昭和52年式は
H3年開業以来お売りしたクルマの中で
「客注」ではない在庫販売車の中では
一番古いはずだ。
この頃のディーゼルはエンジンを停止させるために
「デコンプを引っ張る」必要があり
40歳代までのそれを知らないお客様をからかっては
展示中の2ヶ月間は結構楽しませてもらった。
「始動時減圧装置」と言い
ディーゼルエンジンの高い圧縮比によるかかり辛さを
カバーするために圧縮を抜く装置で
建設機械などでは
今でも装備されているようだ。
ただ、クルマの場合の「デコンプ」は
私が知る限りの年式では
圧縮を抜くわけではなく
噴射ポンプでの「燃料カット装置」で、
始動の時でなく
エンジンを切る際に使うのだ。
このJ36もそうであって
この2~3年後にはエンジンキーによって
電気的に燃料の供給がカットされるようになる。
その意味では名前がデコンプとして残った だけで
役割も仕組みも
全くの別物ということになる。
これをお買い上げいただいたT様も
まだ20歳代なのだから
もちろんそんなことは知る由もなく
ただ「エンジンを切る時はこのレバーを引いてください」と
取り扱いの1つとして説明するだけだ。