誉田八幡宮 羽曳野市誉田3丁目2−8
祭神として応神天皇(十五代)、その両親の仲哀天皇(十四代)と神功皇后が祀られている誉田八幡宮。応神陵の後円部のすぐ隣りにあります。
9月16日(土) 16:28 誉田八幡宮 南大門 夜の曳行前
前日の神輿渡御に引き続き、今年は曜日合わせの関係で9月16日(土)、17日(日)に氏子の誉田地区4町(王水町、馬場町、鍛冶町、西之口町)の地車祭りが行なわれました。
16:50 今回は夜の宮入りに合わせて見学しました。なお、誉田八幡宮の地車は16日(土)が「夜宮入り」と17日(日)に「昼宮入り」と2日に渡って宮入りがあります。
鍛治町の地車
ここの地車は明治28年(1895)堺市上石津の地車として作られ、大正3年(1914)和泉市唐国へ、そこで長く曳行され、平成12年(2000)に鍛治町にやってきました。(HP「地車名鑑」より)
購入先が泉州地区とあって、前梃(てこ)なしでも重心の低いやりまわしのしやすい地車で、下地車のように勾欄の前にブレーキ責任者を含む3役員が立ち、足ブレーキが付いています。現在、鍛冶町は泉州囃子で「やりまわしを」行う祭礼スタイルになっています。製作されて128年も経過しているのに、古さを全く感じない美しい地車です。
17:18 西之口町の地車
この地車は「細工人 住吉郡 住吉村 大佐」と札があるので、住吉のだんじり大工「大佐」によるものと思われます。明治20年頃大和高田方面で新調。堺市深井沢町へ。大正10年堺市北王子へ。平成8年西之口町購入。(HP「地車名鑑」より)
もう136年も曳行されている地車とは思えないほど美しく、すべるように走るとても速い地車。足回りは最新のベアリングを入れて強化されているようです。4町の中では一番古く、前梃(てこ)仕様にはなっていませんが、やり回しをする地車。
なお氏子の4町の地名はいずれも旧地名で現在は誉田〇丁目の表記になっています。
そして地車庫がいずれも誉田八幡宮の境内にあります。
17:23 王水町の地車
平成13年(2001)の新調地車。二十一世紀の地車です。王水町の地車として製作されているので、後ほど紹介いたしますが、土呂幕などに地元の合戦 大坂夏の陣での道明寺・誉田林の戦いの彫物があります。
誉田地区の面積の半分くらいは中央に応神陵と誉田八幡宮。その周りを旧4町が囲みます。北の東高野街道沿いが王水町、南の古市地区手前が鍛治町、藤井寺市野中地区に至る街道の西出口が西之口町、その南側が馬場町になります。
17:37 馬場町の地車
平成元年(1989)和泉市上伯で新調、平成18年(2006)に馬場町へ。
岸和田の有名な大下工務店と中山慶春氏・木下彫刻工芸の製作。
屋根の勾配の浅さや雛檀、見送り形式、腰回りの膨らみなど岸和田下地車の雰囲気がただよいます。
前面 獅子噛と懸魚
懸魚は龍と武者?
幟(のぼり)台は三猿「見ざる聞かざる言わざる」
16:31 王水会館で休憩中の王水町の地車
大屋根の勾配はきつめです。拝懸魚(はいげぎょ)は朱雀、隣懸魚(拝懸魚の両側)も付けられています。
小屋根の獅子噛
小屋根の拝懸魚は竹林の虎。
車板は玉をつかむ龍。
土呂幕 大坂夏の陣 道明寺の戦い 真田幸村(信繁)の勇戦。
地元での合戦 大坂夏の陣での道明寺・誉田林の戦いの彫物。
土呂幕 大坂夏の陣 誉田林の戦い 薄田隼人正兼相(すすきだはやとのしょうかねすけ)の勇戦。
誉田七丁目679に墓があります。
同じく土呂幕 大坂夏の陣 道明寺の戦い 後藤又兵衛基次の勇戦。
柏原市玉手町7の玉手山公園に碑があります。
17:45 鍛治町会館前の鍛治町と西之口町の地車。
17:53 踏切で近鉄特急の通過。
17:05 旧国道170号の王水町の地車。
17:55 旧国道170号の西之口町の地車。
18:01 東高野街道(高松ギフト前)で夜の宮入り待機の地車。
18:04 誉田八幡宮東門 まもなく夜の宮入り。
18:11 まずは鍛治町。
18:12 参道鳥居前
18:16 続いて西之口の地車。
18:17 拝殿前に向かいます。
18:19 拝殿前 ここに各町の地車が並びます。
18:20 後コマをあげて向きを替えます。参道は小石が敷いてあり、操作がしずらい。
18:27 次に王水町の地車。
18:27 どうも右前コマが小石をかかえ、止まってしまったようです。東門横の王水町の地車庫に下がります。
18:35 しんがりは馬場町の地車。小屋根に「古市小学校 創立 150周年」の横断幕。
19:19 1時間ほど宮入りした後、逆順で宮出。
日は替わり翌日、9月17日(日)18:55 旧国道170号を疾走する鍛治町の地車。
18:55 140mノンストップで走る。
20:31 誉田八幡宮南門 四町セレモニー
東高野街道 高松ギフト前の「ぶん回し」前に馬場町・西之口町の地車庫前(誉田八幡宮南門前)で氏子4台の地車が集結しセレモニーが行なわれます。人、人の波。
20:41 鍛治町の地車 東高野街道交差点での「ぶん回し」。
この地区でのぶん回しは後梃を外して、ぐるぐる何十回も回るパフォーマンスをいいます。
20:50 王水町の地車。何回修正なしで回れるかの技を各町競います。
20:51 大屋根・小屋根に約10人、舞台周辺にも10人、20人も乗った王水町の地車。
20:58 馬場町の地車。地車の重心や前後のバランスで回しやすい、回しにくいがあるようです。
21:08 西之口の地車 ずっと回し続けるのはきつそうです。
誉田八幡宮の氏子誉田地区4町の地車をご紹介しました。それぞれの地車や囃子に特徴があり、各町地車祭りが盛んであることがわかりました。
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写真撮影:2023年9月16日、17日
2023年9月20日(HN:アブラコウモリH )