心理セラピストのひとりごと

『象徴的イメージ統合療法』という心理療法を行っています。日々の中で感じたことを書いていこうと思います。

最近の実例~心からの思いは実現する

2023年05月21日 | こころのこと


「思いは実現する」ということは、今まで色んな人が説明されています。古くはナポレオン・ヒルという人が著書『思考は現実化する』を出版しています。1937年のことです。



昨年亡くなられた、京セラや現KDDIを創業し、その後JALを再建するなど日本経済に大きく貢献された稲盛和夫さんは、『生きる力』という著書の中で『心の中に抱く「思い」は人の運命を作る。多くの人々が大切だと信じる「考える」ことよりも、「思う」ことの方がはるかに大事である。』『「思い」は必ず実現する。ただし、「思い」は「信念」や「胆識」とも呼べるほど強烈なものにしなければならない。「思い」に秘められた偉大な力を信じて邁進すれば、すべてのことは必ず実現する。』(以上要約)と述べられています。



私自身は、「思い」には「頭の思い(言い分)」と「心の思い(言い分)」の二つがあると感じています。この二つの思い(言い分)が完全に一致したときに「思いは実現する」と実感しています。



セッションの時によく説明していることがあります。頭で『幸せになりたい。なるぞ!』と思っていても、心の奥では『私は幸せになれない』と感じていると、「信念」とも呼べる強い思いは「感情」を伴う心の方から発生するので、現実化して実現するのは、心の方で感じている『幸せになれない』という「思い」なのです。



私自身も頭と心の言い分が一致したときに、思いが実現するという体験を今までたくさん経験してきています。その中には「奇跡」と思えるようなこともありました。



ここでは、最近の二人のクライアントさんの「心からの思いは実現する」という体験例をご紹介します。



一人目(女性)の方の体験例です。この方は、人から受け入れられやすい感じの方で、あちこちから『うちで働かないか』と声をかけてもらえるようです。しかし、今まで働いていたところでは、最初は良いのですが次第に「下に見られて大事にされなくなる」ことがいつも必ず起こるということでした。



セッションでご自分の内側を感じていってもらうと、気づいてこれられたのは『私には価値がない』という「思い」でした。さらに、子供の頃からお母さんにいつも抑えられてきて『自分は人よりも下の人間』という思い込みを持たざるを得なかったようでした。



そして、お母さんからの抑えられ方があまりに激しかったので、強い『悲しさ』『苦しさ』と『大事にされなくなるのが怖い』という「感情」をずっと持ち続けてこられました。



この方の雰囲気で自分のままでいれば、自然にどんどんと周りから受け入れられ、大事にされていくのですが、この「思い」があることで、『下に見られて大事にされなくなる』ということがいつも何度も現実化していることに気づかれました。そうやって、頭も心もこの思いで一致していたのでした。



また、母親からのそういう扱われ方がずっと続いたので、いつしか『上に立たれるのは嫌だけど、下にいる方が楽』という「思い」が出てきて、無意識に自分から下の立場になるようにもしていたことに気づかれました。



結局、稲盛さんのおっしゃる「思い」を「信念」と呼べる強烈なものにするというのとは違い、『悲しい』『怖い』というネガティブな「感情」は強いものなので、これが自然に「信念」となって現実化する強さが明らかに増すのだと感じています。



最初に自分の中に、どのような「思い」と「感情」がインプットされたかが大きいのです



これぐらい、「思い」とその奥にある「感情」が良くも悪くも現実化させるということが、この実例で改めてよくわかります。



次に、もう一人の方(男性)の体験例です。この方は外国の人とつながって大きく事業をされています。中心になっているその外国の方が来日してセミナーを開催することになりましたが、それにかかる経費を全て日本側が負担しないといけなくなったそうです。



日程が間近に迫ってもセミナーの申し込み人数が増えなくて悩んでいるときにセッションを受けて下さいました。その中でわかってきたものは『お金がなくなって貧乏になって、すごく苦しくなる怖れ』という思い込みを持たれていることでした。



深い根源的な癒し方にはここでは触れませんが、興味深いことに、そこに気づいて癒すことができた翌日から急にセミナーの申し込みがどんどんと増えて、多額の売り上げが上がりセミナーは大成功に終わったそうです。



そしてこの方にはもう一つ思い込みがありました。子供の頃にやりたいスポーツをさせてもらったのですが、その競技はかなりお金がかかるものだったので、『自分が好きなことをしてお金をなくして親を苦しめた』という『強い罪悪感』をそこから持たれていました。



これがあるので、自分が本来負担しなくても良いお金を負担することになったり、自分のせいではないことの後処理をしないといけなくなるという、他人の責任を負うような立場に立たされてきた、その根源の理由もわかりました。



『お金がなくなる怖れ』がお金が足りないと感じる現実を作り出し、『自分が好きなことをして、親のお金をなくした罪悪感』が自分を罰するように他人の責任も背負うという現実を作り出していたのでした。



「感情」によって強化された思い込み・観念はその強さに比例して、良くも悪くもそれにぴったり合った現実を引き寄せ(自分からも選び)実現させるのです。



頭、思考は動かしやすく処理しやすいのですが、「感情」ほど後々まで影響を与え続けるものはありません。



見えることも見えないことも、すべてのことはほんとうは私たち自身が動かしているのであり、実は私たちの中に全てが存在していたのです。



多くの人が自分が望む心からのより良い思いを持ち、より良い現実、より良い世界を創り出していけられることを願っています。
そのためには、まず私自身が大きく深いより良い思いを持ち、頭と心を一致させていこうと思っています(^_^)


ホリスティック・セラピー研究所 https://holistic-ti.com



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