弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【乗っかってみる】「お任せ」の功罪

2024年04月03日 08時53分53秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
曇り空が重ためな@湘南地方です。

さて、どんなネタ書こうかな…と思ってたら
同業の先生お二方がたまたま同じようなテーマでそれぞれ本日ブログを上げていらしたので、
乗っかってみることにします♬

・千葉の弁理士ブログ  -特許や商標等、お客様の「モヤモヤ」を「スッキリ」に!-
悩ましい言葉「先生にお任せ」

・弁理士アッカーの運まかせ人生
お客様のタイプ

どちらも、
“あるある…”と読みながら思わずつぶやいてしまいました。
特定のクライアント様の顔を思い浮かべたりしつつ(笑)

よく「ドリルを買う人が欲しいのは『穴』なのだ」という話を聞くと思うんですけど、
じゃあ特許事務所にご相談に来る方が欲しいのは何なのか…? というのを改めて考えてみたく。

クライアントが欲しいものは…専門的な知識? 第三者目線? 確かな事務手続き? 物書きとしての労働力?
…こうやって書いたものって、全部「こちらが提供できるもの」=「ドリル」の方なんだよなぁ、と。

じゃあ「穴」は?
…じつは、ご相談にいらっしゃる段階では“何が欲しいのか明確じゃないけどご相談にいらしている” 
というケースが多いように思います。

なので、「一緒に『穴』を探す」というのが、我々に求められている姿勢かな、と。
もちろん経験上、
"あ、その場合だったら対応策はAかBですね。それぞれメリット/デメリットは…"といったように
readymadeな「穴」をご案内する場合もありますし、
“うーん、どうしたらよいんでしょうね…”と一緒に頭を抱える場合もあります。

で、
まだ「穴」を探している段階で“お任せ”と言われてしまうと、そりゃ困るなぁ、というのが本音です。
こちらも何を正解(少なくとも許容範囲内)と考えているのかを測りかねている時もありますし。

「穴」の候補が見つかり、それぞれの利害得失も概ね共有できたところで、どれにするかは”お任せで”というケースもあります。
その場合、私は必ずそれぞれの選択肢が孕む「リスク」から説明します。
後で“きいてなかったよ!”とならないように。暗に”お任せ”にせず、そのリスクの定量評価をクライアントにお願いします。
そこは、弁理士サイドにはわからないことなので。
(もちろんお付き合いの長いクライアント様の場合、事業に与えるインパクトをある程度推測することは可能なのでそれも織り込んでお話しますが)

「案件」という同一の事象を、クライアント/弁理士 それぞれの立場から違う目線で見ているので、
そのこと=目線は違うんですよ ということは都度都度伝えつつ、でも「私が社長だったら…」という見解も示す。
そんな風に間合いを近づけたり遠ざけたりして「焦点」を合わす作業を繰り返す。
その中で、「あ、通じてるな」と思ったら、後は“お任せ”いただいても大丈夫かな、と思うのです。

なんだか長々書きましたが、答えが一つじゃないものを売っているので、
クライアント様との距離感やクライアント様自身の経験によって対応は変わってくる、というのが実際のところかと思います。

とまあ、今日はそんなところで。

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