現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

人間の未来へ@水戸芸

2006-04-09 | アート感想@関東
水戸へ行ってきた。

人間の未来へ|ダークサイドからの逃走

4人の報道写真家のドキュメント写真と、9人のアーティストによる作品を組み合わせることにより、人間の内面に潜むダークサイドから距離を置き、他者への共感を促すことを試みた意欲的な展覧会。

今回最も印象に残ったのは、橋本公の《1945-1998》。1月を1秒に縮めたタイムスケールで、プロジェクターで投影された世界地図の上に、核実験が行われた場所を音と光で示した作品。通常、この類の作品は、メッセージ性が強すぎて鼻につくことが多いんだけど、事実を淡々と、しかもテンポ良く伝えていたので、最後まで見届けることができた。

マイケル・ライトの《100の太陽》という作品は、アメリカ軍の原水爆実験のドキュメント写真を再構成したもの。青空や夕暮れに浮かぶキノコ雲は、先入観抜きで見ると非常に美しい。その光景を無邪気に眺める軍人・科学者の写真もあり。

このほか、ギャラリー小柳で観たアントニー・ゴームリーの金属ブロックの作品3点や、天井から舞い降りるように展示されたスゥ・ドーホーの《落下傘兵 III》、絶滅した人間を100年後に発掘したという設定のオノ・ヨーコの《絶滅に向かった種族2319-2322》が印象に残った。

水戸芸術館現代美術ギャラリーにて、5月7日まで(月曜休館)。

クリテリオム67 本城直季

ビーチやスキー場を空から撮影した《play room》シリーズが10点ほど。写真の上下がピンボケになっているため、模型を見ているような錯角が面白い。レンズに対して、フィルムを傾けて撮影するとこうなるらしい。こういう写真、撮ってみたいなあ。

水戸芸術館現代美術ギャラリーにて、5月7日まで(月曜休館)。


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2 コメント

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はじめまして (MORI)
2006-04-15 21:51:29
こんにちは。いつもpizzさんの展覧会情報を楽しく読ませていただいてます。僕も色々遠征する方ですがpizzさんには到底敵いません。

ところでこの展覧会本当に行きたい展覧会なのですが、関西在住のため水戸はあまりに遠く…。以前の「孤独の惑星」も行きたかったのですが行けませんでした。pizzさんのブログでは僕も行った気になれるので助かります。これからも楽しみにしています。

P.S.このGWにpizzさんの記事に触発され、養老天命反転地に行って来ます。
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MORIさんへ (pizz)
2006-04-17 06:53:08
コメントありがとうございます。

実は、MORIさんの「artholic days」、前から拝読しておりました。

特にUKのレポが充実してて面白いです。



水戸芸は良い企画が多いのですが、

気軽に行けないのが玉にキズですよね。

特に関西からだとなおさらだと思います。



養老、行かれるんですね!

5月なら気候は最高だと思いますので、

思いっきり楽しんできてください。

記事の最後にTIPSを書いたので、ご参考に。

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