緑とともに・・・・

小田原市にある樹木卸販売を生業とする有限会社小田原植木のBlogです。

タイミンタチバナ(№01442)

2018年06月29日 | Weblog
すっかり存在さえ忘れて、圃場を回って「あれ?こんな木あったっけ」と思うことが時折あります。
日々圃場を回っている専務らは頭の中にインプットしてあるでしょうけれど、デスクワークが主でたまにしか圃場に行かないBlog管理人の僕は珍しくありません。このタイミンタチバナもまさにそうでした。



タイミンタチバナ Myrsine seguinii H.Lév. ヤブコウジ科の植物です。
取り立てて面白い植物ではなく地味な樹木です。ただ名前が奮っています。日本の植物学の大家牧野先生が大明国の橘と思われたところからついたようですが、橘はミカンの仲間、このタイミンタチバナはヤブコウジの仲間で全く違う品種です。
しかしそれにしてもタイミンとは大きな名前をもらった樹ですね。

大明(明だけで呼ばれることも多い)は1368年 - 1644年の中国の王朝の名で、有史世界最大の国家ジンギスカンの元を滅ぼして建国された国です。
牧野富太郎先生は1862年(文久2年4月24日) - 1957年(昭和32年)ですので、まったく関係ない時代の王朝名をなぜ使ったのか興味深いところです。

そんなタイミンタチバナ。橘の名をもらったがごとくに葉は酷似しています。




樹表は



慣用(通用)名はソゲキと呼ばれるのは、板材として反りやすかったり、枝を折ると裂けたように折れるところからついたようです。

撮影ポイント:35°16'43.1"N 139°07'55.8"E
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晴れても降っても

2018年06月20日 | Weblog
今年も箱根植木さまより1名の新入社員の方が研修で弊社にお越しになられました。
Iさんです。



箱根植木株式会社のIです。出身は山形県の米沢市で大学時代は岩手で林業を専攻していました。植物に対する興味や知識を活かして物づくりをしたいと思い、造園技術者を目指しています。小田原植木では植木材料の生産現場という今後も中々見ることのできな現場での研修を通して、植物を育て利用していくことへの気遣いや難しさを学びたいと考えております。



林業を専攻した方の研修受け入れは初めてかもしれません。木の生態にもお詳しいのでしょうね。頼もしい限りです。
しかし、Blog管理者の私もそうでしたが、大学と社会はやっぱり違います。大学は勉強させてもらえる環境が整っていますが、社会は自分の意志で開拓しないと学ぶ事が出来ないことを感じました。同時に、やはり「経済」で社会が動いているので、自分の力で利益を生み出し社会に還元することが社会人を責任として求められていることも教わりました。
僭越ながら、弊社のメンバーはそうしたものをアドバイスできたでしょうか?





「背中で語る」とも申します。雨の中での作業は過酷かもしれません。そうした時でも働いているメンバーの無言の教えが研修の中で得られればお越し頂いた甲斐があるというものです。
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花菖蒲・睡蓮まつり は7月1日まで!!

2018年06月14日 | Weblog
小田原フラワーガーデンでは 花菖蒲・睡蓮まつり を開催しております。
平日にもかかわらず大型バスのツアーが2件、多くのお客様でにぎわっていました。



かきつばた、あやめ、しょうぶ、はなしょうぶ、分類方法があるのですがなかなか覚えられずに聞かれるたびにあんちょこを見てしまう繰り返しです。

梅園の清流にも



睡蓮の池の周りにも



咲き乱れ、日影のベンチでそんな花たちをめでている人もたくさんいます。



さて、季節の移り変わりを72に分けた七二候。
ただいまは、腐草為蛍の時期。あと1,2日で気候が変わり、梅子黄の時期。
花の時期は、梅も桜も早まり観光地を慌てさせましたが、実の時期は季節通りに黄色く熟しました。

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藍を集める

2018年06月06日 | Weblog


アジサイは、日本古来のガクアジサイとそれを洋の東西の人が園芸品種に仕立てた手毬アジサイがあります。

語源は何かと調べたら『万葉集』に「味狭藍」の文字があり、狭藍を評価(味)するの意味ではないか?と言われています。
狭藍は狭い所に(つまりはびっしりと)藍花が集まっているというところでしょうか。
「あづさい(集真藍)」が転じた言葉と言われていると言います。



ヤマボウシもそうですが花と言われているところは「包」や「萼」で、花は前述のびっしりとした藍の部分です。



七変化と言われるように、土壌のpHで花色が変わると言われています。
語源が藍というのできっと多くは酸性土壌に咲いていたのでしょうか。
万葉の時代に思いを馳せます。
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