心理セラピストのひとりごと

『象徴的イメージ統合療法』という心理療法を行っています。日々の中で感じたことを書いていこうと思います。

谷川俊太郎さんの詩

2016年03月25日 | この人の言葉
私は真理・ほんとうのことは、シンプルなものの中にこそあると常々感じています。

だから、私はいつもシンプルなものに意識を向けます。

だから、私はいつもシンプルなものを感じるようにしています。


今日は、谷川俊太郎さんの詩が心に響きました・・・。


『生きる』
             
生きているということ
今生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみをすること
あなたと手をつなぐこと


生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと


生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ


生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎていくこと


生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ



『はな』

はなびらはさわるとひんやりしめっている
いろがなかからしみだしてくるみたい
はなをのぞきこむとふかいたにのようだ
そのまんなかからけがはえている
うすきみわるいことをしゃべりだしそう


のはらのまんなかにわたしはたっていて
たってるほかなにもしたくない
はだしのあしのうらがちくちくする
おでこのところまでおひさまがきている
くうきのおととにおいとあじがする


にんげんはなにかをしなくてはいけないのか
はなはたださいているだけなのに
それだけでいきているのに

ホリスティック・セラピー研究所 http://holistic-ti.com



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「心からの欲求」と「我欲の欲求」

2016年03月21日 | こころのこと
このところ、『我々はなぜ今ここに生きているのだろうか?』という哲学的命題といえる問いについて考えることがあります。

日々の心理療法の現場での人の心の奥深いところに触れさせて頂いてきた貴重な実体験で、私なりの答えは出ているのですが、さらにそれを明確なものにしたいという欲求が私の中にあることを感じています。

この問いを例によって言語化していってみますと、私にとって『人はなぜ生きるのか?』は『生きる目的は何か?』という問いかけと同じもののように感じていることが改めてわかりました。

つまり、私にとっては生きることには目的が必要だと感じていたことに気づきました。

生きるためには、ほんとうに目的が必要なのだろうか・・・?

そこに思いをはせてみると、動植物など自然の法則の中で純粋に生きている生き物たちは当然のことに生きる目的など考えていなくて、ただ本能に従って生きているという事実に突き当たります。

万物の霊長といわれる人間も自然の法則の中で生きている生き物なのですから、自然な流れに従うべきではないかというのが私の考えです。ですので、人間も同じような感じで本能というか自分の「心からの欲求」にしたがって生きればいいのだと感じます。

でも、本能に従うとは、やりたいように思いのおもむくままに生きればよいのでしょうか・・・?

人間の欲は食欲、性欲、睡眠欲と大きく分けると三つあるといわれています。これが動物としての基本的な欲求だと思います。

人間には他にも、あれがしたい、これがしたい、こうしたい、こうなりたいなどという様々な欲求があります。あるいは、自分が何をしたいかわからないと自分の欲求を感じにくいという人が多いのも事実です。

私は欲求が何かを感じようとする時やそれを満たそうとする時には、気をつけた方がいいことがあると思っています。

例えば、親に迷惑をかけないように、人から嫌われないように、などと過剰に人に合わせて「いい子」をし過ぎてきた人は、そのために自分を抑えて抑圧してきたものが大きいので、それが解消される時には「反動」として逆の方向に振れていきます。

「いい子」の反動は、「悪い子」として表現しようとする欲求が出て来る場合がとても多いです。

しかし、「悪い子」という形だけを見れば、多くの人はそれはよくないこととして判断しがちですが、「悪い子」をしているその人の中では「いい子」に振れた過度の(+)を解消するために、「悪い子」という(-)に振れて(±0)にして安定しようとしているだけですから、ほんとうはそれはとても自然に則したやり方だといえます。

これは「反動の欲求」と表現することが出来ます。

そして、純粋な反動として解消する上では、その行為を行っている時に「満足感があるかどうかを感じる」ことが大切です。

ここを気をつけていないと、人によっては反動に飲み込まれて、抑圧してきた怒りでめちゃくちゃな出し方をしてしまう可能性もありますし、解消しているつもりでも逆にその中にはまり込んで、解消しきれない状態がずっと続いてしまうこともあるからです。心理療法の現場では、こういう状態に陥ったクライアントさんが来られることもあります。

行っていることが(±0)にしてニュートラルになるための純粋な「反動」と違う場合には、自分の内側や外側が何か濁ったようなスッキリしない感じになりますので、それをしっかりと感じてチェックすることがとても重要なことだと思います。

今、こうやって書いていて、ふと思い出したことがあります。これは性的な欲求についてのことです。

もうずいぶんと前のことですが、ある男性のクライアントさんが来られて、玄関で顔を合わした途端に感じたことがありました。雰囲気(オーラ)がかなり濁っていて、1m以内に近づくのも気持ちが悪いほどになっておられました。この方は結婚されていましたが浮気していることがわかりました。その浮気は、性欲を満たすためだけのものであることも感じました。

セッションではいつもの通り誠心誠意対応させて頂きましたが、「性欲(情欲)」が過剰になってしまった人のオーラはこんな風に汚れてしまうということを身をもって教えて頂けました。この方ご自身も、ほんとうはそのことで心も体も相当に重苦しく、しんどかったことだろうと思います。

この方が心から求めていたのは、ほんとうは性的な満足感ではなく、心の充足感、安心感だったのだと感じました。

ただ、私は不倫が絶対に悪いものだとは感じていません。この世は体験のための場だと感じていますので、不倫に限らず一般常識から外れることだとしても、その人がそうすることで「心からの満足感」を感じて、「罪悪感」もまったくないのでしたら、それはその人にとって必要な体験するべきことになるのだと感じています。(もしも、不満足感、罪悪感を感じるのでしたら、その行為は行わない方がいいと思います。なぜなら、相手の方もさることながら、何よりも自分自身の心や魂がダメージを負いますから)

人間は「心からの欲求」に合致していることを行っていると、必ず清々しいすっきりとした心地のいい感じがします。人間の気持ちには、自分にとっては何がよりよいことか、何が違っていることかを教えてくれるとってもシンプルで便利な機能があるのです。

行っていて、清々しい心地よさを感じない欲求は「我欲の欲求」といえます。

また、「心からの欲求」(この中には純粋な「反動の欲求」も含まれます)と思っているものが、実は「我欲の欲求」から出てきていることもあります。

それは例えば、親切な思いで「人のために」と行っている行為が、実はそうすることで自分が必要とされる人間になろうとしたり、自分の価値を高めようとする思いなどの「我欲」から出ているということなどもあります。この場合そこには、自己価値の低さ、名誉欲(ということは=劣等感)、安心感の欠如などネガティブな思いが隠れています。

このような時には、その奥に「トラウマ」の影響があります。人間の心の奥には、トラウマが故に気づかないうちに色々な思いや観念がとりあえず自分を安心させるために存在するようになりました。


今、時代の流れがひと月前よりもさらに進んでいるのを感じています。この流れは、今『まず自分を整理していくこと』を求めているように強く感じるのです。

また、セッション現場での実感から、自分を整理しようとしているクライアントさんは、心や体の中に溜めてきたネガティブなものが解放されるスピードがすごく速くなっていることを感じています。

やはり、今年は分岐点です。とても大切な年となりそうです。

自分の思いや欲求が整理、理解出来ると、溜め込んできたものが解放されるスピードも速くなり、人生の流れが自分にとってよりよい方向へと進みはじめますよ。


『あなたの「心からの欲求」は何でしょうか』

『あなたは何をする時に心からの満足感やよろこび、心地よさを感じるのでしょうか』


あなたの最善のスピードで解放が起こり、あなたらしい人生の流れへと乗って行かれることをお祈りいたします。

ホリスティック・セラピー研究所 http://holistic-ti.com
心理や人間存在についての専門的な内容は、HPの「こころのこと」に載せていきます。



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