ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

08/08/27 歌舞伎座千穐楽第三部②「愛陀姫」補足(御礼)と「紅葉狩」

2008-09-01 23:17:58 | 観劇

八月納涼歌舞伎千穐楽夜の部を順不同で「野田版 愛陀姫」からアップしたところ、土日の2日間とも400を超すアクセスをいただいた。アクセスカウンターを途中で設置して以来の最高と思われる(これまでの最高は映画「花より男子」の感想をアップした時の436 IP・1178 PV)。
2008.08.30(土) 445 IP 1540 PV
2008.08.31(日) 429 IP 1266 PV
多くの皆様のアクセスに感謝申し上げます(_ _)m
「野田版 愛陀姫」は話題作で第三部のチケットは早くから売切れになった。しかしあちこちのブロガーさんの感想を読ませていただくとかなりはっきりと賛否両論が噴出していた。私は「あっぱれのパロディ劇」という表現で積極的に評価する記事を書かせていただいた。ただしニュアンスとしてはドライに誉めたつもりである。
歌舞伎の本格観劇は数年、野田秀樹の作品の観劇もようやく面白くなってきた。オペラはかじり始めたばかり。そういう観劇体験を積んでこれたおかげで楽しめたのだと思っている。しかしながら再演はなくてもいいと思うし、シネマ歌舞伎化はどちらでもいい。もしシネマ歌舞伎になったら一回は観るだろう。この時代にこの作品を上演したことの歴史的価値が大きいと考えた次第。
以上、「愛陀姫」の記事の補足と御礼。

さて「紅葉狩」。これまで私が観たのは3回。鬼女軍団が出てこないなぁと物足りなさを覚えたが、よく考えたら鬼揃とかそれを踏まえた「信濃路紅葉狩」の鬼女たちの印象が強すぎたんだな。ただの「紅葉狩」は最後は更科姫に化けていた鬼女と平維茂のさしの勝負だったっけとようやく思い出す。
2007年12月の「信濃路紅葉狩」(鬼女=玉三郎)2006年12月の「紅葉狩」(鬼女=海老蔵)2006年9月の「鬼揃紅葉狩」(鬼女=染五郎)

【新歌舞伎十八番の内 紅葉狩】
今回の配役は以下の通り。
更科姫実は戸隠山の鬼女=勘太郎 山神=巳之助
従者右源太=高麗蔵 同 左源太=亀蔵
余吾将軍平維茂=橋之助 局田毎=家橘
侍女野菊=鶴松 腰元岩橋=市蔵

高麗蔵・亀蔵の右源太・左源太のバランスがいい。亀蔵がやっているのを見た岩橋に兄の市蔵。市蔵のこういうお役はけっこう好きだ。芝喜松・京蔵・芝のぶ以下の侍女たちもいい感じ。
更科姫を連れて幔幕から出てくる家橘の局田毎の目に凄味がある。本性は鬼女軍団の局にふさわしい。
勘太郎の更科姫が予想以上に美しい。さらに指先の動きが美しい。橋之助の平維茂と並ぶとかなりの美男美女。これはいいぞ~。

鶴松の侍女野菊の踊りがうまい!芝居もうまいが踊りもここまでしっかり踊れるのは将来がますます楽しみだ。
維茂の酒のお肴にと局に促されて更科姫の踊りも始まる。勘太郎の赤姫姿の踊りは初めてだと思う。だから真面目に見入ってしまって舞踊の時に襲いがちな睡魔は遠のいている。扇子のあしらいなども極まって堪能。そして維茂の様子を窺うところに覗くのはちゃんと鬼女の本性(cf.海老蔵)。よしっ!変身のために全員引き上げると再登場が待ち遠しい。

巳之助の山神は頑張ってはいるものの、やっぱり物足りなかった。これからしっかり踊りこんでもらいたい。
茶色のカシラをつけた勘太郎の鬼女が茶色の隈取も似合っていい。勘太郎の荒事は「車引」の梅王丸でいいと思ったが、この鬼女も迫力十分。いつか「土蜘蛛」なども踊ってくれることも期待できると思えた。
橋之助の平維茂との立ち回りもなかなか見応えがあった。舞台中央の松の木の幹の曲がりの上から維茂を睨みつけ、上下に極まっての幕切れ。

でもやっぱり鬼女軍団がいる方が賑やかでいいなぁと思ってしまうのは邪道なのだろうか(笑)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿