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POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





 台風11号(台風201411号、ハーロン、ベトナム北部にあるユネスコの世界遺産(自然遺産、1994年に登録)の「ハロン湾(Vịnh Hạ Long)」に因む)がゆっくりと(自転車程度の速さ(12~20km/時))本州に近づいています。気象庁発表の予報円(台風や暴風域を伴う低気圧の中心が12時間、24時間、48時間、および72時間後に到達すると予想される範囲を円で表したもので、その確率はおよそ70パーセント)の中心の動きを見てみると、いま(8日12寺30分)からおよそ20時間後の8月9日(土曜日)9時にはまだ九州の南方沖にあって、その24時間後の10日(日曜日)には急速に速度を増して、中国地方を移動していることになります。台風の上陸は、9日の深夜に四国地方(米軍台風情報センター(JTWC、Joint Typhoon Warning Center) の予報円によると、高知県の西部)ということになります(実際は、10日午前6時過ぎ、高知県安芸市付近に上陸)。

 上陸が四国地方であった台風は、2004年には4号(6月11日16時過ぎ、高知県室戸市付近)、6号(21日9時30分頃、高知県室戸市付近)、10号(31日16時過ぎ、高知県西部上陸)、11号(8月4日22時30分頃、徳島県東部上陸)、21号(9月29日15時過ぎ、高知県宿毛市付近)、23号(10月20日13時00分頃、高知県土佐清水市付近)と多発したのですが(四国地方に接近した台風(台風の中心が四国4県のいずれかの気象官署から300km以内に入った場合)の数に範囲を広げると9つ)、2005年から2010年までは生じず、2011年に2つ、6号(7月19日23時頃、徳島県南部上陸 )、12号(9月3日10時頃、高知県東部上陸)があります。



 2011年9月3日、高知県東部に上陸した台風第12号(Talas、タラス)が惹き起こした豪雨は、紀伊半島(和歌山県・奈良県・三重県)において甚大な被害を起こし、「紀伊半島大水害」と呼ばれます。台風による被害は、強風によるものよりも、豪雨によるものの方が圧倒的に大きく広範にわたります。台風の中心から東側に位置した紀伊半島では総降水量は広い範囲で1,000mmを超えたといいます。1,000mmは1mです。それが低地に流れ込んでいくのです。奈良県上北山村にあるアメダスでは72時間雨量(3日間で降った雨の量)が1652.5mm。プールの水を抜いて空にしておいても、3日間で水深1.6mほどに水が溜まるということなのです。雨が止むまででは、1.8mほどになったのです(総降水量は1808.5mmに達した)。

 もちろん、プールは栓が抜かれています。だから、溜まる一方ということはありませんが、短時間にプールの水を増やすと、プールの排水口にあたる「川」が十分に水をはけさせられないということが起こります。雨が続くと、川は増水し、流れ込む水を海へと運ぶ前に低地に溢れさせてしまいます。

 文部科学省が所管する「国立情報学研究所」は、「デジタル台風」というウェブサイトを公開して、台風のデータベースを提供しています。「デジタル台風」には、台風の発生から消滅までをブログで記述する「台風ニュース・ウェブログ」があります。そこからの引用です。2011年09月01日の21時30分の記事です。

 台風12号(TALAS)は日本の南にあって、ゆっくりと北上を続けています。本州から九州にかけての南岸も次第に台風の強風域に入ってきました。この台風は大型であって、ゆっくりと進んでいるため、急速に衰弱することはあまりなさそうです。勢力を保ったまま上陸する可能性があり、十分な警戒が必要です。台風が本州のはるか南方にある本日からすでに大雨は始まっており、本日の大雨地域は関東地方西部の山沿い、そして中国地方西部に広がっています。

 この台風のコースでは、長時間続く湿った東風による大雨に警戒する必要があります。アメダス降水量マップでGPV風向・風速レイヤを表示してみると、台風の周囲を吹く東風が本州に流れ込んでいる様子がわかると思います(ちなみにアメダス風向・風速マップでも同様に風向きを表示できます)。通常であれば東風による大雨警戒地域は四国南部や宮崎県、紀伊半島東側などになるのですが、今回の台風では関東地方西部の山沿いも要警戒地域に加わりそうです。近年では台風200709号による大雨が、関東地方西部の雨量が大きいパターンでしたが、今回の台風でもこのパターンの大雨に警戒が必要かもしれません。

 またここで改めて、台風の中心が接近することと大雨が発生することとは別だ、という事実にも注意喚起しておきたいと思います。例えば、東京で発生した水害としてインパクトが大きくテレビドラマにもなった多摩川水害ですが、この際に関東地方西部で大雨を引き起こした台風197416号の上陸地点は、関東から遠く離れた高知県なのです。気象情報で「台風本体の雲」という表現を聞くことがありますが、これは台風を取り巻く雨雲を指しており、中心からの距離が小さいところに強い雨雲があります(厳密に言えば台風の眼があるので、中心から少し離れたところに最も強い雨雲があります)。ところが「台風本体の雲」による大雨ではなく、台風の周囲を吹く湿った風が山脈などにぶつかって上昇することが原因の大雨もあります。このタイプの大雨には地形や風向き、湿度などが大きく影響し、台風からの距離はあまり関係ありません。


 2014年8月8日のNHKのニュースからです。

 今後の台風の見通しについて、気象庁の佐々木洋主任予報官は午前11時から記者会見を行い、「台風11号は勢力を維持したまま9日には九州や四国に近づき、その後、上陸するおそれがあり、広い範囲で大雨になるおそれがある。特に西日本の太平洋側を中心に雨量が非常に多くなり、ところによっては総雨量が1,000mmを超えるおそれがある。また、東日本や北日本など台風から離れた場所でも前線などの影響で雨が強まるおそれがある」と説明しました。



 日本に上陸することはなく、韓国の西に抜けて行った台風12号(NAKRI、ナクリー、台風201412号)は、中心付近に雲が少なく、雨雲が中心から離れて、著しく南東に偏って分布していました。韓国の西で動きが遅くなった台風12号は、そのエネルギーで、日本に雨雲を送り込む「巨大な送風機」となって、四国地方を中心に豪雨をもたらしました。高知県香美市(かみし)土佐山田町繁藤(しげとう)にある「アメダス繁藤観測所」では、72時間雨量で1184mmを記録し、記録上で多い方から11番めに相当する雨量に達しました。



 高知市では、8月に入って、1週間で900mm近い雨が降ったといいます。高知市の年間降水量は、およそ2,500mmで、その3分の1以上がたった1週間で(1年間は52週ほど)降ったことになります。台風11号の上陸が予想される高知県は、もう土地の保水能力の限界に達しており、これ以上雨が降ると、高知県内では、いつどこで土砂災害などが起きてもおかしくない状況となっています。

 気象庁が発表した24時間の予想雨量は多いところで、8日夕方から9日夕方まで、四国地方では500mm、近畿地方では300mm、9日夕方から10日夕方まで、四国地方では400~600mm(雨量は前日と比べて衰えないという予想です)、近畿地方では600~800mm(雨量が前日の2倍以上になるという予想です)となっています。




 「台風ニュース・ウェブログ」の2014年08月08日の19時の記事からです。

 台風11号(HALONG)は動きが遅く、長時間雨が続くことが心配されています。特に、台風12号で1300mm以上の大雨となった四国南部では、この大雨でさらに最大1000mmの大雨が予想されており、大雨への厳重な警戒が必要です。雨雲レーダーのデータを、特に四国南部を中心に切り取った動画にしてみると、四国南部には太平洋から流れてくる雨雲が次々と押し寄せており、大雨は既に始まっています。また四国南部だけではなく、北陸や東北でも雨量が増えています。

 気象庁は予報用語として雨の強さを5階級に分けています。やや強い雨、強い雨、激しい雨、非常に激しい雨、猛烈な雨の5階級で、1時間雨量で決まります。ザーザーと降る、1時間雨量が10mm以上~20mm未満が予想されるときは、「やや強い雨」、どしゃ降り(20mm以上~30mm未満)が「強い雨」、バケツをひっくり返したように降るとき(30mm以上~50mm未満)が「激しい雨」、滝のように降る(ゴーゴーと降り続く)とき(50mm以上~80mm未満)が、「非常に激しい雨」で、1時間雨量が80mm以上の場合は、「猛烈な雨」となります。猛烈な雨を実際に観測した場合、「記録的短時間大雨情報」が発表されることがあります。

 高知県安芸郡馬路村魚梁瀬(やなせ)にある「アメダス魚梁瀬観測所」の実況を見ることができます。それによると、2014年8月9日の16時から22時のデータでは、16時に33.0mm、17時に34.0、18時に33.0と「激しい雨」が降り、19時には53.0mmを記録して、「非常に激しい雨」となり、20時では45.5、21時に38.5、22時に40.0mmとなっています。「紀伊半島大水害」を惹き起こした2011年9月の台風第12号は、魚梁瀬で、72時間で記録上で多い方から9番めに相当する雨量1199.0mmを降らせています。このとき、三重県多気郡大台町久豆にある「アメダス宮川観測所」では、1517mmという2番目に相当する雨量を記録しています。



 8月9日午後5時20分、三重県の津地方気象台が「大雨特別警報」を発表しました。台風11号の中心から約500km北東に離れた三重県で特別警報を出したことについて、気象庁は「台風の東にレインバンドと呼ばれる強い雨を降らせる帯状の雲が南北に延び、停滞していたため」と説明しています。

 台風の眼の外側は、猛烈な上昇気流によって作られた積乱雲の壁があります(アイ・ウォール、eye wall)。そのアイ・ウォールの外側には、台風に流れ込んでくる空気の流れに沿って積乱雲(Cumulonimbus、Cb)が螺旋状の雲列を形成します(スパイラル・バンド、spiral band)。これが「内側降雨帯」を構成しています。台風本体の雲塊です。これらの雲とは離れた場所に、積乱雲の帯が発生することがあります(外縁部降雨帯、outer rainband、アウター・レインバンド)。この積乱雲の帯はスパイラル・バンドに並行しており、台風11号の東側から流れ込んだ空気が三重県上空に多くの積乱雲を発生させていたわけです。



 台風による災害から身を守るには、台風をよく知ることであると考え、多くのサイトを参考にさせていただきました。ありがとうございました。

                      (この項 健人のパパ)

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 日本本土に今年、台風が上陸していません。台風の上陸は1951年の観測開始以降、年平均で2.6回。1984年、1986年、2000年、それと去年の2008年は上陸しませんでした。最近では、2007年9月7日に台風9号が伊豆半島に上陸したのが最後(2007年8月29日に南鳥島近海で発生した台風9号(FITOW)は、9月7日午前2時前に神奈川県小田原市付近に上陸しました。)。

 2009年9月29日にマーシャル諸島で発生した台風18号(MELOR)が非常に強い勢力を保ったまま10月8日昼すぎに、四国から紀伊半島付近に上陸する恐れが出てきましたた。本州を縦断する可能性もあります。予報どおり上陸することになれば、2007年の台風9号以来、約2年ぶりになります。

  やや西よりの経路を辿ったのですが、2004年台風23号の経路が2009年台風18号に類似します。2004年10月13日9時にマリアナ諸島近海で発生した台風23号(TOKAGE)は、フィリピンの東海上に進み、16日15時(発生から2日と6時間後)に超大型で非常に強い勢力となります。



 「超大型」で「非常に強い」とありますが、気象庁は台風のおおよその勢力を示す目安として,10分間平均の風速をもとに台風の「大きさ」と「強さ」 を表現しています。「超大型」とは、「大きさ」を表す表現で、「強風域」の半径が800km以上あるものをいいます。「強風域」とは風速15m/s以上の強い風が吹いているか、地形の影響などがない場合に吹く可能性のある範囲です。

 風速15m/s以上では、海では波頭が砕けて、白い泡が風に吹き流されるようになります。陸では大きな木の全体が揺れ、人は風に向かって歩きにくくなり、転倒する人もでます。ビニールハウスが風で壊れ始めます。



 「非常に強い」は、「強さ」の程度で、「最大風速」で区分されます。「非常に強い」は、最大風速が44m/s~54m/sのもの。気象庁によれば、2009年台風23号は上陸時に予想される最大風速は40m/s~45m/s。最大風速が33m/s~44m/sの「強い」に分類されることになるのでしょう。



 2004年台風23号は、9月20日6時に中心気圧950hPa、最大風速40m/s、暴風半径東側330km、西側280km、強風半径東側800km、西側750kmの大型で強い勢力となって九州の南海上を北東に進み、朝には鹿児島県や宮崎県などが暴風域に入り、西日本全域が強風域に入りました。

 その後、20日13時頃、中心気圧955hPa、最大風速40m/s、暴風半径東側330km、西側220km、強風半径東側800km、西側560kmの勢力で、高知県土佐清水市付近に上陸して高知県沿岸を進み、15時過ぎ、高知県室戸市付近に再上陸しました。このため、四国地方全域が暴風域に入り、西日本と東日本が強風域に入りました。「強風」は風速15m/s以上の風をいいますが、「暴風」とは風速25m/s以上の風をいいます。



 台風のもたらす被害の多くは雨によるものです。台風23号や前線の影響による2004年10月18日から21日にかけての総雨量は、四国地方や大分県で500mmを超えたほか、近畿北部や東海、甲信地方で300mmを超え、広い範囲で大雨となりました。

 10月18日
台風23号は沖縄の南海上を北西に進み、台風を取り巻く雨雲が南西諸島にかかりはじめます。日降水量は九州南部の多い所で90mm前後となりました。
 10月19日
台風は沖縄本島から奄美諸島沿いに進み、昼前から鹿児島県(高山町日降水量189mm)、宮崎県(宮崎市146mm)、高知県(本山町117mm)で激しい雨が降ります。
 10月20日
台風は九州の南海上を北東に進み、四国(日降水量は四国地方で400mmを超えた)、近畿地方(京都府舞鶴市日降水量277mm、和歌山県本宮町264mm、奈良県上北山村日出岳320mm、滋賀県朽木村荒川206mm)に上陸、横断して東海地方(静岡県静岡市梅ヶ島294mm、岐阜県荘川村六厩290mm、愛知県津具村茶臼山238mm、三重県宮川村386mm)に進みます。
 10月21日
台風は甲信地方を通って関東地方で温帯低気圧となります。北陸地方や東北地方を中心に昼前まで雨が降り、日降水量は新潟県の多い所で50mm前後となりますが、大雨となった所はありませんでした。

 気象庁によると、今回の台風18号と規模・コースが似ているのは、1990年9月19日に和歌山県白浜町付近に上陸した台風19号なのだそうです。上陸前の大雨を含め死者42人、行方不明者2人、住宅全壊240棟、床上浸水8333棟などの被害を出した台風だったようです。

 埼玉県に住み始めて40年近くが経ちます。土手の近くに住んでいるため、台風が来ると幾度も床上浸水の被害に遭いました。それもここ数年、経験することがなくなりました。土手が改修されて高くなったことと台風が来る頻度が低くなったことが理由です。そのために、台風に対する感度が鈍くなってきているように思います。危険を察知する能力が錆びついています。このブログを書くことでその能力を回復させようとしています。多くの方の台風23号による被害が少ないものであるように願っています。

 2009年10月7日12時50分発表の台風第18号の7日12時の実況です。
強さ … 非常に強い
存在地域 … 種子島の南南東 約190km
進行方向、速さ … 北北東 30km/h
中心気圧 … 945hPa
中心付近の最大風速 … 45m/s
最大瞬間風速 … 60m/s
25m/s以上の暴風域 … 全域 220km
15m/s以上の強風域 … 東側 560km、西側 430km

             (この項 健人のパパ)

(追記) 小学生の息子が学校から「保護者へのお知らせ」を持って帰ってきました。それには次のようなことが書かれていました。

台風接近に伴う対応

 10月8日(木)は、臨時休校といたします。

 天気予報によると、台風18号は、10月8日(木)の子ども達が登校する時刻に、関東地方を直撃するようです。つきましては、10月8日(木)は、臨時休校といたします。


 適切な対応といえます。あすは、偶然にも仕事の休みの妻と息子たちと家にこもって、台風情報の収集を怠りなくしながら、台風の通過を待つことになります。

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 オーストラリアの北、赤道のやや北にあるカロリン諸島で発生した台風17号(芭瑪颱風)は、パーマァ (PARMA) という名前を持っており、マカオ料理の名前に由来するようです。マカオのポルトガル料理店で出される料理なのだそうですが、どんなものなのでしょうね。アヒルをソーセージと炊き込んだ混ぜご飯である「ダックライス (Duck Rice)」、鰯をオリーブオイルでソテーや丸焼きにする「サルディーニャ (Sardinha)」、鱈をコロッケにしたり、クリーム味をつけたり、グリルなどした「バカリャウ (Bacalhau)」、マッシュポテト、薄く刻んだキャベツ、ポルトガルソーセージ、そしてオリーブオイルを加えて煮込んだ緑色をした肉野菜スープの「カルドベルデ (Caldo Verde)」などは有名ですが、「パーマァ (Parma)」は何か分かりません。鶏のレバーやマッシュルームを練りこんだパテという話もありますが、台風の名前にするのは何か意味があるのでしょうか 。命名担当者が、“P”から始まる語を家に帰ってからも考えていたら偶然食卓に乗っていた?

 そんな暢気なことを実は言ってはいられません。この台風、フィリピンを通過してからルソン海峡付近でスピードダウンしてノロノロと複雑な動きをしています。もしこの台風が勢力を保ちながらフィリピンに近い場所で停滞するなると、フィリピン上空に雨雲が長時間停滞して、台風16号(KETSANA、凱莎娜颱風)のときのように豪雨災害が発生する可能性もあります。台風16号はフィリピンで死者300人以上を出しています。フィリピンから向かった先、ベトナムでも死者100人近くを出した「雨台風」でした。この台風がフィリピンから西に進路を取らず、北へ向かうとすると台湾への上陸は避けられません。台湾は警戒を始めました。中央氣象局今天凌晨發布今年第17號中度颱風芭瑪陸上警報,氣象局觀測,芭瑪颱風在巴士海峽呈現滯留打轉,愈晩雨勢愈大,今天起到7日全台都應嚴防豪雨。



 氣象局預測,今天起到7日,颱風移動速度都不快,明天東北季風強,與颱風外圍環流産生共伴效應,各地雨勢都會大,今明2天,北部、東半部及恆春半島有局部豪雨或大豪雨,尤其山區可能有超大豪雨,中南部山區也會有局部豪雨。台湾中南部では、台風8号(MORAKOT、莫拉克颱風)が8月8日に上陸し、豪雨で死者600人以上という被害に遭っています(「八八水災」)。その傷が癒えていないのに、また豪雨に襲われたら大変なことです。

芭瑪颱風可能來襲,國防部記取上次莫拉克颱風遭外界抨擊救災不力的教訓,幾乎停止所有官兵休假,全力整備防颱﹔駐守在台中縣谷關山區的十軍團,四號一早就集結龐大的工兵、歩兵與接受山訓部隊等兵力,組成堅強的救災、搶險與救難隊伍,整裝大型怪手、小山貓、膠筏等各類救災的重機械,場面相當盛大,展現總動員整備防颱救災的堅強陣容。台湾はいま厳戒態勢にあります。台風の進路が台湾から幾分でも逸れてくれることを願うばかりです。



 (追記) 台湾の東部は豪雨に襲われています。2009年10月5日の台灣醒報の記事からです。目前氣象局已經將宜蘭山區的降雨量上修至1,200毫米,農委會也在昨晩發佈十五條土石流紅色警戒線,全部都集中在宜蘭縣,另外九十三條黄色警戒線則分別分佈在宜蘭縣、台北縣、花蓮縣及台東縣等地。目前包括高雄、屏東、台東、宜蘭縣等地,已經撤離六千多人。

 マーシャル諸島で発生した台風18号(MELOR、米勒颱風)も日本を窺っています。中心気圧が915hPa、最大風速が中心付近で55m/sという強烈な台風です。日本を大きく逸れることを願って止みません。

 (追記) 2009年10月5日10時30分発表の台風情報によれば、台風18号の最大風速は中心付近で55m/s、暴風半径は、中心から190km。時速30kmで、西北西に進んでいます。日本の南には秋雨前線があり、ゆっくりと北上しています。それをこの台風が刺激することになれば、大雨を降らす可能性があります。



           (この項 健人のパパ)

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青森県では、暖冬でりんごが早く開花したことで4月に霜にさらされ、さらに9月には直径5~7mmの「雹(ひょう)」が降り、収穫間際(りんごの収穫時期は9月から11月)のリンゴが多数傷付けられました。収穫されたりんごは「CA貯蔵(Controlled Atmosphere Storage)」で、リンゴの呼吸を抑制して、鮮度を保ったまま半年以上も長期貯蔵できるのですが、雹にあたった部分が黒ずむなどの見た目の悪さで安価に売り出されてはいるのですが、消費量が減少しました。

その上に、傷のないリンゴも需要が落ち込み、値段が前年の約8割になっているようです。被害面積は1万ヘクタール以上、損失額は100億円以上に上っているようです。2008年8月には長野県でも雹が降ってりんごや梨に大きな被害を与えています。2009年2月末で、青森県の農家のりんご在庫は約33万箱(1箱20キロ)に膨れ上がっているといいます。

生食用に出荷するのを諦め、ジュース用に出荷しようとしても、加工業者も在庫が膨れ上がっていて、仕入れを制限しており、引き取り値も1箱50円というところまで値崩れしているそうです。その窮状にいくらかでも助けになればと我が家もりんごを購入しているのですが、なぜか貰い物でもりんごが増え、さすがに毎日食べていても消化し切れません。

妻は、ジュースにしたり、焼きりんごにしたり、カレーに刻んで入れたりして、工夫をしているのですが、人間の悲しい性(さが)で、飽きてしまうのです。りんごは果物の中で大好きな部類に属するのですが、さすがに毎食には食べられません。見た目など一向に気にせず、美味しければ「良し」とするのですが。

「1日1個のリンゴで医者いらず。(“An apple a day keeps the doctor away.”、1日1個のリンゴは医者を遠ざける)」と言います。みなさんもりんごを大いに食べましょう。

 妻(仕事から帰り)「何してるの。」
 私「ブログ、書いてる。」
 「今度はなに書くの。」
 「青森のりんごについて。」
 「りんご? もう届いたの?」
 「え?」
 「こんどは青森の産地から直接、箱で買ったの。もう残り少ないでしょ。」
 「え!?」
 「お父さんの大好きなりんご、たっぷり食べられるわよ。」

私に毎日「大好きなりんご」を食べさせることにした、そして青森県のりんご農家に甚大な経済的損失を与えた「ひょう(雹)」はどれほどのスピードでりんごに衝突するのでしょう。

半径3mm以上に雨粒が成長すると分裂してしまうため、雨粒の最大の大きさには限りがあります。ところが、氷粒子からなる「雹(ひょう)」には理論上は大きさに限りはありません。日本で通常見られる雹は半径5mmほどです。半径5mm未満の氷の粒は「霰(あられ)」と呼ぶのですから、霰がわずかに成長したものが通常の大きさだと言えます。しかし、ごくごく稀にゴルフボール大(半径21mmほど)の雹が降ってくることがあります。大気の条件が日本とは異なる地域(北米、カナダ、中国など)では、野球ボール大(半径36mmほど)やソフトボール大(半径48mmほど)の雹も珍しくないようです。



雹の落下速度はゴルフボール大のものでは秒速30mにも達するといいます。時速にすると100kmを超えるのです。「雨粒」がスイスイ走る自転車だとすると、「ひょう」は暴走族だと言えます。それも危険な暴走族です。そんなものが頭上から多数落ちてくるわけです。草野球でデッドボールを頭に受けるほどの衝撃があることになるのでしょう。野球ならば、ヘルメットをしているからそれなりに衝撃が緩和されるでしょうが、身を隠すところのない中国の畑で雹に襲われた農民はどうするのでしょうね。

 届いた「青森のりんご」

(追記) 残念な記事が3月21日にありました。

 青森県津軽平野の中心部に位置する町、板柳町(いたやなぎまち)で、りんごが河原に不法投棄されているのが見つかった。りんごは数度にわたって投棄され、古い物は昨年11~12月に投棄されたとみられる。
 青森では昨年、ひょうの被害でりんごが傷つき、生食用として取引されないものが大量に生じた。ジュースなどの加工用に回ったが、ジュースの加工場がフル操業しても在庫が一向に減らない状況だ。このため、青森県は取引されないりんごは堆肥に回すように指導したが、引き取り手がなく在庫を抱えた農家が不法に投棄したとものと思われる。


       (この項 健人のパパ)

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1993年に「天気予報の自由化」を目指し、「気象業務法」の一部が改正され、民間気象事業者も「天気予報」を行えるようになりました。それに伴い天気予報業務に携わる「気象予報士」という資格が生まれ、1994年から実施されています。「気象予報士となるためには、気象予報士の業務に必要な(知識)及び(技能)について、(気象庁長官)が指定する法人が実施する気象予報士試験に合格し、(気象庁長官)の(登録)を受けなければならない。」(気象予報士試験平成18年度)のです。ここに「気象庁長官が指定する法人」とは、「財団法人気象業務支援センター」をいいます。

「気象業務支援センター」は、通算第30回にあたる平成20年度第1回は、資料頒布を平成20年5月16日(金)~6月27日(金)、申請受付を平成20年6月16日(月)~7月4日(金)に行い、試験日は平成20年8月24日(日) でした。平成21年度の試験は,平成21年8月と平成22年1月の2回行われる予定で、正式な日程については,平成21年4月に発表されます。



直近5回(平成18年度第2回から平成20年度第2回まで)のデータを見ると、「気象予報士試験」の受験者数は各回4,300~4,900名ほどで、合格者は200~290名。合格率は4.4~6.3%。狭き門なのですね。

平成20年度第2回気象予報士試験の合格基準を見てみると、午前1時間めの「学科試験(予報業務に関する一般知識)」は、15問出題のうち11問以上、午前2時間めの「学科試験(予報業務に関する専門知識)」は、15問中11問以上、そして、午後の「実技試験」は総得点が満点の62%以上でなくてはなりません。

講談社刊(2005年)「泉 麻人」著の「お天気おじさんへの道」から受験の模様を引用してみましょう。

 試験官が3人、テスト用紙の包みを抱えて教室に入ってきた。主任官は、気象畑の地味な所をこつこつと歩んできた……といった風な初老の男である。自動車教習所の試験官を任される元警察官と、なんとなく似たテイストが漂っている。
「配られた試験用紙は開始の合図を出すまで裏返しにしておいてください……」
 どうでもいいような注意事項を、黙祷するときの心地で聞きおえて、ようやくゴーの合図が出た。この1時間目の「一般知識」のテストは、15問の設問中、だいたい後ろの3~4問に気象法の出題が並んでいる。その辺は数日前から一気に暗記したところなので、まずはそこから手をつけよう……と考えていた。
 案の定、<問11>から後は、気象法関係の設問だった。カコモンでもスイスイ解けるようになっていたから、まずはこのパートをすんなりクリアーしてハズミをつけよう、と思っていたら、出鼻をくじかれた。なんだか妙にひねくりまわしたような文体の設問が続いている


平成8年度の気象予報士試験の問題をみてみましょう。これは「妙にひねくりまわしたような文体の設問」ではありません。泉さんが1度目に受験したのは2004年8月29日実施の平成16年度第1回(第22回) でした。

次の①~⑤の行為のうち、予報業務の許可を受けなければできないものを一つ選べ。
 ① スーパーマーケットに対し、売上予測に必要な局地的な気象の予想を提供する。
 ② テレビのウェザーキャスターとして天気予報の解説を行う。
 ③ 学校の教師が、校長から依頼を受けて運動会の開催の可否の判定のための天気の予想を行う。
 ④ 観光協会から請け負い、インターネットの観光地紹介のホームページにその地の府県天気予報を入力する。
 ⑤ 商社の依頼に応じて外国の天気予報を収集して提供する。


「予報業務に関する一般知識」(試験時間は9:45~10:45の60分)の出題範囲は、「気象業務法施行規則」第15条の別表で試験範囲として掲げられている次の8項目になります。
 イ 大気の構造
 ロ 大気の熱力学
 ハ 降水過程
 二 大気における放射
 ホ 大気の力学
 へ 気象現象
 卜 気候の変動
 チ 気象業務法その他の気象業務に関する法規

この範囲から15問が出題されますから、「気象業務法その他の気象業務に関する法規」で4問出題されるとすると、設問数のほぼ4分の1に当たる「法規」は落とせないことになります(この他に出題率が高いのが「気象現象」の3~4問)。第31回(2009年1月25日実施、3月6日合格発表)の気象予報士試験では、中学1年で13歳7カ月の男子生徒が史上最年少で合格していますが、すごいことなんですね。

     (この項 健人のパパ)

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講談社刊(2005年)、「泉 麻人」著の「お天気おじさんへの道」という本があります。コラム二スト「泉麻人」さんが以前から興味を持っていたという「気象予報士」の免許取得を目指して、格闘する模様を「イン★ポケット」に2年間にわたって綴ったものを単行本にしたものです。その序章に「気象予報士試験」を受験する動機が書かれています。

発端は至ってピュアなものなのだ。子供の頃から、お天気予報が大好きだった……のである。正確な年頃は定かではないが、六時台のニュースの途中にやる「ヤンボー、マーボーの天気予報」、それから七時のゴールデンタイムの直前にやるキリンレモン提供の「お天気ママさん」などを日々熱心に観るようになった。そして、徐々にそういったゆるいつくりの天気予報番組ではなく、まじめな気象庁のおじさんが朴訥とした調子で天気概況を解説する、NHKのものが贔屓になった。

「子供の頃から、お天気予報が大好きだった」から「気象予報士試験」を受験してみようというのです。講談社刊(2002年)、「真壁 京子」著の「気象予報士になりたい!」を最近たまたま読んで「気象予報という仕事」に興味を持った私とは「年季」が違うのです。引き続き、この本から泉さんがどのように気象予報士試験に備えたかを引用してみましょう。

僕がこの“気象予報士の道”を思いたった去年(2003年)の秋頃、たまたまラジオの仕事で行ったTBSの帰りがけ、千代田線の赤坂駅の入り口で、ばったりM氏と遭遇したのである。ちょっと立ち話がてら、「予報士の試験、チャレンジしようかと思ってるんです……」
言ってみたら、
「だったらウチ、講座やってますから。泉さんみたいな“文系”の人向きですよ」
勧められた。


ここで“M”氏と紹介されるのはTBSテレビのニュース番組「イブニング・ファイブ」で天気予報のコーナー「森田さんのお天気ですか?」を担当している「森田 正光」さんです。森田さんの経歴を新潮社刊(1997年)の彼の著書「雨風博士遠めがね」から拾ってみましょう。

「ぼくは家庭の事情云々のために、結局大学へは行かなかった。とりたてて理由もなく、ただ高校の先生が勧めるままに気象協会の東海本部へ就職することにした。それが18歳の時だ。」
「東京へ転勤して2年目から、ぼくはお天気キャスターの仕事をするようになった。最初はラジオだった。ただ、お天気キャスターとはいっても、ぼくが今やっているようなものではなく、決まりきった天気予報の原稿を読み上げるだけの単純なものだった。気象協会の建物の中には各ラジオ局から回線がひかれており、そこから生放送するのである。」
「転勤からすでに3年が経とうとしていた。そろそろ名古屋に帰るのかなあ、とぼんやり考えていた矢先に、TBSラジオからの仕事が舞い込んできたのである。」
「番組の司会者は、土居まさるさんだった。天気予報はいつも通り気象協会のマイクを通してオンエアされるのだが、今回は土居さんと会話しながら天気予報をすることになっていた。」
「土居さんとのトークが評価されて、テレビからも声がかかるようになった。TBSテレビである。『アップルシティ500』という夕方の若者向けの番組に出演しないか、と誘われたのだ。」
「テレビに出始めると、雑誌の取材や原稿依頼などが頻繁に来るようになった。すると、気象協会という組織にはだんだん居づらくなってきた。フリーになったら、という周囲の声が少しずつ聞こえるようになり、大して迷うことなくそうした。1992年のことだった。気象協会を辞めた時、ぼくは41歳だった。」
「1994年の秋、「ウェザーマップ」という気象会社の旗揚げをした。最初の社員は、30歳代前半の男が1人だけだった。翌年になって、事務の女の子を採用した。」


森田正光さんは、「気象予報業務及びそれに付随する業務 、TV・ラジオ等の気象サポート業務、番組制作スタッフ等の派遣業務、各種メディアへの気象情報、コンテンツ配信業務、講演会等への講師派遣業務」を事業内容とする「株式会社ウェザーマップ」の「代表取締役」なのです。さらに「株式会社クリア」(気象予報士資格取得のための受験講座を開講している)の「代表取締役」でもあるのです。

例えば、「株式会社クリア」が行なっている「初心者の方への受験指導から、合格後の実務までを見据えた、一貫したカリキュラムで講義を行」う「気象予報士通学講座 総合クラス」ならば、平日夜コース(19:20~21:40、休憩20分をはさんで60分2コマ)全48回で315,000円 (消費税込)がかかります。2009年度は、2009年4月~2010年1月という日程になります。



財団法人「気象業務支援センター」でも「気象を学習する講習会」を行っていて、「入門気象学(¥38,850、日曜日9:30~12:30、全12回)」、「気象学(¥44,100、土曜日9:30~12:30、全13回)」、「気象解析・予報(¥72,870、土曜日コースと日曜日コース14:00~17:00、全14回)」などがあります。私の場合は、好奇心のなせる業なのですから、いずれ飽きるかも知れないので、このコストをかける気持ちはありません。すべて本で勉強しようと考えています。

気象予報士はあくまでも予報をする人であり、お天気キャスターはその予報をわかりやすく人に伝える人なのだ。また、人に伝えるということは、予報内容をただ単に読みあげることではなく、自分の人柄や個性のすべてを伝えることでもある。というより、伝わってしまうのである。テレビというのは恐ろしいものなのだ。また、お天気キャスターは気象そのものにも増して、お天気の周辺領域に詳しくなければならない。気象予報士は気象のことだけ知っていればよく、それが経済や生活やスポーツなどと、どのように関わり合っているのかを知っている必要はないが、お天気キャスターにはまさにそれが生命線となる。つまり、気象を軸とする広範な知識か、少なくとも好奇心が必要なのだ。実際、96年に開校したお天気キャスターを育てるための私塾、「森田塾」の塾生たちも、気象の専門知識以上に、好奇心の持続や伝え方に四苦八苦している。 (「雨風博士遠めがね」から)

「気象そのものにも増して、お天気の周辺領域に詳しくなければならない。」という記述は私を励ましてくれます。ひこばえ社刊(1990年)、「白根 白風子」著の「季語と気象」、丸善刊(1997年)、「宮尾 孝」著の「雨と日本人」などといった「気象予報士」の試験とはほとんど関係のない本に手を出しているのも無意味ではないのでしょう、「お天気キャスター」になろうと(当然なれない)するのでなくても。

   (この項 健人のパパ)

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1994年に始まり、今年(2009年)1月で31回を数える「気象予報士試験」(年2回実施)で合格者の最年少記録が更新されました。これまでの最年少記録は中学2年の男子生徒の14歳1か月だったそうなのですが、第31回気象予報士試験の合格発表が3月6日にあり、中学1年で13歳7カ月の男子生徒が史上最年少で合格したようです。

幼い頃から気象に興味を持ち、小学5年生の時に初めて受験し、4回目の挑戦で念願を果たしたといいます。2009年1月に実施された今回(31回)は4329人の受験者に対し272人が合格し、合格率は6.3%だったのだそうです。難関の試験なのですね。試験を実施した気象業務支援センターによると、「気象予報士試験」の累計の合格者は7311人で、昨年(2008年)末現在で気象予報士は6841人いるのだそうです。

毎日新聞によると合格者の少年は「「化学にも興味があるので、薬を作ったり新しい素材を見つける仕事もしてみたい」と夢を広げている。」のだそうです。気象予報士の仕事に関心を持った夫も今は「薬理学」の本を買ってきて、「気象学」の本と並行して読んでいるので、今度は我が子「健人」を「薬剤師か製薬会社の研究員になってもらうのがいいかな。」と言い出すかも知れません。

学研まんが「天気100のひみつ」(1992刊)という本を「健人」に買ってきたのですが、あまり興味を持たれなかったので、方針を変更しようとしているようです。

自動車にも関心のある「健人」ですから、自動車工学を学ばせるのもいいのかも知れませんが、「自動車はやがてローテクの製品になるはずだよ。」という夫はその方向には向かわせたくはないようです。しかし、名古屋の「トヨタ博物館」に行きたいという健人の要望はすぐに実現させました。子供の可能性を伸ばしてやろうとあれこれ試行錯誤する夫ですが、我が子「健人」は歴史まんがと「ニコ動」の動画に夢中です。やれやれ、、、

※ 「ニコニコ動画」(「ニコ動」)は、「ドワンゴ」の系列企業である「ニワンゴ」が提供している動画配信サービスを言います。「ニコ動」の特徴は、動画の画面上にユーザーが投稿したコメントが表示される「コメント機能」にあります。「健人」は右から左へと流れるコメントの内容が面白いらしく、自身も参加して楽しんでいるようです。

        (この記事は、「健人のパパ」の妻「あみ」が書きました。)

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ここ数日、東京地方では細かい雨が降り続いていました。私は傘を差すのが苦手です。軽量の折り畳み傘を外出時はいつも持ち歩いているのですが、よほど激しく雨が降らない限り、雨の中を歩く距離が少ないならば、傘を差さずに目的の場所へと小走りで走っていきます。片手がふさがるのが嫌なのです。

 妻「傘持ってているんでしょう。」
 私「うん。」
 「何で濡れるの。」
 「傘を差すのが面倒なんだよ。」
 「濡れるよりマシでしょ。」
 「いや、これくらいの濡れなら差さない方が、、、」
 「・・・」

日本ではこんな私は異端ですが、東南アジアの「スコール」や「シャワー」が降る地域では異端ではありません。スコールは激しい降雨ですが、一過性のもの。短時間で止んでしまいます。この地方の多くの人たちは「傘」を持ち歩きません。激しい降りなので傘が殆ど役に立ちません。激しい雨の中を歩けば傘を差していても、路面で跳ね返った雨水で靴やズボンの裾などの足元はぐっしょりと濡れてしまいます。すぐに止むのですから、雨の中を歩こうとはせず、雨宿りしている方が利口です。だから、傘の出番はありません。この地域では、分単位でパンクチュアル(punctual、几帳面)であることは要求されないですから、雨で多少約束の時間に遅れても誰も咎めはしません。

また、イギリスのように弱い雨がしとしとと長時間降り続く地域では、片手のふさがる傘を差す必要はなく、コート(overcoat)を羽織り帽子を被れば、身体を濡らすことなく歩くことができます。防水コートでは「バーバリー(BURBERRY)」が有名ですね。耐水性に優れたギャバディン(gabardine、防水加工した綿生地)でできていて、トレンチ・コート(塹壕コート、trench coat)と呼ばれ、耐水性に優れていることから第一次世界大戦時に軍服として使われていました。戦場で片手に傘を持っていたのでは戦えませんね。

なんとか傘を差さないことを正当化しようとしているのですが、雨粒が「ビー玉」程度(半径5mm~10mm)あれば、傘を差さないわけにはいきません。雨雲の中では、雲粒(半径が0.01mmが典型)が衝突を繰り返し、巨大化していきます。半径が0.1mmを超すほどになった「巨大雲粒」は、落下し始め、雨粒へと変身です。



媒体中(雨粒ならば空気中)を落下するする物質は、媒体(空気)からの抵抗力が大きくなる姿勢を保って落下して行きます。雨粒も同様で、まんじゅうの底面を下にして落ちていくわけです。雨粒の質量は、半径の3乗に比例し、雨粒の落下速度は、雨粒の半径の平方根(2分の1乗)にほぼ比例します。半径が大きくなればなるほど、運動エネルギーは急速に増すわけです。雨粒が凶器と化します。ビー玉大の大きさの雨が猛スピードで降ってきたら怖いですね。

しかし、雨粒にはスピードリミッター(速度抑制装置)が装備されているのです。最高速度が9m/秒をやや超えるとそれ以上は速くなりません。雨粒の最大速度9m/秒は時速に換算すると、32km/時ほど。自転車でスイスイと走る速さです。それに、雨粒はその半径を3mm以上には滅多になりません。3mmを超えると分裂をしてしまい、数個の小さな雨粒になってしまいます。ごく稀に、途中まで氷だったものが溶けて「巨大雨粒」(球形換算で半径4mmを超える。「まんじゅう」の底面では半径6mmを超える)として落下してくることもあるようですが、それでも10m/秒という速度を超えることはないようです。



速度抑制装置(スピードリミッター)とは、主に自動車の電子制御エンジンの燃料供給を調整して運転最高速度以上に加速できなくする装置をいいます。「道路運送車両法」で、大型トラックには、2003年9月にスピードリミッターの装着が義務付けられました。大型トラックの速度が時速90kmになったとき、この装置が働きます。大型トラックの高速道路での事故の大きな原因の一つに、大幅な速度超過があったことから法的に規制されるようになったようです。

また、自主規制により、国産の普通車は時速180km前後、軽自動車は時速130km前後でスピードリミッターが作動します。さらに、電動アシスト自転車(電池駆動のモーターで人力を補助する自転車)は、時速24km以上ではモーターの補助は得られなくなります。スピードの出し過ぎを防ぐためにそのように設計することが義務付けられています。一種の「速度抑制装置」といえます。

話があちこちにとび、まとまりがなくなったので、平成13年度の気象予報士の試験問題で終わりにします。

直径1mm程度の雨粒の落下速度(終端速度)について述べた次の文章の空欄を埋める数値として正しいものを下記の①~⑤の中から一つ選べ。

空気中を落下する雨粒の落下速度は、雨粒に働く重力(mg )と逆向きに働く抵抗力との釣り合いを表す次式から求められる。


ここで、m は雨粒の質量、r は雨粒の半径、V は落下速度、Cd は空気の抵抗係数、g は重力加速度、ρ は空気の密度である。

この式を使って大きさの異なる雨粒の落下速度を比較すると、雨粒の半径が2倍になったとき、雨粒の落下速度は約(  )倍になる。ただし、空気の密度、重力加速度、空気の抵抗係数は一定とする。

① 0.5  ② 0.7  ③ 1.4  ④ 2  ⑤ 4


では、与えられた(1)式を変形してみましょう。



半径 r を代入することで雨粒の落下速度V を求めようとするわけですから、まず、V を左辺に r を右辺に置く必要があります。それには辺々交換をします。→ (2)式



次に、球形の雨粒の質量m をその半径r の関数にするために「質量=体積×密度」の関係を使います。なお、球の体積は、「身の上に心配ある惨状(み(3)の上にしん(4)ぱい(π )ある(r )さんじょう(3乗))」で求めます。水の密度をρw と置いておきます。



これをm に代入すると次の(3)式になります。



式を整理するのですが、分母が煩わしいので、2と3の最小公倍数6をかけて、はらっておきます。 → (4)式



左辺にV のみを残すため、両辺をV 以外の数と文字で割ります。 → (5)式



整理します。 → (6)式



これをV で解くために、両辺を平方根にします。すべて正の数ですから、負の解にはなりません。 → (7)式
 


半径を2倍にするということは、r に2r を代入するということですから、解答は、2の平方根、1.41421356...(一夜一夜に人見頃)の近似値“1.4”です。

            (この項 健人のパパ)

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雲粒と雨粒の境目はどこにあるのでしょう。そして、その境目はどうして決められているのでしょう。

代表的な雲粒は半径が0.01mm(100分の1mm)で、代表的な雨粒は1mmです。で、雲粒と雨粒の境目は0.1mm(10分の1mm)です。



代表的な雲粒も質量を持っていますから、重力で落下します。しかし、雲の中では上昇気流があるので、その上向きの力で落ちないでいます。ところが、水滴の半径が0.1mm程になる(代表的な雲粒が衝突を繰り返すとすると1000個集まって)と、落下速度が大きくなり(半径が0.01mmのときの100倍の速さ)、上昇する空気の速さを上回ることになります。

 ※ 球の半径が10倍になると、その体積や質量は10の3乗倍、つまり1000倍になる。落下速度は雲粒ならば10の2乗倍、つまり100倍になる。

すると、雲(水滴が浮遊している)を形成する水滴ではなくなり、雨(水滴が落下している)を形成する水滴となります。そこで、雲粒と雨粒の境目を半径0.1mmとするのだそうです。

水滴は水分子で構成されていますから、表面張力が働き、球形を維持しようとします。球形がその表面積が最小になるからです。だから、雲粒は球形です。雨粒がこんな雫(しずく)のような形で降ってくるとかわいいですね。



しかし、水滴がその半径を大きくし、落下速度を大きくすると、落下する雨粒の底面(下部)に衝突する「空気を構成する気体分子(例えば、窒素分子)」の数が増え、またその衝突速度も大きいものとなります。雲の中を落下しているときは、さらに雲粒(気体分子より格段に大きい)も衝突してきます。結果、球形を維持できなくなり(外力が表面張力に勝り)、変形します。水滴の底面が扁平になってしまうのです。で、その形は「おまんじゅう」。



庭草に 村雨降りて 蟋蟀の 鳴く声聞けば 秋づきにけり (「万葉集」から)

庭の草叢(くさむら)で恋の相手を捜していたであろう蟋蟀(コオロギ)は雷さまのイタズラで突然に「まんじゅう」の攻撃を受けることになります。落語の「まんじゅう怖い」とは異なり、「まんじゅうが世の中で一番怖い」と言って好物をせしめたわけではなく、その中に餡、肉野菜、ピザ、カレーなどが入っているわけでもなく、まんじゅうの形をして、体長の4分の1ほど(直径4mmの球も饅頭状になると底面の直径は5~6mmになっている)の大きさの水の塊が降り注いでくるのです。

人間で喩えると、身長が160cmの人ならば、直径が40cmのまんじゅうになります。でかっ! 横浜中華街の中華まん(例えば「江戸清」のブタまん、およそ260g)も大きくて一人では食べきれなかったけれど、その比じゃないですね。

文学の香りのまるでない文章になってしまったので、「雨と日本人」から再度引用です。著者「宮尾 孝」さんの手を借りて少しは格調の高い文章にしましょう。

まだ慣れぬ 板屋の軒の 村時雨 音を聞くにも 濡るる袖かな  後醍醐天皇

隠岐に流された後醍醐天皇の歌。宮中の華やだ生活を思い出しながら我が身を嘆いています。「村時雨(むらしぐれ)」は、時間的にムラのある降り方を特徴とする時雨のこと。激しく降ったかと思えば小降りになり、もう上がるかと思えばまた強く降ってくる。板張りの屋根を叩く雨音も、弱まったり強まったりを繰り返し、この先どうなるものかと心細さを一層募らせる。

雨が強くなったり弱くなったりを繰り返すのはどうしてなのでしょう。あっ!いけない。また、発想がそちらの方へ行ってしまった、、、

      (この項 根っから理系の「健人のパパ」)

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 「流体力学」という学問があります。流体力学(fluid dynamics)は、流体(液体と気体)の運動を扱う学問です。これが気象予報士の試験と関係するとは思ってもみなかったのですが、雨粒が落ちてくるのは空気の中、空気は「流体」ですから、「流体力学」が関係するのですね。

 流体力学で流体の「挙動」を予測するのに使われるものに「ナビエ-ストークス方程式(Navier-Stokes equations)」があり、流体の速度が遅いときにそれに近似する方程式として扱われるのが「ストークス方程式(ストークスの式、Stokes equations)」です。



 ストークスの式は、小さな粒子(例えば、雲粒)が流体中(例えば、空気中)を沈降(落下)するときの終端速度(落下速度)を求める際に用いられる方程式です。空気中を落下し始めた「雲粒」は、徐々に速度を増しますが、やがて一定の速度となります。その一定になった時の速度を「終端速度」というようです。


 結論を先に述べてしまうと、終端速度は雲粒の半径が 0.1mm より小さいものであれば、その半径の2乗に比例するようです。0.7~30mm の範囲(ここまで半径が大きくなれば「雲粒」ではなく「雨粒」でしょうね。しかし、雨粒の半径が3~4mmになってしまうと球形を維持できなくなり分裂してしまうようです。)であれば、その半径の平方根(2分の1乗)に比例するのだそうです。



雲粒について述べた次の文章の空欄(a)~(c)に入れる語句の組合せ①~⑤のうち、正しいものを一つ選べ。

 代表的な雲粒は半径約10μmであり、その質量は代表的な雨粒のおよそ(a)倍である。また、雲粒の落下速度(終端速度)Ⅴは、雲粒に働く重力 mg (m:雲粒の質量、g:重力加速度)と雲粒が受ける抵抗力 6πrηⅤ(r:雲粒の半径、η:空気の粘性係数)との釣り合いの式から決められ、雲粒の半径が2倍になると、落下速度(終端速度)は約(b)倍になる。代表的な雲粒の落下速度(終端速度)は約(c)である。



                                     (気象予報士試験 平成11年度)



気象予報士の試験対策としては、
 平均的な雲粒は、その半径は0.01mmで、落下速度は0.012cm/s。半径が2倍になれば(0.02mm)、2の2乗で、落下速度は4倍になる(0.048cm/s)。平均的な雨粒は、その半径が1mmで、落下速度は680cm/s(時速に換算すると、24.48km/h)。半径が2倍になれば(2mm)、2の平方根(ルート2=約1.414)で、落下速度は約1.414倍に(962cm/s)になる。
と覚えておけばいいようです。

           (この項 健人のパパ)

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