(笑)

先日の「るつぼ」とはもう、宇宙の果てくらいノリが違ってて、
自分でその振れ幅に笑えてくる。

皆川さん、いったい何役やったんだろう?

そして、その皆川さんの汚いラウンドガールにされるがままの
三宅さんが、すご過ぎた。
あれはもう、性的暴力の域ではなかろうか?(笑)

客席から小さい悲鳴があちこちから上がってたもの(笑)

二幕の頭に出てくる三宅さんの

「ファンですぅー、とかいいながら、
 突然、ぱったりと来なくなって、役者に寂しさを抱かせる」

ブサイクな役者の追っかけの女も笑えました。

でも、ドラム叩いている時は、別人で、
ちょっとカッコいいんですよねー。

いや、でも、別に待ってるわけでも、お気に入りなわけでもないけど、
いつも来てくれるファンが姿を消すと、やっぱり気になるものなのか(笑)

クドカンの女装もさ、これがまたブスなのよ。
だけど、ブス過ぎて逆に可愛いっていうか(笑)

そしてクドカンの何が好きかって、皆川さんが切羽詰まって、
ワタワタしている姿を、舞台の隅っこの方で笑いをこらえきれないでいる姿。

自作自演自笑の舞台で、うらやましいほど楽しそうだ。

スイートでメロウなナンバーを腰巻バスタオル一枚で熱唱する瑛太くんもよかった。

怒髪天の増子さん、初めてその歌声を聴きましたが、
「いやー、歌、うまいなー」と思いました。

でも、私的に一番のダークホースは、ヌメリ役の清野菜名ちゃん。

笑顔がめっちゃ可愛かった上に、アクションがハンパなくカッコよい。

前半、ボクシングのリングサイドに何故か登場して、
シャドウでパンチを繰り出してた時から、
なんか、すごいサマになる子だな。って、思いました。

女の子が出すエアパンチって、ヘナチョコでカッコ悪い感じがするけど、
彼女はそれすらキレイに決まってて、その後のアクションシーンも惚れ惚れするほど。

新感線の舞台にぶち込んでも、きっとキレのいいアクションで、
負けない存在感出せそう。
今後が楽しみです。

まあ、たくさんの登場人物が、大風呂敷の上で入り乱れて、
(そう、パンチパーマのヤクザAIロボット、DEPPERくんまで)
最後はどうその風呂敷畳むんだろう?って思ってたけど、
力技で持ってった感じだったな。

刑務所入ってた瑛太くんが、なんでシャバにいるんだよ?

って思ったら、サンバイザーに「仮出所」って電飾が光ってた(笑)

おい、説明なしかい!(笑)

って、突っ込みどころ満載でしたが、それも含めて楽しまなきゃもったいない。

ところどころに出てくる小ネタも効いてて、ちょいちょいくすぐられるし。

客席に用意されたダンボールサンバイザーを組み立てて、
一緒に盛り上がるべし。

踊る阿呆に見る阿呆。
同じ阿呆なら、踊らな損損。

です。

ちょっと早いけど、ロバみみの今年の観劇納めは、
この「サンバイザー兄弟」になりそうです。

来年もたくさん素敵な作品に出会えますように。

・『るつぼ』

2016年10月18日 | ・ロバみみの芝居小屋
夏以来のシアターコクーン。

ここへ来ても、今日は剛くんはいないのか……

と、つい先々月の舞台に思いを馳せ、一人、きゅんとなっていたのですが、

「るつぼ」

マジですごかったです。

最前列で涙止まらず……。

ロバみみ的に今年一番かもしれない。

物語は平たく言えば、「魔女狩り」の話。

キリスト教の戒律を逆手にとった少女の復讐劇。

奥さんのいる男性(堤氏)と一度だけ道ならぬ関係に陥った少女(黒木華ちゃん)が、
悪魔にとりつかれたという虚言によって、その男性の奥さん(松雪さん)を
「魔女裁判」へ送り込む。

そして、堤氏演じるプロクターは、姦通罪を犯した罪と引き換えに
奥さんを救い、少女と共に地獄に落ちる覚悟をするが、
「助けたい」という夫婦のお互いへの想いが、裁判を思わぬ方向へと導いていく。

観客は真実を知っていて、登場人物たちが翻弄される様をハラハラしながら観るパターンと、
観客も真実を知らず、主人公と共に、真相を知って行くパターンとあると思いますが、
「るつぼ」は前者です。

だから、とにかく黒木華ちゃんの怖さがすごい迫ってくる。

小悪魔じゃない。あれは悪魔でした。

この間まで「重版出来」でキュートに駆け回っていた面影ナシです。

一幕はとにかく、「魔女狩り」で村人たちがどんどん牢に入れられていくまでを
スピーディーに緊張感であおられるように進んでいく。

小娘たちがどんどん大人たちを騙して、翻弄していく。

罪のない女性たちが次々に連れ去られてしまう怒涛の展開。
まるで目が離せませんでした。

そして、「魔女裁判」の二幕。

ここからもすごかった。

そこには、愛憎に端を発した復讐だけじゃなく、
キリスト教の法の下、権威とメンツを守るために蝕まれた法廷人の正義や、
ちぎれんばかりの良心の呵責、
死を前にして、人を裏切り真実に顔をそむける人間の弱さと
最後まで自分の中にある誇りを胸に死を覚悟する人たちの清廉さ、
そして夫婦の愛が怒涛のように押し寄せてくる。

すべてを知りながら観ているから、
誰の心がひどく落ちぶれていて、誰の心が清らかで美しいのか、痛いほどよくわかる。

そして、ブロクターの葛藤。

汚れた心でも、みじめな虫けらでも、生きていたいと思う弱さと、
教会と法廷のメンツのために利用される屈辱。

悪魔のささやきと自らの良心の叫びの間で
引き裂かれんばかりに揺れる姿が、涙なしには見られませんでした。

イエスの御心に背いているのは誰だか、
舞台の上にいる登場人物たちは、みんな自分自身が一番よくわかってる。

聖者の顔をして悪魔に心を売っている。

誰かを騙せても、自分は騙せない。

自分を裁くのは自分でしかない。

心の声に耳をふさぐのか、自分の中にこそ存在する誇りと言う名の神を見出すのか。

ここ数年の堤さんの芝居で、この「るつぼ」は最高だったと思う。

ベニサンピットの板の上にいた時の堤さんを観たような気がしました。

正直者はバカをみるというけれど、
清らかな心は、それ自体が自分への救いと赦しなのかもしれない。

キリスト教のことは詳しくはないし、よくわからないけれど、
神の啓示を受けて勝利の女神のごとき存在だったジャンヌ・ダルクを処刑に追いやったように、
人間の集団心理の怖さは感じることができる。

恥ずかしいので、観劇では泣くことは少ないのですが、
なんでだか、今回は劇場を出ても涙が止まらず、
よほど、私の琴線に触れたんだろうと……。

リチャード・ギアとジョディ・フォスターの「ジャック・サマースビー」という映画を
思い出しました。
あの映画も、顔がパンパンになるくらい泣いたんだった。

赤い鼻のまま、渋谷を歩くのは恥ずかしかったですが、
見応えありです。
昔の堤さんを彷彿させるすばらしい作品。

愛情表現が上手にできず、愛を素直に受け止められなかったことに最後に気づく
妻の松雪さんも切なかったです。

溝端くんも、出てきた時は「青くさい牧師だなぁ」と思っていたのですが、
その青臭さが実は肝でした。
良心の呵責に耐えきれずに潰れそうな若い感じがとてもよかったです。

他の役者さんたちも、書ききれませんが、みなさん素晴らしかったです。

余談ですが、休憩中、ロビーで振り向いた瞬間、
ロバみみの目の前に、まったくもって無表情のオジーが(笑)

このブログの文章じゃ、ロバみみの興奮しか伝わらないと思いますが、
古田新太氏も観劇していた「るつぼ」。是非!

・『Vamp Bamboo Burn!』東京楽

2016年09月18日 | ・ロバみみの芝居小屋
新感線の千秋楽のチケットなんて、とれるわきゃぁない、
と思ってたのに取れてびっくりの「Vamp Bamboo Burn!」。

ま、2階席ではあったのですが、クドカン作、斗真くん主演の人気公演。
ありがたく拝見して参りました。

かぐや姫にフラれた男がバンパイアになって、不死の肉体を手に入れて、
現代の世まで輪廻で生まれ変わったかぐや姫を探し続けるといった内容。

もう、小難しい感想とかいらないですね。
なんでもアリですよ。

だって、最後はパンパイヤVSエイリアンの戦いだもの。

バンバイヤクザとエイリアンが寄生したなめくじ軍団の戦いって、
なくても成立しそうな気がしないでもないけど、
もう、好きにやっちゃってって感じ(笑)

劇中フェスの沖縄の伝説バンド、アグーのライブは盛り上がりましたね。
じゅんさんが、若干マジでウルってた(笑)

「あります!」とか言ってる保保肩ハルコたちのモモクロもどきとか、
サンボマスター的なジャンボ・タクシーとか、
なんか、「いいのか?」って思ったけど、まぁ、いっか(笑)

めざましテレビによく出てた、鉄っちゃんの演歌歌手の男の子。
ホンモノだけに歌うまかったよね~

主演の斗真くんは「こんなに色気のある人だったっけ」と思いました。
歌って、踊って、ジャニーズの根幹を見せつけてくれました。
スタイルもいいし、ハンサムだし、ファン増えちゃうかもね。

前に、蜷川さんの舞台で東山氏と女装やってた時より、
こっちの方がやっぱりシックリきてた気がする。
躍動感がある役の方が見ていて楽しかったな。

そして、私的にダークホースは、ジャニーズの神山くんでしたね。

ぶっちゃけ「ジュニアのバーター」と軽く見てたんですが、
実は関西WEST、いや、違う、ジャニーズWESTのメンバーだったんですね(汗)

ズンズンドッコ~♪ズンズンドッコ~♪

って、突如ホスト役たちが歌い出すから、「なんで?」と思っちゃったんだけど、
それでか! と、気づきました。

高田聖子師長さんの

「もー、歳だから、わかなんいのよ! もっと、昭和に寄せて、寄せてっ!」

って、大笑いしましたけど(笑)

いや、神山くんの話に戻って、
全然知らない子だったので先入観ゼロでしたけど、
新感線の舞台であれだけ負けてないキャラを創れるって、素晴らしいですね。

ロバみみは、V6オンリーなので、他のグループを応援したりする感じではないし、
全然、詳しくもないのですが、
すごいなーとか、上手だなーとか、おもしろいなーとか、
そういうのは素直に拍手を贈りたいとは思っているので、
神山くん、ヒットです。

五右衛門ロックのシャルルこと浦井さんと
いつか同じ板の上で対決して欲しいと思っちゃいました。

すごくおもしろそうです。

なんか、近い匂いを感じる(笑)

蜷川さんが、
ジャニーズだからってバカにするな。
いい素材がたくさんいるし、あいつらは誰よりも努力をしてる。
って、言ってたけど、ほんと、そうなんだろうな。

そして千秋楽だったので、恒例のおせんべ撒きがありました。
斗真くんが新感線に初参加した「スサノオ」のナンバーを
生バンドが演奏するという粋なはからいの中で。

いやー、ジャニーズがらみは危険なのでやらないと思ってましたが、
無事に頂くことができました。

実は、ロバみみ、未だに「IZO」せんべいを所持しております(汗)

大事に愛でていたら、食べそびれた(笑)

大丈夫、もともと水分ないからカビてはいない(笑)
見た目、フツーのおせんべの体(てい)を保っております(笑)

なので、このVampせんべいは、観劇の記念に写真とったらお腹に収めたいと思います。

ACTシアターでも、「IZO」のDVDを見つけて一人「うふふ」と思ったり、
Tシャツの背中に「IZO」の文字を探して、知らない男性について行きそうになったり、
やっぱり結局、剛くんの面影をいつも探しているロバみみです。

そういや、年明けにトニセンの舞台が決まったみたいですね。

いいなー、トニファンは三人そろった姿が拝めるのか。

同じ日程でカミコンやらないかな。

ともあれ、次回、新感線のチケットを申込み忘れたんで、
行けるのかわかりませんが、まあ、気になる舞台はこれからも足を運びたいと思ってます。

・『ビニールの城』千秋楽

2016年08月29日 | ・ロバみみの芝居小屋
剛くん、「ビニールの城」千秋楽、おめでとうございます。

カーテンコールで夕ちゃんを抱いた剛くんの涙。

それはもう、朝ちゃんの涙ではなく、森田剛くんの心の雫。

膨大で機関銃のようなセリフと役から解放された安堵感なのか、
蜷川さんへの想いだったのか、
それは剛くんにしかわからないけど、涙は頑張った人しか流せないから。

そんな剛くんをファンとして誇りに思います。

そして今日の客席には、いるわいるわ、有名人。

開演前、ほほぅ、とその顔ぶれに感心していたその時、
V6の仲良しおポンチ兄弟、井ノ原・健コンビが登場。

かわいい健たんがすぐそこに……!

なんてキレイな奇跡の三次元男子。
もう既に観劇していたと風の噂で聞きましたが、まさかの二回目?
愛だね。愛。

イノッチと二人、まるでおそろいの白シャツ着て、仲良さそうにおしゃべりしてましたが、
剛くんの舞台を観に、メンバーが二人そろって並ぶその姿は、
V6のファンにとってまさに幸せの象徴ともいえる光景でした。

さて、客席に名だたる役者、脚本家の並ぶただならぬ雰囲気の中、
「ビニールの城」の千秋楽が幕を開けました。

剛くん、痩せたなぁ……。

と、思いました。

夕ちゃんを探して酒ばかりあおって、ろくすっぽ食べていないのだろうから、
それはそれで、役と合ってるのですが、やっぱり心配になりますね。

でも、夕顔を遠ざけた隙間に入り込んできたモモに、
戸惑いイラつきながら、時に声を荒げるアサガオも、
ユウガオの話になると、急に声色がやわらかくなるアサガオも、
細い剛くんの体から放たれるエネルギーがすごくて、目が離せませんでした。

ロバみみは畳み掛けるセリフより、静かなセリフが好きでした。

冒頭の「霧に包まれて参ります」もよかったですけど、

「ごめんよ。今日もこの封印、開けることができなかったよ。遠くから来た人」

っていう、あのセリフが好き。あの時の剛くんが好き。

最後の長いモノローグもとても素敵で、いつまでも聞いていたかった。

「電気ブランをと、僕は言う……」

うん、いい。

「あんたを連れてけない」とモモに言われて、「これでいいんだよね」と夕顔に問いかける。

何も言わない夕ちゃん。
人形たちの声も聞こえない。

だけど、ビニール城が水底からそびえたった時、
カウンターで静かにユウガオの口元が動き出す。

あの時、夕ちゃんは、アサガオに何を言ったのか。

もしや、それは二人で歌った歌だったのか。

涙するアサガオのお腹から出た言葉は、いったいどんな声だったんだろう。

ラストシーンのその余白は、観客にゆだねられている。

手がかりは、アサガオの涙だけ。

うんと切ないラストシーン。
ビニール城とその向こうのモモの目を引く演出に視線を奪われがちだけど、
あのシーンはアサガオのものだと思ってる。

幸せだなぁ。こんな素敵な剛くんのお芝居が観れて。

たくさんのカーテンコールとたくさんの拍手。

これこそが放たれたきらめき。
どんどん、剛くんを塔の高みに連れていくね。

夕ちゃんを抱きながら、「ありがとうございました」と言ったその言葉を
大切に胸に抱えて劇場から持って帰ってきました。

剛くん、最後も舞台そでで長いこと深々と頭を下げていました。

そんな千秋楽を観られただけでも幸せなのに、
今日は思いもよらない素敵なこともありました。
まさかの事態に「電気プランを!」と、言いそうになりました。

そうそう、突然のことに、ビックリした瞬間もあったし。

その時、モモちゃんの正体がわかった時のアサガオみたいに、
声なき「あ゛ぁぁぁ……!」状態になってたと思う(汗)

息もできず、めだかの学校、ヘルプミー状態とも言う(笑)

いざという時は、声もでないものですね。健ちゃん。

ともあれ、無事に一か月の長丁場を乗り切った剛くん。

唐十郎ワールドの中の剛くんは、とてもノスタルジックで、
新しい景色を見せてもらえたことが幸せでした。

今度、神谷バーにも行ってみようかな。

そうだ。

この一か月、何人もの人に「最近肌がきれいじゃない?」と言われたロバみみ。

「剛くんの舞台中で……」

と、いうと、

「だからか!」「恐るべし森田剛」と皆が納得の表情で口をそろえて言いました(笑)

剛くんが舞台をやるたびに、私は剛くんのまとったその役に恋をしてる気がします。

何度でもその気持ちがやってくるように、
剛くんのこれからを、ずっと見ていきたいと思っています。

剛くん、素敵な時間をありがとう。

ロバみみより愛をこめて。


・8/22『ビニールの城』夜公演

2016年08月23日 | ・ロバみみの芝居小屋
台風直撃の関東。

だけれども、行かぬわけには参りませぬ。

雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ、
長靴履いたモモちゃんスタイルでシアターコクーンへ。

毎度のことながら、ごくごく個人的な感想をつらつらと書き連ねております。
この先、侵入注意です。

******進入注意************進入注意**************進入注意*************

毎回、毎回、つかめそうでするりと逃げて行く言葉たち。

アサガオが人形の夕ちゃんを、モモがアサガオを、夕一がモモを求めて連なる台詞は、
なかなかに手ごわい。

多分、私は頭が固いんだろうなぁ。

いちいち納得したい気持ちと、雰囲気に押し流されたい想いとの間で
いつも揺れてる(汗)

「わかりません、あなたの言っていることがわかりません!」

そう私も剛くんに詰め寄りたくなります(笑)

ラストでアサガオが、「行くところがない」と言うモモに、
「あのボロアパートへ帰ればいい」と、そこでの暮らしを語る時、
その思い浮かべる情景には、アサガオと夕ちゃんとモモの三人がいて、
あんなにモモを拒絶していたアサガオのひるがえった言葉に、
つまづいてしまう私がいます。

アサガオの心の中に、モモはもうずいぶんと前から住んでいて、
そこに葛藤する気持ちや、拒絶する気持ちもよくわかる。

なのに、ポロアパートでの暮らしを想像してモモに語りかけるアサガオには、
どんな心の変化と覚悟があったんだろう?

ただのなぐさめなのか、たわごとなのか、
そう見せて、実は本心を吐露しているのか。

でも、アサガオは今度はモモに突き放される。

そこはね、「あんたを連れていけない」世界だから。
その気持ちはわかる。

一緒に地に落ちることのできなかった人は、そのまま純粋な世界に留めておかないと。

女が体当たりした時に男も覚悟を決めなくちゃ、
そのあと手を伸ばしても、もう届かないんだよ。アサガオくん……。

「これでいいんだよね」

と、夕ちゃんに語りかけるアサガオの心情を思うと、とても切ないのだけど。

夕ちゃんの隣で涙するアサガオが、本当にやるせないのだけれど。

孤独と静寂は、ある意味、自分で望んで手に入れたのでしょう?

私が思うに夕一さんが一番悲しい。

自分でも「僕はまだ、誰にも愛されていないのだから」と言ってましたが、
どこかですべてをあきらめているあの情景はとても悲しい。

良々さんのキャラクターで、悲壮感は微弱だけど、
でも、だからこそ達観した感じの悲しさがあります。

「人形にならなければモモに食い込んでいくことができない」

激情の見え方は違うけど、モモも夕一さんも捨て身で愛を求めてる。

アサガオだけがいつも目を背けて、でも夕ちゃんに本音を言わせては、
また自分の中で言い訳に巻かれて迷子になっている。

夕ちゃんだけじゃなくて、モモに、夕一に痛いところをつかれて、
一人でイライラして、オロオロしてる。

難しい役だなぁ、と思いました。

感情が一方方向にばかり進んでいかない人物。
でも、そんな彼だからこそ、物語として人を惹きつけるのだけど。

何気に一番まっとうなのは、夕一のおじさんの六平さんな気がします。
キワモノのような雰囲気なので、一見、そうは見えませんが(笑)

でも、一番常識的で、大人なこと言ってる気がするなぁ。

それが正しいか、幸せかは、また別の話ですけどね。

この日は台風でしたが、いのうえさんがいらしていました。
剛ちゃん、愛されてるね!

最後のカーテンコールのあと、照れくさそうに、
テケテケテケッと、小走りで舞台そでに消えていった剛くん。

めっちゃ、可愛かったです。

そして、実はしれっと、二日連続の観劇。

台風一過の今日、客席に現れたのはピロ氏。

まさかの短パン???

カーテンコールで剛くんが、すちゃっと手をあげたのは、
博へのラブサインだったのか……!

ともあれ、ロバみみの観劇も残すところあと1回。

電車の中に忘れられたピニール傘が、妙に悲しく見えたのは、
もうビニール城へ行くことができなくなる寂しさからだったのかもしれません。

あと一週間。

剛くん、思う存分、楽しんで下さい。



・8/18『ビニールの城』

2016年08月19日 | ・ロバみみの芝居小屋
この日は満月でしたが、渋谷上空は一面の曇天。

ああ、残念だなぁ……と思っていたら、
シアターコクーンのステージの空に、大きな満月が浮かんでいました。
この日は引きで観ることができたので、その存在に気が付けました。

そろそろ「ビニールの城」の公演も折り返し地点ですが、
剛くんの頑張りはまだまだ続きます。

同じ演目ですが、その回ごとにちょっとずつ、
劇場の空気というかノリというかがやっぱり違って、客席の反応も様々。

私が映画館より劇場に行く方が好きなのは、やっぱりナマモノだからですかね。

アサガオくんは、ナマが嫌いみたいですが……。

苦戦していた唐台詞も、少し耳慣れてきて、
でもやっぱり煙に巻かれてしまう自分もいて、
だけど、そこがおもしろくて、客席でわくわくしています。

さっき、自分に落とし込んだアサガオの気持ちが、
セリフのかけあいの途中から、あれ? 逆方向? みたいな感じで、
この巻き戻し機能のない舞台での芝居というやつを堪能している。

ビニールの城が水面から出たり消えたり、みたいな(笑)

手を伸ばして掴もうとしても、するりと逃げて行く不思議な作品。

明快に明晰してはいけないんだと思う。

だからロバみみも、ずっと千秋楽まで「霧に包まれて参ります」(笑)

アサガオに、そしてモモに、そして、時に半分夕ちゃんの夕一に、
それぞれにくるくると感情移入させながら、過ごす2時間。

モモの、「面影だけでも一緒に暮らせやしませんでしょうか」というセリフが切なくてね。

面影だけなんて、それじゃあ、今の状況とあまり変わらないのに、
その不確かなものの中にアサガオの気持ちが入るだけで、その面影は生きた面影になるのかしら……と。

剛くんはやっぱり、ロバみみにとっても、
面影だったり、幻想に近いものだったり、どこかに実はあるものの空に描いた絵のように、
絵空事と呼ばれたら否定はできない存在の人。

でも、この世の劇場という空間で一緒に過ごす時間があるって、
なんだか不思議なものですね。

この作品に触れると、ただのファン心理がこんなにもしっとりとしてしまう。

それは水底から放たれた強くて危うげな光のせいでしょうか。

遠くから来た人を取り戻して、遠くから来た女を失ったアサガオは、
夕ちゃんを探してさまよったように、
ビニールの城の中のぼやけたモモの姿を追い求めて行くのでしょうか。

もし、その女が手に入りそうになったら、また後ずさりして、
ユウガオを抱きしめるアサガオのままでいるのでしょうか。

いろいろ、たくさんの余韻があります。

コクーンを出たら、土砂降りになっていました。

地元の駅についても、街灯に照らされて、雨がさわさわと降り注いでいるのが見えました。

でも、コクーンの空に浮かんでいたように、
今宵の満月も、きっとその姿を見せてくれるという気がしていました。

「あれ? ここから急に道路が濡れてませんね」

タクシーの運転手さんの言葉に、窓から空を見上げると、
雲の隙間から、ぽっかり真ん丸なお月様が顔を出していました。

ほらね。

剛くんが役からほどけて、ご満悦の笑顔を見せてくれた夜の満月は特別にキレイで、
私の気持ちも真ん丸でした。

公演もあと半分。

昭和の匂いが漂う舞台の上の世界を、剛くんが存分に楽しめますように。

お月様、頼みましたよ!


・8/13 『ビニールの城』 夜公演

2016年08月13日 | ・ロバみみの芝居小屋
初日から早、一週間。

第2回目の観劇は先の予定でしたが、
もう少し早いタイミングで、2回目を観ておきたいなぁ……と思っていたところに、
岡田くんがまた戦国時代に旅立つという発表。

この瞬間、心が決まりました。

行くしかない!

そして、急遽、ビニールのお城に飛んで行けることになりまして、
この幸せに感謝しながら観劇して参りました。

さて、またネタバレ注意ですので、宜しくお願い致します。

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二度目の観劇を経て感じたのは、やっぱり難しい~、でした。

「頭で考えるな。心で感じろ!」

と、松岡修造のように自分にはっぱをかけながら客席にいました。

唐台詞にまだついていけてない(涙)

いやいや、素敵なんですよ。本当に。

「霧に包まれて参ります」

とか、本当にかみしめたくなるくらい味わいがあるし。

あの店のドア越しに立つ剛くんのたたずまいもグッとくる。

人形の夕ちゃんが言った言葉は、
アサガオのお腹から出てきた言葉だから、
それはアサガオの本音だろうとか、確かにって、思う。

だけど肝心の、モモちゃんが捨て身でアサガオにぶつかるシーンで、
迷子になりそうになっちゃう。

セリフを追いかけているうちに、

え? 今、ビニールの外? 中?
えっと……、モモちゃん、外がだめなら、中に誘ってる?

と、なっている自分がいる……。

だけどスゴイのは、そんな状況でも、そのシーンに引っ張り込まれて、
痛くて切ない気持ちになってしまうこと。

こんなにストレートにぶつかってくれる女の人、他にいないよ?

この千載一遇のチャンスを逃したら、また人形相手に一人芝居の毎日だよ?

このままモモをビニールの城に閉じ込めてしまっていいの?

と、心でアサガオに問いかけながら、剛くんを見つめていました。

次に観た時には、また違う何かがつかめるかもしれない。
もしかしたら、こういうのを「奥が深い」というのかも……。

ミラクルな席にいたので、少し冷静さを欠いていたっていうのもあるかもしれないけど、
まだまだ咀嚼する余地がある作品です。

でも、本当に今日は参りました。

アサガオが乗り移った剛くんが、あまりにも目の前で……。

真正面から、そんなキラキラした目で、そんな切ない表情で歌われたら、
「私はここよ」って、私もモモとおんなじ気持ちになってしまう。

差し伸べられた手。

大好きな剛くんの手。

思わず届きそうだったけど、やっぱり遠い。

ステージの上にいる剛くんは、実在するけど私にとっての現実じゃないんだもの。

アサガオがビニ本の中のモモに対して抱く距離感とどこか似てるかもしれない。

ビニールから透けて見えるこの場所とは違う現実。

実際にふれあうことのない悲しさと空しさ。
そして、絶対に自分を傷つけることのない安心感。

だから、アサガオが夕ちゃんとビニ本のモモをチラチラと見ながら、
「助平、助平と言い合っていた」という他愛ない時間は、
とても幸せな時だったのだろうと想像できる。

それを思うと、とても切ない。

ユウガオを取り戻して、モモを失ったアサガオの心は、
前とおんなじだけの幸せを感じることができるのかな……。

ああ、じっくり台本を読ませてもらいたいな。

コクーンのロビーで戯曲本、売ってるのかなぁ?

いや、でも、まだ自分の五感を大切にしよう。

目も耳も研ぎ澄まして、またビニールの城に出かけよう。

剛くん、今日は二公演、お疲れ様でした。

またアサちゃんに会いに行きます。


・『ビニールの城』初日

2016年08月06日 | ・ロバみみの芝居小屋
オリンピック開幕と共に幕を開けた「ビニールの城」。
テレビに釘づけの人も多いと思いますが、ロバみみは森田剛に釘づけです!

というわけで、「ビニールの城」。
初日、おめでとうございます。

ロバみみはご厚意にて、この初日公演を観劇することができました。
ありがたかったです。ほんと(涙)

初日ですし、ネタバレはしない方がいいと思いますので、
若干抑え気味に……。

世の中的には、既に皆さんがつぶやきまくってると思いますが、
こちらのブログは大人でシックなよそおいで……?

これから観劇の方は、このあたりで一応サヨナラして下さい。

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さて、ストーリーは既に色々なところで出回ってると思いますが、
人形としか心を通わせることのできない腹話術師と、
彼に恋するヌードモデルのお話。

まず登場した剛くんを見て、ハッとするロバみみ。

く、黒髪じゃないですか!(涙)

やだもう、素敵すぎる……!!!

あぁ、大人でシックな観劇レポだって自分で言ったくせに、もう忘れてる……(汗)

そんなロバみみの心のざわめきと共に始まった舞台。

すごいセリフ量でした。

しかも、そのセリフっていうのが、
とても文学的で小説を朗読しているかのような。

とても芸術的な言葉の羅列なので、
多分、役になりきらないと頭に入らないんじゃないかな。

言葉がその本人にしか解りえないチョイスだったりするから、
雰囲気でとか、相手のセリフを受けて流れで、とかが難しそう。

客席にいても、最初のワンセンテンスを反芻しているうちに、
どんどん畳み掛けるように続くセリフにかき消されて、
「うわー、今の、もうちょっと考えたかった」
みたいな感じでした。

文字で追うのと、耳で聞くのとは違うから難しいですね。

そんなセリフを繰り出す役者・森田剛を、いえ、朝ちゃんを必死に見つめていました。

でも、固い感じの場面ばかりではなく、
コミカルで笑いの起こるところもたくさん。

荒川さんとのセリフの掛け合いもテンポよく、
なんといっても、あのゴーグル姿! 

いけるね。剛くん。そんなコミカルなシーンも。

心の中で「いいね!」を連打(笑)
(face bookもツイッターもインスタもやってないけどね)

そして時には歌も……。

まさか、剛くんの歌声が聴けるとは思いませんでした。

上演時間は2時間ちょとと短めですが、
いろんな顔を見せてくれました。

なんだろう。

自分の世界に閉じこもる独特の感じが、「金閣寺」の溝口にも通ずる気がしました。
溝口は「金閣寺」。
朝顔は「夕顔」。

現実世界とうまく折り合いがつけられない。
そこが逃げ場所というか、唯一、自分が心を解き放てる場所だったり相手だったり。

平成の世にもいますでしょ?

「二次元しか愛せません」

という殿方が。

でも、ロバみみは別にアンチではないんです。
人それぞれだし、本人が幸せならいいじゃんって思う。

ただ、違う世界もあるよって、
勇気を出して、リアルな人間の女子と関わってみたら、
違う自分になれるかもしれないよって、そうも思う。

でも、それを選ぶのは自分次第。

いいとか、悪いとかじゃなくて。

そして、朝顔は……。

宮沢りえちゃんも可憐でした。

なんか、その恋する気持ち、わかるなぁ……。

ても、まだまだロバみみも理解は深くないので、
これから印象や感想がどんな風に変化していくか楽しみです。

観たままの気持ちをお持ち帰りしたいタイプなので、
プログラムは買わないんですよね。いつも。

だから、わからないところは永遠にわからないまま。

さすがに剛くんの舞台の時だけは心が揺れますけどね……。

今回のプログラムはまさにビニ本でしたし(笑)

買って読まないって手もあるか。
いやいやいや、それは無理だろうなぁー。
ビニール破いちゃうよ、きっと。

ということで、カーテンコールはニコニコの剛くん。

役からほどけて、森田剛くんに戻ったあの感じがとても好きです。

共演の俳優さんたちも、蜷川作品でご一緒した方が多いので、
人見知りな剛くんも、安心して舞台に立てたのかな。

そして、蜷川さんは、どんな顔で観ていたのかな。

悔しそうに、そして幸せそうに目を細めていた、そんな気がします。

次回の観劇まで少し間がありますが、
びしょぬれで、空調のきいた劇場でお芝居するのは、
ずい分と体に負担がかかると思います。

どうか剛くん、風邪ひかないようにご自愛くださいね。

初日、お疲れ様でした。

いつも素敵な時間をありがとう。
とても切なくて、好きな作品でした。

声は遅れて聞こえてはきませんでしたが、
剛くんの腹話術もなかなか……(笑)

また、朝顔に会える日を楽しみにしています。

ロバみみより、愛をこめて。


・『ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン』

2016年07月23日 | ・ロバみみの芝居小屋
「ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン」といえばシアターコクーン。

シアターコクーンと言えば渋谷。

渋谷と言えば、剛くんの「ビニールの城」のインタビュー映像が流れる街!

ということで、観劇前に渋谷の交差点前に突っ立ってスクリーンを見つめていました。

18時を回ったその時、

「渋谷の皆さんこんにちは」

聞きなれたその声は、渋谷の雑踏にほぼかき消され、
体中を耳にしないと聞こえない感じでしたが、
字幕が出ていたのでなんとか……。

観てくれるお客さんを別世界に連れていけるように
セリフを届けたい。

渋谷は元気をもらえる街。

みたいなお話をしていました。

まあ、ノルマみたいなもので、観れたので、これでよしとしよう。

この日の目的は「ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン」です。

とはいえ、ピニールの城のフライヤーを手に、テンションが上がるロバみみ。

ロビーや客席で、優香&青木夫妻、賀来賢人くんや太賀くんを見かけたので、
もしや、お稽古終わりで剛くんがいやしないか、
吹越さん出てるし、イノッチが観にきてやしないか、そわそわしてしまいました(汗)

さ、長すぎる前置きはこのあたりにして、肝心の舞台です。
多少のネタバレを含みますので、ご注意願います。

なんかですね、「おもしろかった。笑えた」と言いたいのですが、
その言葉が果たして正しいのか判断しかねる作品でした。

松尾さんだし、役者さんの顔ぶれを見ても想像できると思うのですが、
客席は沸くわけです。

でも、「笑っていいのかな」って、ロバみみの心の奥の方でもう一人の自分の声がするわけですよ。

物語は、内乱状態の異国の地に先輩を探しに行った阿部サダヲさんと、
東京で女優復帰をめざしながら、浮気の最中にいる寺島しのぶさんが交差しながら描かれて、
やがて寺島さんが夫を探しに現地に赴くことで、一つにまとまっていきます。

異国の地とは、ヤギ三頭と交換で美少年が売られていく、そんな架空の国です。
そのダンサーであり娼夫であるゴーゴーボーイズに巻き込まれていくうちに、
阿部さんの過去もつまびらかになっていくという。

作品は、松尾ワールド全開の笑いを誘うパワープレーなんですけど、
色々な問題が思い出されて、笑いに包まれてはいるけど、
その中身はシビアなものだったりするのかなぁと思いました。

重めのエピソードを背景に描かれる作品を観ながら、客席が湧く日本という国の平和を
改めて実感し、感謝せずにはいられなかったです。

そう自分を戒めながら客席にいましたが、
やっぱりいいトコついてくるんだわ。笑いの。

今回、一番ツボだったのは、阿部さんの通訳を務める現地ガイドのワギーです!

もぉぉぉぉ!

勝手にスイッチ切れて、モチベーション下がっちゃうとことか、
手りゅう弾の投げ方間違えちゃったり、
何故か、油絵のパレットを手に現れたり、
とにかくとにかく、出てくるたびにツボにはまりまくり。

今回、ロバみみの心をわし掴みでした。
そのたたずまいだけでも、いい味出してるんだわ。
いやー、最高でした。

寺島さんもよかったなぁ。
すごくハマってました。

しかし、実力派女優の頭に鳥の巣乗せるなんて、松尾さんすごいな(笑)

いやー、めっちゃ素敵でした。
潔くて、またこんなコメディテイストな寺島さんが観たいなーと思いました。

岡田将生くんも美しいだけでなく、セリフ聞き取りやすくてよかったなぁ。
どんどん、かけ離れて行く替え玉も笑えた。(観た人にはわかる)

そして、スタイリストの楳図(うめず)さん、
反則やろー!!!(笑)

気になるなら観るべし(笑)

百聞は一見にしかずです。

まあもう、小難しいこともあるにはあるんですけど、
感じ方は人それぞれ。

松尾さんですから。そのセンスとエロに酔いしれて下さい。

松尾作品を観終わった時に、「私、なんでチケットとったんだろう……」と
思うことが多い私ですが、今回は「チケットとってよかった」と思いました。

さ、いよいよ来月は「ビニールの城」です。

今年の夏はビニールの城に籠城したいロバみみです。

・宝塚花組『ME AND MY GIRL』

2016年07月08日 | ・ロバみみの芝居小屋
さてさて、きらびやかな別世界へジャンプ!

久々にヅカって参りました。

観たいなぁ……と思いつつ、剛くんの「ヒメアノ~ル」でバタバタしていて
すっかり記憶の外へ零れ落ちていましたが、
チケットがめぐりめぐってやってきたので、運良く観劇できました。

物語は、男性版シンデレラストーリー的な?

突然、大金持ちのお世継ぎだったことが判明した青年が、
お屋敷で相続するに値する紳士となる教育を受けつつも、
身分の低い恋人への想いを断ち切れずに突っ走るラブストーリー。

期待を裏切らない安心して観ていられるのラブコメでした。

「期待を裏切らない=先の読める展開」

といえるような図式なのですが、でも、観ている人たちが皆楽しめて、
幸せな気持ちになれる感じ。

ベタをバカにする人も多いですが、
結構、あなどれないものです。

みんな、幸せな気持ちになりたいじゃないですか。

そこをストレートに突いてくるというか。

これ、宝塚だからこそ堂々とできるという気もするし、
いいんじゃないかなぁ、と、思いました。

いやいや、「ヒメアノ~ル」のあとだから余計に……(苦笑)

えーと、明日海様は相変わらずのイケメンで、
そして今回はコメディな感じで、チャーミングでした。

きりりっとした役どころばかり観てきたので、
すごい新鮮でした。

個人的には、おば様のマリアさんが素敵でした。

あと弁護士役の男役さんも、前から思ってましたが、
なんか人気がある感じですね。
客席のウェルカム・ムードを素人のロバみみでも肌で感じられるくらいでした。

でもって、突然の客席降り。

有名な作品のようですが初見だったので、そんなことは知らず、
一人、慌てふためくロバみみ(笑)

通路側に座っていたので、ぐんぐん明日海さまが近づいてきて、
びっくりして、ひゃー!!って思っているうちに、
通り過ぎて行かれました。

ええ、それはもう、そよ風のようなさわやかさで。

心の準備したかったなぁ。

でも、お得感たっぷりでした。

客席もとっても盛り上がっていました。

きらびやかで現実離れしているあの世界は、
小難しいことは抜きにして、現実世界から夢の中へジャンプできる時間です。

また、時折、そんな空気に触れに行こうと思います。

・『8月の家族たち』

2016年05月15日 | ・ロバみみの芝居小屋
「8月の家族たち」を観にシアターコクーンに行ってきました。

もうこの劇場で、蜷川さんをお見かけすることもないのだなぁ……と思ったら、
すごく淋しかったです。

お加減がよくないと伺っていたのですが、
夏を待たずに逝ってしまわれましたね。
また日本の宝が……。

でも、55歳以上の方を団員として集めた、さいたまゴールド・シアターを手がけた蜷川さん。
きっと、きっと「天の国・芸術劇場」の芸術監督に就任して、
また豊富な人材を発掘しながら素敵な作品を作っていくのだろうと思います。

心からのご冥福をお祈り致します。

そして、夏に蜷川作品として世に出るはずであった「ビニールの城」。

このようなお知らせがありました。

蜷川さん監修として追悼上演。

剛くん、魂こめて、天国まで届けて欲しいです。

さて、ケラさんの「8月の家族たち」です。

二回の15分休憩を挟む、三幕3時間15分の作品。

「ながっ」

と、タイムテーブル見て思ったのですが、面白くてあっという間でした。

ケラさんの群像劇は、ブラックだけど笑えて、笑えるけどシビアで好き。

物悲しさを感じても、後味の悪さは私個人は感じないので、
いつも不思議な演出家さんだなぁと思いながら劇場を後にします。

お話は、父親の失踪をきっかけに、薬中毒の母親(麻美れいさん)の住む実家に
三人の娘(秋山奈津子さん、常盤貴子さん、音月桂さん)が帰ってきて巻き起こる家族のゴタゴタです。

それぞれが秘密と問題をかかえていて、それが少しずつ明るみに出ていく。

この母と娘を軸に、木場勝己さん、犬山イヌ子さん夫妻と、
長女のムコ・生瀬さん、次女の秘密の彼氏・中村さん、三女の胡散臭い婚約者・橋本さとしさんが
からみに絡んで、こじれていくんだけど、秘密はどんどん暴露されていく。

久々に、休憩早く終わらないかな。続きが観たい。

って、思いました。

私的には、やっぱり秋山奈津子さんが本領発揮ですごいよかったです。

「鉈切り丸」の時には、もっと弾けた秋山さんが観たいなぁって思っていたのですが、
今回は弾けています。

長女らしさ爆発してました。

ギャーギャーわめいているようでも、セリフが聞き取れるし、
ヒステリックなすごみが笑いを誘います。

「アタシが仕切ってんのよっ!」

の、一言には爆笑しました。

生瀬さんとワインのコルクを抜く時の細かい演出まで笑えました。

麻美さんも色っぽくて素敵でした。
犬山さんは、なんであんなに面白いんだろう。

すっとぼけた感じの木場さんとは夫婦漫才みたいでした。
秋山さんと生瀬さんのカップルもどつき漫才みたいでおもしろかったし。

でも、それぞれの登場人物にもドラマや葛藤があって、
ホント、おもしろかったです。

それぞれの自分の人生を歩いている娘たちが、
ちょっとイカれた老いた母の面倒はどうするかとか、
結婚だの離婚だの、思うようにいかない子供の心配だのって、
客席の年齢層を見たら、他人事ではないと思う方も多かったはず。

笑いながらも、

笑えねぇな、こりゃ。

という、現代人の心の闇をかすめつつの3時間15分。

冒頭シーンでちょっと落ちそうになりましたが、
最終的には、食い入るように観ている自分がいました。

井上ひさしさんも亡くなり、そして蜷川さんも亡くなり、
本当に淋しくなってしまいましたが、
偉大なる作家・演出家なきあとの演劇界。

素敵な舞台人の方々のお力で、是非、盛り上げていって頂きたいと思いました。

・『アルカディア』

2016年04月30日 | ・ロバみみの芝居小屋
SISカンパニー公演の「アルカディア」を観て参りました。

やっぱり劇場に行くとワクワクします。
それぞれに「顔」があって、居心地も全然違って、
その中でこれから始まる物語を待つ感じがとても好きです。

久々のシアターコクーンでロビーをうろついていましたら、
「何回観た?」「三回」「私も」みたいな会話が聞こえてきて、
「これって、そんなにリピ率高い作品?」と首を傾げていたのですが、
始まってみて、納得。
浦井さんと井上さんの共演だったんですね。
人気ミュージカルスターが二人も一度に見られるとは納得。

19世紀のイギリス大邸宅とその200年後の同じ場所を舞台に、
ふたつの時代が交差しながら、物語は展開していきます。

19世紀にそのお屋敷で起こった出来事と、それを調べる200年後の人々の物語。

まず19世紀のエピソードを見せて、
そのあとに、同じ場所でそれをひも解く200年後の人々の姿を見せていくので、
観客はすべてを知っていて、その謎解きの様子を楽しむことができる。

ちなみに井上さんが19世紀のお屋敷のお嬢様の家庭教師で、
浦井さんは200年後のそのお屋敷の息子。
つまり末裔?

堤さんがバイロンの研究者で、その屋敷に暮らしていたしょぼい作家を手がかりに、
その屋敷に入り浸って研究をしている寺島しのぶさんに協力を仰いで、
バイロンの新しい発見を追求していくという。

一見、堤さんの追うバイロンにまつわる謎解きミステリーなのかと思いましたが、
観終わった感想は、実は寺島さんの研究が導き出した結末によって作られた
過去と未来が交差する叙情的なラブストーリーという印象でした。

これは、あくまで個人的な感想で、実は今もまだ消化しきれてないんですが……。

200年前にお嬢様が家庭教師の授業中に、
自宅の庭園のイメージ画に何気なく描きこんだ「隠とん者」。

そこに意味を見出そうとして研究を続ける現代の寺島さん。

「隠とん者の庵に隠とん者がいないなんておかしいわ」

ってな具合に、お嬢様がさらさらっと描いたイタズラ描きなわけで、
実在した人物でもなんでもないのですが、
寺島さんは頑張ってるわけです。

正解は「無」なんですが、でも、お話が進むにつれて、
それは奇妙にも甘く切ない答えにたどり着いてしまう。

ぶっちゃけ、寺島しのぶさんの職業が何で、何を何のために研究してるのか、
最初の時点でよくわからなくて、(実は今もよくわかってません)
話に乗り遅れた感もあり、それこそ、この作品の正解が自分の導き出したものと
合致するのか微妙なのですが……。

架空の隠とん者の絵が時間を超えて現代の寺島さんへ伝えたもの。
その絵が物語っていたもの。

それは18歳の誕生日の前日に火事で焼け死ぬ寸前に芽生えた
お嬢様のほんの一瞬の小さな恋物語だったのかなと、私は思いました。

行き来する時代の登場人物たちとその関係。
時にまどろっこしい論理的なセリフの展開。

すごい頭フル回転させて観てたんですけど、力及ばず……(汗)

でも、たぶん、好きな感じの作品だと思うので、
できうることならもう一回観て、頭を整理整頓したいところですが、
東京公演はもう幕なんですねー。

でも、まあ、お持ち帰りした気持ちは、
ちょっと切なくて素敵な気持ちだったので、
この3時間に悔いなし、です。

ついつい、感想をアップしないままになってしまっている作品も今年あったりしますが、
備忘録としてもこれから、ちゃんと地道に書いて行こうと思いました。

今回みたいに、わからなかったら、わからなかったなりに(笑)

次は来月。

「8月の家族たち」を観劇予定です。

ケラさん&豪華キャスト陣。楽しみです。

・4/12『滝沢歌舞伎2016』①

2016年04月13日 | ・ロバみみの芝居小屋
幕が開いてから、まだ数日。

お披露目ほやほやの「滝沢歌舞伎2016」を観て来たのですが、
奇しくも健ちゃんが怪我をしたその公演に居合わせることとなりました。

健ちゃん、大丈夫かなぁ?

フリーダムでいつもメンバーをとっちらかしているような健ちゃんだけど、
責任感の強い人だと思うから、足よりも心を痛めていないか心配でなりません。

だから、せめて、心をこめて12日の公演の感想を書きたいと思います。

うーん、何からどう書こうかな。

とりあえず、ネタバレも含んでしまいそうなので、
まだこれから観る予定の方でうっかりこのブログに立ち寄ってしまった方は、
この先、ご注意ください。

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「残念ながらチケットをお取りすることができませんでした」

もう、この当落のアナウンスを二度と聞きたくなかったロバみみは、
申し込みをしなかったんですが、お友達が申し込んでくれて……、

ハズレました。

もちろん一般も撃沈してしまい、
「にこ健」を読みながら、健ちゃんが一生懸命練習しているダンス、
私は見れないんだなー……、と心淋しく思っていました。

でも、ありがたいことに、譲って頂ける方がいらっしゃって……(涙)

久々の新橋演舞場。

すっかり健ちゃんが主役気分のロバみみでしたが、
演舞場のタッキーのでかい看板を見て、

「そっか。タッキーの舞台だった」

と、思い出しました。

物販をチェックしてみたんですけど、どれもこれも健ちゃん、キレイ!!!

すごく素敵に写ってて、しばらく見とれてしまいました。

もう、ここで、「よっ、三宅! この千両役者!」と、
心の中で大絶賛してました。わたくし。

そしていよいよ、開幕。

タッキーのソロから始まりました。

ええ、ここでまた、思いました。

「そっか。座長はタッキーだったんだ。
 のっけから、健ちゃんをピンで拝めると思ったよ……」

と(汗)

そしてお待ちかね、ブイロク屋、三宅健のご登場!

いやいや、タッキーに紹介されて出てきた健ちゃんが、
まさか、V6のあの曲を歌うとは……。

予想もつきませんでしたよ。

曲名は、こんな驚きの気持ちとは反対のタイトルでしたけどね。

振りつけには、手話が入ってたんですよね。きっと。
「みんなの手話」を見ていたわりに、習得してないロバみみには、
「多分……」としか言えませんが(汗)

でも、ムードがあって、大人っぽくて、意表を突かれました。
ああ、いよいよ、始まるんだなぁって思いました。

長くなってきちゃいましたので②へ続きます。

・4/12『滝沢歌舞伎2016』②

2016年04月13日 | ・ロバみみの芝居小屋
さてさて、続きです。

健ちゃんのソロ曲が終わって、
いよいよこれからって、わくわくしてたんですけど、
ジュニアがわらわら出てくるし、思ったよりケンタッキー、出番少な目?

まあ、ハードだし、衣装替えもあるだろうし、
出ずっぱりってわけにはまいらぬってとこなのかもしれないなぁと思っていた頃に、
立ち回りの中での健ちゃんのフライング!

よっ! 待ってました!

と、心の中で拍手喝采してたんですが、
なんか「あれっ?」って思って。

初見だし、何が違うのか、不具合が起きたのかわからなかったんですけど、
健ちゃんが右足を引きずってて……。

着地の時に、足を痛めちゃったのかな?
たいしたことないといいなと思っていたんですけど、
まさか、親指を骨折していようとは……。

その後の出番で、高い所から床に倒れ落ちる演出の時、
ひやひやしながら観てたんですけど
見事にやり遂げていたので、
大事には至らなかったのかと思っていたのですが、
きっと、とても痛かったんだよね? 健ちゃん(涙)

それなのに、ラストまで全部やりきったんだね。

やっぱり男だなぁ。健ちゃんは。

そして、プロだね。

その後も、たくさん、たくさん、楽しませてもらいました。

健ちゃんが難しいって言ってたダンスって、
あのマイケル・ジャクソンみたいな衣装の時のやつであってるかな?

誰かに操られてるみたいな、
自分の体の中に違う何かが息づいて動かされているようなダンス。

すごいな、健ちゃん、すごいなって思いながら見てました。

ワイドショーでやっていた回転太鼓ショー(?)もカッコよかったよ。

最初、周りで太鼓叩いてる半裸のジュニアの人たちとか見て、

こん中に、一人だけポッチャリ男子混ぜとくと、おもしろいんだろうけどなぁ。

なんて思って、ぽっちゃりくん探して、
「お? あの人、近いな。でも、甘い。もっとポチャポチャしてないと」とか、
別の意味で楽しんでたんですけど、
健ちゃんが出てきたら、もう、健ちゃんだけ見てましたよ。

そして、

「こんなにぐるぐる回りながら太鼓たたくなんて、
 びっくりハウスでびっくりしちゃう坂本くんには絶対ムリだな……」

って思いました(笑)

他にも、草履脱げたら大変!

と、慌てて健ちゃんの足元を確認したら、
足袋だったので胸をなでおろした一幕もありました(笑)

エレクトリカルパレードみたいな演出も、観ていて楽しかったです。
時代を感じた瞬間でした。

久しぶりに、心晴れやかな気持ちにさせてもらいました。
ありがとう。健ちゃん。

最後の健ちゃん作詞の曲。とってもよかったよ。

ホントに、隣の人もみんな笑顔だったよ。

大切なものは、もう実は持ってたりするんだよね。本当に。

演出を一部変更して続投すると記事で読みました。

たくさんお稽古して、公演が始まって間もないこの時期に
きっと悔しい思いをしていると思います。

申しわけないと自分を責めていないか心配です。

でも、ピンチをチャンスに変えて欲しい。

これで完璧って思っていても、いざ、それを壊してみたら、
もっと素敵な出来栄えになるってこと、いくらでもあるもの。

変えられないって思ってても、結果、変えてよかったねってなること、
世の中には結構ある。

災い転じて福となす。

「落ち込むだけ、落ち込んだらもう一度スマイル!」

だよ。健ちゃん。

「あきらめないで、ぶつかることがボクらのスタイル」

だよね?

ロバみみは、17年以上、V6を見てきたからね。

だから信じられるよ。三宅健の底力を。

「頑張って」なんて言いません。

頑張ってるもの。健ちゃんは、いつだって。

だから、ただひたすら信じて、祈ってます。

心配の言葉より、エールの方が喜んでもらえるかな?
いや、違うな。
三宅健は、褒められて伸びる子だった。

健ちゃんは、いつもとびきりの幸せをくれる人。
頑張り屋さんの努力家だって、みんな知ってます。
だから、きっと大丈夫。

無事に千秋楽で、ラブラブな笑顔を振りまく健ちゃんを想像しながら、
少しでも力になれるように、毎日、新橋演舞場にパワーを送るからね。

神様、お願い。

一分一秒でも早く健ちゃんの怪我を治しあげて下さい。

最後に、ありったけに愛をこめて、
このおまじないを、健ちゃんに捧げます。

痛いの、痛いの、飛んでけー!!!!!


・『才原警部の終わらない明日』

2015年12月28日 | ・ロバみみの芝居小屋
今年最後の観劇。
先日、「才原警部の終わらない明日」を観て来ました。

久しぶりに、なーんにも考えずに大笑いさせて頂きました。

福田雄一氏、作・演出。

福田さんといえば、大好きなジョビジョバとか、
「勇者ヨシヒコ」(←注:イノハラではない)とか、
いつもロバみみを腸閉塞にする気か?、というくらい笑わせてくれます。

この方の肩書って、いったいなんなんでしょうね?

ま、それはさておき、ネタバレありますので、
これから観劇される方は、このあたりでオサラバしてください。
まだ、1月の大阪公演が残ってるみたいなんでね。

**********************************************************************

さてさて、「才原警部の終わらない明日」は、
誘拐事件を解決する変な刑事の話(笑)

シチュエーションがムリクリすぎて、もう、つっこむ気すら起きません(笑)

警視総監の娘だからって、公安に女子大生が一日職場体験とかありえないから(笑)
ゆるすぎる(笑)

そして、インターポールから派遣されたという才原警部こと、堤真一氏。

登場から、すごいよ。

まさかこの年末に、堤さんのランニング・マン、見られるとは思ってなかった(笑)
あのキレの悪いダンスは、逆にアッパレとしか言いようがない(笑)

とにかく繰り出されるセリフも反則技で、
もう笑うしかなかったです。

才原警部の捜査チーム、家族ぐるみのサイバラズ5も、最強に笑える。

見ることしかできない家政婦さんの池谷のぶえさん、やっぱりいい。
ケラさんの「砂の上の植物園」を観て以来、
ロバみみの観る作品にお名前があると、いつも期待してしまう女優さんです。

「イケメンとしては中途半端」なコードネーム「プロミス」な勝地くんも、
こういう舞台では活き活きしてます。

余談ですが、前髪クネオつながりか、クドカンさんもご観劇でした。

小池さんは「バンデラスと憂鬱な珈琲」で堤さんと共演した時もよかったけど、
今回もよかった。
特に、オーディションを受けにきた挫折した女が最高だった(笑)

このお話、色んなシチュエーションで、一人何役もこなすのですが、
ミュージカルのオーディションシーンがあって、この時の堤さんも最高でした。

「自分、不器用ですから」が、口癖の場違いなオッサンなんですが、
「幸せの黄色いハンカチ」の某大物俳優さんの衣装、
ジャンパーとスラックス姿のゴルゴ13みたいでした(笑)

ミュージカルの演出家にはゲイが多いと、不器用に連発するゴルゴ・高倉みたいな堤さんが、
プロデューサー役の鈴木浩介さんを慌てさせる場面も最高。

「同じ事務所の俺にも火の粉が降りかかるから!」

いやー、そうでしょうね。色々ありますよね、お察しします(笑)

他にもまさかの「ブラック・ジャック」のコスプレとか(笑)
貴重です。本当に。

今年、「Vの悲劇」のため、身も心も憔悴しきってしまった時期と重なってしまい、
未だに「リスクの神様」を見れていないのですが、
渋いシリアスな役どころから、ダメなオヤジまでを完璧にこなし、
そして、はじけたコスプレとキレの悪いダンスを臆することなく披露する堤真一氏、
やっぱり最高です。

コメディは、大真面目にやるから面白いんですよね。
笑わせようとしないところに笑いが生まれる。

インターポールの才原警部は、見た目、SPの尾形係長そのもの。

その尾形さんが、ずっこけなことばっかり言ったりやったりするし、
周りの役者さんたちもはじけちゃってるので、
もう、むやみやたらにおかしくて、笑い転げるしかありませんでした。

朝ドラ「まれ」で、まれのお友達役だった、清水富美加ちゃん。
あのキャスト陣の中で物怖じしない感じのオープンな芝居っぷりが見事でした。
この先も舞台で観たい女優さんだなって思いました。

こんなこと言っていいのかわからないけど、
新感線の中谷さとみさん的な、チャーミングな役どころで観てみたいと思いました。

そして、エンディングはミュージカル仕立て(笑)
みんなで踊って歌ってたよ。

それがなんか、見ていてとてつもなく楽しくて、幸せでした。

「ハーッピ、ハッピ~♪」

って、超連呼の曲(笑)

「どんな手段を使ってでもハッピー」とか(笑)

でも、今年は本当に、辛かったし悲しかったし、しんどかったから、
最後にこんなに無条件に笑わせてもらって、嬉しかったです。

ああ、こんな風にお芝居観て、笑ったりすることが
私の日常のささやかな幸せだったりしたんだった。

って、単純に思い出しました。

出演者の皆さんも、そして客席も皆、笑顔。

まさに、ハーッピ、ハッピ~♪

今年は気持ちに余裕がなくて、いつものように舞台まで気が回らなかったけど、
Vコンの苦しみのさなか、「この舞台のチケットだけは……」と、
きっちり抑えておいてよかった。

終わりよければ、なんとやらってね。

よし、来年、「どんな手段を使ってでも」、たくさん笑って過ごすぞー!