通院日記15 － ギプスがとれた！

きょう（9月4日）で、8月14日に右手首がギプスで固定されてから、3週間が経ちました。自転車で転倒し右手の舟状骨（しゅうじょうこつ）を骨折して整形外科に通院しています。



ギプスの中はむれて痒くて仕方がありませんでした。数日前に、物理療法士のN君から「来週の火曜日にギプスを外して、シャーレに取り替えます。」と言われて嬉しかったこと。痒いところを洗うことができるのです。ギプスシャーレは、ギプスを半分に割ったようなもので、シーネと同様のものです。ギプスと異なり、シャーレに包帯を巻いて骨折部を固定しますが、包帯をほどけば簡単に外すことができます。

施術に集中できるということで、混雑した時間を外して、時間が指定されました。不思議なものでギプスが外れると思うと痒みを感じません。超音波カッターでギプスが2つに割られていきます。超音波カッターとは、電圧を加えてセラミック振動子を振動させて超音波を発生させ、この超音波をホーン（振幅拡大器）で増幅させ、ホーン先端の刃具を1秒間に4万回も振動させて、切断する工具です。かかった時間は数秒。ご覧のように、真っ二つ。



「流しがありますから、そこで石鹸をつけて洗って下さい。」案内されると、液状石鹸をつけて、左手の親指で右手の痒かったところをごしごし、ごしごし。落ちる落ちる、古くなった皮膚が日に焼いた後の皮膚のように、ボロボロと。夢中になって落としていると、顔を出したN君が「洗いすぎると、皮膚がただれますよ。」

「早く言ってよ～」

手を洗うことに未練を残しながら、次の段階です。「レントゲンを撮ります。レントゲン室に入って下さい。」

レントゲン写真を見ながらの会話です。
N君「経過は良好ですね。」
「ここに見えるのは、骨折線ですか。」
N君「ええ。」
「これが消えると、完全に癒合したと言えるんですね。」
N君「いえ。このままです。骨が発育段階にある若い人でないとこの線は癒合しても消えません。」
「では、消えなくても癒合したと言えるんですね。」
N君「ええ。」

「私は若い人だから、消えますよね。」という冗談は今回は言わないことにしました。軽くかわされるからです。ガーゼを厚くしたようなネット状の固定材が右手首に置かれました。

「スコッチキャストの補強用シーネですね。」
N君「いいえ、違います。「プライトン」です。」
「「プライトン」（?）ですか。」

さっそく調べてみました。
「アルケア株式会社製の熱可塑性プラスチックキャスト。プライトンは、日米特許取得している。」
「はさみで必要な形にし、お湯につけて柔らかくし、タオルではさんで水分を除き、適温になったら固くなる前に患部に当てて整形する。包帯で巻いてもいいし、コールドスプレーで冷やしても早く固まる。」
「患部への下巻きがいらないので短時間でシーネなどを作成できる。」

N君は、プライトンを両手で手首にフィットするように整形し、マーカーで不要部分を書き込み、それをはさみで切り取るために、一度外しました。骨折部の皮膚に経皮消炎鎮痛軟膏（「モビラート」）が塗られ、そのうえに消炎鎮痛の湿布が置かれ、その上から固化したプライトンが嵌められて、包帯が巻かれていきます。「次回から、通院時に包帯を外して、「低周波治療」をします。」

痒みから解放された上に、消炎鎮痛剤の働きでスースーして気持ちがいい！

　　　　　　　（この項 健人のパパ）

手の「骨」と「関節」の知識はそれなりに身につけましたので、次は「腱（けん）」と「靱帯（じんたい）」の知識の吸収です。リハビリに備えて「手」の構造を勉強しています。

「靱帯は、骨と骨を繋ぐ太い線維束で、関節が異常に働き過ぎないように制御し、関節がスムーズに動くよう誘導している。」
「腱は、筋肉と骨を繋ぐ線維束で、骨格筋(筋肉)は腱へと移行し骨へ付着している。」
「靱帯とは、主に骨どうしを繋いでいる筋（すじ）のことを言い、筋肉と骨を繋いでいる腱とは区別している。」　－　ということは、「靱帯」は自動車でいうなら、ばねの振動を抑える「ショックアブソーバー」といったところでしょうか。

骨と骨との安定性を保つのが「靱帯」の働きならば、少なくとも3本は必要で、対で考えるなら、2対4本は必要になるでしょう。
「中手指節関節（MP関節）と指節間関節（IP関節）の尺側と橈側には側副靭帯があり、側方動揺を防いでいる。指の背側には伸筋腱、掌側には屈筋腱がついている。」

ん～　難しくなってきた。きょうはここまでにしよう。

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