あれは,あれで良いのかなPART2

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飲酒運転は重罪です

2005年05月23日 07時59分23秒 | 裁判・犯罪
宮城県多賀城市で,飲酒運転(しかも居眠り)の車が高校生をはね,3人が死亡するという悲しい事故が発生しました。

飲酒運転は犯罪です。

この運転手については,危険運転致死罪が適用される可能性が高いですが,そもそも飲酒運転については,まだまだ日本では認識が甘いように感じます。中には,テレビ等で飲酒運転話を武勇伝のごとく話すタレントもいるくらいです(これは窃盗をクイズにしたタレントと同じレベルの話ですよ,本当に。)。
そこで,飲酒運転について,改めてどんなことが待っているかまとめたいと思います。

1 酒気帯び運転
  刑罰が厳しくなりました。「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」。
  点数も6点または13点なので,2回捕まればかなりの確実で「免許取消」
  同乗者も,そそのかして運転させた場合は刑事罰の対象となる。
  飲ませた方も,車を運転すると知っていればやはり刑事罰の対象となる。
2 酒酔い運転
  完全に酔っぱらっている場合に適用されます。「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」。
  点数は25点なので,一発免許取消。
3 業務上過失致死傷
  交通事故を起こした場合に適用。「5年以下の懲役または50万円以下の罰金」。
  点数は事故に応じて違う。
4 危険運転致死傷罪
  酒気帯び運転等により交通事故を起こした場合に適用(検察庁も慎重だが,最近はこれによる起訴も増えている。)。
  怪我した場合は「15年以下の懲役」,亡くなった場合は「1年以上の懲役(上限は20年だが,道路交通法違反等が加わるとさらに最長30年まで上限が延びうる。)」

以上が飲酒の罪と罰です。
さらに補足します。「酒気帯び運転くらいなら」と軽く考えている方も多いですが,上記のとおり,仮に事故を起こさないとしても,酒気帯び運転には「懲役刑」があります。酒気帯び=赤切符ですむ,という発想は大間違いです。
現実に裁判所で傍聴すると,刑事裁判(普通の裁判ですね)の罪名に「道路交通法違反」がいかに多いか分かると思います。
さらに,酒気帯び運転で事故を起こしていなくても「実刑」になったケースが,実は結構あります。酒一杯で,刑務所に行きます。

刑務所に行く云々ではなく,酒飲んで車を運転することは,テロリストと同じだ,そういう認識をみんなが持ってほしいと思います。

よろしければ1クリックお願いしますm(__)m人気blogランキングへ (5月24日追記)
飲酒運転は本当に許せませんが,他にも超スピード違反,暴走族等の集団危険行為,無理な割り込み,信号無視なども死亡事故の大きな原因を占めています。
飲酒運転はもちろんのこと,このような無謀運転についても,絶対にやめなければならないでしょう。
そもそも,免許とはその字のとおり,原則禁止行為を特別に認めるという行政行為です。自動車の運転は,特別に認められた行為なのですから,危険なことをしたら,即座に取り消されても文句は言えないでしょう。
免許取消基準をもっと広くしてもよいのではないかと思います。

(7月1日追記)
コメントでも指摘がありましたとおり,若干主観と客観が混在していました。
そこで,理論上の話と現実的な話を整理しておきたいと思います。

1 理論上の話
(1) 酒気帯び運転の刑は,1年以下の懲役又は30万円以下の罰金である以上,1年刑務所に入ることがあり得る。
(2) 実際に酒気帯び運転を理由に刑務所に入ったという例がある。
2 現実的な話
(1) 一般には,地域にもよるが,酒気帯び運転だけで検挙された場合,2回程度までは赤切符(罰金)で済む。
(2) 3回目以降は通常裁判になるが,前科がなければ,執行猶予判決になる場合が多い。
(3) さらに執行猶予中にまた酒気帯び運転や無免許運転をした場合,今度は実刑になる場合が多い(まれに保護観察付き執行猶予になることがある。)。
(4) したがって,酒気帯び運転で刑務所に入る場合は,酒気帯び運転の常習者の場合である。
※ ただし,現実的な話はあくまでも一般論です。飲酒運転の状況や過去の前歴などによっては,もちろんこの動きとは異なる場合もあります。また,事故を起こすなどした場合は,例え初めての飲酒運転でも実刑になり得ます。
 だから,やはり飲酒運転は止めてほしいです。
3 危険運転致死傷罪の現実について
  この罪は,酒気帯びで適用されるというよりも,酒気帯び運転または酒酔い運転で死亡事故を起こした場合に適用されることになります。しかも,相当な悪質事案に限られていることから,現実には,酒酔い運転(数件ハシゴして飲んでいるなど)の場合に限定されています。
  もう少し適用要件が緩和されれば,飲酒運転に対する抑止力になると思います。