6月の読書メーター読んだ本の数:12
読んだページ数:3846
ナイス数:137
我が家のヒミツ (集英社文庫)の
感想家シリーズ第三弾。このシリーズはほっこり系。じんわり温かくなる物語が多い。でもほろりと泣いたり、くすりと笑ったり。短編なので読みやすくさくっと読んで、何度も読み返したくなります。
読了日:06月29日 著者:
奥田 英朗「A」―マスコミが報道しなかったオウムの素顔 (角川文庫)の
感想実際の映画を観てはいないのですが。撮影のきっかけは、筆者の事件当時のテレビの報道の在り方の違和感。圧倒的な悪として対立軸をあおり、「悪に人権はない」と刷り込まれていく。そんな社会情勢の中、できる限りのフラットさで、広報担当・荒木氏に密着し、オウムの中を、中から見る外を撮り続けている。荒木氏の中と外との狭間にいる難しさと、筆者の葛藤とがにじみ出てくる。筆者の感じる、だれもが「思考停止」している社会は実感としてわかります。少なくとも、これからジャーナリストを目指す人間には読んでほしい一冊です。
読了日:06月29日 著者:
森 達也人魚の眠る家 (幻冬舎文庫)の
感想読後の一言目は「勉強になった」だろうか。脳死は死かどうかという、論じても尽きないテーマに正面からぶつかった。なによりも東野氏好みの理系のテーマと作中の信念は、ある意味で『天空の蜂』に通じるものがあると感じました。東野氏は作品の仕上がりで好みがあう・合わないがあるのですが(出版社ごとの違い?)今回は、納得の一冊です。ノンフィクションにも近い感じもあり、自分に置き換えてみたらなどと思わされました。ハッピーエンドです。
読了日:06月27日 著者:
東野 圭吾みかづきの
感想本の分厚さに一瞬おののいたのですが、第1章で吾郎の困惑・弱さが生々しく伝わってきて、その人間臭さに一気に引き込まれました。そして、何十年にも及ぶ物語を、語り手を換え、文部省の教育行政の方針転換、転換、転換に翻弄されながらも「教育とは何か」を追い続ける三代にわたる家族の系譜。家族だけではなくそのときおりのサポート役にあたる黒子役の人たちそれぞれの、優しさや信念が魅力的に描かれており、読み終えた時の幸せな気持ちと続く余韻が何ともいえません。本屋大賞第2位、さすがです!
読了日:06月25日 著者:
森 絵都ルポ 児童相談所 (朝日新書)の
感想児童相談所の日常が描かれている章があるのですが、忙しすぎる。1人で70件もの案件を抱え、それでいて飛び込み案件や、緊急案件への対応など。保護者との対応も神経を使うだろうし…自分にはできないと思う。一方で、福岡市のようなやり方、民間やNPOのチカラもかりながら、現場が疲弊しないように、また多様な視点での課題提起もあり、もっと詳細を知りたいと感じた。文中にもあったが、虐待はない→虐待はある、との社会情勢の変化はあるが、社会的システムは旧態のまま。特に一時保護施設から学校に通えないのは早急になんとかしてほしい
読了日:06月20日 著者:
大久保真紀放送禁止歌 (知恵の森文庫)の
感想8年ぶりの再読。当時より、現場の思考停止・自主規制、リスクの排除など実感として強く感じるようになりました。そしてネット・SNS普及の中でヘイト問題が際立つ中、被差別の差別問題が潜る。本自体は時間切れで中途半端な感じは否めないが、「自分の頭で考えること」「慣例を疑い自らの問題として意識すること」などの問題提起は伝わってきます。
読了日:06月20日 著者:
森 達也県立! 再チャレンジ高校 生徒が人生をやり直せる学校 (講談社現代新書)の
感想いわゆる教育困難校の取り組みですが、ある先生のセリフ「底が抜けている。家庭という底が」の一言につきます。荒れているのではなく「(生徒は)疲弊している」、警察だけでなく福祉との連携が必要、など子どもたちの根っこ作りから求められている。その中で、子どもたちに寄り添い、社会に出るためにせめて「高卒」というパスポートを持たせたいという先生たちの思い、また卒業後の就職までをケアしたいという取り組みに奮闘している姿は、子どもたちの状況のやるせなさとともに心を打ちつけられます。
読了日:06月16日 著者:
黒川 祥子瑕疵借り (講談社文庫)の
感想瑕疵物件の「瑕疵」の理由を調べるストーリー。社会的な側面もあり、短編でさくさく読めました。
読了日:06月11日 著者:
松岡 圭祐妻を殺してもバレない確率 (宝島社文庫)の
感想さくさくっと軽く読みたいときに、それでいてちょっぴり心が揺り動かされるので再読本にはぴったり。
読了日:06月04日 著者:
桜川 ヒロフーテンのマハ (集英社文庫 は 44-3)の
感想気楽に読めました。
読了日:06月04日 著者:
原田 マハビロウな話で恐縮です日記 (新潮文庫)の
感想しをんさんのエッセイ。BLの認識が変わりました。生々しいシーンがあるので読んだことはないのですが、精神性のストーリーの面白さに興味が惹かれます。ところどころツボに入り、くすくす笑いました。でも紹介されていた本で一番読みたいのは『フェルマーの定理』かも。
読了日:06月02日 著者:
三浦 しをん学歴フィルター (小学館新書)の
感想筆者はいわゆる低難度大学などで就活指導をしており、ランクが低かろうが優秀な学生はおり、その学生を応援したいとの思いからの書。学歴フィルターとはなんぞや、との基本的なところからその対策まで。なぜ炎上するのかというと、「隠す」から他ならない。フリー応募・Web応募で、30人の枠に1万人の応募があった時、最初のフィルターをどうするかというのがそもそもの課題。一方でいわゆるランク上位・下位の学生の「能力」以前の「意欲・行動力」の差も指摘されている。さまざまな分析や企業側からの視点も面白かったです。
読了日:06月01日 著者:
福島 直樹読書メーター