心理セラピストのひとりごと

『象徴的イメージ統合療法』という心理療法を行っています。日々の中で感じたことを書いていこうと思います。

最近の実例~心からの思いは実現する

2023年05月21日 | こころのこと


「思いは実現する」ということは、今まで色んな人が説明されています。古くはナポレオン・ヒルという人が著書『思考は現実化する』を出版しています。1937年のことです。



昨年亡くなられた、京セラや現KDDIを創業し、その後JALを再建するなど日本経済に大きく貢献された稲盛和夫さんは、『生きる力』という著書の中で『心の中に抱く「思い」は人の運命を作る。多くの人々が大切だと信じる「考える」ことよりも、「思う」ことの方がはるかに大事である。』『「思い」は必ず実現する。ただし、「思い」は「信念」や「胆識」とも呼べるほど強烈なものにしなければならない。「思い」に秘められた偉大な力を信じて邁進すれば、すべてのことは必ず実現する。』(以上要約)と述べられています。



私自身は、「思い」には「頭の思い(言い分)」と「心の思い(言い分)」の二つがあると感じています。この二つの思い(言い分)が完全に一致したときに「思いは実現する」と実感しています。



セッションの時によく説明していることがあります。頭で『幸せになりたい。なるぞ!』と思っていても、心の奥では『私は幸せになれない』と感じていると、「信念」とも呼べる強い思いは「感情」を伴う心の方から発生するので、現実化して実現するのは、心の方で感じている『幸せになれない』という「思い」なのです。



私自身も頭と心の言い分が一致したときに、思いが実現するという体験を今までたくさん経験してきています。その中には「奇跡」と思えるようなこともありました。



ここでは、最近の二人のクライアントさんの「心からの思いは実現する」という体験例をご紹介します。



一人目(女性)の方の体験例です。この方は、人から受け入れられやすい感じの方で、あちこちから『うちで働かないか』と声をかけてもらえるようです。しかし、今まで働いていたところでは、最初は良いのですが次第に「下に見られて大事にされなくなる」ことがいつも必ず起こるということでした。



セッションでご自分の内側を感じていってもらうと、気づいてこれられたのは『私には価値がない』という「思い」でした。さらに、子供の頃からお母さんにいつも抑えられてきて『自分は人よりも下の人間』という思い込みを持たざるを得なかったようでした。



そして、お母さんからの抑えられ方があまりに激しかったので、強い『悲しさ』『苦しさ』と『大事にされなくなるのが怖い』という「感情」をずっと持ち続けてこられました。



この方の雰囲気で自分のままでいれば、自然にどんどんと周りから受け入れられ、大事にされていくのですが、この「思い」があることで、『下に見られて大事にされなくなる』ということがいつも何度も現実化していることに気づかれました。そうやって、頭も心もこの思いで一致していたのでした。



また、母親からのそういう扱われ方がずっと続いたので、いつしか『上に立たれるのは嫌だけど、下にいる方が楽』という「思い」が出てきて、無意識に自分から下の立場になるようにもしていたことに気づかれました。



結局、稲盛さんのおっしゃる「思い」を「信念」と呼べる強烈なものにするというのとは違い、『悲しい』『怖い』というネガティブな「感情」は強いものなので、これが自然に「信念」となって現実化する強さが明らかに増すのだと感じています。



最初に自分の中に、どのような「思い」と「感情」がインプットされたかが大きいのです



これぐらい、「思い」とその奥にある「感情」が良くも悪くも現実化させるということが、この実例で改めてよくわかります。



次に、もう一人の方(男性)の体験例です。この方は外国の人とつながって大きく事業をされています。中心になっているその外国の方が来日してセミナーを開催することになりましたが、それにかかる経費を全て日本側が負担しないといけなくなったそうです。



日程が間近に迫ってもセミナーの申し込み人数が増えなくて悩んでいるときにセッションを受けて下さいました。その中でわかってきたものは『お金がなくなって貧乏になって、すごく苦しくなる怖れ』という思い込みを持たれていることでした。



深い根源的な癒し方にはここでは触れませんが、興味深いことに、そこに気づいて癒すことができた翌日から急にセミナーの申し込みがどんどんと増えて、多額の売り上げが上がりセミナーは大成功に終わったそうです。



そしてこの方にはもう一つ思い込みがありました。子供の頃にやりたいスポーツをさせてもらったのですが、その競技はかなりお金がかかるものだったので、『自分が好きなことをしてお金をなくして親を苦しめた』という『強い罪悪感』をそこから持たれていました。



これがあるので、自分が本来負担しなくても良いお金を負担することになったり、自分のせいではないことの後処理をしないといけなくなるという、他人の責任を負うような立場に立たされてきた、その根源の理由もわかりました。



『お金がなくなる怖れ』がお金が足りないと感じる現実を作り出し、『自分が好きなことをして、親のお金をなくした罪悪感』が自分を罰するように他人の責任も背負うという現実を作り出していたのでした。



「感情」によって強化された思い込み・観念はその強さに比例して、良くも悪くもそれにぴったり合った現実を引き寄せ(自分からも選び)実現させるのです。



頭、思考は動かしやすく処理しやすいのですが、「感情」ほど後々まで影響を与え続けるものはありません。



見えることも見えないことも、すべてのことはほんとうは私たち自身が動かしているのであり、実は私たちの中に全てが存在していたのです。



多くの人が自分が望む心からのより良い思いを持ち、より良い現実、より良い世界を創り出していけられることを願っています。
そのためには、まず私自身が大きく深いより良い思いを持ち、頭と心を一致させていこうと思っています(^_^)


ホリスティック・セラピー研究所 https://holistic-ti.com



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地球をよりよくする究極の方法

2022年09月30日 | こころのこと



今回の記事のタイトルは、たかが心理セラピストが「なんて大きなテーマを語ろうとしているんだ」と思われるかも知れません。



でも、心理セラピストだからこそ、このテーマを語ることができると今思っています。



この仕事を始めて25年と半年ほどになろうとしています。この期間にほんとうにたくさんのクライアントさんが心地よく自分を生きられるようになっていかれました。



その楽になられた方々の心の癒しのパターンには、一定の法則がありました。これは私自身も含めて全員が同じパターンでした。大変厳しい環境で強いトラウマを負ってしまったクライアントさんも同じでした。



できるだけわかりやすく書いていきたいと思いますが、まずは人が自分を生きられなくなるパターン、そこから説明していきましょう。それは簡単にいうと以下のような流れになります。



①人間は子供の頃の家庭環境の中で親や家族からの言動、扱われ方で傷つき、その傷ついた時の「感覚」をまるで刻印するように「脳」に残す。また、その時に感じた「感情」は感じると辛くなるばかりなので感じないように「心」に押さえ込んで抑圧してしまう。

その過去の「感覚」は脳に残っているだけなので、意識して出来るだけ焦点を当てないようにしたり、「感覚」を脳科学的手法によって書き換えることで影響を軽くすることは出来る。しかし、過去の「感情」は、誰しも経験があるように「感情」というものは心を大きく波立てざわつかせ、場合によっては人生を大きく翻弄するほど、そのエネルギーは非常に強いものなので、いくら頭で焦点が当たらないようにしても心の奥に抑圧しても、そのエネルギーの影響を隠し切ることは出来ない。

ただ、その影響を受けていても、それは子供の頃(生まれた時、あるいは物心ついて)からの「感覚」や「感情」でそれにもう慣れ親しんでしまっていて、その人の中では普通のことになっているので自分では気づかない(気づけない)ようになっている。




②特に、そういった過去からの「感情」を抑圧することで、それにより「不安と怖れ」(や「悲しみ」)という「感情」が心の奥底に巣食い、それが脳の生存本能を過剰に活発化させてしまいスイッチが入りっぱなしになって、無意識の内に生きるということが「いかに自分の身を守るか」ということに終始するようになってしまう。



③そのために、自己価値観を下げたまま、『とにかく心が不安定にならないようにするために生きる』、『(お金は現代ではないと生きていけない大切なものであるが)どこかでお金さえあればしあわせになれると思いお金を中心に物事を考える』などのように過剰に「不安や怖れ」を避けるためだけの思考形態にはまってしまう。

そうすると、安心を土台とした、生まれ持った自分独自の個性を発揮したありのままの自分を生きるということもできなくなってしまう。




この③の流れは、多かれ少なかれ、気づいても気づかなくても現代人はみんなここにはまっていると思います。こういった「不安と怖れ」に誘発された防衛本能を基にした考え方が強くなることで、本来のありのままの自然な状態ではなくなります。また、広い視野で物事を見ることや自分の深い思いを感じることができなくなって洗脳も受けやすくなってしまいます。



そして、この防衛本能の思考が過剰になっていくと、バランスを失った状態で「今だけが楽しければいい」、「自分の身だけ守れて安心できればいい」、「とにかくお金だけがあればいい」などという思いが出てきます。さらにそれが激しくなってしまうと、人心を陥れたり、犯罪を犯したり、争ったり、しいては戦争を起こしたりするようになります。これが社会や国及び世界が乱れる根本的な原因です。



今の世界は、それが高じて『自然環境や自然の摂理などを考慮することがなく、利己的な利便性やお金だけを重視したやりたい放題で地球環境を破壊する』という地球にまで影響を与える現状に陥っています。



しかしながら、私はなぜか最近よく思うのです。本来人間というものはそのような存在なのだろうか?と…。



いえ………、私たちは元々はもっと精神性の高い存在であったはずだと感じるのです。



セラピーで②までのパターンを深く癒した人は、ほんとうに同じ人なのかと思うぐらいそれまでとは違う心地のよい自分らしい生き方をされるようになります。それは本来の精神性を取り戻した生き方に近づいていくと表現できると感じています。



私たち人間本来の精神性とは、必ずしも、清く正しく美しくあらなければならないというのではなく、自分の個性のまま、ありのままの自分を認め受け入れ愛し、心の奥に深い安心を感じながらその個性をしっかりと発揮できるような精神状態であると思っています。



性格がハッキリして強いという個性を持っている人が、子供の頃からの扱われ方で「怒り」の「感情」を抑圧していると、その本来のハッキリした強い精神エネルギーを建設的に使わない(使えない)まま、「怒り」を自分や周りにぶつけて発散することに使ってしまうようになります。せっかくの持って生まれた「長所」が望まない形で使われるようになってしまいます。



しかし、深い安心感を感じて自分自身を生きている人の心からは、一般にいうネガティブなものは出てきません。変な例えですが、どれほど意地が悪い人でも、その人が機嫌がいい時には優しいものです。それは元々ある良心、自然な心が発動した状態ともいえると思います。



この精神性が隠されて、やりたい放題の行為が増えることで、社会や世界、地球が汚染され壊されていったのであれば、人間がこういった行為を減らしていくことが地球をよりよくすることに直結していると感じるのです。



AIに自然の摂理(自然の活動)と人間の活動、そして今の地球の状況をデータにしてインプットして、「地球をよりよくするにはどうしたらいいか?」と質問すると、「人間がいなくなればいい」と答えます。



地球にとっては人間がすべての破壊の原因ですから、人間が本来の精神性を取り戻せば地球のバランスも取り戻されていきます。そうしなければ、私たち人類は地球にとっての邪魔者でしかなく、人類には滅亡の道しか残されないことになってしまいます。



だから今、『人間の本来の精神性をいかに取り戻すか』が重要な鍵になっていると感じています。私は人間が本来の精神性をなくしてしまった根本の原因は、長年のセラピー現場での実体験から先程の①②にあると実感しています。



それを取り戻すためには、『抑圧した過去からのネガティブな「感情(エネルギー)」を解放し、癒す』ということが重要になります。これが人間の心に深い癒しが起こる誰をも共通するパターンです。



しかしそれは、単に「感情」を発散(解放)するということではありません。(有効な方法ではあるのですが深い癒しにおいては)誰かに話を聞いてもらって発散(解放)するということでもありません。それは、自分で自分の心の中にある「感情」に具体的に気づいて、その存在を否定することなくありのまま認め、受け入れるということです。



自分とまったく同じ性格で同じ感覚を持ち、まったく同じ環境を過ごしてきた人間は、自分以外に他に誰もいません。また、いつどんな時も何があっても、離れずにずっとそばにいる存在は自分以外に他に誰もいません。



ですから、『自分に向き合い、自分の「感情」(内面)を知り、理解し、それをありのまま受け入れて認める』ことは、人間にとって基本として必要なことなのではないかと思うのです。



そして実は、このやり方こそ、子供の頃にほんとうは(かつておなかの中で一体だった)母親からしてもらいたかったやり方だったのです!



人間は誰もが、母親からこういった自分の心が満たされるやり方を適切な時期にしてもらえないことからトラウマ(心の傷)を負っています。ただこれは、親を悪者にしようとするために言っている訳ではなく、(セラピーの仕事をするまで、こんな風に思ったことはありませんでしたが)私たち人間とは生物的反応として、そういう性質、そういうパターンを持った存在であるということが、私自身の体験とたくさんの方のセラピー現場での経験からわかりました。
(ここから抑圧せざるを得なかった「感情」を受け入れ解放した人は、逆に、本来の心からの「親への愛」を感じられるようになります。そうすると、子供の頃のままの承認的、愛着的つながり、つながろうとする思いからではなく、自立した心の状態で親とつなかれるようになります)


※よろしければ、この辺りのことをもう少し詳しく書いている私のホームページの最近改訂した「しあわせの法則」をお読み下さいませ。https://holistic-ti.com/housoku.htm



心の深いところにある「感情」は、自分を離れたところから客観的にイメージしていくことで、そこにずっと隠され抑圧してきたものが観えてきて気づいていきます。客観視しない限りこの部分(領域)は観えてきません。これが一番効果的な方法なのですが、なにぶん人は気づかない内にはまり込んで(はめ込んで)いるものがたくさんありますので、一人で行うのが難しいところが欠点です。



かといって、セラピーを受けるというのは敷居が高いと感じられる人も多いと思います。ですから、ここでは自分一人でできることを思いつくままに少し書いてみますね。



「感情」の処理を一人で行う時にはタイミングというものが大切になります。そのタイミングは、感情が浮いてきている時や何かモヤモヤしてスッキリしない時や不整脈が起きたりする時などです。私の実体験とセラピー現場での経験では、不整脈は強い「感情」が浮いてきているのに気づかなかったり、うまく気づけない時に起こることがわかっています。
(ということは、強い「感情」は心臓辺りに溜まるということがわかりますし、心臓辺りに心があるということがわかります)



ほんとうはこういう時は解放することができる大チャンスなのですが、この時に多くの人は他の人と会ったり、にぎやかな場所に身を置こうとして、無意識の内にも自分に向き合うことを避けてしまいます。でも、自分の心の奥のことは自分自身にしかわかりませんので、逆に一人になり自分の空間を保つことが好ましいです。



植物に触れたり、裸足になって土の上に立ったり、自然が多いところに身を置いたり、空を見たりしながら、あまり一生懸命にならず深刻にならず自分を一歩引いて見るような感じで、静かに自分に意識を向ける機会を増やすのがいいでしょう。



そうしながら、「感情」が浮いてきている時には、その「感情」がどのようなものか具体的に言葉にしてみます。モヤモヤスッキリしない時や不整脈の時には、その部分を積極的に感じて、そこにどのような思いや「感情」があるのかを感じてみます。これは何も難しいことではなく、抑圧することで逆にその影響が強くなっているだけなので、感じたり、具体的な言葉として表に出す(光を当てる)方がそれは解放されて、その影響下から外れるという理にかなった仕組みです。



例えば、「苦しい」「さみしい」「悲しい」「腹が立つ」などの「感情」、それがわからない場合には「ザワザワ」「ズキズキ」「モヤモヤ」「ピリピリ」などの擬音的感覚として言葉にできるとしたら、その「感情」、擬音的感覚の単純な表現だけで終わらせず、そこにあるのはどういう「苦しさ」「さみしさ」「悲しさ」「怒り」か、あるいはどういう「ザワザワ」「ズキズキ」「モヤモヤ」「ピリピリ」かを具体的にさらに言葉にします。



それは「感情」としては、例えば「人から大切にされないのが(苦しい)」「あの人から無視されるのが(さみしい)」「誰も認めてくれなくて(悲しい)」「自分の話は全然聞いてくれなくて(腹が立つ)」などという感じです。あるいは擬音的感覚としては、「何かよくないことが起こりそうな(ザワザワ)する感じ」「何に反応したかわからないが何かで傷ついたような(ズキズキ)する感じ」「自分の中がぐちゃぐちゃしている感じの(モヤモヤ)」「何かゆったりできない、気が立っているような(ピリピリ)する感じ」などという感じです。



おもしろいことに、「感情」や感覚はこうやって「~の感情」「~の感覚」と具体化され、気づいて焦点が明確になるだけでなんだか感じ方が最初よりも軽くなります。結局、私たちはこういった明確化、整理ができ難いのは幼少期に親(特に母親)に何でも話して、聞いて受け取ってもらうという経験がなかったから、やり方がわからなくなっているだけです。



子供の頃にしてもらえていたら、誰もが今頃は自分の「感情」や感覚を自然に自分で感じて理解して処理することがとても上手になっています。そして、ありのままの本来の自分を生きられるようになっています。



でも、だからといって親を責めないでくださいね。親も自分の親からそれをしてもらっていないのでできなかっただけですから。また、そうやって具体化して出てくる思いや言葉も、結局根本は幼少期からの親や家族との関係の中で感じた「感情」や思いなのですが、それもやはり親自身がそれに気づいてもらえなかったり、受けとめてもらえなくて抑圧したので、子供の思いや「感情」に気づかないし、ありのまま受けとめてあげるということができなかっただけです。



それでも、そうやって言葉として具体化している時に、親から受けとめてもらえなかったという事実に改めて気づき、その頃の様々な思いや「感情」が出てくるようでしたら、それはその思いや「感情」がもう表に出て消えようとしているタイミングだということです。



ですから、その思いや「感情」も具体的な言葉として明確化することができたら、『自分の中には~の感情(~の感覚)があったんだな。こんな風に思っても仕方がない環境だったんだなあ』とあまり入り込まずに一歩引きながら、それを客観的にただ受けとめてあげてください。



そうしている時に、もし、「それでも自分が悪かったんだ」などという自分を否定する思いが出てきたとしたら、今度はその思いをわかってあげて寄り添うだけでいいです。『~の感情(~の感覚)があるけれども、それでも私は「自分が悪かったから」と思っているんだなあ』という感じです。



感じていってみて、その奥にある思いが出て来たなら、次に出てきたその思いをまた、できるだけただ認め受けとめるだけでいいのです。



先ほどもいいましたが、そうやって理解し、明確化するだけでも心は軽くなっていきます。感じて浮いてきたものは消えるために浮いてきているだけです。それを押さえ込み、抑圧したので出所がどこにもなくなって、心の奥にず~っと残ってしまっただけです。



「感情」も他のこととまったく同じで、「手放さないと(捨てないと)無くならない」のです。さらに表現してみますと、「暗い部屋は明るくすれば、そこに何があったかがわかる。そうすれば、整理されないままそこに溜め込まれたたくさんの物の中でどれが手放したい物か、持っていたい物かがわかり、手放したいものは簡単に手放して、部屋を整理することができる」ということです。



「感情」ということでは、ほとんどの人がこうやって部屋を暗くすることで、たくさん溜め込んでいるものを見ないようにして、「自分の中には溜めているものなどないし、もし溜めていたとしても、そんなものは過去の終わった話なのでなんの影響もない」と思い込んでいます。しかし、現実社会の中でも、例えばゴミ屋敷であったり、廃棄物投棄などの問題をみてもわかるように、溜め込んだものは必ずどこかに影響しています。



また、人がよりよく前向きに生きられる時は、終わった過去もまだ来ぬ未来も気にせずに、今を生きている時だと思いますが、自分の内側に溜め込まれたものが多いと、どうしてもその滞ったものに影響されて、ニュートラルに今を生きることもできなくなります。



なのに、人は体のこと(体の滞りや痛みなど)には、ちゃんと目を向けますが、なぜか心のこと(心の滞りや痛みなど)には、目を向けず整理、処理、対処しようとせずに放置してしまいます。また、精神医学(心療内科・精神科)では、頭(脳内ホルモンや神経伝達物質)を薬で調整するだけで対処しようとしています。



意外に思われたかも知れませんが、このような『「感情」の解放と癒し』が人間本来の精神性を取り戻すことにつながっています。こうやって、日本人がありのままの自分を生き本来の状態にどんどん近づいていけばいくほど、日本はよりよい国へと変わっていきます。そしてそれは、地球全体にとってもよりよい影響をもたらすことと感じています。



読んでいて何となく興味を持たれた方は、よろしければちょっと行ってみてくださいませ。



あなたが本来のご自分を生きられますように。

世界が平安でありますように。


ホリスティック・セラピー研究所 https://holistic-ti.com



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過去のメルマガから④『潜在意識の言語は象徴的なイメージである』

2019年06月13日 | こころのこと
閲覧が出来なくなっている過去のメルマガの記事の主要なものを抜粋して載せていっています。今まで一部の人にしか話していない、伝えることを躊躇していたものもいくつかありますが、このブログでも公開しようと思い立ちました。


ただし、ずいぶん前に書いた文章ですので、今の私の表現とはもうすでに違っているところもありますし、補足、追加したいところもありますから、その部分については加筆していきます。


よろしければ、お読み下さいませ(^_^)

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メルマガ しあわせに生きるための「トラウマ心理学」
潜在意識の言語は象徴的なイメージである2013年7月

よく知られているように、人間の意識は顕在意識と潜在意識に分かれます。顕在意識は日常で普通に使っている「意識」で、潜在意識は自分でも気づいていない意識である「無意識」になります。


私が行っているトラウマ統合療法は、心を静めてゆっくりと自分の中から湧き上がってくるイメージを見ていくことで、「自分の心の奥に処理しないままにあった、もう手放してもいい思い込みや観念、それによって抑圧された思いや感情に、自分自身で気づいて受け入れて解放していく」という手法です。そして、私の手法は催眠療法(ヒプノセラピー)ではなく、イメージ療法に当たります。もっというと象徴的イメージ療法という表現がしっくりとくると思います。


この手法で、多くの方が自分で自分の心の奥に気づいて、それを癒し解放してゆかれる、とてもたくさんの様々な瞬間に立ち会わせていただきました。クライアントの皆様のお陰で、ほんとうに貴重な経験をさせていただいてきました。


そのセッション現場の体験と私自身の体験からも、潜在意識が表現する言葉は象徴的なイメージを使っているということがよくわかりました。


潜在意識(無意識)は、色んな表現を使って顕在意識(意識)に気づいてもらおうとしているのです。


例えば、周りのものを何となく無意識にじっと見ている時は、潜在意識が反応してそこに目が行っている場合が多いです。日常のことからの一例でいいますと、車を運転していたり、歩いていて、なんだか知らないけどお墓が目についてしまうという場合があったとします。それは、潜在意識(心の奥)でお墓参りをしていないことをどこかで気にしていたり、何となくお墓参りをした方がいいなあと思っている時だったりします。


私のことでいえば、かなり前のことですが、テレビを見ていて、ふとある場面をじっと目を釘付けにして見ている自分に気づいたことがありました。自分ではそんな風に見ようとしているつもりはないのに、そうしている自分に驚きました。それは、外国の港から海を映している風景でした。


私は、元々海は大好きですから、『この青い海に惹かれているんだなあ』と思いましたが、意識して改めて画面を見ていると、心が惹かれていたのは海ではなく、そこに停泊していたヨットでした。


心の内を感じてみると、『そうだ!自分はこんなヨットを所持して乗りたいんだ!』と、心の内のわくわくするほんとうの思いに気づきました。


私の顕在意識は、『ヨットなど持つのはお金がかかり、大変なこと』と思い込んでいて、かなりあきらめモード(-_-;)でヨットに意識が行かないようにしていましたが、私の潜在意識は、『ヨットっていいね。あれに乗って海を走ると、とても気持ちいいよ』と、ただただ純粋に心地よさを表現してきていたのでした。


顕在意識は色んな制限や制約を設け、観念をつくってしまい自然な流れを止めてしまいます。しかし、潜在意識はいつもただ感じたまま、ありのままのほんとうの思いを表現してくるのです。


これは、自分のインナーチャイルド(子供の頃からの「感覚」と「感情」。感じてきたものの総称)が表現しているものと同じであるといえます。不思議なことに、心の奥のありのままのほんとうの思いに従うと、物事がうまくいくようになります。


私の場合は、ヨットは買えませんでしたが(T_T)、そのようなものは手にできないというお金に対する限定、観念を外して、潜在意識の表現である『海を心地よく走る』という思いを現実にするために、海用のカヌーであるシーカヤックを買いました。おもしろいことに、私の仕事はそれから順調に行き始めたのです。


そして、潜在意識の表現を顕在意識でうまく聞くことが出来なければ、潜在意識は象徴的なイメージで伝えようとしてきます。


この伝達手段の一番わかりやすいものでいえば、眠っている時に見る「夢」がそうです。夢で見る映像は、ほとんどがそこに象徴が隠されています。これを読み取るものが「夢分析」です。


私の夢の例でいえば、ずいぶん前の一時期、大学の単位を落とす夢を見たことがあります。これを自分で分析してみたところ、『ちゃんと勉強をしないから単位を落としたんだ』という思いから(実際に落としたことは取りあえずありませんでしたが・・・f(^_^;))、今自分は『やるべきことがちゃんとやれていないと感じているんだ』ということがわかりました。


また同じ頃、水洗トイレの水があふれるという夢も何度か見たことがありました。あふれていたその水はきれいな水でした。これは、体の中で水がいっぱいになっているという象徴でした。『体の水分調節がうまく出来ていなくて排出する必要がある』ということがわかりました。その時には実際に、足がむくんだり、顔がむくむことがよくある時期でした。


そして、この水が汚れていたりしたこともありました。これは、体の中が不必要なもので濁っている時でした。また、汚い話ですが汚物が混じっている時もありました。これは、便秘だったりして『排泄で解毒がちゃんと出来ていない』という表現であることがわかりました。


また、おもしろいことに潜在意識は、よく覚えている必要のある夢の場合には、目が覚めても覚えていられるように、インパクトのあるイメージを出してくることも時にあります。例えば、誰かが自分の名前を呼ぶとか、好きなタレントが目の前に来るとか、猫が好きだとしたら、猫がしゃべりかけてくる等々、インパクトの強いイメージを覚えておいてもらいたい象徴的なイメージを出す直前に登場させることもあるのです。


それから、私のセッション現場からでは、クライアントさんに今現在の自分自身を客観的にイメージをして見てもらうことがありますが、どこかで自分の中に見たくないと感じるものを持っている人は、無意識のうちに、イメージの自分と正面から向き合わないで、横から自分を見るというイメージが出ることが多いです。


そして、その自分の中の見たくないものがさらに強いと、イメージの自分を後ろから見たりします。それがもっと強いと、後ろから見るだけでなく、かなり距離を離れて遠くから見ているイメージになります。


また、ちょっとややこしいですが、イメージの自分とそれを見ている自分という二人の自分を、さらに自分が客観的に見ているというイメージをまったく無意識のうちにする人もおられます。この場合には、もう一人自分をクッションとして入れて、見たくないものが何かを出来るだけ感じないようにしているのです。(セッションではこのような場合には、ゆっくりとどうして感じないようにしているのかその思いに気づいて、「そう感じているんだ」とそれを取りあえず受け入れていくと、その先に進めるようになります)


私はお話し会や講演会の中でも、人数が多くても、この今の自分に向き合うというイメージワークを行いますが、女性が多いある会では、多くの人がイメージの自分がズボンをはいている姿が際立って出てきたり、本人はそうでないのにガリガリで健康的でない自分のイメージを見られることがありました。この方々の潜在意識は、『自分は女らしくない』、『女らしくしてはいけない』というネガティブな自己イメージや思い込み、観念があることを象徴的イメージを使って伝えてきていたのです。


でも、その中でもある人は、静かに微笑んで安定した雰囲気を感じさせる自分が出てきて、ほんとうは自分が持っているエネルギーに気づいて、感動して涙を流された方もおられました。私が感じても確かにその人はそのような雰囲気の方でしたが、自己イメージが低くて、今までその自分を受け入れられていなかったのでした。


ほんとうに、潜在意識はイメージという象徴的な言葉を使って様々な表現をしてくれます。


もし興味がありましたら、ちょっと夢分析をしてみて下さい。自分の潜在意識に目を向けることで、夢も忘れないで覚えていやすくなりますよ。それと、夢を思い出すコツは、朝目が覚めたらすぐに起きたり、寝返りもせずに、じっとしていて『どんな夢を見ただろうか』と思い出そうとして下さい。そうすると、次第に思い出してきますよ。(人によっては、夢を見ないという方もおられますが、ほんとうは夢は必ず見ています。ここには実は、『夢を覚えていたくない』という思いが隠されています。でも、だからといってそれが悪いことではありません)


そして、夢の象徴は人によって、その意味するところが違う場合もあるので、自分の場合にはそれが何を象徴していて、何を伝えようとしているのかがわかるようになって、慣れてくると次第に、潜在意識の言葉を象徴的なイメージとして見る前に、顕在意識でダイレクトに理解できるようになります。


潜在意識は、あなたという個性に合った、あなただけのほんとうの流れを知っています。


あなたがあなたの心の内側にある自分のほんとうの思いに気づき、あなたらしいしあわせな人生を歩まれることをお祈りいたします。

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ホリスティック・セラピー研究所 http://holistic-ti.com
心理や人間存在についての専門的な内容は、HPの「こころのこと」に載せていきます。



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過去のメルマガから③『すべては自分で選んでいる』

2019年03月24日 | こころのこと
閲覧が出来なくなっている過去のメルマガの記事の主要なものを抜粋して載せていっています。今まで一部の人にしか話していない、伝えることを躊躇していたものもいくつかありますが、このブログでも公開しようと思い立ちました。


ただし、ずいぶん前に書いた文章ですので、今の私の表現とはもうすでに違っているところもありますし、補足、追加したいところもありますから、その部分については加筆していきます。


今回はかなりの部分加筆しました。よろしければ、お読み下さいませ(^_^)

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メルマガ しあわせに生きるための「トラウマ心理学」
すべては自分で選んでいる2013年2月

実は、人間は無意識のうちにも、いいことも悪いことも、すべての出来事を自分が選んで自分から体験しています。


こんなことをいうと、「いや、そんなことはない。こっちが選んでないのに、偶然に出来事に出くわすこともあるよ」という声が聞こえてくる感じがしますが・・・f(^_^;)


でも、最近では、よく「物事には偶然はない」という言葉を耳にします。それは、インナーチャイルドの視点から見ても、まったく同じことがいえるのです。


具体的な例でお話ししましょう。


まず私の体験から。22歳の時に自分の不注意で車での大きな事故を起こしました。幸い他の人への被害はありませんでしたが、私自身は口の中を大きく切って外に貫通した部分もあり、二十数針縫いました。今では外から見てもわからないですが、この事故で私の人生は大きく変わりました。しかし、今回のテーマの通り、この事故も人生の大きな分岐点として自分が選んだことを感じています。


今でも覚えているのは、フロントガラスが割れる時に、スローモーションのようにゆっくりと破片が散らばっていくところを見ました。人によってはそういう時に、過去から今までの出来事が走馬燈のように流れていくのを見るという場合もあります。


このような特殊な感覚は非常時にだけ起こるのではなくて、ほんとうは日常から無意識(潜在意識)は、視覚で捕らえた映像を映画のフィルムのように、一コマずつしっかりと認識していることを感じています。


最近ではこんなことがありました。昨年(2012年)秋に、足に大きな火傷をしてしまいました。恥ずかしい話しですが、テーブルの上に置いた熱い飲み物が入ったコップに手が当たって倒してしまったのです。この時に、自分が自分の(無意識の)意志で指をコップに当てて、あぐらをかいて座っていたちょうど足首のあたりにだけ熱湯が行くように、微妙に調整をしてゆっくりと(!?)倒したのだと感じました。


この微妙な調整を自分の心の深いところが勝手に行った感じでした。後で、自分の内側をよく感じていくと、どうして自分でそうしたのか、その主要な思いがはっきりとわかりました。それは、自分がさらに先へと進んでいくこと、講演会などの依頼をたくさん頂いて行っていましたので、自分が次第に有名になっていくことを止めようとする力が働いていたことに気づきました。


これは、処理しないまま(出来ないまま)最後に残っていた私の過去世から持ち越した罪悪感から来ていました。その過去世では、かなり地位が高い人間でしたが、おごってしまい権力を乱用して人を大切に扱わなかったことから持った罪悪感でした。だから、有名になって自分の世間的地位が上がることに対してストップをかけたのです。


でも幸いにも職業柄、その理由を理解することで、自分の内側と向き合い癒し、さらに前へと進む選択ができました。
(この火傷では、皮膚が深いところまではがれてしまったので、立つと血液が足の方に降りるその圧でかなりの強い痛みを感じるために、3ヶ月近くまともに歩けませんでした。しかしながら、傷に毎日何度も何度も意識を向けて大切にしっかりとケアし傷が治っていくのを見ていく体験は、おかしな言い方ですが、なんだかかなり楽しかったのです。痛かったですが、本当に貴重なよい体験が出来たと思っています)


一般的には、ひんぱんに怪我や傷、事故をする人の場合には、無意識に自分が自分を傷つけている可能性が高いです。「たまたま、ぶつけてしまっただけ」、「たまたま、すりむいてしまっただけ」、「たまたま、こけてしまっただけ」、「たまたま、運悪く事故に遭っただけ」などと、『たまたま、○○○○』と思われるところに、ほんとうは隠された自分自身への思いがあります。


多くの場合、こういうパターンでは、『自分はダメ』とか『自分が悪いから』という低い自己価値感や罪悪感が隠れていたりします。(私の場合はちょっと特殊な過去世から持ち越した罪悪感でしたが、こういった『自分はダメ』、『自分が悪い』という思いは、幼少期の出来事からのトラウマの影響であることがほんとうに多いです。すなわち、インナーチャイルドの傷、トラウマです)


さらに例を挙げますと、ちょっと極端なものになってしまいますが、DV(ドメスティック・バイオレンス)に遭う女性の心に隠された共通する思いがあります。


私のところにも何人ものDVに遭われている方がいらっしゃいました。DVを受ける体験は本当に辛いものです。ただ、その体験をされた方に共通していたのは、DVをするその相手とは別れたのに、次に仲良くなった相手もなぜか同じような行動をとる人ばかりだったということでした。


ここにも隠されていたのは、DVを受ける女性側の心の内にある自己価値感の低さや罪悪感の存在です。


『自分はダメ』、『自分には価値がない』という思いから、無意識のうちにその価値のない自分を確認するため、あるいは、その自分を責めるため罰するために、攻撃的だったり、怒りをたくさん持っている男性に近づいてしまっていたのです。

(この自己価値感の低さ、罪悪感は実は、DVをする側の男性も持っています。きつい言い方になりますが、自分よりも価値を落としている女性を選んで自分が上に立つことで、自分の価値を上げようとするのです。そして、この男性のお父さんはお母さん[自分の妻]に対して同じように、DVあるいはDV的な行為をする家庭で育っている確率が非常に高いです。


男性は、お父さんがお母さんを扱うそのやり方を脳に刷り込みます。女性は、お母さんがお父さんを扱うそのやり方やお母さんがお父さんから扱われる時の対応の仕方を脳に刷り込みます。人間の脳はそのように、驚くほどの非常に機械的な性質を持っています。私のトラウマ心理学では、「脳はまったくの機械的なコンピューターである」と定義しています)


あるいは、DVをされる女性が満たされなかった、満たすことができなかった自分の思いを満たすために、そういう人を無意識に何度も選んでしまうこともあります。


彼女たちのインナーチャイルドは、ほんとうはこう言っています。


家庭を安定させたかった女性のインナーチャイルドは、
『お母さんを攻撃して、よく怒っていたお父さんの機嫌がよくなったらお母さんが助かる。家庭が平和になる。でも、お父さんをうまくそうすることは出来なかった。そうできなかった自分はダメだ。だから、(お父さんを投影して)お父さんに似たこの人が不機嫌にならないように、この人の気持ちを安定させたい』・・・と。


お父さんはよく怒るけど小さい頃には優しくしてもらったこともある人のインナーチャイルドは、
『お父さんはよく怒っていたけど、時々私を大切にしてくれるお父さんが好きだ。ほんとうはお父さんからもっと愛してもらいたかった。でも、お父さんから完全に愛してもらうことは無理。それはさみしかった。だから、(お父さんを投影して)お父さんに似たこの人から愛してもらいたい』・・・と。


機械的な性質の脳は、こうやって機械的に投影(ある人の存在や影響を他の人に見ること)もします。


それから、クライアントさんの中には、「結婚はしたくない」、「結婚に気が進まない」と話してくれた人もたくさんおられました。


そういう方は、子供の頃から両親の仲が悪かったという環境で育った人がほとんどです。両親の関係性から結婚や男女関係にいいイメージを持っていないので、どこかで「私は結婚しても、うまくいかない」と思い込んでいるのです。


それでも、パートナーが欲しい人は、結婚の意志がない相手や結婚につながらない相手を自分から選んでしまうことが多いです。


彼女たちのインナーチャイルドは、ほんとうはこう言っています。


『お父さんとお母さんに仲良くしてほしかった。でも仲良くならなかった。結婚なんてうまくいかないものだ。だから、私は何かがあればいつでも別れられる、深く心から繋がらなくてもいい相手を選ぶんだ』・・・と。


ここでは、ちょっと極端な例を挙げましたが、こうやって人は原家族(自分が生まれ育った家族)との家庭環境からの影響をとても強く受けています。多くの人がこのことの本当の意味に気づいていませんが、人間の持つ生きづらさはほとんどここからの影響により発生しています。人間(子供)にとって、これほどに家庭環境の影響は大きいのです。


世の中のほとんどすべての人の心の中でインナーチャイルドが、満たされなかった、満たしてもらえなかった思いをわかって欲しいと声をあげています。それを心からわかってあげられるのは、世界中どこを探しても、同じ性格を持ってまったく同じ経験をしてきた、自分自身(大人の自分)以外にいません。


隠れていた思いがわかったら、まずは、『私はほんとうはそう感じていたんだ。そうだったんだね』と、ただただ自分で自分のありのままの思いをわかってあげるだけでいいですよ。不思議なことに、まず、わかるだけでも何かが緩んで楽になります。


ほんとうはみんな、子供の頃にお母さんからこのように自分の心の内を受けとめてもらいたかったのです。それをもらえないと次第に、「そんな風にしてもらえないのは別に大したことではないので、特に何とも感じていない」と機械的な脳の一つの機能である生存本能が不安な気持ちにならないように過剰に働いて、そう思い込ませるようになります。


しかし、脳がいくらそうしても、また、お母さんから身の回りの世話はしてもらったとしても、心を受けとめてもらえなければ、子供は心に傷[トラウマ]を負います。子供(人間)とは、そのような存在なのです。特に、子供時代の人間にとって、なんと母親の存在、影響は大きいことでしょう。

(多くの人が機械としての脳の過剰な働きにより気づかないようにさせられていますが、心の内側にはその頃に感じたネガティブな感情が大人になった今でも、その頃のままの状態で残っています。これが人間の生きづらさの根源的原因です。このような感情がたくさんあるように感じる方は、ぜひセラピーを受けられることをおすすめします。安全に効果的、根源的に解放でき、驚くような深い安心感が心の奥から湧き上がって、自分が望むように人生がよりよく変容していきますよ)


人間(大人)は、自分が無意識にしていることの、隠されたほんとうの意味がわかると、その行動を意識して変えることが出来るようになります。


問題と感じているその原因に気づいて、根底にある思いをつかむことが出来れば、それをまだ持っていたいのか、持っていたくないのか、その自分の本当の思いがはっきりとわかるようになります。わかれば、後はそれをどのようにするかは、当然のことに自分の意志で選ぶことができます。


だから、まず、最初に必要なことは、自分の内側の思いに「気づく」ことからです。


どうぞ、あなたも自分の心の内に何があるのかに意識を向けてみて下さい。そして、気づくことで、心は安定しはじめ、そしてあなたが体験したい方へと生き方を変えることができますよ。


そのあなたの心の安定があなたの周りの人に伝わっていきます。そして、その数が増えてくれば、それはさらに拡大していって、世界へと伝わっていくことでしょう。


世界が平和でありますように・・・。

あなたのおしあわせをお祈りいたします。


◆編集後記
自分の内側の真実に気づけば、自分という存在についての様々なことがわかり始めます。

そして、自分より外側の世界の真実についても気づき始めます。

しかし、世界には意図的に真実に気づかないようにさせるための様々な方法があふれかえっています。

自分の目が自分の内側においても、自分の外側においても、ありのままの現実を捉えられるようになると、生き方が変わり、選択が変わります。そうすれば、自然と世界には本質的なことや本物が増えていくことでしょう。

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ホリスティック・セラピー研究所 http://holistic-ti.com
心理や人間存在についての専門的な内容は、HPの「こころのこと」に載せていきます。



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過去のメルマガから②『自己紹介 ~これからの私の流れ~』

2019年03月05日 | こころのこと
閲覧が出来なくなっている過去のメルマガの主要な記事を抜粋して載せていこうと思います。今まで一部の人にしか話していない、伝えることを躊躇していたものがいくつかありますが、不特定多数の方も読めるこのブログでも公開しようと思いました。今回の過去メルマガ記事は、15周年を迎えた時に書いたものです。現在は、丸22年経過して22周年を迎えました。23年目に入るところです。

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メルマガ しあわせに生きるための「トラウマ心理学」
『自己紹介 ~これからの私の流れ~』2013年1月

私は、幼少期からのトラウマを癒すことを中心にした心理療法の仕事を始めて、今年4月で丸15年になります。15周年記念の年ですね(V^-°)
(2019年現在では、丸22年になります)


私自身が、ずっとどうやっても取れなかったトラウマから来る自己価値感の低さやなぜかしあわせになる方向へと向かえない思いが、インナーチャイルドを癒すことで、劇的に消えてしまいました。


強いトラウマを負った子供の自分(インナーチャイルド)を癒すと、自分の内側にあった本来の光がどんどん増えてくるのがわかり、世界は360度開いて、もう自分は何者にも囚われない、ありのままの自分で自由に生きていい存在であると心の底から思えました。


完全に、生まれ直したような感覚を味わって、私の人生はそこから変わったのです。


このような心が根源から変容する手法が、この世の中にあったことに、ものすごく驚いたことを昨日のことのように覚えています。


そして、そんな経験をしてしまったので、今度は自然に自分がインナーチャイルドのセラピスト側として活動することになりました。活動を始めてから、とてもありがたいことに宣伝をしなくても、たくさんの方に出会わせて頂けました。


年数が経ち自分に力がつけばつくほど、強いトラウマを抱えられた人が多くなりました。


私が他のセラピストの方と違う点を挙げさせて頂くとしたら、かなり強いトラウマを持った方が楽に生きられるようになるまで、一人の人をとことん観させて頂いたことだと思っています。


このとても多くの貴重な経験から、人間の心の中からどのような時に、どのような流れや反応が出てきて、どのように変化していくか、そのありとあらゆるすべてのパターンを目の当たりに体験させて頂けました。


そして、その経験の中から、ある一定の流れが出てきた人は、100%全員が劇的に楽になっていかれることがわかりました。


私は確信しています。「インナーチャイルドを癒す」ことが世の中に広がれば、世界は争いもない、盗みもない、ごまかしもない、恨みや嫉妬もない、いじめもない、真の平和な世界へと変容していきます。


しかし、世の中にはインナーチャイルドを癒す手法を行っている方は、意外とたくさんおられるのですが、思ったよりも世間への認知度が低いのが現状です。


そのために、今年からは(される方がいないこともあってf(^_^;))インナーチャイルドの癒しの重要性を知って頂いて、その普及と啓蒙をする活動に力を入れていくことにしました。


◎個人セッションを受けてみたいが躊躇されている方も多いので、自分の心の内を自分ではっきりと知っていくため、心の内を自分で見て感じることに慣れるため、本来のありのままの自分を表現できるようになるためなどのグループワークを行います。


◎セッション現場から、トラウマを負った子供が大きくなると、どのような状態になっていくのかを目の当たりに見させて頂いてきて、どうしたら癒されるかもわかりましたので、子供がどのようにトラウマを負っていくのか、子供にトラウマを負わせないためには、どのように接していったらいいのか、どこに気をつければいいのか、子供に愛情が伝わる表現はどのようにすればいいのかなど、インナーチャイルドからの独自の視点で「子供を持つ親」を対象にした講演会、お話し会を行っていきます。


◎一般の方には、セッション現場の中からわかった理論を「トラウマ心理学」として、わかりやすく論理的にお話しする講演会、お話し会を行っていきます。


◎私一人では、多くの人に対応が出来ないので、この手法を広げるため、セラピーの質の向上のために、インナーチャイルド統合療法(現在はトラウマ統合療法に名称変更)のセラピスト養成講座を開催します。


今、こうやって書いていても、このようなことを行っていける経験、知識を頂いたことに、ただただ感謝です。ほんとうにこの15年間で、何物にも代え難い貴重な経験をクライアントの皆様に教えて頂いてきました。


今では、心の研究については、ひとまず終わったと感じるほど、ほんとうに色んなことがわかりました。


後は個人セッションについては、それを応用して、人間の心の根源の解放がさらにどれだけ早く進むか、今はその方法・手法のさらなる探求・研究に入っています。こちらの方でも、色んなことがわかってきました。


それから、たくさんの人に関わらせて頂いたことで、元々持っていた直感力が強くなったようで、感覚的にも色んなものがさらにわかるようになりました。


今では、お会いしたり、声を聞いたりするだけでも、その方の内面のことやその家族のことなど様々なことがわかるようになりました。


さらに、その方が育ってきた家庭環境の大まかな流れをお聞きすると、その方のトラウマからの影響が心や人生にどのように影響しているか、ほぼ100%、その流れがすぐにわかるようにもなりました。


私はかつて、心理学者のユングさんに興味を持って色んな本を読んでいた時期があります。今になってわかりますが、ユングさんが元々持っていた強い直感力が、患者さんの心の奥と自分自身の心の奥を探求することによって、すごく活性化されて色んなことがさらにわかるようになられたのだと感じます。


誰もが、自分の心の奥底、そして他の人の心の奥底をじっと観察していくと、そこに関連してつながっている様々な流れが見えて来るようになります。


人間の心は、肉体である「体」とのつながりはもとより、エネルギーである「霊」的なつながりからも、とても強い影響を受けています。


学問的、学術的な心理学では、「常識」という名の下に、霊的なことは研究対象から当然のように外されてしまっていますが、心に触れていった時には、「霊」という領域を外して研究しても完全なる片手落ちで、統合的な真実は見えてきません。(これは、学術的な「哲学」の分野にも当てはまると思います)


人間は「心」と「体」と「霊」で、統合的に成り立っています。


近年では、「霊」的なことも考慮に入れた学術的な「トランスパーソナル心理学」という心理学の新しい流れも出てきていることは、大変よろこばしいことです。


私の実体験からもわかった、心と切り離せないこのあたりのエネルギーとしての「霊」のことにつきましては、またの機会にお伝えさせて頂きましょう。


しあわせな人生を生きる上で、重要なことは、実は『人間は自分で自分の人生をすべて計画している』ということです。意識の深いところで、いいことも悪いことも、すべての出来事を自分が経験しようと決めて、その通りに体験しているだけです。


ですから、「無意識」のうちに、意識の深いところで決めているものに気づき、「意識」して、それを選びたいか、選びたくないかを決められると、人生を自分が決めた思い通りの方向へと進めて行けるようになります。


ただ、意識することを邪魔して止めてしまうものが「トラウマ」です。自分を止めるものは、ほんとうは外には何もありません。ただそれは、自分の心の内側で、自分自身が止めているだけなのです。


自分の心の内側を知ることは、自分自身を知ることです。自分が何を選択し、何を体験しようとしているのか、そして、何が自分を止めているのか、自分が自分に向き合い、自分自身をまず知り、理解すること・・・。


すべては、そこから始まります。


トラウマに気づき、無意識を意識化して、よりよい人生を選択し、しあわせに生きていきましょう(^_^)


これからの時代は、誰もがそうやって生きることが出来る時代になったと感じています。


次号より、それらのエッセンスをお伝えさせて頂きますね。


あなたのおしあわせをお祈りいたします。

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過去のメルマガから①『自分が自分を裏切らない』

2019年03月04日 | こころのこと
閲覧が出来なくなっている過去のメルマガの記事、2013年からの主要なものを抜粋して載せていこうと思い立ちました。今まで一部の人にしか話していない伝えることを躊躇していたこと、文章としてはメルマガにしか書かなかったことがいくつかありますが、不特定多数の方も読めるこのブログでも公開しようと思いました。まずは①から。これは、サンプル版として書いた気軽なものです。

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メルマガ しあわせに生きるための「トラウマ心理学」
『自分が自分を裏切らない』2013年1月

最近の世の中では、多くの人が手っ取り早く「安心」や「安らぎ」、「楽しさ」や「よろこび」を得られる手段を求めています。


その感情を感じることは、とても大切なことですから、簡単な方法で得ようとすることは、悪いことではありません。


むしろ、心がしっかりといつまでも安定できる、そのような方法があれば、最高にいいことだと思います。


でも、残念ながら、ほとんどの手っ取り早い方法は、心の安定やよろこびが長続きしないのが現状です。


ただ、私が知っている方法で一つだけ、心がいつまでもず~っと、安定する方法があります。


それは、「自分がありのままの自分を受け入れ、好きになる」ことです。


いつ、どんな時にも、どこであっても、何があっても、自分のそばにいつも離れずにいるのは、自分自身しかいません。


もしも、嫌いな自分だとしても、どんなにイヤだとしても、自分自身からは絶対に離れられないし逃げられません。


だからこそ、自分が自分を受け入れて、好きになって、味方になることで、心の奥が安心して安定するようになります。


ほんとうは、この「受け入れられている感じ」、「好かれている感じ」、「味方になってくれている感じ」を幼少期に親からしっかりともらえた子供は、そこから感じた心の奥底からの安心感が一生ず~っと消えることなく続きます。


でも、多くの人が、親からうまくこの感覚をもらえていませんし、「私は自分が好きですよ」と言われる人も、それはありのままの自分ではなく、「こうあったらいい」、「こう出来たらいい」という自分が「一つの理想とする自分」に近づけている状態が好きであることが多いです。


では、自分がありのままの自分を受け入れて、好きになるにはどうしたらよいのでしょうか?


今回は、私が試してみた一つの簡単で効果がある方法をお教えいたします。それが「自分が自分を裏切らない」ことです。


私の体験例でいいますと、「ここの片づけをしなければいけない」といつも思っていて、今日はしようと決めていたのに、またしないままにしてしまったら、その後に、体が重たいような、心も明るくならない、どよんとした感覚になることが何度もありました。


また、「次の休みには、本屋さんに行って、こういうジャンルの本を探してみたい」と思っていたのに、休みの日になると、何となく本屋まで行くのがおっくうに感じられて、行かないまま一日が過ぎてしまうと、その夜にはすっきりとしない不完全燃焼の感じがする時もありました。


「これをしないといけないなあ」とか「今日は、あそこに行ってみたらいいなあ」などと、自分が気になっていたり、ふと思ったことをやらないでいると、何だかすっきりせず、元気がなくなって色んなことへのやる気も出にくくなってきます。


それが度重なるほど、すっきり感や元気が出なくなる度合いも高まります。


これが、「そうしよう」、「したらいいなあ」という自分の思いを自分自身が聞いてあげなくて、裏切ってしまったのです。


自分を裏切ってしまうと、強いダメージを負ってしまい、自分の中から力が出てこなくなってしまいます。


実は、人間(大人)は、人から裏切られるよりも、自分が自分を裏切る行為の方が、心の深いところに強いダメージを負うのです。


気をつけないといけないのは、そうやって自分が自分を裏切ることばかりしていると、運気も悪くなり、何よりも自分が自分をイヤになって、嫌いになってしまいます。


そうすると、元々あった心の奥の安心感も少なくなったり、あまりなかった人は不安感がより強くなってしまいます。


逆に、自分がそうしたいと思ったことが全部できないとしても、少しそれに手をつけるだけでも、何だか不思議と元気になって、行動力も出てきます。


これは、自分が自分のいうことを聞いてあげたから、自分の生命エネルギーが上がって元気になってきたのです。


そして、それを繰り返していると、運気もよくなって、おもしろいことに、物事の流れがうまく行くようになってきますよ。


ある意味これは、運を上げるためのコツでもあります。


すべての物事はシンプルです。まず、自分が自分を大事にしていると、元気になりますし、運がよくなってきます L(@^▽^@)」


もしも、今後こんなタイミングがあったら、ぜひ、あなたの思いに答えてあげて下さい。何だかどんどんと元気になりますよ。


今ちょっと、元気がないという方は、気になっていることやしたいと思っていることをどんなに簡単なことでもいいですから、紙に書き出して、できるものから、とりあえず行ってみて下さいね。うまくできた時には、何か感覚が変わってきますよ。


あなたのおしあわせをお祈りいたします。

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過去のトラウマを癒すことは、必要のないことなのだろうか?

2016年05月01日 | こころのこと


先週から、今年のトラウマ統合療法(現:象徴的イメージ統合療法)セラピスト養成講座を開始しました。今回の記事はちょっと専門的なことも入っていますが、講座のテキストの中から少し抜粋、加筆をして、最近気になっていることについてお伝えしていきたいと思います。ちょっと長いですが・・・f(^_^;)



トラウマ統合療法(現:象徴的イメージ統合療法)は、インナーチャイルド療法と前世療法を使った私独自のアプローチ方法を加えた「象徴的イメージ療法」ともいえる心理療法です。



セラピーにおける近年の時流は、「トラウマはない」、「過去にアプローチする必要はない」という流れになっています。



日本においては、この考え方は2014年に出版された「嫌われる勇気」という本がベストセラーになって脚光を浴びたアドラー心理学が提唱している理論で、それが社会全体に波及しているからではないかと思われます。



また、トラウマや過去のことを感じるのを嫌がる人が増えていることも間接的な理由に挙げられると思います。



では、ほんとうにトラウマはなくて、過去を扱うことは必要のないことなのでしょうか?



ここに、人間の心にはトラウマが存在し、過去からの影響はあるということを証明できる心理療法の現場からわかったシンプルな事例を二つ挙げてみます。



(1)フラッシュバック(日常で何度もよく思い出す過去のつらかった出来事。ここでいうフラッシュバックは事故や震災などでのPTSD[心的外傷後ストレス障害]ではなく、子供の頃の原家族[一緒に暮らしていた家族]との関係でトラウマを負った出来事のことで、無防備な子供の頃からのもの)は、セラピーで一回アプローチして癒すと、もう二度とそれを思い出したり、フラッシュバックすることがなくなる。



(2)セラピーの中で、子供の頃の過去の出来事がもう過去に終わってしまったということがわからなくなっていて、まだ続いているという感覚を持っている人がとてもたくさん存在する。



(1)の「フラッシュバック」は、一般的な心理療法や精神医学では治療が難しく、慎重に扱うべき症例としてストレートに扱わないことが多いです。



フラッシュバックがあること自体が過去からの影響が存在するという証明になるのですが、私の長年の経験ではここに一度アプローチして癒すと、(記憶としては当然なくならないですが)その過去のつらかった思いはまったくなくなってしまって、もう二度とその出来事をフラッシュバックしたり、わずらわされることがなくなります。



このフラッシュバックするということは、ほんとうは潜在意識が「この出来事はもう処理していいですよ。処理する時が来ましたよ」と言っているに過ぎません。



もしもそうではなくて、隠しておきたいことなのであれば、潜在意識は逆に意識下に沈めて抑圧し思い出せないようにして、不安を感じないようにします。



これが解離(トラウマを負った時にもうこれ以上傷つかないよう、心が不安定にならないようにするために生存本能として脳が感じることを麻痺させたり、忘れさせようとする防衛システム)です。



東日本大震災に遭った特に若い人たちは震災の記憶をなくしたり、おぼろげになっている人が大変多いと聞きます。



この方たちの潜在意識は、「もう少し時間をおきたいので、今はそれを思い出さないで」と言っているのです。ということは、事故や震災のショックがしばらく時間が経過した時に解離していない人は、それを処理できる(していい)タイミングであるということですし、子供の頃からのつらかった出来事が意識に上がってきている人は、それをもう癒す準備が出来ていてその時期が来たことを知らせてくれているということなのです。



このことに気づいている専門家(特に心理学、精神医学において)は少ないのではないかと感じています。



(2)の「過去に終わったことと思えない」は、過去の出来事がもう終わっていることとわかっていなくて、今現在も進行中であると感じていて、頭ではわかっていても(わからない人もおられますが)感覚的には終わったという感じがしないという人が驚くほど多いです。初めてこういう方がたくさんいるという事実に気づいた時には、大変驚いた記憶があります。



こうやって、人間の脳は過去の出来事から感じた「感覚」を処理できていないと、いつまでも刻印するように脳の中に残してしまうという事実があることが現場での経験からわかりました。



そして、過去のその出来事の時に感じた「感情」も処理が出来ていない(してもらえない)と、「感覚」と同じようにこの場合には心に刻印されるように残ってしまいます。



少し例を挙げて説明しますね。



仕事をバリバリとやってたくさんの結果を出しても満足できないというクライアントさんがおられました。



この方は、「自分しか出来ない仕事がしたい」という思いを持っていましたが、その奥には「人から評価されなければならない」という思い込み・観念がありました。



さらには「認められたい」という欲求と、たくさんの人から認められているという紛れもない事実があるのに、「認められない自分には価値がない」というネガティブな自己イメージがありました。



そして、そこにはやはり、「認めてもらえなかった」と強く感じた過去の出来事が存在しました。人間には必ずこういう原因が存在しています。



ほとんどの場合、それが親との関係から持ってしまい、この方の場合、「どれだけがんばっても、親がまったく認めてくれなかった」という過去のその時の「感覚」が脳に残り、その時に感じた「認めてもらえなくて、悲しい」という「感情」が心に残ってしまって、外から見るとわかりませんが、その人の内側、意識の中(主観)では終わった感じがなくてその時のままの状態で続いていたのです。



このような処理していない過去からの「感覚」と「感情」を残していると、いくら仕事で成功していても、人からよろこばれていても、色んなことがうまく行っていても、その人の内側ではまだ終わっていないので、満たされている現実には意識が向かなくなって、いつも不足、不満そして不安状態の中にいるようになってしまいます。



このようなことがとても多く(実はほとんど)の方の内側で、気づかないまま起こっているのです。



以上のような二つのことだけから見ても、人間には過去からの影響が明らかにあり、それがトラウマになっているということがわかります。



そして、それを癒すことでその人は過去からの影響が解放されて消え去り、まるで生まれ直したように、本人が驚くほど生きることがとても楽になっていきます。



では、なぜアドラー心理学では「トラウマはない」、「過去にアプローチする必要はない」と主張されているのでしょうか?



アドラー心理学(欧米では個人心理学と呼ばれています)の提唱者はアルフレッド・アドラーといわれる方です。アドラーさんは心理学の大家であるフロイトさんやユングさんと1900年初頭、共に勉強をした同時代の人です。この時代には、インナーチャイルド療法や前世療法などの過去を癒す手法はまだ開発されていませんでした。



トラウマや過去の影響を治療するすべ自体がまだなかったのです。



ですから、そこを扱ってもどうにもならないし、扱っても適切に対処できず悪化してしまうだけですので、トラウマや過去の影響はないものとして「今を生きる」ことに焦点を当てて行ったのだと思われます。



こういう経緯が背景にあったと感じていますが、それでも私はアドラー心理学はよい手法だと思っています。アドラー心理学は、その理論の中でも特に「共同体感覚」という捉え方がとても大切なものだと感じています。共同体感覚についてはアドラーさん自身も言われていますが、私もこれがもう人間存在においてとても大切な考え方、捉え方だと感じています。これこそが人類が身につけるというか、元々持っているものなので発露させるべきものだと感じています。

※共同体感覚とは、他者信頼、自己信頼、所属感(居場所がある)という思いを感じて、人間が全体の一部であること、全体とともに生きていることを実感し、全体を意識しながら行動しようとする思い、感覚のこと。



ですから一番いいのは、よりよく「今を生きる」ことをしながら、「過去からの影響とトラウマを癒していく」ことが人間の心のバランスをとっていく上ではとても理想的なことではないかと思います。



そして、過去をしっかりと癒していくためには、過去からの「感覚」と「感情」というこの二つのものに焦点を当てて行き、処理することが重要です。



(脳に刻印した)過去からの「感覚」を処理する有効な手法には、NLP(神経言語プログラミング)が代表的なもので、他にそれから派生した様々な手法があります。

※NLPとは、セラピーの分野で有名な催眠療法家のミルトン・エリクソン、ゲシュタルト療法のフリッツ・パールズ、家族療法家のバージニア・サティアという3人のセラピストのセラピーを分析し、共通のパターンをまとめた手法。



しかし、(心に刻印した)「感情」については、これほど人間にとってややこしいものはなく、それをコントロールしようとする方法は存在しても、過去からの「感情」をしっかりと焦点を当てて解放し、それをクライアント自身で安全で根源的に処理していくものは、長年の私のセラピー現場からの経験並びに実績から見ても、インナーチャイルド療法(インナーチャイルドの癒し)が最適なのではないかと感じています。



「感情」は、子供の頃に見ないように隠して感じないようにすることで、刻印するように残ってきたものですから、解放するには(安全に)それに向き合って「感じる」「受け入れる」のが矛盾がなく、論理的で一番適切な方法であることがわかります。

(本当は幼少期に、親、特に母親からありのままの「感情」を受け入れてもらえていると、ネガティブな「感覚」と「感情」は処理をされるので、そうされた子どもは過去の「感覚」と「感情」に煩わされることはなくなるのです。しかしここは、親自身が自分の親からそうされていないので、心からありのままに「受け入れる」という行為がどのようなものかがただわからなかっただけです)



それから、このインナーチャイルド療法(インナーチャイルドの癒し)は、同じような名称がついていてもすべての方法が同じな訳ではありません。



あるインナーチャイルドを癒す方法では、チャイルドに重なりながら、子供の頃の自分として感情を感じていきますが、この方法だと解離状態の中に、はまったままでその状態の領域の中にいるので、解離が続いていて深い感情は出てこない(出さない)ようになっています。



これは自分一人で感情を感じて解放しようとする場合も同じです。



また、この方法では、セラピスト(特に女性)が母親のような口調でチャイルドに重なったクライアントに話しかけて誘導することもあります。クライアントはそれによって安心感を得てはいくのですが、次第に安心をくれるセラピストを理想の母親として求めるようになりやすいのです。



そうすると、擬似的母親であるセラピストに依存するようになり、自分で自分自身を癒していくことができなくなります。

(ただ、私はそういうやり方も否定している訳ではなくて、例えば、受ける方があまりにも安心感がなかったり、安心感を感じることができない場合には、セラピストが明確な意図を持っているのであれば、依存的な形であっても、まずは少しでも安心感を強めてもらうということが必要になることもあります)



トラウマ統合療法(現:象徴的イメージ統合療法)のインナーチャイルド療法では、イメージでチャイルドを一貫してずっと客観的に見ていきます。客観視することで、過去の自分が置かれていた状況の全体像を認識、理解することが出来るようになります。



NLPなどではこれを「メタ認知」と呼んでいますが、とても簡単に説明すると、人は自分自身のことはあまりわからなくても、他の人のことは意外とよくわかることからも、このことが理解できると思います。



過去の置かれていた状況がわかる(理解、認識できる)と、その当時にほんとうは感じていた感情にも気づきはじめて、心の奥から感情が浮き上がってきます。



浮いて来た感情はフラッシュバックの原理と同じですから、すでに解放される準備が出来たものにしか過ぎません。例えこの感情がどんなにも深く重たいものだとしても、クライアント(大人の自分)に共感する感覚が自然に湧き上がってきて、クライアントさん自身でそれをありのまますべて受けとめることが出来るようになります。



感情が出て来るそのタイミングで子供の頃の自分を客観的に見ていれば、例えそれが、自分では到底受けとめられないと思ってきたような感情であっても、まったく自然にクライアントさん自身で安全にスムーズに受けとめることが出来るようになります。というか、受けとめたくてしようがなくなり、自然にチャイルドを心の底から受けとめてしまうのです。



トラウマ統合療法(現:象徴的イメージ統合療法)では、この流れが出てきた人は(変な例えですが勝利の方程式として)例外なく100%全員がその方自身が驚くほどに楽になります。私は数限りなくそのパターンを現場で体験してきました。(また、私自身の癒しの体験もそういう劇的なものでした)



トラウマ統合療法(現:象徴的イメージ統合療法)でのインナーチャイルド療法の一つの大きなポイントは、『チャイルドを終始一貫して客観視する』、『しっかりと「感情」にアプローチする』というところです。(前世療法についても、ポイントがありますがここでは割愛させて頂きます)



生きづらさを感じながらも、過去のことを感じていくのはしんどい、嫌だという方も多いと思います。ただ、ほんとうは過去からの感情は消えるために浮いて来るのに、それを止めてしまうから生きづらさがなくならないのであり、そうすると逆に余計ものすごく苦しくなってしまうだけなのです。そして、苦しくなると脳は解離してフリーズもしてしまいます。

(それでもやはり、過去のことを感じるのは嫌だと思われる方は、それは何も悪いことではなくてそれでいいのです。潜在意識は今現在の自分の状態に向いている方法、癒すタイミングを一番よく知っていますから、それがその方にとっての正解です)



心の奥から浮いてくる感情の深さ・重さと、自然に共感して癒し楽になって安心感を感じる強さは比例します。



自分が自分自身をありのまま受けとめ、癒すという行為により、自分以外の他のものに頼ったり依存することもなく、何があってもなくても、たった一人でいても自分の心の内にとても深い安心感、安定感が自然に確立されていきます。



アドラー心理学の「共同体感覚」でいえば、自分が自分自身を心からありのまま受け入れることで、「自己信頼」が出来るようになります。



また、自分をありのまま受け入れ愛することで、「所属感(居場所がある思い)」が自分自身の内側で感じられるようになります。



そして、自分を受け入れて信頼し深く安心していることが土台となり、自然に「他者信頼」をすることが出来るようになります。



そうやってはじめて、アドラーさんが究極として求めた「共同体感覚」も自然に発露されていきます。「共同体感覚」は、いくら理論として頭でわかっても、それを感じてそのように行動することは残念ながらどんなに努力しても、心からは出来ないのです。



これからの時代は、人間の本来持っている精神性、霊性を発露し、共同体感覚を発揮していくことが重要になってくるとヒシヒシと感じています。



そのためのサポートの方法は、セラピーやカウンセリング、ヒーリング、ボディワーク、ダンス、整体、リーディング、占い、音楽、芸術・・・・・・等々ほんとうに様々なものがありますが、私は結局はそのどれもが根本では同じところを目指しているのだと感じています。



人間には様々なタイプがありますので、様々な人に対応するために様々な方法が存在しているのだと思います。今、世に存在するどの手法もすべて大切な手法です。



みんながそれぞれの受け持ち分野で、様々な人に対応するために役割分担をしているのだと感じています。



私も私の受け持ち分野を楽しみながら全うしていきたいと思っています。私のセラピーやセラピストの養成が微力ながら人間本来の精神性、霊性発露のための一助になれることを願っています。


ホリスティック・セラピー研究所 http://holistic-ti.com
心理や人間存在についての専門的な内容は、HPの「こころのこと」に載せていきます。



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「心からの欲求」と「我欲の欲求」

2016年03月21日 | こころのこと
このところ、『我々はなぜ今ここに生きているのだろうか?』という哲学的命題といえる問いについて考えることがあります。

日々の心理療法の現場での人の心の奥深いところに触れさせて頂いてきた貴重な実体験で、私なりの答えは出ているのですが、さらにそれを明確なものにしたいという欲求が私の中にあることを感じています。

この問いを例によって言語化していってみますと、私にとって『人はなぜ生きるのか?』は『生きる目的は何か?』という問いかけと同じもののように感じていることが改めてわかりました。

つまり、私にとっては生きることには目的が必要だと感じていたことに気づきました。

生きるためには、ほんとうに目的が必要なのだろうか・・・?

そこに思いをはせてみると、動植物など自然の法則の中で純粋に生きている生き物たちは当然のことに生きる目的など考えていなくて、ただ本能に従って生きているという事実に突き当たります。

万物の霊長といわれる人間も自然の法則の中で生きている生き物なのですから、自然な流れに従うべきではないかというのが私の考えです。ですので、人間も同じような感じで本能というか自分の「心からの欲求」にしたがって生きればいいのだと感じます。

でも、本能に従うとは、やりたいように思いのおもむくままに生きればよいのでしょうか・・・?

人間の欲は食欲、性欲、睡眠欲と大きく分けると三つあるといわれています。これが動物としての基本的な欲求だと思います。

人間には他にも、あれがしたい、これがしたい、こうしたい、こうなりたいなどという様々な欲求があります。あるいは、自分が何をしたいかわからないと自分の欲求を感じにくいという人が多いのも事実です。

私は欲求が何かを感じようとする時やそれを満たそうとする時には、気をつけた方がいいことがあると思っています。

例えば、親に迷惑をかけないように、人から嫌われないように、などと過剰に人に合わせて「いい子」をし過ぎてきた人は、そのために自分を抑えて抑圧してきたものが大きいので、それが解消される時には「反動」として逆の方向に振れていきます。

「いい子」の反動は、「悪い子」として表現しようとする欲求が出て来る場合がとても多いです。

しかし、「悪い子」という形だけを見れば、多くの人はそれはよくないこととして判断しがちですが、「悪い子」をしているその人の中では「いい子」に振れた過度の(+)を解消するために、「悪い子」という(-)に振れて(±0)にして安定しようとしているだけですから、ほんとうはそれはとても自然に則したやり方だといえます。

これは「反動の欲求」と表現することが出来ます。

そして、純粋な反動として解消する上では、その行為を行っている時に「満足感があるかどうかを感じる」ことが大切です。

ここを気をつけていないと、人によっては反動に飲み込まれて、抑圧してきた怒りでめちゃくちゃな出し方をしてしまう可能性もありますし、解消しているつもりでも逆にその中にはまり込んで、解消しきれない状態がずっと続いてしまうこともあるからです。心理療法の現場では、こういう状態に陥ったクライアントさんが来られることもあります。

行っていることが(±0)にしてニュートラルになるための純粋な「反動」と違う場合には、自分の内側や外側が何か濁ったようなスッキリしない感じになりますので、それをしっかりと感じてチェックすることがとても重要なことだと思います。

今、こうやって書いていて、ふと思い出したことがあります。これは性的な欲求についてのことです。

もうずいぶんと前のことですが、ある男性のクライアントさんが来られて、玄関で顔を合わした途端に感じたことがありました。雰囲気(オーラ)がかなり濁っていて、1m以内に近づくのも気持ちが悪いほどになっておられました。この方は結婚されていましたが浮気していることがわかりました。その浮気は、性欲を満たすためだけのものであることも感じました。

セッションではいつもの通り誠心誠意対応させて頂きましたが、「性欲(情欲)」が過剰になってしまった人のオーラはこんな風に汚れてしまうということを身をもって教えて頂けました。この方ご自身も、ほんとうはそのことで心も体も相当に重苦しく、しんどかったことだろうと思います。

この方が心から求めていたのは、ほんとうは性的な満足感ではなく、心の充足感、安心感だったのだと感じました。

ただ、私は不倫が絶対に悪いものだとは感じていません。この世は体験のための場だと感じていますので、不倫に限らず一般常識から外れることだとしても、その人がそうすることで「心からの満足感」を感じて、「罪悪感」もまったくないのでしたら、それはその人にとって必要な体験するべきことになるのだと感じています。(もしも、不満足感、罪悪感を感じるのでしたら、その行為は行わない方がいいと思います。なぜなら、相手の方もさることながら、何よりも自分自身の心や魂がダメージを負いますから)

人間は「心からの欲求」に合致していることを行っていると、必ず清々しいすっきりとした心地のいい感じがします。人間の気持ちには、自分にとっては何がよりよいことか、何が違っていることかを教えてくれるとってもシンプルで便利な機能があるのです。

行っていて、清々しい心地よさを感じない欲求は「我欲の欲求」といえます。

また、「心からの欲求」(この中には純粋な「反動の欲求」も含まれます)と思っているものが、実は「我欲の欲求」から出てきていることもあります。

それは例えば、親切な思いで「人のために」と行っている行為が、実はそうすることで自分が必要とされる人間になろうとしたり、自分の価値を高めようとする思いなどの「我欲」から出ているということなどもあります。この場合そこには、自己価値の低さ、名誉欲(ということは=劣等感)、安心感の欠如などネガティブな思いが隠れています。

このような時には、その奥に「トラウマ」の影響があります。人間の心の奥には、トラウマが故に気づかないうちに色々な思いや観念がとりあえず自分を安心させるために存在するようになりました。


今、時代の流れがひと月前よりもさらに進んでいるのを感じています。この流れは、今『まず自分を整理していくこと』を求めているように強く感じるのです。

また、セッション現場での実感から、自分を整理しようとしているクライアントさんは、心や体の中に溜めてきたネガティブなものが解放されるスピードがすごく速くなっていることを感じています。

やはり、今年は分岐点です。とても大切な年となりそうです。

自分の思いや欲求が整理、理解出来ると、溜め込んできたものが解放されるスピードも速くなり、人生の流れが自分にとってよりよい方向へと進みはじめますよ。


『あなたの「心からの欲求」は何でしょうか』

『あなたは何をする時に心からの満足感やよろこび、心地よさを感じるのでしょうか』


あなたの最善のスピードで解放が起こり、あなたらしい人生の流れへと乗って行かれることをお祈りいたします。

ホリスティック・セラピー研究所 http://holistic-ti.com
心理や人間存在についての専門的な内容は、HPの「こころのこと」に載せていきます。



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思いや感情を言語化して、思考パターンに気づくことの大切さ

2016年02月09日 | こころのこと
心をまずはじめに楽にしていくための方法は色々あると思います。今回は、その一つを少しお伝えさせて頂きますね。

もうずいぶんと前のことです。

その方は県外から来て下さった男性のクライアントさんで、子供の頃の家庭はかなり大変な環境でしたが、セラピーやカウンセリングやヒーリングなど、心を癒すための個人セッションは受けたことがないという方でした。

私のところで生まれて初めてのセラピーを行っている中で私が気づいたことは、幼少期の家庭環境からの影響でトラウマがかなりあるはずなのに、なぜか思うほどの影響が残っていなかったのです。

このようなことはまずないので、不思議に思ってお聞きしてみました。

すると、『ここ何年かず~っと、日常で自分が感じた思いや感情をとにかくノートに書き出していました』とお話し下さいました。

そう。自分の心の内側にあるものを書き出して整理していくという作業には、大きな効用があるのです。

私の場合にも、セラピー現場での経験からのトラウマの理論や心の流れなどは頭の中にすべて入っていますが、それが自然に出てくるかといえばそうでもなく、質問を受けなければ出てこないものもたくさんあります。

最近は、私自身もそういうものを言語化して文章として書き出しています。

そうすると、前よりもさらに思考や直感が明瞭になってきて、トラウマ理論もどんどんと整理されて深みが増してきました。

それと同時に、セッションもさらに上達して行っています。この明瞭化と上達には、自分でいうのも何ですが私自身が驚いてしまうほどです。

それから、言語化することは心が整理されるだけでなく、誰もが持っている思い癖である思考パターン(観念、思い込みともいえます)にどのようなものがあるのかに気づきやすくなります。

心が整理され、思考パターンに気づけば、それだけでも心が楽になっていきます。

例えば、「自分は注目されない存在だ」という思考パターンを持っているとします。

それがあることに気づくとさらにその奥にあるものに気づきはじめます。

「やっぱり、誰も自分に注目をしてくれない」と自信をなくしていた数々の場面が、ほんとうはこの「自分は注目をされない存在」という思いで自分にレッテルを貼り、自分から気配を消して周りから引いていたことに自然に気づきます。

心の奥にあるそういう思いで自分から引いていたので、注目を浴びられないという現実が現れるように自分から仕向けていたのです。

人間はこうやって、無意識のうちにも、自分が見たい現実を自分で創り出しています。

自分から仕向けていたのですから次には、その都度ただその思考を出来るだけやめようと意識していくだけでいいのです。

(その奥には、「注目されても、しばらくするとどうせ嫌われてしまうのではないか。嫌われるのが恐い」という恐れの思考パターンが存在しています。さらにはそこに、「嫌われた!」「悲しい!」という思いや感情を強く感じたトラウマを負った出来事が終わったことなのに処理が出来ていないために、根本原因としてまだ脳や心の中に残っているのです)

これぐらい、思考パターンは人間の無意識に影響を与えます。

こういうパターンから脱却するための一つの方法が『感じている思いや感情を紙に書き出してはっきりと言語化する』ことです。

方法としてはとにかくただただ、「自分が今どういう状況の中にいて、どう思っているか、どう感じているかを感情的にならずに冷静に客観的に淡々と書き出していく」だけです。

そうすると、その思ったこと感じたことの中に必ず思考パターンが入っています。


ただし、あまりこういう整理をしたくない、置かれている状況をどこかではっきりさせたくないという方もいらっしゃると思います。

そう思う場合には、過去からのトラウマの影響が強く残っており、それをはっきりとさせると不安になってしまうので、そうならないようにして心や感覚を麻痺させた「解離」状態になっています。

しかし、これは悪いことではまったくありません。(実は、強いか弱いかの程度の問題だけで、ほとんどの人がこのような解離状態になっています。そのために『感じる』ということが苦手になって、頭の言い分と心の言い分に食い違いが出て来るのです)

このやり方は、子供の頃から行ってきたもので、子供の頃にはその方法は身を守るために絶対に必要な最適な方法でした。

それが大人になった今も、習慣として残っているだけですから、「自分は今は整理をしたくないんだな」とその思いを理解しているだけでいいですよ。それを癒していくのは、後は時期とタイミングの問題だけですから。


ただ、整理をしたくないという思いがあまりにも強い方の場合には、実はここには、過去世・前世の影響が強く残っていることが多いです。(このあたりの「解離」や「前世」のことはまたお伝えさせて頂こうと思います)


私が心血を注いできたほぼ20年におよぶ長年の経験から確信していますのは、人間の心の中には様々な影響が残っていますが、ほんとうはただそれを「経験・体験したい」と魂が望んだだけなのだということです。

そして、その経験を最後に完結させるものが経験を「整理し、理解する」という作業です。

経験が処理され、完了されると、それは「叡智」や「深い知恵」といえるものに昇華していくのだと感じています。

別ないい方をすれば、経験を処理、完了させると自分の根源的な深い部分である「魂」とダイレクトにつながれるのだと感じています。

経験を完了させ、昇華していきたいと思われる方は、この一つの方法を気軽にちょっと行ってみて下さいませ。

そして、より早くそこにつながっていきたいと思われる方は、よろしければトラウマ統合療法をお受け下さいませ。


あなたがあなたの中心とつながられることをお祈りいたします。

ホリスティック・セラピー研究所 http://holistic-ti.com
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