豊田市美術館に行ってきた。この日は無料入館日だったけど、お客さんの入りはそこそこで、じっくりと作品を観ることができた。
開館10周年記念 VISION II 「The Child-内なるこども」
「こども」をモチーフにした国内コレクション約80点による企画展。
青木繁や
オーギュスト・ルノワールなど20世紀初頭の絵画から、
加藤泉や
播磨みどりなど今世紀の作品まで、約100年の美術史を「こども」というテーマで概観できる展覧会でもある。
会場に入ると、
荒木経惟の写真《さっちんとマー坊》シリーズが目に入ってくる。活き活きとした子どもの表情を見ていると、あの頃の感覚がよみがえってくるような気がした。この展覧会を象徴するような作品かも。
続いて、
木村伊兵衛、
岸田劉生、
土門拳、
高松次郎、
パウル・クレー、
エドヴァルト・ムンク、
古賀春江など、ビッグネームの作品が並ぶ。私が好きな
クリスチャン・ボルタンスキーの《聖遺物語(プーリムの祭り)》もあったけど、明るい場所に展示されていたのがちょっと残念。
そして、シメはお待ちかねの現代アート。1980年~94年に制作された
奈良美智作品を、7点まとめて観られたのが良かった。あと、豊田市美術館の宝(?)
会田誠の《あぜ道》もあり。
豊田市美術館にて、6月18日まで(月曜休館)。
秘密基地-現代美術とこどもをテーマにしたコレクション展
前述の「The Child-内なる子ども」展にあわせたコレクション展。「秘密基地」というタイトルのとおり、あの頃のワクワク感を思い出させるような展覧会。
なかでも最初の展示室が素晴らしかった。室内から伸びたレールに誘われるように展示室に入ると、大量の銃のレプリカが整然と並んでいて異様な光景(
榎忠《秘密基地 You're on call at the “HUSH-HUSH”》)。その周囲を線路が取り囲み、奇妙な電車が3台停まっている(
ヤノベケンジ《サヴァイバル・システム・トレイン》)。そして、そして壁を飾るのが
丸亀で観た大岩オスカール幸男の《エイジアン・ドラゴン》。もう、この部屋だけでお腹いっぱい。冒頭の写真は、この展示室を上から眺めた様子。
このほか、コブラ・タテゴトアザラシ・イワシクジラなどの皮で作られたカラフルなランドセルが並ぶ、
村上隆の《R.P.(ランドセル・プロジェクト)》や、回転型球形ジャングルジムに小さな写真を大量に貼った、
小沢剛の《グローブ・ジャングル》が印象に残った。あと、
中原浩大の《無題(レゴ・モンスター)》を上から覗けるのも面白い。それから、
須田悦弘の《雑草》も、とある場所にあり。
私にとっては、企画展よりこっちの方が面白かったかも。それにしても、コレクションだけでこれだけの展覧会ができるとは……恐るべし、豊田市美術館。
豊田市美術館にて、6月18日まで(月曜休館)。